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1.  TENET テネット 《ネタバレ》 
全く万人向けではないし、一度ではまず理解できないが、凝っていてよく出来ている作品。とりあえず初めて見るときは ・順行が赤、逆行が青でカラーリングされている ・マスクをしているのが逆行(この理由はあとでわかる) ・逆行ではBGMが逆再生 あたりを分かっていると見やすいかも。基本的には前半1時間30分強が順行ストーリー、そこから折り返して1時間弱が逆行。順行がいささか長すぎて面白味に欠けるシーンが多いのが難点。物理っぽい説明もちょこちょこ入っているが、わりとSFストーリー都合になっている部分もあるので「この世界はそういう設定なのね」程度に聞き流しておいていい。    【以下猛烈にネタバレ】 ■回転ドアに時間順行から入ると時間逆行になって出てくる。これを外から見ると同一人物が2人回転ドアにそれぞれの入り口から入って消えたように見える(あるいは逆の場合、無から同一人物が2人出てきたように見える)。この辺は素粒子物理の粒子と反粒子の対生成・対消滅をモチーフにしているのだろう。これを使うと、同一の時間に同一人物が2人以上(順行と逆行で)存在できるようになる。これが大前提の舞台設定。  ■繰り返し出てくる「起きたことは仕方がない」「無知こそが武器」というセリフ、これは「すでに生じた(と知っている)ことは変えられない、それは必ず起きないといけない」という世界のルールを示しているのだろう。そのため、カーチェイスで主人公は最終的にアルゴリズムが奪われるような行動をしなければいけなかった(なぜならそれが起きたことを知っているから)し、ニールは最後に地下に死にに行かなければいけなかった(なぜならニールが死ぬことはすでに知っているから)。逆に言えば「知らなければ変えられる余地がある」ということなのだろう。  ■同一人物が2人以上出るのは、オスロ空港とカーチェイスの2回で、ここは確かになかなかよく出来ていると思った。特に撮影は大変だっただろう。ここだけでも何回か見返すと作りの精巧さを感じられると思う(しかし逆に作りが精巧なのはここだけという気もする)  ■しかしそのうえで、映像のインパクトという点でいうと、「インセプション」の方が大分上という印象である。飛行機が突っ込むシーンも金がかかっている割には地味だし、逆走カーチェイスは面白いがその手前のトラック3台+はしご車のシーンはあまりインパクトがない。ラストは人を多く送り込みすぎてごちゃごちゃしてしまい、舞台設定も廃墟で絵的に映えなくなってしまった印象。送り込むのを5人+5人の少数精鋭という設定にした方がよかった気がする。  ■ストーリーについても、設定そのものは壮大なものでなくてもいい(インセプションだって「ライバル企業を追い落とす」というしょうもないものだし)のだが、最後にキャサリンが我慢できなくてセイターを撃ち殺してしまうとかはちょっとしょうもなさすぎる。もう少し緊張感を高めたまま話を進められただろうにと思う。  ■生きてない設定、変な設定もある。逆行中に自分と会うと消滅という設定はどこで効いていたか分からない。あと「熱いと寒くなる」はそもそも物理的にも無理(分子運動を逆再生してもエネルギー=温度は変化しない)だし、これが生きてるのがカーチェイス後のガソリン燃焼だけだからこれはなくしてよかっただろう。逆行中の人が順行中の人や物を攻撃した際(あるいはその逆)の影響の出方、傷が出来たり壊れたりする時間の方向、がシーンによって一貫していないように見える。ここは重要なのでもう少し一貫するように考えてほしかった。  ■アイデアは秀逸だが、脚本の詰めも映像的な魅力ももっと高められたと思う。次回作に期待。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-05-28 21:55:58)(良:1票)
2.  NO 《ネタバレ》 
■1988年のチリのピノチェト大統領の信任国民投票、独裁政権が国際社会の圧力に負けて形だけでも行うということでなされた国民投票だったが、当初の予想を覆して大統領が不信任(NO)されたという実話を、NOキャンペーンを担った広告マンを軸に描いた映画。本映画の3割ほどが当時の実際の映像だという。題材は非常に意義深いもので、この歴史的事実は多くの人に知られるにふさわしい出来事だと思う。  ■描かれている出来事そのものは劇的だし面白いもののはずなのだが、映画は非常に淡々と進む。最初の方では「不信任が勝ったら奇跡」と当の不信任の陣営が口をそろえて言っていたのに、いつのまにか不信任遊星の状況になりピノチェト他政府側が必死になっている。いくらドキュメンタリータッチだと言っても、何が間にあってこの逆転が起きたのか、ビデオ撮影している以上のことがほとんど描かれていない。  ■実際には、かなり入念な調査、準備、多くの人の協力とムーブメントがあったらしい。「「ピノチェト・ノー」の運動」(http://www.tufs.ac.jp/ts/society/masaaki/news/no.htm)のページには詳しく出ているが、こちらを読んでいる方が手に汗握ってしまったのはやや残念なところでもある。
[DVD(字幕)] 6点(2018-07-10 00:20:58)
3.  オデッセイ(2015) 《ネタバレ》 
前評判で「火星版DASH村」という声を多数聞いていたが、実際見てみてなるほどそういう気はすると思った。状況設定は「アポロ13」を上回るような危機的な状況で、地球上の人々が全力支援して地球に帰還するという話の構造も「アポロ13」と同じなのだが、とりあえず主人公のノリが軽い、軽すぎる。いかにも楽しんでる風にビデオに語り掛け、「船長の音楽の趣味は最悪ですね」のようなしょうもないことを話すシーン多数。シリアスな危機として描く方法はいくらでもあっただろうに、そういう雰囲気はみじんも感じられず、ゆえに「どうせ助かるんでしょ」感も満載になっている。  ■ではつまらないのかというとそういうわけではなくて、暇つぶし的には非常に楽しめる。特に退屈することなく2時間半見れる映画ではある。深みがあるかと言われると微妙ではあるが。  ■ちなみに、言われているよりは科学考証はしっかりしていると思う。火星で突風が吹く可能性は近年の研究で指摘されてきている(まだ未解決)ことだし、ランニングマシンのあるエリアだけはちゃんと回転機構になっているので遠心力で疑似重力が作り出されるようになっている。通信の時間差も(もちろんラグ自体は映画中ではわざわざ描いていないが)、映像通信が地球付近のみになっているあたりちゃんと考慮されている。もっとも最後の噴射はあんな感じになるとは考えにくい気がするし、元ビニールハウスの建物の入り口をビニールで覆うだけで空気漏れが大丈夫なのかはかなり疑問ではあるが。
[DVD(字幕)] 8点(2016-02-14 05:23:25)
4.  ローン・サバイバー 《ネタバレ》 
悪い映画ではないし、折角人助けしたのにそれが仇となって隊員の大半が死ぬという報われない辺りもリアルなのだが、戦闘シーンがひたすら似たような銃撃戦で、いささか単調さがぬぐえない。崖を転がり落ちる逃げ方も、救援のヘリコプターも、結局あまり役立たずに犠牲だけ出してしまった感あるし。特に4人を助けに行ったヘリが墜落して16人死んじゃったら何の意味もないでしょと。
[DVD(字幕)] 7点(2015-09-09 23:54:52)
5.  プリズナーズ 《ネタバレ》 
娘が失踪、明らかに娘を知っていると思しき発言をする知的障害の男が捕まるが証拠不十分で釈放、父親は彼を犯人と決め付け娘の居場所を白状させるために彼を捕えて拷問する・・・というヒューマン・サイコサスペンス。サスペンスよりヒューマン面が強いかと思いきや意外とサスペンス性もあり、また同時に宗教色も強い作品。  ■息子を癌で失ったため、信仰を失い逆に神への反逆として次々と子供を殺すホリーとその旦那。娘を殺されても信仰を失わずに、神に許しを請いながら許されざる道へと進むケリー。第三者的、理性的に行動するロキ刑事。三者は「悪魔」「神」「異教徒」と区分でき、そして本映画で重要な点は、神を排する理性的な異教徒は一見冷静でいながら核心に迫れず、謎の解決に到達できるのは半ば不合理にも見える行動をとる神(ケリー)の側だということであろう。その意味では、冒頭の聖書の一節が述べているように、信仰に基づいていれば、罪を犯そうとも救われる、すなわち半ば拷問が肯定されているとさえいえる。  ■冷静に考えれば、アレックスが犯人ではなく、しかし明らかに娘と接触していることと、20年以上前のバリー誘拐の際に同じキャンピングカーが目撃されたことを組み合わせると、ホリーが犯人としか考えようがない。このままだとあまりにストレートなので、大量のミスリードを仕込んでいることは半ば仕方がない気もする。ただ、細かいところを「薬」でどうにでもよくしてしまうのはちょっと都合よすぎではあるが・・・  ■落ち着いてみると、明らかに警察が怠慢。少なくともケリーの別邸を捜査しないのはありえないレベル。病院からケリーがホリーの家に向かった際に、誰もケリーの車を追ってないのもあまりに不自然。その他いろいろとあらはあるが、しかし真に迫る作品ではあったと思う。
[DVD(字幕)] 9点(2015-07-10 00:46:41)
6.  インターステラー 《ネタバレ》 
SFの形態をとってはいるが、SFを用いた人間ドラマが主軸。その意味では、画的にきれいなシーンもいくつかあるが、全体としてみて2001と対比するのはいささかずれている気がする。  ■地球を救うために最後の開拓に飛び立つ、という展開は非常にオーソドックスだが盛り上がる展開で、またその中で残してきたものとの関係、家族と再会したい者と人類に賭ける者との対立など、いろいろよく描けている。小説だと『ゴールデン・フリース』が似ている気がした。あれだけの大志をもって飛び立ちながら、孤独に寄って心をむしばまれていく、という豹変も、あの残酷な世界に一人ぼっちの苦しさを考えると理解できる。  ■「解がない」ことを隠した展開は、バッドエンドならば某記憶喪失映画に近いが、この映画では最終的にはハッピーエンドにこぎつける。しかし、ブラックホールの中が時空を超えるヒントになるという設定まではいいが、あの部屋とだけダイレクトにつながるという設定はいかにもご都合主義というかもはやしらけるレベルだし、ブラックホール内の造形もいかにもただの人口施設という感じで、それまでの星の作り込みと比べると貧弱さを感じる。  ■「インセプション」と同様時間のずれをうまく使っており、その辺りは面白い。ただ「1時間が7年になる水の惑星」からの帰還で、ひげが生える程度であまり時間経過感を出せていなかったのは残念。
[DVD(字幕)] 8点(2015-07-09 10:45:07)(良:1票)
7.  キャプテン・フィリップス 《ネタバレ》 
シージャックものだけれど、アクションシーンがあるような作品でもなく、淡々と事実を描き出している良作。決して海賊を単なる悪者と描きわけでもないのは好感。  ■最初の方、一回ボートに襲われかけて何とか逃げ切ったのち、翌日になると再び襲われるという下りで、船員だったらすさまじい悪夢を見ているような感じになるだろうなぁと思った。見つかってはいけない船内避難も、終始ひやひやしていた。  ■しかし、あの土壇場で紙とペンとって遺書書くか?とは思った。変な動きするなと散々言われていながらあれは殺されに行くようなものでしょ、と。隙をついて海に飛び込んで逃げようとした人と同じとはどうも思えなかった。  ■ただしシージャックものだと、タイトルズバリの「シージャック(2010)」の方が緊迫感とリアリティは(こっちはフィクションなのに)上に感じてしまった。ので9点でもよかったのだがそれとの差別化のため8点にしておく。  ■ちなみに、ソマリア海域は外国企業の工場による汚染などで漁場がやられてしまい、漁師は海賊になるぐらいしか食っていく道がなくなってしまった、という背景事情はあるらしい。海賊の側も海賊なんてしないで済むならしたくない、という感じは常に出ていた
[DVD(字幕)] 8点(2014-04-10 00:52:20)
8.  フッテージ 《ネタバレ》 
バイオレンス描写に頼らず、ストーリーと音だけで勝負している正攻法のホラー映画。次に起きることはかなり予想可能なのにもかかわらず、見て「ぎゃっ!」となるシーン多数(特に芝刈り機。あれはぞくっとした)  ■設定がそもそも強引(首つり事件の謎を解くために、事件の家に家族で引っ越してくるとか、家族のことなんだと思ってるの!?)なのだが、序盤の展開は不穏な空気が漂っていてよい。しつこすぎないけど不意に物音がしたり、テープが毎回勝手に動いていたりと、不安感だけが煽られる。  ■しかし、子供たちが現れ始めてからは、正直「現実的なオチはないんだ」と分かってしまい、かなり興ざめではある。超常現象なら「なんだってあり」なわけで、だとしたら超常現象と分かってからの展開が間延びしすぎ。途中から「元の家に戻って、そこで殺される」は見え見えなわけで、そうするとむしろ「早くしろよ」とじれったく思える。  ■途中までは非常に良かっただけに、後半の展開をもっとうまく工夫できればいい作品に仕上がったのに、と惜しく思う。
[DVD(字幕)] 7点(2014-03-04 01:09:53)(良:1票)
9.  誘導尋問<TVM> 《ネタバレ》 
アメリカで実際にあった冤罪事件を扱った社会派作品。まったくもってやりきれない話ではあるが、非常に重く見応えは十分ある。  ■保育園を経営する一家が、児童の性的虐待で訴えられるという話。メディアは保育園を悪魔のように報じたてる。児童も次々と性的虐待を証言していく。しかし、最初は軽い気持ちで引き受けていた弁護士は、調べていくうちにこれらの証言の怪しさが明らかになってくる。。。  ■検察がメディアに振り回され、また最初踏み込んだ判断の誤りを認めたくないがためにずるずると問題を引きずってしまうというのは、日本でもどこぞの裁判で起きていることのようであり、全く他人事とは思えない。裁判が終わるまでは推定無罪とする原則も、メディアでは全く守られている様子はない。  ■ちなみに、偽の記憶を作り出すカウンセリングは、この映画だけ見るといかにも強引でありえなく見えるかもしれないが、こういったことはアメリカでは結構起きていて実際に問題になっている。この辺はロフタス&ケッチャム『抑圧された記憶の神話――偽りの性的虐待の記憶をめぐって』に出ている。カウンセラーに偽の記憶を植え付けられ、親を訴えるという事件も多数起きている。偽の記憶を植え付けられた子供たちも被害者と言えよう。痛ましい話である。
[DVD(字幕)] 9点(2014-02-26 00:30:31)(良:1票)
10.  蜘蛛女のキス 《ネタバレ》 
同性愛者と政治犯の刑務所もの。同性愛者モリーナは実は政治犯ヴァレンティンの情報を引き出すためのスパイであるが、二人の心の交友は見ていても痛く心悲しい。  ■二人の対照的な生き方が、しかし交わりそうで交わらない関係と共に描き出されている。自分の殻と頭の中の世界に生きる男、現実を変えるためにすべてを投げ打とうとする男、好対照な二人の間には友情(愛情)が芽生え、最後にはモリーナは密告の任務を捨てて連絡役を負うまでになる。  ■しかし、やっと現実で生きようと思ったモリーナは、実は当局におとりとして使われているだけであり、それに気付いた地下組織に殺される。一方現実のために戦っていたヴァレンティンは、拷問の末に最後には幻想の世界へと羽ばたいてエンディングを迎える。何とも言い難いラスト。  ■同性愛ものはなんかとっつきにくいものが多かったが、これはかなりスムーズでそして美しく描けているように思った。
[DVD(字幕)] 8点(2013-11-21 00:01:56)
11.  ローリング・サンダー(1977) 《ネタバレ》 
脚本が同一というだけあり、「タクシードライバー」の要素をさらに先鋭化させたような作品。  ■とにかく前半の展開は壮絶。戦争捕虜になってやっと帰国したら妻は友人に寝とられている。挙句、強盗に襲われて拷問にかけられて右手を粉砕され、妻子を殺される。ここまでやるかという展開。これがラストの復讐劇に説得力を与えている。  ■「タクシードライバー」の主人公が行き当たりばったりなアジト乗り込みだとすれば、こちらは犯人グループを追い求めた末の銃撃戦なので、真に迫っているのはこっち。しかし、どう見ても一般受けしなそうな撮り方で、カルトとされる理由もよく理解できる。爽快感などまるでない結末は、まさに捕虜収容所の段階ですでに死んでしまった男の心の内を照らしている
[DVD(字幕)] 8点(2013-11-18 23:30:59)
12.  ロッキー 《ネタバレ》 
有名だが見ていなかった映画だったのでついに鑑賞。え~、こんなご都合主義的かつ単純なストーリーなの、というのが率直な感想。  ■アポロとの対戦の経緯はあまりにも唐突というか、まずはありえないような展開だし、エイドリアンとの恋もあんな簡単に成就するわけがない、と思ってしまう。そしてあんなわずかな期間で世界チャンピオンと互角に戦えるようになれるというのは、もう妄想の世界。  ■ファイトシーンが意外と短いのは全然よいというか、そこが本質でないので全く問題ないのだが、この映画において最も重要なはずのトレーニングの描写が、ただ練習シーンをカッコよくつなぎあわせているだけなのが、あれれという感じだった。「自分はただのゴロツキなんかじゃない」と示すために、奇跡的に掴んだ幸運を生かすべく、必死で血のにじむような猛特訓をした、という部分こそがこの展開においては最重要だと思うのに。あれだと「そこそこの選手ならだれでもやってるトレーニング」にしか見えない。  ■確かに安心して見ていられるサクセスストーリーではあると思う。でもこれがアカデミー賞作品賞かあ・・・とは思ってしまった。
[DVD(字幕)] 6点(2013-11-10 23:58:39)(良:1票)
13.  レマゲン鉄橋 《ネタバレ》 
どちらの立場を賛美するでもない、淡々とした戦争映画。橋の奪い合いを中立的な視点で描いている。  ■戦闘シーン、特に街の破壊シーンは確かに見ごたえがある。しかし、それ以外のシーンはいささか間延び感が否めない。  ■そして何より、ドイツ軍が英語の段階で興醒め。あれは何とかしてほしかったなぁ。。。  ■悪くないが今一歩という感じの作品。まあ時代性でしょうか
[DVD(字幕)] 7点(2013-10-30 00:16:12)
14.  白い家の少女 《ネタバレ》 
これは全くサスペンスではない。DVDの文句はそういう感じだが、実際には少女の心理がメインなのだろう、という作り。  ■しかし、やはりジョディ・フォスターの魅力にぶら下がっているところは多いかなあという印象。ストーリーに格段の驚きはなく、人物の掘り下げがあんまりうまくできている気はしない。状況設定もイマイチ腑に落ちない(というか過去についてもう少しきちんと描くべきでは)  ■演技はさすがだが、しかしナタリー・ポートマンのインパクトに比べるとどうしても劣るかなあ・・・  
[DVD(字幕)] 5点(2013-10-29 00:57:35)
15.  サイド・エフェクト 《ネタバレ》 
社会派的な雰囲気があるが、サスペンスのウェイトが高めな印象を受けた。ひねりの度合いは大したことないけれども、きちんと描き出していく正統派という感じ。  ■薬の副作用による殺人、がメインだけれども、前半は謎解きうんぬんよりも主人公周りの人間ドラマ・社会派が主という感じ。ジュード・ロウが誠実なんだけれどもなんか怪しげな感じもしていて、どういう風に転ぶのかなかなか読めない。巻き込まれて地位も家族も失っていく感じは悲劇的。  ■ただ、後半の謎解きは逆に一気に進み過ぎてしまったかもしれない。あんなにうまくいくかなぁ、というラストの決着だし、殺人の動機も「これだけ?」という気分も残る。  ■見せ方はヒッチコックばりで非常にうまいと思った。見ている時間は引き込まれていた。  
[映画館(字幕)] 9点(2013-10-03 00:01:56)(良:2票)
16.  キャビン 《ネタバレ》 
確かに終盤の展開は「予想は出来ない」けど、しかしそれは別に売り出しポイントでもないような、と言う印象。冒頭の段階で中盤までの展開(バリアーの存在等)や背景はあらかじめ出してしまっているし。  ■中盤までは、監視者の手の上で踊らされていたぶられるという、わりと「ありがちな展開」。終盤の怪物大暴れは面白いけど、だったらそこにもっとウェイトがかかるような構成にしたらよかったんじゃないかなあ。まあホラー好きならあんだけ過去の主役が出てくりゃそれだけで満足だろうけど。  ■設定もよく分からない。 ●「来年頑張れ」云々の話があったが、これを毎年やってるのか? ●だとすると、世界各地に何であんなに支部がありそしてあれほど強大な力を持っていながら失敗しているのか? ●ときどきセリフに出てくる「客」って何?生贄の儀式なら所定の死に方をすれば神々は満足なはずでは? ●怪物をランダムに選ぶのもよく分からない。ここまで儀式に含まれているのか? ●だとしても、これだけの組織なら誘拐してきて縛っておけば十分では? ●あの怪物はどうやって作ったの?まさか捕まえたの?  野暮だけど挙げていくときりがない。 それでもまあ見ている間はそこそこ面白かったとは思うが。
[DVD(字幕)] 7点(2013-09-21 00:23:15)
17.  ゼロ・ダーク・サーティ 《ネタバレ》 
見ていてつまらないわけでは全くないのだが、淡々とし過ぎていて何をしたいのかよく分からない映画だった。  ■エンターテインメントとして見た場合には、明らかに盛り上がりや緊迫感に欠ける。削るところをたくさん削り、緊迫するシーンに注力した方がいい。事実を並べただけではサスペンスは弱い。  ■マヤの人間ドラマとして見るには、彼女の心理描写があまりに少なすぎてよく分からない。それを描かないにしても最低限の描写がないと、彼女の執念が見えてこないと思うが、それが全然描かれない。これはさすがに問題。  ■社会派ドキュメンタリーとして見た場合。恐らくこれが最も正しい見方なのだろうが、そうだとすると最も問題となった「捕虜虐待の正当性の問題」及び「パキスタンの主権侵害の問題」がほとんど描かれていない。そここそが米軍のビンラディン追尾活動で最も苦労したところであろうし、その問題に取り組むことこそが「社会派」たる部分であろうが、それが全くない。パッケージに「アメリカが隠してきた事実」とあったが、アメリカが表に出したがらない理由はまさにこの問題があるためであろうが、謳い文句で使っておきながら結局ほとんど取り上げないのでは、何をやりたかったのか分からない。  ■結局、どこから見ても中途半端な作品になってしまった印象。素材はいろいろと料理出来ただけに残念
[DVD(字幕)] 6点(2013-09-09 23:51:27)
18.  マーサ、あるいはマーシー・メイ 《ネタバレ》 
うーん、主題や雰囲気は悪くないんだけれども、全体に説明不足かつ構成があまりよくない印象。残念  ■カルトで2年間過ごした妹の、その洗脳とそこからの離脱の困難さが主題。妄想に囚われるさま、歪んだ共同生活で殺人にまで及んでしまうさまなどはなかなか良いと思った。全体的に静かなのだが、テーマとしては過剰演出しない方がいいだろう。  ■しかし、第一にあまりに描かなさすぎる。主人公は過去何があったのか(なぜカルトに踏み入れたのか)、カルトはどのような組織なのか(少なくとも最初の主人公にはどう見えていたのか)、なぜ逃げた主人公を連れ戻さないのか(殺人の目撃者なのに)等。一線を踏み越えた後の葛藤等は別に描かなくてもよいが、主人公の生い立ちやカルトの性質はきちんと説明しないと意味が分からない。  ■カットバックという構成もあまりよくないように思う。幻覚と現実を混ぜるのはよくある手法だしそれはいいのだが、過去と現実を混ぜるのは単に観客が混乱するだけでさしたる意味があるように思えない。過去と現在はどちらが先でもいいがまとめてあげた方がよかったと思う。  ■ちなみに、姉夫婦の行動もよく分からない。裸で泳ぎ出した段階でどう見ても「おかしい」のであり、話したがらないからと言って妹を放ってはおかないだろう。2年間のブランクをもう少し探ろうとするだろう(どう考えてもそれが原因なんだし)というイライラが隠せなかった。
[DVD(字幕)] 5点(2013-09-02 00:05:23)
19.  レッド・ステイト 《ネタバレ》 
とにかくこの作品は先が読めない。もともと出会い系サイトで女とやりたいという不純な動機の三人組が主人公なのであまり同情できない(事故を起こして平気で逃げてるし)というのは、どういう展開にしてもいいですよねというシグナルとも言える。しかし、あまりにジャンルは超えているし、先の予想がつかない。  ■一人目は一応戦闘で死んでいるからまあ予想できるとはいえ、二人目・三人目はまさに救われない死に方。こんなにあっさり殺していいのかと思いたくなるぐらい。途中から銃撃戦映画になるし、どう考えても救われてほしい人がとんでもない死に方をして、一番の悪玉が生き残るという不条理映画だが、最後で突然尋問シーンにいったりと、どこへ行くのか分からない。  ■ちょっと無理やりな構成の気もするけれど、野心作ということか。
[DVD(字幕)] 6点(2013-08-24 00:12:01)
20.  クラウド アトラス 《ネタバレ》 
壮大な物語。3時間で6つの話が並行していて、最初は混乱するが、最後に向かってまとまっていくのは圧巻。  ■さまざまな物語があるが、通底するメッセージは分かりやすい。自由と抑圧、そして自由のために戦うこと、正しきことを行うこと。端々もまたつながってきて面白い。  ■映画通だと細かいシーンがいろいろとオマージュになっていたりして楽しめる。「ソイレント・グリーン」は老人ホームで突然出てきたが、いうまでもなくネオソウルの伏線。老人ホーム脱出直前の「ローレンス・オリヴィエとマイケル・ケイン」発言は恐らく「スルース」の「実は死んでないよ」の暗示。ネオソウルの戦闘シーンは「リベリオン」のガンカタを彷彿させられたし、ペ・ドゥナはもろに「空気人形」。70年代の移民の仕事場で犬が殺されるのは「吠える犬は噛まない」を意識してか。音楽家が「お前は撃てない」っていってたら撃たれて、でも死んでないというのは「ブラッド・シンプル」のオマージュかな、等々  ■俳優も1人6役やっていて、エンドクレジットで明らかになるけど、さすがにこれは分からん。解読サイトもあるので気になる人は調べてみるのが吉
[DVD(字幕)] 9点(2013-08-17 01:07:50)
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