1. レ・ミゼラブル(1998)
《ネタバレ》 私にとってリーアム・ニーソンの最高傑作です。シンドラーのリストより上です。 エポニーヌの出番が全くないと言われますが、ジャンバルジャンとコゼットがよく描かれていて素晴らしいと思います。 特に印象に残ったのは、やはりジャベール警部との最後の対決ではないでしょうか? ジャベール警部は自分の持っている正義を貫き通すために、否、貫き通すことと、ジャンバルジャンを助けることを天秤にかけることで、死んで自分の人生を全うしたのだと思います。 私は2012年のミュージカル映画のジャベールより、こちらのほうが好きです。 その後の展開が描かれていませんが、これはこれで傑作だと思います。 何度観ても飽きません。奥が深いです。 [CS・衛星(吹替)] 10点(2013-01-11 00:29:05) |
2. ディアボロス/悪魔の扉
《ネタバレ》 ヤフーの無料動画で凄い点数が高かったので予備知識なしで観賞しました。 私の大好きなアル・パチーノと私の大嫌いなキアヌ・リーブスの共演。 サブタイトルから冒頭の教会のシーンで何となく自分なりのイメージを捉えてしまいながらも現実的な法廷ドラマから徐々に変貌していくストーリー展開にドキドキしました。アル・パチーノの存在が大です。 話は変わるのですが、先日放送されたテレビ番組でアメリカのエクソシスト(悪魔払い)の話がVTRで流されて、スタジオのタレントが「そういえば日本にはエクソシストみたいな話ってないですね」なんてコメントが出たんです。 そうなんです。キリスト教の教えには、その教えを伝えるために「悪魔」という者の存在を作りだしたという伝えがあるんです。 本作で悪魔が言う「虚栄は私のもっとも好む罪だ」。いいセリフだと思います。 このサイトでは辛口レビューが多いですが、DVDは絶版、レンタルショップにもほとんど置いていない。ヤフーの無料動画GYAoでは、2012年3月24日まで配信されています。 騙されたと思って観て下さいな。 もう半分ネタバレしちゃってるけど、ホラーとサスペンスの両方を味わう事ができます。 [インターネット(字幕)] 10点(2012-03-02 05:10:18) |
3. この自由な世界で
《ネタバレ》 よくこんな脚本で賞が取れたなって思う。冒頭、若いイケメンを体目当てに仕事を斡旋する主人公が、セクハラ行為を受けた翌日クビになる展開はよかったが、33歳、シングルマザー、カード地獄という設定の割には、バイク、車、パソコン、事務所、そして起業まで、全てがトントン拍子で運んでいく展開に生活の匂いを感じることができない。 「人材派遣」なんてものは、言い換えれば、ピンはね業で、そんな稼ぎ方をしている人間に「愛」を語る資格なんてあるのだろうか? 観賞中、そこが、この映画の要だと思っていた。そんな、人を人とも思わない経営者が、どういう経緯で価値観を変えていくのか。気まぐれでイラン人の家族を囲ってみたり、どこかで聞いたような親子関係のシークエンスは目を瞑っても、主人公の価値観が終始変化しないのだから、これはもう「ドラマ」と呼ぶことはできない。 衛星放送で似たようなドキュメントを頻繁に観ている私にとっては、こんな上っ面だけ描いた作品は不愉快極まりない。映画にした意図が全くわからない。 2015年11月4日変更 あまりに素晴らしい映画だったのでレビューを書こうと思ったら、自分が上記のような感想を既に書いていたことにビックリ。 この6年の間に私自身の中に何があったんだろうと思った。 主人公の心理にゾクゾクっと来ながら鑑賞した。 初回のレビューでは1点だったが、改めて万点を送りたい。 ケン・ローチ、恐るべし。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2009-10-11 05:58:06) |
4. 戦場のピアニスト
《ネタバレ》 この映画見ると食べ物の好き嫌いがなくなるような気がします。 主人公は何でも美味しそうに食べます。 見ていて、あっという間に終わってしまう魅力を感じました。 将校がピアノの演奏に感動しなければ彼は生き延びてはいなかったでしょう。 芸術の良し悪しは主観では語れませんが、才能があったからこそ彼は長生きできたんでしょうね。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2020-02-04 22:53:40) |
5. プライズ ~秘密と嘘がくれたもの~
確かに暗い話ではありますが戦後まもない時代、レジスタンスとして生きている母親と純粋に生きる少女。 まだ年端もいかない少女は母親の立ち位置がわかっていない分、苦しんでいるのがよくわかります。 心が洗われる素晴らしい映画だと思います。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2018-09-04 07:37:50) |
6. ヘッドハンター(2011)
《ネタバレ》 ぼーッと、期待しないでみると、大当たりな映画です。 ファーストシークエンスで、主人公は、メッチャ嫌な奴に見えるんです。 でも、そんな男が、肥溜めに入ったり、素っ裸になって、恥をさらしていくうちに、だんだん憎めない男に見え、やがて応援したくなるんです。 粗探しをすれば、この映画、たくさん出てくるんです。 知人に、本作を紹介したら、「どうして悪人が、そこまでして主人公を殺そうとしているのか理解できない……」と言われ、私も答えられませんでした。 ウィキペディアのあらすじは、ネタバレでラストまで書かれていますが、やはり、悪人が主人公の命を狙う理由が、はっきりと書かれていません。 誰か、わかる人がいたら、このサイトに掲載してください。 時々覗かせていただきます。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2014-10-14 12:08:57) |
7. トト・ザ・ヒーロー
「暗い話だなぁ、重い話だなぁ、息苦しい話だなぁ……」とずっと思いながら観ていて、最後の最後にひっくり返った感じ。 あんまり言うとアレだけど、小道具やシャレード、セリフのやりとりだけでわかる人間関係。突っ込みどころを言わせないほど衝撃的で素晴らしいシナリオ。 映画監督のタナダユキさんが本作に影響受けたという話しは十分納得できます。 [ビデオ(字幕)] 9点(2009-10-17 23:07:26) |
8. サラエボの花
《ネタバレ》 ボスニア紛争を知らなければ理解できないのではないかという、観る前から勝手な偏見を持つ人がいるかもしれないが、内容は世界中に通用する母と娘の親子愛、シンプルな話しである。 娘は男にも真っ向から喧嘩を買って出るほどの強気な性格で、母親の仕事ぶりからも二人が共に人生を乗り切ろうとしている姿が重ねて強調されている。 皆と一緒に修学旅行へ行く。父はシャヒード(殉教者)である。この国ではごく普通の人間でありたいと思う娘に母親は娘の出生の秘密を打ち明けることができない。教えたくない母親の気持ち。だが彼女もやはり女であり一人の人間、打ち明けてしまったことで本当に大切なものが何なのか悟る。その告白シーンがハイライトで胸を締め付ける。 全体を通して、娘の修学旅行が娘にとっても母親にとっても人生の岐路になったところに真のドラマを感じた。 娘は一見わがままで身勝手ではあるが、母への愛情を誰よりも必要としており、ラストのバスのシーンで、皆の合唱に合わせて少しづつ口ずさむシーンは、観客の誰もが「頑張って!」と応援したくなると思う。 登場人物全てがこの腐敗した国の現状から抜け出そうと必死に生きている。一見悪そうな大男まで真剣に生きようとしているところに人間の綺麗な部分が見える。 後で知ったが、監督は30代の女性。紛争経験がある。娘は12歳の設定だが、日本人でいえば高校生くらいにも見える。これは戦争というものが老若男女関係なく強く生きなければならないことを訴える姿勢で、とても自然に表現されていると思う。 「戦争待望論」という言葉が日本でも言われているが、戦争を起こした国ほど心から平和を願う人が多いことに皮肉めいたものを感じてしまう。 「あ~、いい映画観たなぁ~」と思える作品。沢山の人に鑑賞してもらいたい気持ちを込めて9点。 しかし、この邦題のセンスのなさ、なんとかなんないのか…(悲) [DVD(吹替)] 9点(2009-02-16 09:00:24)(良:1票) |
9. アバウト・ア・ボーイ
《ネタバレ》 ウィルとマーカスの心のつながり方がいいですね。 この映画で「キリング・ミー・ソフトリー」の使われ方が最高でした。 2人より3人がいい。その理由もちゃんとしていて納得。 ヒュー・グラントってあまり好きじゃないけど、この映画は特別。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-07-02 01:26:14) |
10. ゲーテの恋 ~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~
《ネタバレ》 史実と違うようですが、ゲーテとは関係なしに面白い恋愛ドラマです。観賞後、ウィキペディアで調べると面白いですよ。 脚色を変えるだけで「若きウェルテルの悩み」を読んでみようという気にもなるし、とりわけゲーテ役とシャルロッテ役がとても魅力的なので、お互いが惹きつけられる過程も自然に感じます。 純粋なラブストーリーなので、女性向にも思われがちですが、男性にも絶対オススメしたい作品です。 ちょっと「シラノ・ド・ベルジュラック」を借用していますね(笑)。ゲーテがアルベルトに求婚のアドバイスするところです。 全編に流れるテーマ曲も素晴らしいと思いました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-04-11 08:18:33) |
11. デスティニー 未来を知ってしまった男
《ネタバレ》 この映画、主人公のキャラが際立っていいと思うんですよ。 一見悪そうなチンピラみたいな奴で暇つぶしに占いなんか見てもらう、ホント、こんな奴しかいないでしょう? いいことが当たった途端、悪いことも信じてしまって、占い師に「もう一度見てくれ」なんて頼むんだから。 その被害妄想が益々現実味を帯びていき、追い詰められていくところが面白い。 近いうちに死ぬなんて言われて気分のいい人なんていないだろうけど、この出来そこないのチンピラは残りの人生を真っ当に生きようと「いい人」になろうとするんだから可笑しいですね。 なぜか好感が持てるこの男に8点を献上したいと思います。 作品自体も面白かったですよ。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-03-22 10:04:27) |
12. モンスター(2003)
《ネタバレ》 タイトルからは想像できない、とても綺麗な映画だったと思います。 シャーリーズ・セロンって誰だっけっていうくらい顔が不細工になっていたのと(本当は美人!)、クリスティーナ・リッチがお相手だったのも後になって気づきました。 こういうのって本当の演技なんでしょうね。 主人公の犯した罪は本人にとっては罪とは言えず…、そりゃそうですよね。そういうふうに映画は撮っているんですから。「愛」を描ききっています。FU×Kという言葉が出てくるほど汚いものを感じさせないのは、二人が愛し合っているからでしょうね。その生末は主人公の尻拭いで終わるのは胸がつかえました。 二人がローラースケートを滑るシーンでジャーニーの曲が流れるのは印象的でしたが、エンディング・ロールでも使われていたのは、ちょっとやりすぎではないかと思いました。 彼女は死刑執行されたんですからね。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-01-16 19:15:28) |
13. モーターサイクル・ダイアリーズ
《ネタバレ》 この映画の主人公が、この後どうなっていったのか、本編でもわかることですが、まずはDVDの特典映像から観た方がいいかと思います。 南米と言う舞台、私には全くと言っていいほど未知の世界ですが、場所が変われば人間も変わる環境の変化が激しく変化していく有様が、ロードムーヴィーならではの凄さを感じました。ハイライトは川が塞いでいるハンセン病患者の島に自分の誕生祝いを伝えに泳いでいくシーンではないでしょうか?腕を斬られると怖がっている若い女性も一緒になって、この必死に泳ぐ主人公を応援する姿に涙を注がれました。 共産主義って何?っと説明するのは難しいですが、一つ言えるのは苦しんでいる人たちに手を貸そうとする人たちの思想の一つであることに間違いありません。勿論、これは本質的なことを言ってるまでの話です。 [DVD(吹替)] 8点(2012-01-01 00:26:31) |
14. メトロポリス(1926)
ロボットと近未来が表現されなければ「蟹工船」に似た内容に思う。1926年のドイツで既に現代の状況を予知していたかのようだ。かと言ってバブルの時代に、今の状況を予測できた人もいないはず。それに加えて、頭脳と手をつなぐものが心ではない今の世の中が皮肉に思えたりもする。この映画を見てサイレント映画に興味を持ったというレビューがあったが、当時は音楽なしの本当のサイレントだったことに注意してもらいたい。だが1926年当時に見た人にとっては衝撃的な作品だったと思う。そして今観賞しても価値のある作品に間違いはない。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-02-07 03:02:59) |
15. ブラックブック
ハリウッドの制約を受けずに作ったバーホーベン監督、「ショーガール」や「インビジブル」は、よほど制約を受けていたのだろう…。 世界で成功した外国人(日本人は特に…)は、自国に帰ってくると必ずといっていいほど自分だけの世界に浸っていく傾向にあるが、本作を見る限り、バーホーベンはしっかりと観客のことを考えているのがわかる。 話しは淡々と進んでいくが、2分に1度は必ず何かが起こる。長々と続く俳優のセリフなんか全くない。どこから観たとしてもスリルとサスペンスが描かれている。 日本の映画は、この映画を教科書にして本物の映画を作ってほしい。 しかし、この辺の国で作られる映画って、半分以上がナチス物に思えてしまうのは、私の偏見だろうか…? (笑) [DVD(吹替)] 8点(2009-02-03 03:38:23)(良:1票) |
16. ベッカムに恋して
《ネタバレ》 ありきたりのストーリーだが、セリフのやり取りが逸品で飽きない。 この主人公の女の子、高校生の設定だが、実年齢は27歳なんですね。 日本で女子高生役を演じられる27歳の女優なんているかな? それにしてもこのサッカーチームの監督は女の体をベタベタ触って誤解されるようなことばかりして……先日、女子生徒にマッサージと称してわいせつ行為を繰り返していた大阪の中学教師と何ら変わらないような気もする。 [DVD(吹替)] 8点(2008-12-31 01:03:15) |
17. ボウリング・フォー・コロンバイン
20年前の映画なのに未だに本作が世間に通用するということは、状況は全くと言っていいほど改善されていないということなのかもしれません。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-08-16 04:32:31) |
18. スコア
《ネタバレ》 連続してデ・ニーロの作品を見ていて、つまらない作品の連続だったので、 ハードル低くして見ていました。 序盤から退屈で途中で見るの止めようと思ったのですが、金庫破りのシーンから面白くなっていきました。 デ・ニーロは60歳手前なんですが頑張っていますよね。 手に汗握る展開でした。 でも、最後のどんでん返しがどうしてデ・ニーロは出来たのか? そのきっかけがよくわかりません。 もう一度時間があった時に見直したいと思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-01-19 02:33:55) |
19. 蜘蛛の巣を払う女
《ネタバレ》 ハードル低くして鑑賞したせいか、意外と面白かったです。 ツッコミどころ満載です。 リスベット、隠れ家がいくつあるんだ? ミカエル、出番少ない~ アメリカから来た黒人さん、突然スナイパーになったり、 数えたらキリがないのですが、あまり深く考えなかったせいか退屈しなかったです。 でも私はミステリーを期待していたので、この映画が完全にアクション映画になってしまったのが残念です。 これじゃミッション・イン・ポッシブルや007のようです。 注文したものと違う料理を出された気分でした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-01-02 14:40:07)(良:3票) |
20. 007/カジノ・ロワイヤル(2006)
なんだかよくわからなかったこともあるけど、ダニエル・グレイグはカッコよかったです。 時代は007になりたてのボンドなんですね。 ウィキペディアで初めて知りました。 なんか変な会話が続いたので。 もう少し、子供の頃に見ていた娯楽性というか、ユーモアがあってもよかったんじゃないかと思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-09-08 18:16:41) |