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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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1.  wkw/tk/1996@7'55''hk.net 《ネタバレ》 
ウォン・カーウァイの短編。  回想、部屋の一室、男がベッドの上で煙草を吹かせる、レコード、西瓜を食う男たち、袋叩きにされた男、パンツ一丁の男、ハイヒール、飯を食らう、サングラスをかけた女、部屋の中を動き回り銃撃戦に興じるごっこ遊び。  子供のように一緒に横たわりりんごを食べる、辞書、挨拶を繰り返し勉強する意味、麺を食べようとしたら爆竹?爆撃?  倒れこむ、松明を振り回す、火災で消火器、ターザン、とにかくキチ女に文句を言いたい、アフロ女の銃撃、着替え、銃、電球、一撃を浴びせたり浴びたり、不死身、降伏。
[DVD(字幕)] 8点(2016-08-26 06:23:42)
2.  大学は出たけれど(1929) 《ネタバレ》 
現存する短縮版をフィルムセンターで鑑賞。 橋、東京の街並み、大学を卒業した若者。卒業したというだけで偉そうな若者。受付でも何でもいいから引き受ければいいものを、下らない意地を張って別の仕事を要求する。やがて何振り構わず仕事をしなければならない事に気づく。 田中絹代が言うほど美人じゃないのが残念。やっぱ癖が強いなあ。黙っていると綺麗だけどさ。 ギャグでやっているのかマジでやっているのか男のニート生活の始まり、東京見物で遊びほうける、子供たちと公園で遊んで。いいから仕事を探せニート。  毎日が日曜日(サンデー毎日)気分、苦労(家でゴロゴロ)、妻はアホな夫のためにカフェで内緒のバイト、女の行動でやっと仕事を探しに行く決心につく。もう雨を理由にぶーたれる姿は何処にもなかった。 「働くのが一番しあわせだと思って」 胸にささるセリフですね。晴れやかな空、男が乗るであろう電車を見送る女の姿。
[映画館(邦画)] 8点(2015-07-28 16:52:10)
3.  太陽を盗んだ男 《ネタバレ》 
「原爆」をテーマにした日本映画では「ゴジラ」に並ぶ傑作だと思う。  時計の音、原爆の実験、爆発、日の出、双眼鏡が覗く原発。  その光景とは打って変わって満員電車で大あくびをする城戸。「風船ガム」の仇名で呼ばれる教師、風船ガムは原爆の暗示? 休み時間は一人で壁当て、フェンスを雄叫びをあげながらよじ登る。男はいつそのエネルギーを爆発させるかその機会を待っていた。  家にギッシリと詰め込まれた野望の塊。 機材の山、出入りする猫に殺虫剤をかけて気絶させてしまう!飛び交う蚊が季節を語る。猫の次は警官をシュッー!   男が牙を研いでいる間に鬱憤を爆発させてしまったバスジャック犯。 修学旅行、機銃と手榴弾で乗り込んでくるオッサン、皇居に手榴弾wwwすげえ映画だな。序盤20分の強烈さ。   そこで山下警部こと菅原文太の兄貴の登場だ!「県警察vs組織暴力」の刑事役もメッチャ良いんだよなあ。 武器を置いてたった二人で乗り込んでいく、隙は絶対に見逃さない、男だけサークルを組むように連れて行く、“約束どおり”狙いをつける狙撃手、捨て身の行動。どんな奴だろうと怪我人は怪我人・・・カッコイイ。   それが城戸にとっての“起爆装置”だったのかも知れない。ひたすら原爆作りに打ち込むシークエンスを淡々と積んでいく描写。  原爆実験の様子、肉体改造、ベランダの塀の上でイメージトレーニング、何処までもスリルを追い求める狂気。 マスクを被り、潜水服に身を包み、海を泳ぎ、容易に侵入してしまう! 監視カメラだけが見た原子炉の棒を抜く瞬間の緊張、警備員たちとの戦闘。  発電機の爆破、想像以上に厳重(笑)、授業内容もどんどんおかしな方向に向かっていく。  のんきなラジオ、「鉄腕アトム」の歌とともに手作りの防護服、液体、放射能測定器、小さな小さな原爆製造工場、誰も立ち入れない猫でさえ。  ビールを飲み、TVを見ながら原爆を作っていく。その油断と爆発、そして彼も「被爆者」となってしまう。瞬間的に放射能を吹き出す事を物語る針、針、針。 完成までの作業もほぼ無言で続けられる。生まれたての汚れた鉄球がナイフで削られて磨き上げられ、不気味な光沢を帯びていく。 作ったものよりも失ったものの方が大きい。ぬこおおおっ! まさかの梅干しは“フェイク”、粘土、電池。一人で盛り上がる有頂天、ガイガーカウンターをマイク代わりに舞い上がる。   残り1時間30分は警察との手に汗握る駆け引き。 幾度もあらわれる太陽のイメージ、あえて爆弾を置いていく挑戦、現物による脅し。  腹の中に抱えたとんでもない爆弾、易々と国会に侵入、易々と監視、口調による攪乱、ボイススクランブラー。  9つ目の核所有“国”、ぽとりと落ちる髪の毛が肉体を蝕む放射能の恐怖を語る、爆弾を転がして子供のように、いや愛した猫のように遊ぶ。 パーティーで親交を深めた過去、屋上で座り込んで話し合う交渉決裂、両手で掴んでさりげなく胸にタッチ、いつの間にか接点を持つ人々。  延々とついてくるディスクジョッキーと口づけを交わす、海辺、女も見る抜けた髪の毛、サングラスという仮面、したたる歯茎の血。   デパートでの追走劇も熱い。 電話線をカットする、覚悟、机の下、札の雨、警官もヤケクソ、あふれ出る人の津波、徐々に放射能に侵されていく肉体。   奪還ターザンで大暴れ、カーチェイスをラジオ中継、「勝手にしろ(勝手にしやがれ)」、諦めない文太の兄貴は不死身だ!ヘリに捕まりながら執念の追跡!  残り20分のラストバトル。  プールを地獄にかえる破片、新聞に隠された凶器、手錠つけると捕まったヤクザにしか見えねえ兄貴、嘔吐の隙に掴む起死回生の武器、屋上での綱引き、どっちも身も心もボロボロだ。   「さあ・・・いくぞお9番」 嘘だろ・・・まだ手がピクピクしてるぜ。音だけが語る結末・・・。
[DVD(邦画)] 9点(2015-07-14 13:43:58)(良:1票)
4.  ダイナマイトどんどん 《ネタバレ》 
個人的に喜八映画で一番好きな作品。 終戦から5年後の夏。汗だくの男たちが、何かを合図に支度をすませる。トラックを待ち受け、店に隠された銃を、刀を抜き放って襲い掛かる!ジープを奪って挑発。 市場を破壊する追走劇、待ち伏せ、機銃、花火、ダイナマイトでホームランじゃあっー! ドッカーン!    ヤクザ同士の会合、組長の翻訳、市街地でおにごっこ、股間に何かを隠す、場数踏んでそうな女主人、塩まいて、指でテクテクカウンターの上を歩く仕草が可愛い。    非合法な殺し合いの場が合法な野球の場に、婦人野球(パンパン)、元野球選手の鬼コーチ、命(タマ)の取り合いから球の取り合い&金玉の潰し合い、だが体を張ってボールを受け止める命がけ。何事も本気でやれば最高の仕事にしてしまうプロフェッショナル魂。  歌で士気をあげる、本当に暴れだす、掛け声で士気をあげろ!「ダイナマイツ~ どん どん」 先攻後攻が丁で決定。  旦那と対峙、ナイフ投げ、裏では博徒、泥酔ピッチャー、ひらがなや漢字、数字が混ざる背番号、思わぬ再会、挑発しまくって真意を確かめる、指の使い方、監督の手の古傷、ピッチャーの指が示す過去、それぞれの心に刻まれた傷跡。   練習投球から試合へ、今までの仕返しにボッコボコ、ツンデレ。  「原爆ピッチャー」って不謹慎にもほどがあるわwww NGワード:指  雨の中の死闘、シャベルや鍬をとっての殴り合い、さりげなく傘をやる任侠。  野球で命の賭け合いに、敵球団のスカウト。  こしらえた着物、唐突に現れる母ちゃんの遺影、殴り込みに行く馬鹿2人・・・おい野球しろよ。 ※ご覧の映画は「ダイナマイトどんどん」です  ダイナミック不祥事!その格好で銃を持つなwww あくまで野球で蹴りをつけてやるぜという心意気。もしくは単なるご都合主義(ry   扉が思いきっりオープン、着物をそっと肩にかけ、電気を消して去っていく。肩の刺青が物語る愛情。   デッドボールの応酬、ボールを持って殴り合い、乱闘寸前、「ばかもん!」「ばけもん!」複数のルールブック、アンパイア死亡、銀次なりの償い、守備妨害。  ヌードになる必要はあるのだろうか、ベースは盾、MPもブチギレ、修羅場に慣れてきた審判。  打球が、バットが、グローブが、血潮が、ありとあらゆるものが宙を舞う大乱闘!その後に両雄が再び顔を合わせるクライマックスが良い。
[DVD(邦画)] 9点(2015-07-14 13:37:32)(良:1票)
5.  誰も知らない(2004) 《ネタバレ》 
人によっては「歩いても 歩いても」や「空気人形」の是枝裕和を選ぶ人も多いかと思う。だが、俺はこの映画の異様さにこそ惹かれる。  餓鬼が嫌いって奴は、テメエが小さい餓鬼だった頃も忘れちまう。この映画は、それをすっかり忘れた大人たちに振り回される子供たちの生き残りをかけた姿を追っていく。  冒頭からこの映画の異様さを目の当たりにする。 電車、夜、車内の椅子に座る虚ろな眼の少年。ボロボロの爪と服、夜の町。  そこからアパートを仲良く歩いてくる“影”に切り替わり、少年の過程を描き始める。 家族はバラバラのルートで来る。荷物を人のように撫で、カバンの鍵を外すと中から子供が笑顔で出てくるのである。 せまい鞄に押し込められ、まるでペットのように。 階段を走る姿の“元気”さ。この頃は荷物を一緒に運ぶほど仲も悪くなかった、髪をとかす親娘。そういやYOUってマジで歌手だったね。  ただ、子供とはいえ女の一人旅。再会するまでずっと一人で来た。娘の、家族の疲れた表情を少年は見る。  アップの食事場面、子供一人一人に語りかけるような、別れでも言うような視線。 ああ、この女を子供たちを見捨てる。そういう嫌な予感が、緊張が最後まで張り詰める。孕ませた張本人の父親はどっかに行っちまい、母親は一人で子供を育ててきた。この女のストレスも限界だ。 子供のために働いてきた仕事は、唯一子供の面倒を見なくてもいい捌け口・快楽にもなっていたのだろう。  母がいなくても逞しく子供たちは家事をこなしていく。公園での洗濯、風呂、家事手伝い。  それでも中々整理されない箱に入れっぱなしの荷物など、子供たちは限界を目の当たりにして徐々に押しつぶされていく。 バイトやパチンコをしようにも年齢という壁が行く手を阻む。 窓の外の家族へのあこがれ、寂しさ。雨、帰らぬ者の存在、子供が見てしまったタクシー。  寂しさをまぎらわすように一人でキャッチボール、少年も他の兄妹も学校へ行きたい他の人と遊びたい、親に自分を見て欲しい。  生活力を身に着けていく子供たちのサバイバル、周りの人間はその逞しさを“嘲笑う”。直面しないと誰も解ってくれない。誰も知らないのだから。 警察に話してバラバラになる事への恐れ、引っ越しの時からバラバラできてるのだから。バラバラになって生きる可能性よりも、一緒に暮らして死んだ方がマシと思っていたのかも知れない。  大人たちは、犯罪を犯した子供を初めて“見る”。今まで無関心だったのに、監視カメラと子供の顔を覚えていた大人だけは“見ていた”。  時折聞こえるアニメの音声(「地球防衛企業ダイ・ガード」?詳細求む)、ゲーム(「ドラゴンボール」?)、少年たちが立ち読みする雑誌は何なのだろうか(「週刊少年ジャンプ」?)  10円の例に札束を無言で渡す優しさ。  迷う手、子供にすら打ち明けられない孤独、目と目で解り合う孤独な人々、請求書は絵を書く紙になっていく。見て見ぬフリ。  普通の子供たちは変わっていくが、彼等は変われずにいる。赤い血のような口紅。  冷麦、大量のカップ麺、おじやと同じような食事の繰り返し。部屋を綺麗にする気力もない。   それでも食卓で夢を語り合う子供たちの眼にはわずかな光が残る。 階段を競争する元気、公園の遊具(グローブジャングル)を廻して遊ぶ元気、フラフラでも野球に参加してストレス発散。  冒頭で親と一緒に歩いた大きな影は、真実を知って独り寂しくトボトボ歩く小さな影になっていく。 飢え、とうとう電気も水道も来なくなる、TVの光は消えてラジオの音に、虚しい“お年玉”。  落ちる植木、カップ麺で菜園、流星のように連なるモノレールの光。  揺れる椅子の恐怖、初めて介入した第三者。興味本位か同情か。少年は彼女の姿に自分たちを捨てた母親の面影を思い出す。 軽蔑した筈の者と、優しくしてくれた者が重なる瞬間の戦慄。少年は彼女に母親と“同じ”になって欲しくなかった。  “ちゃん”と“へ”の違い、髪も伸び声も変わる、歩きながらゲームの真似。  少しずつ助けてくれる大人、とうとう大家も登場(でも登場するだけ)、“成長”した事に気付き震える泥まみれの手、泥だらけの服、涙。  ラストは彼等の眼に再び光が宿り、希望に向かって歩むような期待を抱かせる。だがモデルとなった実際の事件を知る者には、あの後姿に絶望を感じるのである。  どうでも良い話、ダイハツのCMで柳楽優弥とYOUが再共演したやつを思い出した。「誰も知らない」の事を思い出しちゃってかなり複雑だった(二人とも良い笑顔だこと)。
[DVD(邦画)] 9点(2015-06-08 19:32:56)(良:2票)
6.  逮捕しちゃうぞ the MOVIE 《ネタバレ》 
漫画やアニメはコッチの方が先だけど、これも「踊る大捜査線」の影響を受けて「こち亀」と共に映画化された作品。「こち亀」ほどの破壊力は無いしストーリーもあまり勢いはないが課長はやっぱカッコイイなあ。作画はOVAに匹敵・超えるくらいの水準であたりまえだが綺麗。東京の市街地の描写やそれを利用した駆け引きは面白い。あの緻密な描写は本当に凄い。 映画のシナリオは「パトレイバー」の初期(「2」は関係ないでしょ)からいただいたというか、元々「パトレイバー」が「逮捕しちゃうぞ」にリアルロボット要素をぶっこんだ様なもんだし。ま、その辺はご愛嬌で。  
[DVD(邦画)] 8点(2014-12-28 19:06:06)
7.  丹下左膳餘話 百萬兩の壺 《ネタバレ》 
久々に再見したがやっぱりムチャクチャ面白い。前回は字幕付きで見たが、一度内容が頭に入っていたからか二度目は字幕なしでも超楽しんでしまった。今回は2004年に出された「幻のシーン」が収録されたソフト。   物語は百萬両もする一つの壺を巡って展開される。 出だしは淡々とした語りで始まるが、壺が次から次へと持ち主を変えていく様子がミソ。 道場主とその妻、貧しくも強く生きる町人の親子、そして我らが丹下左膳とその相棒お藤の二人。それぞれに掛け替えのないパートナーがおり、尚且つ壺が彼らを巡り合わせるこのドラマ。 偶然か必然か、運命のイタズラをユニークかつテンポよく描いていく。何といっても面白いのが夫婦揃ってツンデレという所。  左膳「誰があんなガキ!」→もうしょうがねえな~(照れ) お藤「あたしは子供が嫌いなのよ!!」→暖かいご飯をたらふく食わせる 仕舞いには子供を寺子屋に行かせるか道場に行かせるかで夫婦喧嘩に発展する始末(ある意味終盤の道場への殴り込みよりもハードなバトル)。 幼いながら気丈に振る舞うちょび安が可愛い。   用心棒(居候)はいつの時代も立場があるんだか無いんだかハッキリしませんね。 怖い形相だけど本当は優しい左膳、口は冷たいけど体は腹の減った子供にご飯を食べさせたり物欲しそうな竹馬を買ってあげちゃったりうなじがちょいと色っポイお藤姉さん。   本作は終盤までほとんど戦闘がないが、一瞬で決まる戦闘の鮮やかさも素晴らしい。 懐に手を入れる侠客、顔は横を向いても目線は常に相手を捉える左膳、子供が数を数える瞬間の緊迫・・・一瞬の抜刀!    何?金がいるって?そんな時は道場破りよおっ!!     また2004年に日活から出されたDVDに収録された幻の場面。 クライマックスで左膳がちょび安を止めるべく家から出た矢先、左膳に恨みを抱くヤクザ連中が左膳に絡んでくる場面。 戦後に公開されたver.はGHQによって一部の殺陣がカットされてしまったそうだ(「人情紙風船」や「河内山宗俊」も同様に一部の殺陣がカットされてしまっているという)。   だが2004年にクライマックスの殺陣の一部を収めた数十秒のフィルムが発見され、見事にdvdで蘇った。 残念ながら音声トラックは行方不明の無声、画質も余り良くない。それでも一瞬の斬り合いが光る音が聞こえんばかりの迫力。ヤクザ連中をあしらう様に肩を突き離し、それでも「野郎ッ!」とばかりに斬りかかるヤクザたちを叩き伏せる!   本作で左膳を演じた大河内傅次郎。 伊藤大輔監督の元でも左膳を演じましたが、今作では喜劇役者としての才能も活かした演技が特徴。その独特の野暮ったさとセリフの聞き取れなさが左膳のエネルギー溢れるキャラにピッタリですね。山中貞雄監督の演出、傅次郎のパワー漲る演技が合わさった名演です。   お藤を演じた新橋喜代三(今村嘉子・後に結婚して中山嘉子)も好演。愉快なやり取りが忘れられません。 「野良犬」で貫禄ある演技を見せた山本礼三郎も出ていたりと、俳優陣も曲者揃いで楽しませてくれる。   字幕で楽しむも、字幕なしで味わうも絶品の1本です。
[DVD(邦画)] 10点(2013-12-24 12:57:34)(良:1票)
8.  瀧の白糸(1933) 《ネタバレ》 
「狂恋の女師匠」「日本橋」「唐人お吉」のフィルムが見つかるまでは、当分この作品が溝口のサイレント期の最高傑作の一つとして語られる事だろう。 誰かが見つけてくれるのが楽しみだ・・・。  この映画が面白くなかったという人は、恐らく状態の悪い物を見てしまったのだろう。 もったいない。  俺の見た奴も画質こそフィルムの状態が悪く荒れてはいたが、弁士の神調子、神BGM。  そして何といっても始めから終わりまで目まぐるしく展開されるストーリー。 飯を喰らい、心と心の交流、そして別れ。  溝口映画でも指折りのファースト・シーンは凄い。  初期の溝口はこんなにも動き、スピード、テンポに溢れ、女の描き方も素晴らしい。 カメラワークが凄いのよ。 馬車の中からのカメラ! “手ブレ”のリズムはこの頃からあったのか! 馬丁とヒロインの粋なやりとりも相まって最高の出だしだったよ。 後半もテンションをほとんど落とさず、ラストの悲しくも凛々しい最後に繋がった。 水面、海、船、溝口映画の漆の藍色。 初期の溝口はクローズアップが多いので、その美しさをじっくり堪能できる。 そこからあの溝口映画独特のロングショットが挿入される時の威力ときたら・・・。  入江たか子のエネルギーに満ちた美しさもそうだが、この頃の溝口は脂の乗り切ったパワーがあった。 岡田時彦の演技も光る。 馬鹿正直な男が一人の立派な人間に成長した様子。 サイレントとはいえここまで違いを見せつけてくれた。 この後も数本の作品に出演するが、残念な事にそのほとんどのフィルムが未だ行方不明であり、すぐに亡くなってしまった彼の実質最後の出演作だ。 他のフィルムが発見される事を切に願う。  サイレントは絵で見せることが勝負。 小説の世界を絵で魅せる事に魂を燃やした描写、そして溝口映画の十八番とも言えるたたみかけるようなセリフ・・・もうね、密度が半端じゃないね。  何より男の心理にも迫った描写も良い。 泉鏡花の素晴らしい原作を、映像でも遺憾無く見せる。  オマケにこの上を行くほど面白かったという「狂恋の女師匠」「日本橋」「唐人お吉」の存在。 もっと凄いのか・・・見たいなあー・・・。
[試写会(邦画)] 9点(2013-12-14 17:46:39)
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