1. 殿、利息でござる!
タイトルと銭のちょんまげ姿の主人公から、安っぽいコメディとばかり思っていた。見るきっかけとなったのは監督が中村義洋だったからである。他の作品を見てこの監督ならば間違いないだろうと思って見たが大当たりだった。単に宿場を救った実話物語だったら平均点並だったが、冒頭のシーン再現から親子兄弟の感動物語なったのは大変良かった。それにしても、殿様相手に金を貸して利息を取るとはどこからどうやって出てくる発想か。おまけの羽生結弦にはとんだびっくり。 [DVD(邦画)] 9点(2017-11-27 20:55:30) |
2. 東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(2006)<TVM>
《ネタバレ》 田中裕子の熱演に尽きる。湿りがちでウジウジするようなストーリーも、脚本演出と田中の力で明るく吹き飛ばしてくれる。それに時々現れるオトンのハチャメチャぶりがまた良い。 音楽(主題歌)も実に良い。BEGINの「東京」という曲だが、これは昔マイペースが歌っていたもの。オリジナルもBEGINもどちらも良いが、あの“東京へは、もう何度行きましたね~”というメロディーが流れると思わず涙が出てくる。2時間というドラマがあっというまに過ぎ去ってしまった・・・ なおこの映画ではNHKテレビドラマ「カーネーション」の尾野真千子が端役で出ているが、テレビではまったく気づかなかった(違う、まったく知らなかった)さらにもう一つ、映画のオトンとオカンがこのTVドラマでは大家さんと東京タワー職員というちょい役なのもおもしろい。 [地上波(邦画)] 9点(2012-04-22 06:15:17) |
3. 東京おにぎり娘
一見コメディ風のホームドラマからまり子をめぐる三人の男たち(伊藤雄之助の社長さんは除く)のバトルかと思いきや、みどりさんという女性の出現によりぐっと人情っぽくなる。美人でチャキチャキ看板娘の若尾さんの女らしさがとても良い。大阪生まれの江戸っ子の親爺もまたなかなかのもの。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-11-26 10:15:05) |
4. 東京家族
東京物語のストーリーを追いながらも、2012年の現代にうまくマッチさせ、しかも老夫婦、長男長女のそれぞれの夫婦、そして次男とその恋人の4組のカップルを丁寧に描いている。さすがは山田監督、寅さんを初めとする様々の日本の家族を映画にしただけにまず文句のつけ所がない。家族への想いや絆は時代を経ても永遠なのか、静かに切々と情感に訴える映画である。それと同時に改めて小津安二郎監督「東京物語」の偉大さも感じた。 [映画館(邦画)] 8点(2013-01-22 15:15:23)(良:1票) |
5. となりのトトロ
この映画も息子と親子で見た映画。息子は「ラピュタ」の方が好きだったが、私は「トトロ」の方が好きだった。 アニメはたいがい一度見れば後は見なくても・・・だが、この「トトロ」は何度見てもすばらしい。ほのぼのとした暖かさがあり、宮崎アニメでは最高だと思う。 トトロ、真っ黒くろすけ、猫バス、夢があってユニーク。最近は変に解釈する人もいるようだが、素直な気持ちで素直に見てほしい。 [地上波(吹替)] 8点(2011-06-14 21:16:18) |
6. 遠き落日
《ネタバレ》 偉人としての野口英世を描いた本やアニメは多いし、私も少年時代の野口英世を描いたモノクロ映画を子どもの頃見た記憶がある。左手やけどの不自由な身体と貧しい生活の中で、ひたすら努力精進することによって後の成功を収める、いわゆる偉人伝中の偉人としての野口英世であった。 しかし、この映画は単に偉人としてだけでなく、挫折や失恋も含めた「人間としての野口英世」を描いている。そして彼が世界で名を馳せたのも、実に多くの人の支えがあったことがよくわかる。 少年の多分な才能を見抜き、私財を擲って高等科の進学を勧めた恩師や手術の費用を集めた友人たち、医学の道を志すにあたって経済援助を惜しまなかった人たち・・・。 しかし、何と言っても母親の愛情だろう。我が子を慈しみ、叱り励まし育てる姿はまさに日本の母親像そのものである。なかでも、後半の息子に送った手紙のシーンは、涙なしに見ることはできない。 この母親野口シカを演じた三田佳子は何とすばらしい女優であろう。いままでにも、この人の映画やドラマを数多く見てきたが、どれも大変すばらしかった。 この映画に欲を言えば、なぜ清作が英世と名前を変えたのかという疑問にも答えてほしかったし、浪費癖と揶揄される実生活にももっとふれてほしかった。 「清作、左手をポケットから出せ」と母親が言ったように、映画も醜いと思われている部分にも・・・。 [DVD(邦画)] 8点(2011-06-03 18:19:28) |
7. 東京暮色
《ネタバレ》 小津映画の中にあって、この映画はどうしても異色に思える。それほどシリアスなのだ。 有馬稲子はどういうわけか不幸な女性を演じることが多いが、この映画もとてもかわいそうだ。うわごとで何度も「死にたくない。初めからやりなおしたい」と言っていたのに残念である。 かわいそうと言えば、有馬稲子だけではない。原節子も笠智衆もそれに家族を捨てた山田五十鈴もすべて不幸であり、寂しさだけが残る。 そしてまたそれは、東京物語の一抹の寂しさと較べると、赤裸々で強烈に感じる。 [DVD(邦画)] 8点(2011-04-24 15:25:11) |
8. 東京物語
《ネタバレ》 「秋刀魚の味」で小津映画を知り、すぐさま代表作「東京物語」を見た。何と秋刀魚の味よりも10年近くも古いこの映画で、笠智衆が老人を演じている。息子や娘役の山村聰、杉村春子と何歳かしか違わないのに・・・。それがほぼ年相応の東山千栄子と夫婦をくみ、うちわを仰ぎながら二人でたたずんでいる。まさに絵になる情景だ。 この映画が作られたのは、私が生まれてまもない頃、映画設定はそれ以前だから、はるか大昔。その頃家族は、両親と子供たち以外に祖父祖母がいっしょに住み、長男が必ず親の面倒を見なければならなかった。その時代にあって、こうした家族の問題を取り上げたのは画期的というもの。 子供たちの誰が良くて誰が悪いという問題ではないだろう、核家族へ向けての提言であったのかもしれない。しかし、小津映画の世界とはいえ、親が危篤というのにのんびりしたものだ。喪服の心配ではなく、何が何でも飛んで行くべきだろう、それが親子というものだ。 [ビデオ(邦画)] 8点(2011-04-24 08:02:38) |
9. トワイライト ささらさや
原作はファンタジーミステリーだろうけど、コメディっぽくそれでいて心温まるヒューマンドラマだ。赤ん坊のユウスケ君がとてもかわいくニコッとされるとたまらなくなる。母親のサヤさんともども応援したくなってしまう。おっかなく見えたユウタロウの父親も本当は愛情表現が苦手なだけだろうと予想のつく展開だけどそれでもやっぱり良い。隣の席あたりで涙ぐんでいて、「ばっかだねえ」と思っていたらこっちまでつられてしまった。 [映画館(邦画)] 7点(2014-12-01 15:41:56) |
10. 遠い雲
メロドラマには違いないが、昔は家や世間体に泣かされるドラマも多かった。しかしさすがは木下恵介、しっかりと感情が込められている。そういえば、昔の電話は交換手がいて何番をお願いしますと言ってつないでもらっていたんだったっけ。 [DVD(邦画)] 7点(2013-09-10 20:17:15) |
11. ドラえもん のび太の魔界大冒険
ドラえもんは漫画やテレビでたくさん見たけど映画館で見たのはこれだけ。小学校に入ったばかりの姪っ子たちを連れて行ったのだけど、一番熱心見たのはもちろん私。これ以降たくさんのドラえもんをビデオで見る羽目になる。ちんからほいでスカートがまくれあがるのに思わずニンマリ。 [映画館(邦画)] 7点(2012-12-28 11:36:23) |
12. 時をかける少女(1983)
原田さんの出身中学が私の近所ということもあり、デビュー時からのファン。その私にしても、歌も演技も上手じゃないなと思ってしまう。しかし彼女は清純でかわいいだけでなく、初々しく皆から大事にされるところがある。この映画はそういった彼女の良さが前面に出た映画だと思う。 映画はファンタジックで主題歌とよくマッチしている。そして彼女を支える吾朗君がとても良い。ストーリーはいまいちだが何度も繰り返し見た映画である。 ところで、深町君の祖父と祖母を演じた二人、上原謙と入江たか子は戦前の人気スター、ここでお目にかかるとは夢にも思わなかった。 [映画館(邦画)] 7点(2011-09-14 06:15:23)(良:2票) |
13. 東京原発
驚くことが多々ある。福島の原発事故以前によくぞ作られたということが第1点、次にこの映画では東大教授によって危険性が述べられているが、これが世論に何も反響なかったということと逆に推進派から何の圧力もかからなかったこと、不思議だ。 東大教授の話はどれくらい真実かわからないが、おそらくそのほとんどは推進派からすれば問題にならなかったのだろう。 内容の信憑性は専門家に任せるとしても、映画はまさにブラック・ユーモア、キューブリックの映画を思わせる。いくら安全性を高めたところで、想定外のことが起こればそれは何も役立たないことを意味している。映画後半のカージャックはまさにその典型。 議論を高めるには良い映画だと思う。この映画で学んだ一番のことは、使用済みの核廃棄物処理方法ができていないのに、推進計画だけが進んだということ。 [DVD(邦画)] 7点(2011-08-16 22:40:27) |
14. 東京の休日(1958)
ローマの休日には人気では負けるけど豪華さでは負けてはいない。三船敏郎をはじめ東宝映画スター女優陣が総出演、あの俳優どこで出ていたっけ、この顔よく見る顔だけど名前が出てこないというような感じで映画ファンにとってはとてもうらやましいかぎりだ。観光バスに乗って東京巡り(この頃の定番は皇居に議事堂と決まっていた)や華やかなショー、歌に踊りに民謡童歌もふくめ李香蘭の懐かしい歌までもりだくさん。ストーリーといえば、口は堅いからの内緒の話が次々広がったり、ショーに便乗しようとして儲け損なったり、幼なじみと思ったら偽物だったりのたわいのないものものだけど、90分足らずの記念映画だから仕方ないだろう。札束が1万円札でなく5000円札なのに時代を感じる。ところで出演者多数ではっきりしないけど、志村喬、乙羽信子、杉葉子は出ていないと思うけど・・・(クレジットに名前がない) [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-02-05 06:50:57) |
15. 戸田家の兄妹
東京物語と似た雰囲気だけど、こちらの映画の方が先、なんと驚き戦前(戦中)の作である。家族ではなく家柄が重んじられ、子どもは親に逆らえず、長男次男と年功序列が絶対の時代ではなかったかと思う。それだけにこの映画は奇異に見えるのと同時に型破りである。今の私ですら次男の考えは正論だけど生意気にも思える。家より家族という映画のねらいはよくわかるけど・・・。 [DVD(邦画)] 6点(2013-08-25 06:24:24) |
16. 隣りの八重ちゃん
とても仲の良いお隣さん同士だけど、昔はさほどめずらしいものではなかった。だが隣家におじゃまして飯までとなると格別、恵太郎と八重ちゃんも兄妹同然というかそれ以上。割って入るのが高杉早苗の女友達かと思いきや出戻りの姉とは。そうか岡田嘉子と言えば実生活でも波乱に富んだ人生を送ったんだったっけ。このモーションをかける姉と落ち着かない態度の妹の心理描写が実に良い。 [DVD(邦画)] 6点(2012-11-25 19:18:15) |
17. TOMORROW 明日
投下前日に結婚式を挙げた二人や当日早朝に生まれた赤ん坊、彼らに未来はなかった。今日できなくなくても明日があるからという願いはむなしく消えたのだ。長崎の原爆を描いた映画としてはやや物足りなく感じるものの、制作者のメッセージは強く心に残った。 [DVD(邦画)] 6点(2012-08-05 21:42:30) |
18. 東京キッド
歌は前作の「悲しき口笛」にかなわないけれど、映画はこっちの「東京キッド」の方が好き。 花菱アチャコ、榎本健一という喜劇役者が加わっただけに、映画全体がコメディムード、特にエノケンのとぼけ具合が良い。花菱アチャコはラジオドラマ「お父さんはお人好し」でさかんに聴いただけあって、あの独特なしゃべりが懐かしかった。 [DVD(邦画)] 6点(2012-03-01 21:27:18) |
19. 泥だらけの純情(1963)
私の少年時代のあこがれは何といっても吉永小百合、歌に映画に大活躍で人気はすごかった。この映画は、どうしようもないチンピラ少年に恋する良家のお嬢様役。ちょっと親切にされ、助けてもらっただけで一途に思い詰めるところが、まさにお嬢様であり、吉永小百合にはぴったりだった。 こういう二人の成り行きはおよそ見当がつく、怖いヤクザが出てきて・・・。コロンボの声の小池朝雄の演技が渋い。声優だけあって、声に迫力があり、迫力十分。 [映画館(邦画)] 6点(2011-10-05 23:27:17) |
20. TRICK トリック 劇場版2
テレビドラマシリーズからのファンであり、仲間由紀恵が好きな私には、この映画も問題なく好きなのだが、周囲の評判の悪さが少しは気になるようになった。 したがって、このシリーズもこれでお終いかなと想いながら、じっくりと味わった。ところがところが、昨年「劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル」が出たと聞き、驚き桃の木・・・。はたしてこれも見るべきどうか迷っている。 堀北真希、平岡祐太の若手がどこかで見た顔と思いつつ、トリック2を見た時は思い出せなかった。 [DVD(邦画)] 6点(2011-04-15 07:49:49) |