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鉄腕麗人さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2594
性別 男性
ホームページ https://tkl21.com
年齢 43歳
メールアドレス tkl1121@gj8.so-net.ne.jp
自己紹介 「自分が好きな映画が、良い映画」だと思います。
映画の評価はあくまで主観的なもので、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

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1241.  スノーホワイト(2012)
このところのシャーリーズ・セロンは、“役選び”がとてもうまい。作品自体の善し悪しは別にして。 「ヤング・アダルト」しかり、「プロメテウス」しかり、そしてこの「スノーホワイト」しかり。  アカデミー賞を受賞した「モンスター」以降、与えられた役においてとことんまで“汚れられる”ということが、この美しい女優の最大の強みだろう。 類稀な美貌と表裏一体の「劣化」を伴うキャラクターを演じることにおいて、今彼女以上の適性を持ったスター女優はいまい。  そんなわけで、今作におけるシャーリーズ・セロンの“魔女役”はまさにハマり役だった。 何やら暗い過去を抱えつつ、他人の若さと美を吸い尽くし、残虐非道な悪役を貫き通す様は、彼女のクールな美貌に相応しい。 そして、正義に敗れ文字通り仮面が崩壊する様の恐ろしさも、彼女だからこそ成立した表現だったと思う。  と、悪役でありながら今作において殆ど主役扱いのアカデミー賞女優のパフォーマンスは賞賛に値するけれど、正直この映画の見所はただそれだけと言っていい。  映画全編通して映像に一定のクオリティーは備わっているものの、すべてのシーンが他作の使い回しのように見え、オリジナリティーがことごとく無かった。 もし、「ロード・オブ・ザ・リング」や「もののけ姫」などの作品がこの世に無いのならば、手放しで感嘆できるのだろうけれど、もちろんそうでない以上生じるのはチープな二番煎じ感のみだ。 それなりにレベルの高いスタッフは揃っているのだろうが、そこに「作家性」が皆無だったことが致命的だったのだと思う。  この映画の本来の主人公スノーホワイト即ち白雪姫は、彼女を守るべく倒れていった数々の“屍”の上に立ち、“統べるもの”へと成長していく……という風に描こうとはしている。 世界一有名な御伽話をベースにして仕立て上げられたダークファンタジーのその方向性自体は良かったと思う。 が、それも充分な尺のわりには酷く中途半端で、主人公の成長自体を描ことが出来ていないので、作品としての深みを生むには至っていない。  そして個人的に何よりもこの映画のマイナス要因となったのは、予告編で映し出されてたいくつかの印象的なカットが本編には無かったこと。 映画のプロモーションにおいてはしばしば見受けられることではあるが、どういう事情があるにしても観客に対してはあまりにアンフェアだ。
[ブルーレイ(字幕)] 4点(2013-03-03 15:42:42)
1242.  キリング・ショット
ブルース・ウィリスの意味深な台詞回によるファーストカット、郊外のドライブインでの軽妙っぽいガールズトークから突如始まる銃撃戦、静止画によるキャラクター名表示に、時間軸を行ったり来たりする場面転換……etc。 冒頭から立て続けて映し出されるそれらの要素に対して、「あーハイハイ、“彼”のような映画にしたいのね」と苦笑いが出るのに時間はかからなかった。 “彼”とはもちろん、“クエンティン・タランティーノ”である。  不思議なもので、明らかに“タランティーノっぽい”映画づくりになっているのに、そう思わせるシーンが登場する度に何だか「ダサい」と感じずにはいられなかった。 真似はどこまでいっても真似だし、クエンティン・タランティーノ以上の映画オタクでない限り、いくら真似たところであの世界観は導き出せないということだろう。 元も子もないことを言ってしまえば、タランティーノ映画はタランティーノにしか作れないという至極当たり前な結論を痛感してしまった。 クエンティン・タランティーノの映画を全く見たことがない人ならば、それなりに楽しめるのかもしれないが、“オリジナル”を経てきている以上、この映画は決して褒められたものではない。  何やらミステリアスな真相を秘めたようにストーリーは展開していくが、蓋を開けてみれば中身は空っぽに近く、雰囲気だけで切羽詰まった感を強引に出しているに過ぎなかった。 キャラクター描写も今ひとつ中途半端で、マリン・アッカーマン演じる主人公は映画内の設定程美人に見えないし、アカデミー賞俳優フォレスト・ウィッテカーが演じる殺し屋は「狂気」が空回りしていてただの馬鹿みたいに見えた。  パッケージに大写しになっているブルース・ウィリスに関しては、ある程度予想はしていたが、“キーパーソン”という肩書きの完全な脇役。 この人は相変わらず小金稼ぎが上手い大物俳優だと思う。こういうしょうもない映画にも出るし、脇役も端役も厭わない一方で、話題の大作映画にも主演し続ける。さらには日本のCMにも顔を出すのだから、本当に俳優としての商魂が逞しい。
[ブルーレイ(字幕)] 4点(2012-11-29 17:55:15)(良:1票)
1243.  ボーン・レガシー
アクション映画として“見所”は確実にある映画だとは思う。しかし、あまりに"巧くない”映画であるということも確実に言え、故に著しく面白味に欠ける映画に仕上がってしまっている。  “ボーンシリーズ”は好きだったし、主人公に抜擢されたジェレミー・レナーは昨今の再注目株だし、レイチェル・ワイズは大ファンだし、エドワード・ノートンの絡みにも期待していた。 が、終わってみると、すべてが「中途半端」という言葉に尽き、“本筋”には遠く及ばない「番外編」という印象に終始した。  敗因は色々あろうが、序盤から最も気になったのは、テンポの悪さだ。 “ボーンシリーズ”は、決してド派手なだけの描写に頼らないスピーディーでリアルなアクションシーンが魅力だったが、アクションシーンの質そのものは一定の水準を保ってはいるものの、全体的なテンポがあまりに鈍重で間延びしてしまっている。  更には、組織に追われる主人公がヒロインと共に逃避行を繰り返すという、お決まりであまりに工夫の無いストーリーテリングが、退屈さに拍車をかける。 アクションシーン自体も、他の映画で何度も観たことがあるようなシーンが繰り返されるばかりで、目新しさがまるで無かった。  そしてストーリーそのものは単純なのだろうが、作戦名等の専門用語が無駄に羅列されたり、所属がよく分からない存在感の薄い登場人物が続々と登場したり、ふいに過去の描写が挿入されたり、“ボーンシリーズ”とのリンクが無意味に強調されたりと、ストーリー構成をいたずらに難解にしているように思えた。  脚本家出身の監督なのだから、アクションシーンの多少の劣化はまだしも、ストーリーそのものがあまりに稚拙なことには、言い訳の余地はないと思うし、“ボーンシリーズ”を描き出した人だけに残念な限りだ。 もしこのまま再シリーズ化しようというのならば、再び脚本家に専念することをお勧めする。
[映画館(字幕)] 4点(2012-10-06 17:03:19)(良:2票)
1244.  北海ハイジャック 《ネタバレ》 
ロジャー・ムーアの「007」映画を観ようと物色していたら、今作のパッケージが目にとまり、イントロダクションを読む限り面白そうだったので鑑賞に至った。  女嫌い+猫好きという主人公のキャラクター性の妙だったり、作戦実行に至るまでの心理戦を映画の大半に渡って展開させる等、特徴的な面白味はあったと思うが、残念ながらそれらが娯楽性に直結していない印象を受けた。 全体的に説明不足だったり、結局は場当たり的な展開が、興を冷ましてしまったことは否めない。 クライマックスに至るまでずっと百戦錬磨の知将ぶりを誇示する主人公だが、結局お前の作戦“穴”だらけじゃん!と突っ込みを入れたくなってしまった。 自分の部下に敵と間違えられて襲われ、その部下を海にたたき落とすシーンには笑ってしまった。  その他にも、そもそも主人公の私設部隊が、黙々と訓練を繰り返してきた理由は何だったのか?など、根本的な設定に対しても説明がなく、腑に落ちない部分が大きい。 ラスト、実は主人公は犯人一味だったとか、逆転的な展開を用意してほしかったと思う。  主人公の窮地を助ける“少年”役の女優が可愛かった。彼女のキャラクターは、この手のアクション映画において、現場に居合わせた女性キャラが主人公を手助けする活躍を見せるという定番要素の走りだろうか。 また悪役を演じるアンソニー・パーキンスの存在感があり、良かったと思う。 見るべき部分がある映画であることは確かだが、総合的には褒められた映画ではなかった。  さてこのままでは、ロジャー・ムーアに対する印象が悪いので、当初の意向通り「007」を借りに行こう。
[DVD(字幕)] 4点(2012-09-20 15:16:33)
1245.  エンジェル ウォーズ
地元の映画館では、3D版の日本語吹替版しか上映していないという“暴挙”を繰り広げられたため、劇場鑑賞をやむなく諦めレンタル開始を心待ちにしていた今作。 同監督作品の「300」が個人的にかなりツボだったので、同作と同じような非現実的な映像世界をトレーラーで観た時点で期待値がMAXに上がっていた。  好き嫌いは大いに分かれるのだろうが、きっと個人的には没頭出来る映画世界を繰り広げてくれるのだろうと、期待感を保ったまま鑑賞に至ったが、結果的には大いに残念な仕上がりだった。  映像世界は確かに凄い。ひたすらにクリエイターの趣味趣向に突っ走ったビジュアルには、映像表現における“果てしなさ”を感じる。 ただし、「スゴイ」と感じる反面、それがそのままカタルシスに繋がってこない。 ただただ作り込まれたPVかゲーム映像を見ているような感覚に終始陥ってしまう。  敗因としては、ストーリーがあまりにチープすぎたことが挙げられると思う。 「300」もストーリーはあってないようなものに思えたが、それでも主人公らの「目的」ははっきりとしており、ストーリーがシンプルであることが登場人物らの意志の強さを際立たせていたのだと思う。  悪辣な精神病院に放り込まれた主人公の少女、彼女の「現実」での行動は映さずに、精神世界の葛藤のみを膨らませ破天荒なまでに展開させるストーリー設定は、とても込み入っているように見えて実のところとても程度が低い。 結果、作品の中で発せられる言葉のすべてが薄っぺらに感じられ、揺さぶられるものがまったくなかった。  どうしても酷評が先行してしまうが、好き嫌いは紙一重だったとは思う。好きな部分も沢山あるが、最終的には「思ったよりも没頭できなかった……」という印象が全てだったと思う。   子供の頃、友達の家に遊びに行って、友達らが遊んでいるテレビゲームを延々見せられたことがあった。当人たちは楽しんでいるのだろうが、僕は退屈で仕方が無かった。 なんだか、そういう古い記憶が蘇ってくる映画だった。
[ブルーレイ(字幕)] 4点(2011-09-24 02:27:38)
1246.  コクーン2/遥かなる地球
「ポリスアカデミー」は個人的に大好きなコメディー映画だったので、その主人公役のスティーヴ・グッテンバーグは思い入れの強い俳優であり、スターである。  ただし、彼の他の出演作は?聞かれても、僕は「コクーン」としか答えられない。 そういうわけで、「コクーン」という映画は、アカデミー賞監督の名匠ロン・ハワードの初期のSF作品というよりも、スティーヴ・グッテンバーグが準主役で出演している映画という印象の方が強い。 そして、その続編である今作は、スティーヴ・グッテンバーグの準主役映画パート2ということになる。  長々と作品自体には、概ね関係のない個人的印象を述べてしまったが、結論から言うと今作は「駄作」である。 前作がオリジナル性のあるSF映画の佳作に仕上がっていたのに対して、今作は、ダラダラと無駄の多い滑稽な映画であると言ってしまっても間違いではない。  前作で、異星人たちに連れられて遥か遠い不老不死の世界へ旅立っていった老人たちが、ひょこっと帰ってくる。前作のラストで、母なる地球との永遠の別れを覚悟して旅立っていったはずなので、その導入部だけで一気に萎える。  そして、異星での5年間の生活により、少しも老けてないことはもちろん、過剰なまでに若々しい老人たちのはしゃぎっぷりや、いちゃつきっぷりには、愉快さを超えて段々気色の悪さを感じてくる。  無駄に長々しい展開に対して、何度早送りをしてやろうかと思ったかわからない。  だが、この映画の質が悪い最たる点は、“時々、良いシーンがある”ということだ。  老人たちが、ふと現実に立ち返り、自分たちが選んだ道が正しかったのかと葛藤してみたり、長い年月を生きてきた故の人生観を垣間見せたりする。 そして、ラストではそれぞれの老人たちが、それぞれの思いを持って別々の道を歩んでいく。  「くだらない続編だなー」とずうっと思っていたのに、観賞後は意外に心地よい感情が残っている。  それは、前作において、実は暗に秘められていたハッピーエンドに対する“疑問符”を解消する役割を今作が担い、「駄作」なりにもそれを果たしてくれた証拠なのかもしれない。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2011-08-19 23:59:19)
1247.  テイラー・オブ・パナマ 《ネタバレ》 
何だか終止色々な“偽り”が積み重なって、大事になって、結局有耶無耶な形で決して、「え?」となる映画だった。 要は、女たらしの英国諜報部員がスキャンダルによって左遷され、追いやられたパナマで半ば自暴自棄な“大嘘”をでっち上げて、各国の政治の思惑から大金をかすめ取ろうとする話だ。  話の種類としては、他の映画には無い社会性を孕んだサスペンスで面白いと思う。 ただし、どうも話の展開が分かり辛いというか、ストーリーテリングが下手糞過ぎたと思う。  主人公は本質を決して見せない陽炎のようなキャラクター設定なのだろうが、その性質をピアース・ブロスナンがきちんと表現出来ているとは言い難く、ヒーローとも悪党ともつかない酷く中途半端なキャラクターに映ってしまい、そのことは観客をストーリーに引き込みきれない大きな原因となってしまっている。 主人公と対峙するジェフリー・ラッシュやその妻役のジェイミー・リー・カーティスは、印象的な存在感を放っていたけれど、全体的にキャラクターの描写が薄いので、言動の「理由」がぼやけてしまっていた。  特にラストの顛末には、ストーリーを結する説得力がまるで無く、この映画自体の立ち位置を揺るがしてしまっている。 ブルーレイの特典映像には別バージョンのエンディングが観られたが、そちらの方がずっと説得力があり理解が深まった。なぜ、このエンディングを選択してしまったのか、理解に苦しむ。  すべてのスタッフ、俳優が最高のパフォーマンスを見せたならば、もっと質の高い映画になっていた可能性も見え隠れするだけに、残念な出来映えと言える。  なんだか矢鱈にエロいシーンの多いジェイミー・リー・カーティスは、熟女好きの映画ファンにとっては見所と言えるかもしれないが……。
[ブルーレイ(字幕)] 4点(2011-07-06 14:35:36)
1248.  9<ナイン> ~9番目の奇妙な人形~ 《ネタバレ》 
タイトル通りに、“奇妙な人形”の「奇妙」な映画だった。ただし、その「奇妙」さが、決して映画としての“深み”に直結しているというわけではなく、想像以上に「淡白」な映画と言わざるを得ない。  ふと目覚めたつぎはぎの奇妙な人形、背中には意味深な「9」と文字。「荒涼」と化した世界に降り立ち、謎に溢れた冒険が始まる。 オリジナリティに溢れたクオリティーの高い映像は冒頭から圧巻で、印象的なイントロダクションに期待感は益々深まる。  しかし、そこから繰り広げられるストーリー展開は、王道的というよりもチープ。 破滅した世界に残された9体の人形と、世界を破滅させたマシンとの攻防は、アクション性が想像以上に高い反面、プロットに工夫が無い。  映画としては成立しないだろうが、台詞やモノローグ一切無しで、クオリティーの高い映像をひたすらに流しっぱなしにした方が、よっぽど「面白い」と思わさせるような、中身の無い勿体ない映画だったと思う。
[DVD(字幕)] 4点(2011-02-26 10:35:27)(良:1票)
1249.  サロゲート
相変わらず精力的なブルース・ウィリス、その最新主演作の予告編を映画館で見たのは覚えているのだが、この映画がいつ上映開始されていつ終了したのか、まったく把握できていなかった。そうしたらいつの間にかレンタルショップに並んでいて、「え、もう出たの?」と思いつつ、早速レンタルしてサクッと観た。  なるほどね。という印象。 どうやら「アバター」と同時期に劇場公開されていたらしく、題材的にも完成度的にも、あのモンスター映画に踏み潰されてしまったのだろう。  近未来、複製アンドロイド、人類滅亡の危機……用意されているだろうプロットは容易に読めて、危機を救う主人公役がブルース・ウィリスとなれば、殊更にどういう映画かということは想像がつく。 ただそれでもこの手のSF映画は嫌いじゃないし、最近ブルース・ウィリスの娯楽映画俳優としての評価が個人的に急激に高まっているので、期待は程よく大きかったと言える。  近未来の街並を描く映像美は洗練されていたし、アンドロイド版のブルース・ウィリスが気持ち悪いくらいに若々しく、フサフサの金髪を携えた様にはイロイロな意味で面白味があった。  しかし、この手の映画は既に出し尽くされてしまっていることは言うまでもなく、新しさも、インパクトも無かった。  主人公と妻のすれ違いの様や、同僚のFBI捜査官のキャラクター性がもう少しパーソナルに描かれれば、ストーリーに深みが出て、それがオリジナリティーに繋がったかもしれない。 89分という尺の短さや、公開時の他作とのバッティングなど「制作」というよりは「製作」の面で力の抜き加減が大いに目立つ映画とも言える。
[ブルーレイ(字幕)] 4点(2010-06-09 23:45:16)
1250.  第9地区 《ネタバレ》 
どういう“スタンス”で観るべきなのか、ということが結局掴みきれない映画だった。  南アフリカはヨハネスブルグに現れた巨大な円盤。それに乗り込んでいた数万人のエイリアンが、そのまま難民として住着く。 確実に地球人よりも高い科学力を持ち得ながら、異星への難民として劣悪な生活環境に身を落とすエイリアンたちは意味不明。そして、それを一旦は受け入れておいて、難民としての退去に役所仕事を繰り返す地球人たちは、もっと意味不明だ。  というわけで、基本となるストーリーは、整合しているようでどこまでも常軌を逸している。 その“普通じゃなさ”は、真面目な語り口になればなるほど破綻し、それこそがこの映画が狙ったシュールなユニークさだと思う。  真っ当なB級映画として捉えるのならば、とてもクオリティーの高い愛すべき映画となったかもしれない。  ただ問題は、今作がアカデミー作品賞にノミネートされていることだ。  「エビ」と揶揄されるエイリアンたちを差別の対象として描くことで、問題提起をしている部分は確かにあるのだろうが、そこにアカデミー賞にノミネートされるほどの映画としての深みがあるかというと、そんなことは決してない。  これは、奇妙な設定を奇妙なストーリーテリングで綴った悪趣味な悪ノリ映画であり、そういう風にプロモーションすることこそ、この映画の価値を正しく伝える唯一の方法だったと思う。  アカデミー賞という変な固定概念が付いてしまったせいで、「ふざけた映画だ」という印象が殊更に強まってしまった。
[映画館(字幕)] 4点(2010-05-05 23:41:12)(良:4票)
1251.  ザ・クリーナー 消された殺人
「犯罪現場の清掃人」という仕事をピックアップし、その仕事だからこそ有り得るサスペンスを描き出した試みは、実にアメリカらしいと思うと同時に、新しかったと思う。  べっとりとごびりついた血液を、サミュエル・L・ジャクソンが跡形もなく洗い落としていく様には、独特の不気味さが漂い、映画がもつ空気感を如実に表している。  レニー・ハーリンの監督作を久しぶりに観たが、流石に映画づくりに卓越しており、丁寧な描写が、サスペンスの質を高めている。 サミュエル・L・ジャクソンとエド・ハリスのパフォーマンスはそれぞれ安定して安心して映画世界に没頭できる。  “良い映画”としての要素は多分に含んでいて、意外な“掘り出し物”の予感を持ち続けて、クライマックスに突入。しかしラストの顛末で肩すかしをくらってしまった。 この手のサスペンス映画の「真相」としては、驚きがなく、説得力にも欠けていた。 主人公が抱える過去の葛藤についても終始ほのめかすだけで、その真意をきちんと描けていないことは、一気にストーリーの質を落とす要因で、致命的だったと思う。  一つ一つのシーン、カットにはエッジが効いていて研ぎすまされているだけに、ストーリー展開の稚拙さが非常に勿体ない。 90年代を代表するエンターテイメント映画監督に、今一度優れた脚本を与えてあげてほしいものだ。
[DVD(字幕)] 4点(2010-04-12 18:22:10)
1252.  インクレディブル・ハルク(2008) 《ネタバレ》 
「エンドゲーム」公開に向けたMCU作品ミニマラソン二発目。 無論、MCU作品(映画作品に限る)はこれまで全作品鑑賞しているが、初めて鑑賞した作品は、「アイアンマン」ではなくこの「インクレディブル・ハルク」だった。 日本国内では、今作の方が「アイアンマン」よりも先に公開されてしまったため、そういう鑑賞順になってしまっている映画ファンは多いと思う。 当時は、MCUというクロスオーバー企画そのものの存在を認知していなかったので、エンドクレジット後のシークエンスで“トニー・スターク”ことロバート・ダウニー・Jrが登場してきてもピンとこず、今作自体に対するフラストレーションも手伝って、「ああ企画ものなんだ……」と揶揄的に捉えてしまった。  初鑑賞時もそうだったのだが、今作は、良作揃いのMCUの作品群の中では随一の“不出来”と言わざるを得ない。 初鑑賞時は、自分自身の勘違いもあったが、同キャラクターを描いた2003年の映画「ハルク」(アン・リー監督)の“続編”と認識してしまっていたこともあり、根本的な“違和感”を禁じ得なかった。 今回、MCUの一作品として再鑑賞してみても、その“違和感”は拭いきれなかった。その大きな原因は、ヒーローの「誕生」をきちんと描いていないことだと思う。 今作では、オープニングクレジットで、“ハルク”が誕生してしまった事件のあらましと、主要登場人物たちの苦悩の様がフラッシュバック的に“雑”に映し出される。 これが当初の自分の勘違いの通り、「続編」としてのオープニングであれば全然問題ないのだけれど、まったく別ベクトルのリブート作品で、しかも今後展開されるクロスオーバー企画の主要キャラを描き出す単独作品というのであれば、この手法にはあまりに愛がなく、作品単体として面白みに欠けてしまうことは必然だったと思える。  ブルース・バナーという辛辣な運命を背負った人間の描きこみが冒頭の時点から希薄なままストーリーが展開されるので、主演のエドワード・ノートンがいくら心痛な面持ちをしてみせたところで、今ひとつ感情移入ができない。 加えて、エドワード・ノートン演じる主人公本人もそうだが、リブ・タイラー演じるヒロイン、その父親で一応の悪役であるロス将軍(ウィリアム・ハート)も、言動の一つ一つが今ひとつ利口に見えないので、それぞれ一流の科学者だったり、軍の要人というキャラクター設定に説得力を感じることができなかった。  それと比較すると、「アベンジャーズ」以降でブルース・バナー(ハルク)を演じるマーク・ラファロのハマりぶりは見事で、少ない描写の中でしっかりとブルース・バナーという一人の人間と、ハルクという哀しいモンスターを演じきっていることは、改めて賞賛に値するなと思える。
[DVD(字幕)] 4点(2009-03-21 02:16:13)
1253.  レッドクリフ Part I 《ネタバレ》 
ジョン・ウーによる「三国志」の完全映画化。 トニー・レオン、金城武というアジアきっての世界的映画スターのそろい踏みは、エンターテイメント作品としてやはり魅力的である。  ただ、ここ数年のジョン・ウー作品にはあまり“当たり”がない。 実のところ、「フェイス/オフ」を越える作品は生まれていないのではないかという感はある。 もはやハリウッドでも幅を利かせる大アクション映画監督というポジションに与えられる潤沢の資金が、総じて作品の「大味感」につながっているように思う。  そこにきて何十億という制作費を投じての大エンターテイメント作品として誕生したらしい今作。 しかも、半年後に公開されるPART2との二部作。 「大味感」に対する不安は捨てきれない。  で、どういう映画だったかというと、 ものすごく贅沢に作られた「歴史ドキュメンタリードラマ」という感じ。  冒頭のドキュメンタリー番組の1コーナーのような歴史的背景の説明モノローグから始まり、主要キャラクターが登場する度に表示される役名の字幕。 「三国志」自体に明るくない者にとっては、「~の将軍」などという説明は分かりやすくはあるが、当然ながら映画としての質を落とすモノだったことは間違いない。  詰まるところ、全編通じて、三国志の中の「赤壁の戦い」の始終をただなぞっていくような印象が抜けず、各人物についてのドラマ性が薄く、のめり込むような感情が生まれない。  俳優たちの表情や一つ一つのシーンには雰囲気があり、それぞれを切り取ったなら質の高さを感じる。 しかし、一つの映画作品としては決して面白味のある映画とは言い難い。 そもそも「三国志」という物語そのものにある程度の造詣があったなら、もう少し印象が違うのかもしれないが。 
[映画館(字幕)] 4点(2008-12-01 00:02:55)(良:1票)
1254.  インサイド・マン
シャープな映像感覚、ユーモアと社会風刺に富んだ流れるような台詞回し、全編通してスパイク・リーらしい映画世界には中だるみなく引き込まれる。伏線をおおいに孕んでいそうな“強盗計画”の展開により、その吸引力はさらに強まっていく……。 が、最後の最後でどうも乗り切れないというか、今ひとつこの作品が持つストーリーとしての「解放感」を得ることができなかった。ストーリーに説得力がないとも言えるかもしれない。 たぶんそれは、主要人物たちの掘り下げ方がどこか中途半端で、軽薄だったからだと思う。だからラストの顛末に、明確な「意思」や「ドラマ性」が生まれていないんだと思う。 ものすごく映画としてレベルの高い雰囲気を出していただけに、残念だ。
[映画館(字幕)] 4点(2006-06-14 19:15:12)
1255.  刑事コロンボ/もう一つの鍵<TVM>
犯人の女が醜いほどに感情的で、低能すぎる。あんなに強引に殺害しては、コロンボに対してスキを見せるばかりだ。観ている側にもスリリングさが無かった。感情的で計画性のない犯人のキャラクターなのだから、どうせなら犯行そのものは、当初犯人が計画していた通りに進行してほしかったと思う。それでやっとコロンボといい勝負になる。 レスリー・ニールセンが若かった。
[DVD(吹替)] 4点(2005-11-21 11:22:48)
1256.  ロング・エンゲージメント
やはり致命的なのは、冒頭から登場人物の名と風貌が分かりづら過ぎるということだと思う。“脇役”のキャラクターを掘り下げそれぞれのエピソードをユーモラス(且つ生々しく)に挿入するというのは、ジュネ監督の得意な手法だ。が、今回のそれは戦下という環境での風貌の区別の付けにくさと、その“脇役”たちが物語の中核に関わってくるということで、ただただ“分かりにくさ”という要因になってしまった。 加えて、ジュネ監督独特の“ファンタジー”と“悪趣味”が見事に融合した映像世界は相変わらず秀逸だったが、物語の大筋自体に盛り上がりと深みが感じられなかった。テンポ良く話は展開し、“謎”は解明されていくのだが、“結局だから何なのだ?”と拍子抜けしてしまう感は否めなかった。 個人的に鑑賞後に一番大きく残ったのは、「えッ!あれジョディ・フォスターだったの?」という驚きだった。
[映画館(字幕)] 4点(2005-04-10 11:20:44)
1257.  ヴィレッジ(2004) 《ネタバレ》 
「シックス・センス」「アンブレイカブル」と飛躍的に自らをビッグネームへと押し上げたが、「サイン」によって一気に奈落の底へ落ちかかっているM・ナイト・シャマラン。個人的に前作からの多大な不安が心中渦巻いていたため、実際に「語ってはならぬもの」が出てきた時には「またか…!」と気が遠くなりそうだったが、何とか後半盛り返してくれたというのが正直なところだ。非常にミステリアスな空気感や絶妙な恐怖感は流石のもので、ギリギリのところでシャマラン復活への「道標」はできたのではないかと思う。しかしながら、よくよく映画を思い返してみれば、完成度の高い空気感の裏で稚拙なストーリーに対する粗が際立ってくる。一々言及はしないが、シャマラン監督の「信頼回復」への行く先にはまだまだ靄がかかっているようだ。 追記:今作は登場人物が限られるので難しかっただろうが、(意地の)シャマラン監督出演には笑ってしまいました。これはこれからも貫いてほしい。
[映画館(字幕)] 4点(2004-09-13 18:32:54)
1258.  ウインドトーカーズ
ストーリーのクオリティとすれば陳腐もいいところで、ディティールの軽薄さには失笑してしまう。しかし、元から期待していなかったことも手伝って、映画自体は娯楽映画として楽しめた。戦争映画とは決して言えるシロモノではないけど、基本的なエンターテイメント性は備わっていたと思う。その辺りはさすがジョン・ウーとも言えなくはないが、彼にとって駄作であることには変わりはない。それにしても、最近クリスチャン・スレーターはよく死ぬ…。
[ビデオ(字幕)] 4点(2004-01-30 14:51:04)
1259.  ジョンQ-最後の決断-
この題材で主演がデンゼル・ワシントンだとどうしてもストーリーが読めてしまうことは仕方ないことだと思うが、それにしてもあまりに展開があざとかったと思う。主人公の行動は犯罪行為ではあるが、その行為に対して観客が共感するのは明らかなわけで、それならばもっと主人公に自分の行動に対する葛藤がほしかった。あれだけ作中でも彼の行動を正当化されては、リアリティに欠け逆に盛り下がる。読み読みの展開の後に用意された更にありきたりな顛末も興ざめする。
4点(2004-01-26 19:23:42)
1260.  サウンド・オブ・サイレンス(2001)
サスペンス映画としてはもはや王道的なストーリー展開はあまり新鮮味がなく特筆するインパクトもなかった。予告編の雰囲気は良かったので期待したが、予告編そのままの内容に終始している。
[ビデオ(字幕)] 4点(2004-01-18 04:15:07)
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