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ミスター・グレイさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 565
性別 男性
自己紹介 三度の飯より映画好きです。どうぞよろしく。
※匿名性ゆえの傲慢さに気を付けながらも、思った事、感じた事を率直に書いていますので、レビューによって矛盾が生じていたり、無知による残念な勘違いや独善的で訳分らん事を書いているかもしれませんが、大きな心でお許し下され。
※管理人様、お世話になっております。
※レビュワーの皆様、楽しく読ませて頂いております。

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21.  ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア 《ネタバレ》 
主人公二人組の魅力や、ギャング二人組のおかしさ(トランクを開けるシーン等々タランティノの「レザボア~」のパクりではあるが)、または〝死ぬ前に海を見たい〟や〝母親にキャデラックを送りたい〟という男の願望には思わず共感してしまいますし、けっこう好きなのですが・・・、この映画が致命的なのはロードムービーであるのにもかかわらず全く移動が感じられないというところです。冒頭はギャングの風俗店ですが、主人公たちが海にたどり着く前に最後に立ち寄るのがこの場所となっているので、位置関係としてはギャングの店が海の近くにあるという事になります。従って病院からギャングの店方面へ向かっているということになるのですが、あの二人組のギャングがちょくちょく主人公たちのもとに訪れてはボスのもとに戻るので、主人公の二人が全く前進せずに同じところをグルグル回っていたように思えてしまい、さっぱり海への道を歩んでいるという感じがしないのです。ただ、ラストシーンとそこにかかる〝天国の扉〟はやっぱり良い!
[DVD(字幕)] 7点(2008-07-02 18:31:14)(良:3票)
22.  吸血鬼ノスフェラトゥ(1922)
サイレント作品ですから耳をつんざくようなキャーキャーというけたたましい叫び声は聞こえませんし、生々しい血がドクドク流れるわけでもないのですが、これが怖いのです。面白いのはノスフェラトゥはコミカルな場面では異様に素早い動きなのに、襲う場面はいたってスローになるところです。通常は〝静〟から〝動〟への転換でアッと言わせるものです。例えばセンサーに反応して人形が突然飛び出してくる安いお化け屋敷のように、あるいはティーンエイジャー向きのホラー映画の殺人鬼ように。しかし、よくよく考えてみればこの〝静〟から〝動〟で感じさせるものは〝恐怖〟というより〝驚き〟に近いです。擬音で表せばびっくりの〝ドキドキ〟であって背筋が寒くなる〝ゾクゾク〟ではありません。つまり純粋な意味での恐怖ではなく驚きが多分に混在した感情なのです。ですが、本作はそのドキドキではなくゾクゾクを見事に感じさせてくれます。つまり本当の意味での恐怖。ノスフェラトゥのあのシルエットと動きの不気味さ。ネズミの使い方の上手さ。これは純粋恐怖映画の教科書のような作品です。
[DVD(字幕)] 7点(2007-07-02 18:07:32)(良:2票)
23.  2番目のキス
ファレリー兄弟の作品にしては下品ではなく、男女のおバカな特性を面白おかしく見事に描いている。…何ていう真面目な感想はやめにして、何を隠そう私も10年来のレッドソックス党!現在、世間で話題騒然の松坂投手より巨額の投資をしてしまった自分とは一切関係の無いレッドソックスの懐具合が心配というバカっぷりです。ですから耳の痛い話に苦笑してしまった;。私の一大危機は日本では最も応援している松井秀喜選手があろうことか宿敵ヤンキースに入団してしまったこと!こりゃどっち応援すりゃいいんだ~というジレンマに陥りながらも、何時の間にか純粋にこの黄金カードを楽しめるようになったのは我ながら進歩です。殊に本作の舞台である前年のリーグ優勝決定戦は凄かった。最終戦はビデオ録画しつつも気になりちょくちょくネットで確認していたがクレメンスを打ち砕いた時は勝利を確信していた。なんせこっちはペドロだし~。…なのに有り得ない敗戦(松井選手がホームで珍しくガッツポーズしている姿は覚えている方もいるでしょう。あの試合です)。それがあっての翌年の同じ舞台、同カードでの有り得ない逆転劇!3連敗後、九回ビハインドで、それもあのM・リベラを相手に逆転してみせるなんて有り得ない!しかもその後3連勝をきめヤンキースを破るなんて奇跡も奇跡だっ~!…でもバンビーノの呪いが解けちゃってちょっぴり寂しくもあった。だってもう夢が叶ってしまったのだから(次は松井選手がチャンピオンになれること願ってます、はい。)。…ねっ、興奮して映画とは関係ないこと書いちゃってファンってのはきっとバカな生物なんです。だからあんな可愛らしくて寛容な女性に愛されるのも奇跡に近いぞ;。・・・ところで死ぬまでに一度はレッドソックス対ヤンキース戦をフェンウェイ・パークで観戦したい…できればポストシーズンの試合を。それと球場移転してしまう前に〝ベーブルースの建てた家〟でも観戦したい…できれば松井選手のいる間に。全くバカの夢は尽きませぬ。
[DVD(字幕)] 7点(2007-03-16 17:54:16)
24.  10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス
カウリスマキとジャームッシュ、スパイク・リーに画的にヴェンダース、役者が中国人だからチェン・カイコー、あとは観ただけでは判断できず…。まだまだ修行が足りませぬ;。個人的に言えば、好きなのは相も変わらず無口なカウリスマキ作品。中でも出来が良いと思うのは、素人でも無駄なしと思えるほど濃密で完璧に10分間を使ったエリセ作品。中では不出来と思うのはやや反則技のように10分間を使ったヘルツォーク作品。でも一番気になったのはそのヘルツォーク作品。フィクションかノンフィクションか分らぬが浦島太郎のごとく僅かな時間で何千年もの進歩を余儀なくされた一民族の、時間に置き去りを食った姿はあまりに哀しい。人間の有るべき姿を問われたようで哲学的な気分にさせられます。
[DVD(字幕)] 7点(2007-02-14 18:35:18)
25.  黒猫・白猫 《ネタバレ》 
〝禍福はあざなえる縄の如し〟で人生は幸と不幸のスパイラル。様々なコントラストを見せ陽気に面白おかしく大団円へと突き進むわけですが、そんなことよりとにかくエネルギッシュなのにただただ驚きます。そこら中に音楽が溢れ返りクレイジーなまでに踊りまくる。猫も交尾する。ブタも廃車を食べ尽くす。もはやストーリーには無関係でやりたい放題、映画が破綻してしまうのではと要らぬ心配してしまうほど人生の〝楽〟が画面いっぱいに詰め込まれています。それこそ生き返るのも当然なほど作品全編にわたって生命力が満ち溢れているのです。 監督は旧ユーゴスラビア・サラエボ出身だそうです。製作年当時って確かコソボ紛争があった頃ですよね(記憶曖昧なので間違っていたらごめんなさい)。現在はサラエボはボスニア・ヘルツェゴビナに、そしてセルビアモンテネグロも分裂。民族紛争の絶えぬ母国に根本的な生の尊さを訴えた作品なのかもしれません。
[DVD(字幕)] 7点(2006-12-08 18:43:37)(良:1票)
26.  セルラー 《ネタバレ》 
ツッコミどころ満載なんですがコメディタッチの解決方法にクスッとやっている間に、考慮時間を与えてくれない有無を言わせぬ素早さで突っ切られてしまいます。主人公は普通なら勘弁してほしい能天気キャラですが、今作では全く迷いがないせいか好感度が高いです。出世とは縁遠そうで転職を考え女房の尻に敷かれている冴えないオヤジ警官が、悪徳警官相手に大活躍を見せてくれるのもスカッと気分爽快です。ケータイによって命が救われる者、ケータイによって死を与えられる者、スピード感も相俟ってまさに時代に相応しいポップコーンムービー。味の良し悪しが判り難い出来立てのうちに完食でき、腹持ちもしない適度な分量が好評の秘訣なのかもしれません。
[DVD(字幕)] 7点(2006-09-05 17:54:27)(良:1票)
27.  シャンプー台のむこうに 《ネタバレ》 
たかが髪、されど髪。理髪師として髪を生業にしてきた彼らにとっては〝されど髪〟。シェリーの髪が病気で無くなっているという設定が皮肉だが、それが〝たかが髪〟となり家族の大切さというテーマを明確にしている。一つの目的を皆が力合わせて成し遂げることにより家族の絆を取り戻すというベタベタな展開だが、熱くなり過ぎない淡々とした感じが心地良い。コンテストのヘアスタイルはカツラで隠したいというほどぶっ飛んでいるのが何とも可笑しい。そしてクリスティーナがブライアンに応えるように女の命とも言われる髪をバッサリ切り落とす姿がいじらしい。イギリス発らしい不器用な愛と皮肉のきいた家族劇だ。それにしても、襟足を見て〝フィルの仕事だ〟って殺し屋ですか(笑)。
[DVD(字幕)] 7点(2006-06-22 20:26:14)
28.  やさしくキスをして
ケン・ローチが得意とする下層階級ものではありませんでしたが(むしろちょっと上)、高いハードルと越えられない壁があるのはいつも通りでした。時代に緩和され共同体に違和感を覚え始めた新世代と歴史を苦労して生きてきた人間との摩擦がありありと描かれています。幸いにも人種や宗教問題などと無縁で呑気な日本人である私には理解し難いことでしたけど、若者の自由奔放さが束縛されたり敬遠される世代間の衝突は次元が違えどよくあることで、囚われにもどかしい気持ちになります。そしてその呪縛がどんな困難な障壁であれ愛で突き崩すあたりにケン・ローチのヒューマニズムを感じます。瑞々しい生身の生命力あふれる人間を描かせたらローチの右に出る者はないでしょう。彼の作品を観るといつだって胸に突き刺さるような思いがします。それからカシムやロシーンを演じるのはやっぱりほぼ素人俳優さんなんでしょうけど、どこか現代性の雰囲気があり慣例との不釣合いを醸し出すので良いですね。
[DVD(字幕)] 7点(2006-04-24 17:17:28)
29.  嘆きの天使(1930) 《ネタバレ》 
幸せいっぱいの結婚式で楽しそうに鶏の真似をするラートと、落ちぶれて道化師として鶏の真似をしなければならない屈辱を味わうラートの対比が秀逸。教授だったラートが短くなった煙草を吸い、売るなと言っていたローラのハガキを自ら売り、かつての教え子や同僚の前で空っぽの頭と揶揄されながらおでこで卵を割られる。まるで鉄槌を下されているような残酷で見るに忍びないシーンの連続は前半とは別印象のものだからこそ余計に痛切な心持になります。あらゆる美点も過ぎたるは何とやらで無自覚だと尚悪し。ロマンチックにして現実的な結末に恋は盲目ではすまされない恐さを覚えます。
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-04-04 18:12:33)(良:2票)
30.  ウィスキー 《ネタバレ》 
真面目なハコボとマルタは定時にシャッターを開き電気をつけ、お茶をいれる決まりきった生活を送っている。その機械的に物事をこなす様子から、かなり長い間同じ事を繰り返していることが窺えます。そこへ起こる弟の訪問という外部からの刺激。積極的におめかしするマルタのリアクションは女心をしっかり捕らえたもので、少なからず何か変化が起こるのではという期待が感じられます。それに対して相変わらず無関心なハコボの様子が、部屋の説明をしながら電気をパチパチすることで示され、いつもの通りの事務的な出来事の一つと同じだと分かり男のダメさ加減を身につまされる思いになります。そして陽気な弟と過ごした後、マルタは定時にやって来ない。マルタ自身に変化が訪れたことと、ハコボには何の変化も訪れなかったことを暗示しています。同じ種族に見えていた二人は実は全く違っていて、二人がそろって笑えるのは〝ウィスキー〟という掛け声の時だけという淋しさ。少ない台詞ながら一定の行動様式で男女の心の機微を鋭く描出し、ついつい見守りたくなってしまう作りが巧いです。二人が〝ウィスキー〟なしで笑える日が来ると良いなぁと思ってしまいますね。  ところでウルグアイ(もしかして南米辺りではどこでも?)では写真撮る時に〝ウィスキー〟って言うんですね。なんか〝チーズ〟より良いなぁ。
[DVD(字幕)] 7点(2006-02-26 11:38:36)(良:2票)
31.  ナイト・オン・ザ・プラネット
正直言いますと自分でも何が良いのかよく分らないのですが、けっこう好きなんですよ。じわじわとくる感じで、たまに見返したくなってしまうのです。ジム・ジャームッシュの作品の中では気に入っている方ですね。それぞれの話が違ったかたちで個性的で面白いです。ガムをクチャクチャ噛むウィノナ・ライダーもなかなか可愛かったですし。個人的にはニューヨークの話が気に入っています。ヨーヨーを降ろした後、森に迷い込んだかのようにニューヨークの街並みを走っていくヘルムートが印象的です。あんなタクシーに乗るのは御免ですけどね。
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-02-16 18:25:09)
32.  神に選ばれし無敵の男 《ネタバレ》 
人物から能力まで対照的な存在である〝現代のサムソン〟ジシェと〝千里眼〟ハヌッセンの生き方を、同じユダヤ人としての迫害への抵抗を通して描いた地味目なドラマ。基が実話のようなので最後はあっけない幕引きですし、場面場面の繋がりが少々見難いところがあります。しかし、この映画は単純なシーンがなかなか良いです。例えば、田舎の穏やかな家庭からベルリンまで一本の道をズンズン進んで行くジシェの姿が、彼の誠実さやこれから起こる出来事への旅立ちを予感させます。そして対照的にベルリンでは車の騒音に人込みの喧騒で戸惑うジシェの姿に異世界への突入を感じます。ティム・ロスの怪しい風情もインチキマジシャンみたいで面白いですし、ジシェを未来のオカルト省となる建物に連れて行くシーンは二人の根っこの部分での繋がりを思わせます。最後にジシェが夢の中で見た空を飛ぶベンジャミンは、文字通り優秀な弟が世界に羽ばたく姿を願っていたのでしょうか。この後に訪れる過酷な歴史を思うと辛いです。 ・・・・・・ところでこのハヌッセンという人物、かなり興味深かったのでちょびっと調べてみたのですが、なんとあのヒトラーに演説法を指南したのは彼らしい。しかもユダヤ人とバレたからではなくヒトラーがビビったから殺されたという説まであるとか。うーん、これはますます興味が湧いてきたぞと思ったら彼を主人公にした「ハヌッセン」なる作品があるではないですか?!これはぜひ観てみたいぞ。 
[映画館(字幕)] 7点(2005-12-10 15:32:33)
33.  ヤング・ブラッド 《ネタバレ》 
軽い歴史ものが好きな私は十分に楽しむ事が出来ました。こういう娯楽映画が面白いか、面白くないかは、ストーリーはもちろんの事ながら他にもポイントがあると思います。一つには主人公に共感できるかどうか。これは当然ですね。共感出来なければ客観的に観る事になり素直に楽しめません。もう一つには敵役が魅力的かどうか。古くは「用心棒」「椿三十郎」の仲代達矢さん、「シェーン」の黒ずくめの男、「スターウォーズ」のダース・ベイダーのように。敵役が主人公と渡り合えるからこそ面白くなるのです。さて今作では、主人公は無名の方ですね。確かに男前ですが、残念ながら印象は薄く、あまり惹きつけられませんでした。次に敵役ですが、こちらは完璧。ティム・ロスは渡り合うどころか映画を支配してます。冒頭のダルタニアン一家襲撃の時、一瞬見せる笑みや、館にどんどん火を付けるシーンなど鳥肌ものです。という事で期待し過ぎずに観ると良いと思います。もちろんティム・ロスファンの方は必見ですよ。悪役ながらかっこ良いです。
[DVD(字幕)] 7点(2005-11-13 15:10:06)
34.  カルラの歌 《ネタバレ》 
ケン・ローチとロバート・カーライルのコンビに惹かれて観た。ビデオのパッケージを見てある程度の覚悟はしていたが、社会派ケン・ローチ監督だけあって想像以上に政治色の濃い難しく重い内容だった。・・・前半は平和なグラスゴーでバスの運転手という一般市民の日常と恋など普通の生活を描き、一転後半では同時刻に起きている内戦状態のニカラグアを対照的に映し出す。誰もが無縁に思っていても現実に起きている過酷な状況を目の当たりにし胸に響く。多くの平和な観客はジョージ目線となり、死と隣接するニカラグアでカルラのことを知れば知るほど溝が深まり別世界の住人となっていくのを体験する。観賞後、我に帰って自分の人生を見つめ直したくなるような作品だ。正直、後半部は少々観るのが辛かった。 それから本作を観るにあたって、ニカラグアについての知識があれば良かったかもしれない。
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-10-29 10:36:20)
35.  マチェーテ
登場する姐御たちが一人残らずセクシーで魅力的ですし、マチェーテがボディガードたちを庭掃除の道具で撃退するシーンは笑ってしまうのですが…、どうしてもダニー・トレホが主役はないだろと思ってしまいます。あのイカツイ顔のシワはなかなかのもんですが、動きが鈍重で、例えばストリートファイトで物を食いながら身をかわすだけで勝利するシーンのつまらなさは如何なものかと。 悪党たちもお腹いっぱい出てくる割りに誰もがパッとせず、セガールは冗談にしか見えないですし、常に落ち着き払ったドン・ジョンソンが一番強そうに見えますが登場シーンが少ないです。 しかし何と言ってもロドリゲス監督としては、アクションに…と言うよりも期待してしまう滑稽なアイデアにいささか芸を欠いています。
[DVD(字幕)] 6点(2011-10-24 18:42:23)
36.  倫敦から来た男
とにかくワンショットがやたらと長く、これでもかとじっくり見せる。もうカットが入って良い頃合ではないか?と思える箇所では入らず冗長に引き伸ばされます。それは決して居心地の悪いものではなく、むしろ良いとすら思えるのですが・・・、何だかタル・ベーラ監督も酔っているし、自分も酔わされてしまった感じがします。つまるところ、何ということもないお話を存分に盛り上げているのは凄いのですが、一方でその過剰さにもったいぶった印象も強く受けるのです。
[DVD(字幕)] 6点(2011-10-05 18:37:51)
37.  NARC ナーク 《ネタバレ》 
臨場感をバリバリ出しまっせとばかりにカメラをガチャガチャ動かすのは勘弁してほしいのですが、いくつか良いシーンもあります。例えば、ラストの黒人の隠れ家における銃撃戦で、暗い部屋で撃ち合い、ドアが開くとパッと明るくなり部屋の全景が分かるところであるとか、あるいはその後の一ヶ所に集まった4人の吐く息の白さが良く出ているところです。特にレイ・リオッタは格好良く、絶命し白い息を吐かなくなってしまうなんてのは上手くいっています。
[DVD(字幕)] 6点(2011-01-18 18:32:27)
38.  善き人のためのソナタ 《ネタバレ》 
監視者とその対象の物語が基本であり、監視する者が対象に憧憬を抱き始め感化されるのですが、ここで不満が残るのは対象のドライマンたちの生活が大して魅力的に見えないところです。機械的な人物である監視者が(コートまでロボットっぽい!)我が身の危険を顧みないまでの行動に出るのであれば、守るものがそれだけの価値を有していなければならないはずですが、例えば契機の一つとして使われる音楽の〝善き人のためのソナタ〟にしても聞かせるようなシーンにはなっておらず(曲の良さが問題ではない)、作り手側もそれを重々承知しているようで、わざわざドライマンが台詞でいかに良い曲かを説明してしまうという始末です(仮に〝のぞき〟による憧れだとすれば、監視者と対象の位置関係をもっと明確に見せなければならないと思う)。  また、尋問シーンにしても、ヴィースラーの顔がクリスタにバレないかというサスペンスとしてのクライマックスであり、同時に恋人を裏切ってしまう要の場面なのですから、もっと力入れて見せてほしいところです。
[DVD(字幕)] 6点(2010-11-12 18:30:15)(良:2票)
39.  ヒトラーの贋札 《ネタバレ》 
手ぶれ映像でいかにも実録風に淡々とした演出で見せてくれるのですが、やはりこういうのは映画として面白味がないと思ってしまいます。例えば、病気の仲間が射殺されてしまうシーンの緊張感の無さはどうでしょう。主人公にああいう形で目撃させているところを見ると、サスペンスの面を全く放棄している訳でもなさそうなので上手くいってないんじゃないかと。  ただ、ラストにもっと無惨にくたびれた同胞が現われるシーンはアッと言わせてくれます。それまで収容所外の世界をほとんど映していないので、どうしたって己の命が一番大事で、仲間の命を危険に晒す正義の人・ブルガーは身勝手に見えますが、壁が崩されたあの瞬間にまさに狭い世界から解放されブルガーの行動にも納得がいくのです。
[DVD(字幕)] 6点(2009-08-07 18:36:01)
40.  スターリングラード(2001) 《ネタバレ》 
孤高でストイックなイメージの狙撃手同士の対決というのは個人的にツボですし、それぞれが異国人を英語で演じながらもジュード・ロウの男前っぷりとエド・ハリスの軍服の似合いっぷりが良い味を出していますし(戦時中とはいえレイチェル・ワイズはもっと綺麗にとは思いますが)、列車を降りると戦禍が広がっている導入の仕方や、ジュードが狙撃の腕前を見せるシーンは圧倒的だと思います(あの場面は死体も凄い)。・・・しかし、肝心要のジュードとエドの狙撃対決が全く面白くないのです。それはもう二人の位置関係の見せ方の乏しさに原因があります。凄腕のスナイパー同士ですから思っているよりお互いウ~ンっと距離が離れているのかもしれないですし、一発撃てば居場所がバレてしまうので発砲チャンスが限られているという難しさがあるのかもしれませんが、例えばアンソニー・マン監督の「裸の拍車」における狙撃シーンなどと見比べてしまうと、もっと頑張ってほしいと思ってしまうのです。 ついでに位置関係の話で言えば、両陣営に顔を出す少年の出入りも描写が希薄で、よく分からず不調になっています。
[DVD(字幕)] 6点(2009-07-14 18:18:13)
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