101. 汚れた顔の天使
私はマフィアやギャング映画が大嫌いだし、まして銃をぶっ放す映画などは・・・。ところがこの映画は違った。どことなく引きつけるものがある。そして大詰めに来て評価がぐんと上がり、忘れることのできない感動のシーンとなる。ほんのちょっと違い(足の速さ)が大きな運命の違いになること、友情とは、真の勇気とはなどいろいろ考えさせてくれる映画だった。 [DVD(字幕)] 8点(2013-07-20 03:55:31) |
102. 潜水服は蝶の夢を見る
重い内容なのだが決して暗くはない。それどころか、自分の思いを伝えようする主人公の意志には敬服するし、周囲の声と本人の思いの違いにはユーモラスささえ覚える。このように明るさが見られるのも、映画が主人公本人の目を通しての表現になっているからだろう。考えさせられる映画であると同時に励まされる映画でもあった。この点「海を飛ぶ夢」と比べてみるのもいいかもしれない。欲を言えば主人公の周りの女性が皆美人過ぎて、 療法士二人と妻それに執筆を助けた女性をまちがえてしまいそうになる。 [DVD(字幕)] 8点(2013-07-07 06:36:30) |
103. ピノキオ(1940)
ディズニーのアニメ映画の中でも、これが一番心温まる感動作ではないだろうか。正直であることや、結城ややさしさなど子どもにとって必要なものを教えてくれる映画だと思う。子どもの時、それも早い時期に見れば見るほど感動は大きい。 [DVD(吹替)] 8点(2013-06-30 07:03:06) |
104. 刑事ジョン・ブック/目撃者
一面に広がる麦畑と緑の草原、この美しい風景はとても刑事が出てくるサスペンスには見えない。どこからかベートーヴェンの交響曲「田園」が聞こえてくるような気分になるくらいだ。しかしこの町から離れたところで事件が起き、小さな男の子がたまたま目撃したことにより、波紋が広がっていく。このあたりの展開がおもしろいし、あれだけ強引だった刑事ジョン・ブックの変わりようも良い。そしてまたアーミッシュと呼ばれる人たちの描き方が何ともすばらしい。いつも大活躍するハリソン・フォードだけど、こんなのもいいんじゃないだろうか。 [DVD(字幕)] 8点(2013-05-29 17:55:00)(良:1票) |
105. 白昼の決闘
殺し合いが大嫌いな私は、まさに西部劇中の西部劇というタイトルを持つこの映画を食わず嫌い(見らず嫌い)していた。だがこの映画はラブストーリー、憎んでも憎みきれない、殺しても殺したりないほどの愛に燃えた西部劇なのだ。悪役に扮したグレゴリー・ペックを見るのも初めてで驚いたが、インディアンとの混血娘に扮したジェニファー・ジョーンズも見事、この個性ある二人の白熱した演技に拍手。荒馬を乗りこなす技もすばらしい。 [DVD(字幕)] 8点(2013-05-20 21:36:06)(良:1票) |
106. ショコラ(2000)
心温まる名作、「北風と太陽」ならぬ「北風とチョコレート」だった。シザーハンズのような雰囲気も良いし、音楽も好き。いかにも古いメルヘンチックな幻想を抱かせる。 [DVD(字幕)] 8点(2013-05-18 21:31:29) |
107. 西部の男
《ネタバレ》 インディアンの出てくる西部劇が苦手で、やたら銃をぶっ放す米国映画が嫌いな私にとって、この映画は大変好きな映画だ。格好いいゲーリー・クーパーが地味に振る舞っているのが良いし、悪役判事のウォルター・ブレナンもどこか憎めないのが好きだ。誰にも首を振る馬もおもしろいし、神(聖書)に誓っても嘘をつくようなロイ・ビーンが、リリーの髪の毛に誓えば本当のことを言ってしまうのはもう最高。火事の中を馬車で行くシーンは思わず「風と共に去りぬ」かと思ってしまった。 [DVD(字幕)] 8点(2013-04-26 22:46:03) |
108. ラ・マンチャの男
《ネタバレ》 娼婦をお姫様、自分を騎士に見立て、大魔王が変身した風車に突進するなど、狂人としか思えないドン・キホーテ。他にもぼろ布の薄紗や洗面器の金の兜なども出てくる。しかしドン・キホーテは見果てぬ夢を追い、かなわぬ敵にも立ち向かう勇気ある正義の騎士だったのだ。映画を最初見たときは、舞台劇とは思いつつもまさかミュージカルとは思わずびっくりしたことを覚えている。宗教裁判にかけられ捕らえられたセルバンテスの物語の中の、気のふれたキハナ老人の、妄想の中の騎士ドン・キホーテの物語という複雑な構造でとまどうが、改めて見てみるとなかなかおもしろい。ミュージカルのタイトル曲や「ドルシネア」「見果てぬ夢」も良い曲だ。 [映画館(字幕)] 8点(2013-04-16 05:06:41)(良:1票) |
109. 大いなる遺産(1998)
デヴィッド・リーン監督のモノクロの「大いなる遺産」も良かったけど、米国に舞台を替えたこの映画も大変好きだ。好きなのは主役のイーサン・ホークやグウィネス・パルトローではなく、ロバート・デ・ニーロ。この大物俳優を単なる脱獄囚で処刑されてしまっては話にならない。やはり後半きちんと出てきて彼らしいアクションになるのも良い。この映画を最初見たとき、すべてが彼の差し金とわかってジーンと来た。(何か浦島太郎の亀みたいだったけど) [DVD(字幕)] 8点(2013-04-13 22:56:56) |
110. ハムレット(1996)
さまざまな解釈ができるシェークスピアの戯曲、その中でも最も長大なハムレットの物語をケネス・ブラナーは主役を演じるとともに、19世紀の世界に舞台を移しかえて作り上げた。超豪華なセットとキャスト(贅沢この上なし)は言うに及ばず、舞台劇全部を映画化する完全版。このような大がかりな映画は二度と制作できないだろうとまで言われた。これを単に映画と見れば、何と大仰なと思うだろうし、舞台劇を映像化したと見れば何と楽しめるハムレット(中身は悲劇だが)ということができよう。もちろん見る側の好みにもよるが・・・。 [DVD(字幕)] 8点(2013-04-06 15:12:28)(良:1票) |
111. 追想(1956)
《ネタバレ》 この映画のイングリッド・バーグマンはアカデミー主演女優賞まちがいなしのできばえで文句の付けようがない。またお相手のユル・ブリンナーも実力俳優らしい演技でこれまた良い。しかし、私が一番好きだったのはあのお婆ちゃん皇太后のヘレン・ヘイズ。どこかで見たお婆ちゃんと思ったら、あの「大空港」のただ乗り婆ちゃんだ。しかしこの映画はそれよりずっと前、このときは婆ちゃんと言ったら、「失礼な、無礼者」と言い返される歳(56)だったのだ。この皇太后、ラストが実に良い。自分は過去に生きる、若い人には未来があるというような粋な計らい。大感激! そして忘れられないのは、あのロシア風な哀愁に満ちたテーマ音楽。 [DVD(字幕)] 8点(2013-04-01 23:41:59)(良:1票) |
112. ハムレット(1990)
ローレンス・オリヴィエのモノクロのハムレットと違ってカラーで色がきれい。反面幽霊が出る場面は明るすぎかも。シェークスピアの原作を踏襲しながら、うまく映画としてなじんでいるように思う。キャストが豪華で、メル・ギブソンだけでなくグレン・クローズやヘレナ・ボナム=カーターなどそれぞれの見せ場があるのが実に良い。 [DVD(字幕)] 8点(2013-03-31 20:18:33) |
113. 恋人はゴースト
こういうゴーストものって昔も似たようなのをいくつか見たけれど、それらよりもずっとロマンティックで良かった。ストーリーはオーソドックスで、愛する者の口づけで目を覚ます(生き返る)というのは、「眠り姫」とまったく同じで目新しくはないのだけど、ウィザースプーンとラファロの仲がとても良く、最後は結ばれると信じていた。ラブコメでファンタジックなもの大好き。 [DVD(字幕)] 8点(2013-02-12 23:43:14) |
114. 恋人よ帰れ!わが胸に
何とか金をふんだくろうとする側と、そうはさせじと盗聴マイクや監視カメラでしっぽを捕まえようとする側のやりとりが大変おもしろい。欲に目がくらんだ悪徳弁護士や元妻でさえ、ワイルダーの元では憎めない存在になっている。正直でやさしい偽患者と親切な黒人アメフト選手だから映画の結末は容易に予想できるものの、それでもおもしろいのがやはりワイルダー。タイトルがやや気障なものだから見るのが遅くなったが、大好きな監督の映画だと知っていたらいの一番で見てただろうに。 [DVD(字幕)] 8点(2013-02-12 07:03:36) |
115. 椿姫(1921)
これまで私が見たサイレント映画といえば、オーバーなジェスチャーとアクションで笑わせるコメディがほとんどだった。その対極にあるような「椿姫」という悲恋の物語を、サイレントでどう表現するのか大変興味深かった。するとどうだろう、台詞字幕と音楽だけで実にうまく表現しているではないか。特に映画に付けられた音楽は雰囲気や細かな感情面まで実に多彩で、原作や歌劇あるいはガルボの映画と同等いやそれ以上のものを感じさせてくれた。愛する人から贈られた「マノン・レスコー」の本、それを胸に抱き死んでいく姿は涙なしで見ることができない。下の【クロエ】さんに感謝、DVDは持っていても特典として入っているとは知らなかった。 [DVD(字幕)] 8点(2013-02-09 07:18:34) |
116. オズの魔法使
何度も見た心に残る映画でなつかしい。「風と共に去りぬ」と同年の作で、戦後ようやく総天然色映画として登場した日本と違って、カラー映画の技術の差も感じる。映画のすばらしさはいうことないが、初めて見た頃の感動はなかなか思い出せない。(初めて見たときに感想を書くべき)しかし最初見た頃はかかしやブリキ男、ライオン、魔女が現実の人物と同じ人たちだとは気づいていなかった。そしてテレビもカラーではなかったような・・・ (白黒テレビ) [地上波(字幕)] 8点(2013-01-06 10:23:41) |
117. アルジャーノンに花束を(2000)<TVM>
原作も読まず、しかもオリジナルの「まごころを君に」より先に見たのだが、なかなか良かった。オリジナルの主役クリフ・ロバートソンの演技には負けるけど、映画自体はオリジナルよりわかりやすく感動的だった。主人公の能力向上の過程や心理描写もこちらが上だ。原作を読んだ人によると原作はもっとすばらしそうだが・・・。 [地上波(字幕)] 8点(2012-12-22 08:37:16) |
118. 不機嫌な赤いバラ
シャーリー・マクレーンとニコラス・ケイジのやりとりがたまらなくおもしろい。職務に忠実な警護責任者とわがままな元大統領夫人なのだが、いがみ合っているようで信頼し合っている奇妙な関係が実に良い。ただニコラス・ケイジが出ていて何もなく終わるわけがなく誘拐事件発生となるが、これがいかにもとってつけたストーリーに思えてならない。唐突的だしちょっとお粗末?なのでいささか減点。 ところでオペラは苦手というが、ニコラス・ケイジの映画で前にもオペラを見たような気がするが・・・。 [DVD(字幕)] 8点(2012-12-12 22:49:39) |
119. マレーナ
前半だけ見てたら5点か6点くらいの映画だと思っていたが、後半はずいぶん良かったし感動した。ただの青春映画ではなく、戦争という時代背景があり、歴史に翻弄された女性の物語でもあるわけだ。少年がマレーナに話をしたのは最後だけで後は全部空想だったのだろうと思う。心に残るラストだった。ところで少年が探し求めた曲、"Ma l'amore no"という曲らしいが、歌っているのは誰だろう。映画ではアリダ・ヴァリだと言ったがどうも違うような気がする。 [DVD(字幕)] 8点(2012-12-05 13:07:48) |
120. 群衆(1941)
多少お説教くさい気はしないでもないが悪くない。ジョン・ドーに込められたキャプラの思いが伝わってくる。隣人愛と言葉にしてしまえばきれいごとになってしまうが実践はとても意義あるものだと思う。彼を純粋に支援する人たちの心に感動を覚えるし、何と言ってもラストが感動的だった。それにしてもエドワード・アーノルドの悪役ぶりには恐れ入る。キャプラの映画には欠かせない人だ。 [DVD(字幕)] 8点(2012-12-03 22:52:32) |