1. アウトレイジ ビヨンド
キャストの割に凡作だったというのが最もシンプルな評価であろう。細かい点は他の方がすでに指摘されている通り。前作の圧倒的な迫力には及ばない。 [映画館(邦画)] 6点(2012-10-09 00:28:38)(良:1票) |
2. あの夏、いちばん静かな海。
退屈だが面白い。不思議な映画。 [映画館(邦画)] 6点(2012-09-11 09:21:56) |
3. あんにょん由美香
この映画を観ても林由美香のことは全く分からない。しかしだからこそこの映画の魅力がある。ある人物の全体像がわからないということを分からせるためにこのドキュメンタリーは存在する。女優林由美香や本作、そして2011年公開の監督失格(監督の平野はこの映画にも出演している)と、彼女を題材にした作品が何本も出ていることから、その人気ぶり、人をひきつける魅力が有るということは分かる。そして誰も彼もがその喪失を痛んでおり、それでいてセンチメンタルな気分にもなっていない。林へのやさしい気持ちがよくわかるが、彼女が一体何であって、何でなかったのか、それはわからない。その外堀を一つずつ埋めていくことしか、残された者たちにはできないのである。 [DVD(邦画)] 7点(2012-03-08 23:43:38) |
4. アウトレイジ(2010)
面白い。あっさりとした殺し方、凄惨なバイオレンスも程よく、組織の抗争が繰り広げられる。テンポがよく、飽きさせない。椎名と加瀬がかなりハマっていていい。 [DVD(邦画)] 7点(2011-09-11 15:01:38) |
5. 青い春
これは青春ではなく青い春なのであって、これは青いという形容詞がついた春であって青春という一語ではない。花は散るからこそ美しいとは本当だろうか、花が咲かない植物は存在するのだろうか、花とは何なのであろうか。さまざまな問題提起を含むようであるが、結局のところこれは青木の物語であるように思われる。彼の行動が真に愚かであると言い切ることができないような、そんな躊躇を覚えさせる彼の生き様を描いたのがこの映画である。青木の生き様を見よ。 [DVD(邦画)] 6点(2011-06-29 23:52:47) |
6. 悪人
《ネタバレ》 ラストシーンに全てが集約されている。被害者、被害者の遺族、加害者(正確には光代)、加害者の遺族(スカーフ)、世間一般(タクシーの運転手)が殺人現場に一同に会し、それぞれの思いが交錯する。光代の「そうなんですよね。彼は悪人なんですよね」は皮肉、嘲笑であり、納得や割り切ることはしていない。こういったさりげないが凝っている構成が随所にみられ、面白い。安定した固定カメラを中心に、さまざまな手法、ショットが使われており、監督のひとつの到達点のような映画であった。完成度の高さ、役者の演技の上手さは一品。妻夫木はそんなに演技が上手い印象ではないが、ハマると素晴らしい。満島は最早圧巻。しかし多く指摘されているように、音楽の饒舌さは目に、もとい耳に余る。「悪」の相対性を表現しながら、実はそれはステレオタイプな描き方ではないか、という批判も確かに妥当するであろうが、この作品は被害者(そして増尾)を悪人に仕立てるというよりも、悪人というものがそもそも存在するのか、という問題提起のように私には思われる。 [DVD(邦画)] 7点(2011-04-08 15:35:09)(良:2票) |
7. アカルイミライ
語り得ぬものについては沈黙しなければならない、というマキシムが浮かぶ。クラゲに安易にメタファーを乗せるのではつまらない。映画でしか表現できないものを表現している。不思議な作品である。語ろうとすればするほど、語りたいものとは程遠いものができあがる。まだこの作品の真価は自分には見極められていないが、映像美と個々のシーンの素晴らしさくらいは多少は分かっているつもりだ。 [DVD(邦画)] 7点(2010-10-28 00:21:37) |
8. 愛のむきだし
《ネタバレ》 何なんだこの映画は! 漫画のようなこの荒唐無稽さは(本来の意味での)確信犯。しかしそれを現実に引き寄せる強烈な身体性。紙芝居のような質感のストーリーに燦然と屹立するのは身体だ。勃起は言うまでもなく、絡み合うシーンや押さえつけるシーン、殴るシーン殴られるシーンなど、そのどれをとっても、身体などというには物足りない、強烈なカラダそのものとでもいうべき力が、ファンタジーを現実に引き寄せている。前半は小ネタを挟みながら基本的な人間関係を形作り、後半に完膚無きにまで破壊し尽くす。その果てに残ったものは、愛だ。何もかも剥ぎ取られた人間は、愛そのものとなる。生半可な破壊ではこれは表現できない。下手な打算や論理や感情に隠されることなく、愛を丸裸にすることこそが園監督の狙いだったに違いない。愛を思い出すものは勃起という身体性であり、脳味噌の中で考えられたことなんかではない。愛は愛自体であり、考え出すような愛は愛ではない。無意識に反応する身体によって、自らからほとばしる愛に気付くのだ。自分がむきだしの愛そのものだということに気付くのだ。そんな愛を肯定しきった果てに感動のラストがある。大傑作。 [DVD(邦画)] 10点(2010-10-23 02:02:08) |
9. 歩いても 歩いても
大傑作。あえて時代性を感じさせないような設定に、丁寧に作り込まれた脚本。そこには登場人物の自由さと、昨日もここで暮らしていて、明日も同じように過ごすのだなぁと思わせる本物さ。キャスティングの妙なのでしょうか、普段あまり評価していなかったような俳優さんもとてもピッタリに見えます。鳥肌が立つシーンもあり、ほんわかするシーンもあり、邦画の最高峰です。現代の東京物語。 [DVD(字幕)] 10点(2010-07-14 01:22:16) |
10. Undo “アンドゥー”
映像が美しい。それだけでいいかなー。 [レーザーディスク(字幕)] 6点(2010-04-10 21:08:57) |
11. 秋日和
単純に笑える。日本人らしい笑い。 岡田茉莉子が素晴らしく良い。いやー面白かった。小津節は相変わらず。安心して見れる傑作。個人的には東京物語よりこっちのほうが良かった。 [映画館(字幕)] 8点(2009-12-25 23:33:44) |
12. アフタースクール
これを観てから「運命じゃない人」を観ればよかった。面白かったけどね。 [DVD(字幕)] 6点(2009-07-01 23:13:06) |
13. アヒルと鴨のコインロッカー
伊坂ワールドを完全に体現しているという意見には賛同しかねるけど、雰囲気は出せていたと思います。この映画ほど「先に原作を読んでなければ…」と後悔した作品はありません。 しかし純粋によく映像化できたなーと感心します。なかなか見せ方も上手かったし、回想シーンの最後が冒頭につながる所もすごく好きです。松田龍平や瑛太、濱田岳、良かったです。関めぐみには全く魅力を感じなかった。もっと期待していたのですが…。この映画での琴美の人物造形に問題があるのかも知れない。のっぺりとした印象を受けました。 とても良い映画だと思います。 [DVD(字幕)] 8点(2008-04-27 14:16:55) |