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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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1.  家光と彦左 《ネタバレ》 
「長谷川・ロッパの家光と彦左」。フィルムセンターで鑑賞。 古川碌波と長谷川一夫の共演。この二人は「婦系圖(婦系図)」でも共演していたね。 いきなり将軍?を抱えて歩く彦左、時は戦国時代、爆発の中を人馬が駆け抜ける文字通りのスタートダッシュの素晴らしさ!  打ち捨てられた旗、ところ変わって江戸の城。 元気に遊ぶ子供たち、天高く舞う鞠、転んで泣いた友を励ます姿を見て「これが将軍争いをするのか」とでも思ったか哀しげな表情を見せる母親。 将軍争いの議論中の場にドカドカと現れ堅苦しさをブッ壊すように座る彦左。  目の前で切腹をしようと着物を脱ぎ始める。皮肉たっぷりの会話が面白い。振り返って遺言、命がけの進言、さっきまで生きるか死ぬだったのにすぐに馬になって遊びに付き合う切り替えの早さ!  時は流れて成長した家光。 田園風景の穏やかさと正反対な室内の暗さと重苦しさ、まさかの伊達正宗、かっぷくの良い正宗さんですこと。 彦左が現れると共に急に明るくなる室内。まるで灯でも灯したように。乱世の暴れ者は太平時の骨董品。上様も名君すぎて何か味気ない。  しばらくはこの静寂が続く。骨董品として静かに余生を過ごそうとしていた彦左のように。 本多忠勝をはじめ、平和になった時代に静かに亡くなっていった猛将も多かった。彦左もまたその一人に過ぎないのだろう。 仕事中の若を見守り「自分は邪魔かな」とでも言うように静かに去っていく孤独さが背中から滲み出る。 まるで孫の祖父と孫の母親のように茶を愉しみ話し合う。  30分を過ぎた辺りから物語は再び加速していく。ダダをこねた子供のように若に迫る爺や、それに「馬鹿!バカ!ばか!」と死んで欲しくないからこその「ばか」呼ばわり。爺やと若殿様のやり取りに和む。  そして爺やを元気にするための「茶番劇」のはじまりはじまり。 大広場の壇上で華麗な舞踊を披露する余興、身分なぞ知らんという具合に一緒に踊るのが良い。  ひょっとこお面を付けて踊り明かす、爺やも呆れながら踊りに巻き込まれ元気になっていく。お茶目な殿様は舌をだしながら「文武の道に励むであろう(嘘乙)」 襖の話を立ち聞きして彦左も段々と乗り気に。抜刀して手打ちという場面で「御随意に」の一言で本気じゃない事が解る表情をする。  斬られそうになる人涙目。コイツらゲラゲラ笑いやがってwwwwww   日光にお参りからは結構シリアスに。 闇夜に燃える提灯、嬉しくて嬉しくてしょうがない爺や。 そこに反旗をうかがう男たちの将軍争いは続く。彼らの「馬鹿」は家光たちの「ばか」とはちょっと違う、灯りでかろうじて照らせるような途方もない闇。それが広がる空間が素晴らしい。  地獄へお供いたします、闇の中に見えてくる希望の光。  行列に狙いをつけるように聳える城、日光での舞踊、合図と共に閉まってしまう重厚な扉、光も遮断する密室に変わる。もう本当に完全な暗闇で何が起きているのか解らない恐怖、かろうじて照らし出す強調する蝋燭の閃光。   これも「例のアレ」だと思ってしまう彦左。命がけの強硬手段も「良い芝居するなあ」くらいにしか思ってないんだろうな・・・w 本当にヤバイと思っている人と本気で芝居だと思っている人の温度差。武者姿の舞はブラフ、ギシギシと音を立てる屋根の不気味さ、蝋燭切ったら大爆破! 国を裏切れないが主君も裏切れない苦しみ。  思い出す戦国の修羅場、冒頭とは打って変わって今度は爺やの手を引いて歩く将軍。立派な真の名君へとなっていた。 「許しも待たず死ぬでないぞ」、田園に消えていく行列。
[映画館(邦画)] 9点(2015-07-12 13:56:29)
2.  イノセンス 《ネタバレ》 
益々無機質さを増すアニメーション、オマケに「STAND ALONE COMPLEX」の人間味溢れる描写を見た後だと、余計に押井の「攻殻」に対する違和感は増していく。いや、前の「攻殻」は素晴らしいんだよ。まだ解り易いし面白いし。 一方、コッチは君の悪い人形や素子失踪後の落ち込んだ雰囲気もあって暗くジメジメした印象も受ける。荒巻の元気の無い姿をおまえら見たかよ?素子の存在は観客だけでなく、公安9課にもデカかった。押井の「攻殻」はそうなんだ。バトーも少し寂しそうな表情を飼い犬に見せるし、トグサは少し距離を置いている。  人間よりも人形、マネキンに近い質感の劇中人物たち。一体どっちが人形なんだか益々解らなくなる。  でもま、助っ人として“駆けつけた”素子にジャケットを「ふぁさあ・・・」とやるシーンは好きだ。前作からバトーは何も変わらない。バトーはバトーなのだから。体は離れようとも、心はどこかで繋がっている・・・。
[DVD(邦画)] 8点(2014-12-26 21:12:57)
3.  生きる 《ネタバレ》 
黒澤明はアクション時代劇派な俺にとって、本作はあまり好きじゃない。  確かに良い映画ではあると思うけど、こんな暗く息苦しい映画が黒澤の傑作として語られるのは気がひける。ヒューマンドラマ押しでも「赤ひげ」は好きだけどさ。  感動できるだあ?オイオイ、何でこんな変な映画で泣かなきゃならないんだ。 いやね「何を成し遂げ、何を成せなかった」かそれを突き詰めて行く様は凄いよ。 公務員の矛盾に満ちたシステムをあんな風に描いたのはビックリ。 たらい回しと無限ループ。すげえ解りやすい。 いきなり主人公が「アレ」になって「えっ?」ってなったけど、そこから少しずつ生き様を語っていく流れは良かった。良かったけど、主人公の執念に満ちた感じが強すぎる。 その執念が主人公を突き動かしてもいたし、最後まで目的を遂げられたんだろうけど「自然な執念」じゃないんだ。 まるで誰かの復讐のために異常に自己暗示をかけてるみたいで、辛く感じる以前に違和感を拭えなかった。 住民に感情移入したワケでもなし、信用していた息子にも半ば捨てられた。 自分の人生は何だったのだろう、こんなはずじゃなかったのに、どうしてこうなっちまったんだろう。病が明らかになり“死ぬと解った”から主人公は答えを探す事をはじめる。 「公園を作れる男になりたい」か、「おまえは公園作って死ぬような人生送るの?」か。 だが男は「どうせ死ぬんだ、公園でも何でも作ってやるぜえ!」 ヤクザもそんな気味の悪い男を見て「何だコイツ」状態。 男は公園を作った“だけ”。それ“だけ”のために死ぬ事を決めた。 悪臭の沼地を無くして住民に感謝されたいだの、公務員本来の仕事をして他の仕事仲間を刺激したかっただの、息子たちを見返してやりたかっただのそんな考えは微塵もなかった。 男は“何も考えず我武者羅に働く”喜びを思い出しただけだと思う。誰のためでもない、自分のためだ。 それが巡り巡って誰かのために“自然と”なるのだろう。 だから「誰かのために働いても何の感謝もされねえじゃん」じゃなくて、「自分のためにひたすらやってたら何故か感謝された。よく知らんが嬉しい」という事が、本当の喜びなんだぜという事を黒澤明は言いたかったんだろう。だとしたらすげえ回りくどいなソレ。
[DVD(邦画)] 8点(2014-12-11 05:42:07)
4.  稲妻(1952) 《ネタバレ》 
成瀬巳喜男のやるせないドロドロ全快な傑作「稲妻」。  登場する兄妹は全員父親がバラバラ。 この時点で「(゜д゜)」である。流石成瀬初っ端から残虐だ(褒めてる)。  更には突然落雷が起こるように次々と家族に不幸が訪れる。 拍車をかけるフラストレーション・・・爆発した怒りの「叫び」は雷雨の如く家族を嬲り合う。  ただ稲妻は同時に恵みの雨をもたらす。 暗闇を一瞬でも照らす稲妻は希望の光でもある。 そして嵐で生き残った者には肥沃な大地が待っている。 嵐で荒れた大地を人の手で豊かにしていくように、彼らもまたそれぞれの希望を胸に新しい人生を初めていくのだろう。 清々しい作品だ。
[DVD(邦画)] 9点(2014-12-11 04:37:06)
5.  犬神家の一族(1976) 《ネタバレ》 
常に陰鬱な空気が包み込む「金田一耕助シリーズ」の第一弾。 原作以上にエログロナンセンスをねじ込む市川崑の世界観が拡がる。 オープニングの斬新なクレジットの入れ方はカッコイイ。けど、このシリーズが市川崑の代表作と言われるのは何だかなあ。本当は海外で評価が高い「東京オリンピック」や「ビルマの竪琴」「野火」といった作品が代表と言えるものなのだけど(何故コッチの評価は日本で低いのか謎)。 俺としては「木枯し紋次郎」といった時代劇をオススメしたい。  個人的にこの手の大量殺戮を敢行する推理ものは嫌いだ。 金田一という探偵は事件を止められない(もはや止める気がない)。 事の成り行きを傍観し、頭を掻いてフケを撒き散らし、そして事件の真相を暴く。 まるで殺された魂を待ち受ける死神(轟警部にとっては厄病神か)のように・・・。 毎回金田一の事を忘却する轟警部、いつも金田一と鉢合わせする宿場の娘など、個性豊かなキャストがドラマをさらに盛り上げる。 そして権力とか何やらに溺れる欲深い大貴族とか大家族とかを虐殺レベルで殺しにかかるのがこの映画シリーズ。 おまえら全シリーズを見てみろよ! 「名探偵コナン」よりよっぽど死神だぞコッチの方が!! そんな映画です。
[DVD(邦画)] 8点(2014-12-06 19:43:29)
6.  磯の源太 抱寝の長脇差 《ネタバレ》 
「河内山宗俊」に収録された特典を再見。  山中貞雄の幻の傑作と言われる「抱寝の長脇差」。 かつて双葉十三郎さんが伊藤大輔「忠次旅日記」と並ぶ作品と絶賛し、後に「切腹」を撮る小林正樹が伊藤作品とともに夢中になった時代劇の傑作だったという。  残念ながら現存するフィルムは約1分の断片のみ。ほぼ殺陣の場面のみで、何かストーリー的なものを感じられるのは主人公らしき男が抱える男の亡骸?と終盤にチラッと女性が登場するのみ。 このようにストーリーはまったく掴めないが、それでも山中貞雄独特の殺陣を見る事が出来る。  「丹下左膳」のような洗練されたものはまだ無いが、高速で複数の男たちと斬り合っていく。鍔迫り合いの多さに驚く。後年の「丹下左膳」や「河内山宗俊」はほとんど鍔迫り合いをせずに一瞬で切り払うという感じ。  「抱寝の長脇差」の頃はまだ模索中だったのだろうか。 斬り合っている最中に、男が敵を足蹴にする場面が2度出て来たのには更に驚いた。コレは他の時代劇でも中々見られる光景じゃない。
[DVD(邦画)] 9点(2014-08-31 03:41:37)
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