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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2260
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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1.  時をかける少女(2006) 《ネタバレ》 
タイムリープの方法を理解した真琴が、初めて意識してそれを使ったシーン。前転ゴロゴロ。言い訳は「転んだ」。で、カラオケ10時間連続熱唱。このアホさ加減に思わず噴きました。そして同時に心を掴まれたのが分かりました。予想通り、それからはもう可笑しくて、切なくて。オッサンの自分が真琴に感情移入しまくりでした。さて物語の解釈について。いつものように勝手に想像(創造)させてもらいます。(当然の事実だったらゴメンナサイ。また誤読の場合もご容赦ください。)ハッキリしているのは、千昭が未来人だということ。そして未来は荒廃していること。彼が現代に来た理由は1枚の絵を観るためだと言う。そこで疑問。何故彼は絵の存在を知っていたのか。千昭は言っています。絵の存在が確認されているのは、「この時代、この場所、この季節だけ」だと。現時点で歴史的価値の無い絵が、これから有名になることは有り得ません。“しょうしつ”は消失ではなく焼失。彼が絵の存在を知るには、その絵を知る人(思い入れのある人)から伝え聞く以外に方法がありません。別れの場面、千昭は真琴に何故あんな注意をしたのでしょう。まるでこの先、彼女が飛び出して事故に遭うのを知っているかのような。それに何故キスをしなかったのか?ラブストーリーなら別れのキスは欠かせない。「未来で待ってる」とはどういうこと?この全ての疑問を満足させる答えは一つ。それは“千昭は真琴の血縁”。それも相当に近いはず。真琴あるいは芳山和子の子供か孫と推測します。母(祖母)の昔話で聞いた絵。それは“かつての世界の終わり”に描かれた希望の光。どうしても観たくて千昭はタイムリープしてきた。現代社会の終焉もそう遠い先の話ではないことになります。「未来で待ってる」は、「将来俺を誕生させて欲しい」ということ。そして今観られなかった絵を、未来で俺に見せてくれという意味。真琴は答えます。「すぐ行く。走って行く」と。彼女は知っている。誰よりも信じられる。未来は変えられることを。彼女はこれから起こる悲劇を、ただ待っている女の子ではありません。自分で行動するはずです。世界を変えるために。千昭との約束を守るために。“待ってられない未来がある。”そう、未来は誰もがすぐ手の届くところにある。(2008.7.19一部内容修正)
[地上波(邦画)] 10点(2007-07-24 17:50:02)(良:8票)
2.  独裁者、古賀。 《ネタバレ》 
あざとい設定(母子・父子家庭、夕飯のうどん率高っ)、ヒネリ過ぎなフレーズ(「それって同じことなの」)、アクの強いキャラクター(黒柳哲哉)、面白シーン(ランニングVSママチャリおばちゃん)。どれもこれも、イチイチ心に引っ掛かってきます。良くも悪くも。極め付けはタイトルでしょうか。全体的に狙い過ぎで、それでいて甘々で、スキだらけで、今時こんな物語あるかいなと言いたくなるベタで古臭い脚本ですが、純なラブストーリーと絶妙なウィットに、まんまとハートを掴まれてしまいました。いやいや、正直に白状しましょう。何より、誰より、黒柳哲哉にゾッコンだったと。友達はもちろん、知り合いだって遠慮したいヤバイ奴ですが、何故か憎めない性犯罪者。ヤツの一挙手一投足に釘付けでした。何なんでしょうね、この気持ち。恋かしら(ウソウソ勿論私はノンケですよ!)。たとえばフグには毒があるけど、毒を取り除けば美味い魚みたいな。違うかな。でもそんな感じ。人は変われるし、変わらなきゃいけないし、戦うときは戦わなきゃダメだし、素敵な出会いも、ゲロみたいな人間関係も、どちらにも意味があるはず。人生は劇的であれ。踊ってナンボ。お前は自分自身の独裁者たれ。下手くそな人生賛歌ですが、だからこそ素直に沁みた気がします。ちょっと本気で切なくなりました(でも引っ越し先、そんなに遠くないですよね笑)。私の中で『黒柳哲哉』は『ナポレオン・ダイナマイト』や『ヒット・ガール』と肩を並べる愛すべきキャラクターに認定されてしまいました。危うく勢いで10点を付けそうになったくらい。作品の完成度的には全然なんですけども(苦笑)。『Vote For Pedro』Tシャツも買いました。だから新撰組Tシャツ俺も着る!どこで売っているのか教えて!!
[DVD(邦画)] 9点(2017-09-10 00:28:13)
3.  トウキョウソナタ 《ネタバレ》 
母親はオープンカーを「屋根がなくなっちゃった車」と称しました。それはこの家族の状態に似ている気がする。父親はリストラで職を失った。家計を支える収入が途絶えるのは、家屋で言えば屋根が無いのと同じ。雨ざらし、風さらし。大切な家財を守れない。でもそんな事実に家族はみな目を背けてしまう。屋根が無いのを認識するのは怖いから。でも容赦ない風雨に心と体は荒んでいく。限界を迎えた黒須家は悲惨な最期を遂げました。佐々木家も危うく同じ轍を踏むところ。でも彼らはその前に逃げた。散り散りになって。母が漆黒の海の彼方に見つけた光は何だったのでしょう。この先にある希望の象徴?でも目を離した隙に消えてしまう。何とあやふやなものを頼りに、私たちは今まで生きてきたのか。全てを諦めた彼女が口にしたのは「今までの人生が全て夢だったらそんなにいいだろう」。期せずして同じ頃、夫も同じく「やり直したい」と。長い歳月と、膨大な労力を払ってきた大人にとっては、これまでの生き方を否定するのは耐え難いこと。絶対に口にしたくない“本心”を吐露したとき、2人の心は一度死んだのだと思う。黒須よりも彼らは弱かったのかもしれない。でも弱さを認めたからこそ再生できた。バラバラになったから、また集うことが出来た。生き様を肯定したまま命を絶った黒須、人生を否定して生き延びた佐々木。その差は僅か。もし強盗が入らなかったら、大金を手にしなかったら、彼らは走り出していただろうか。この物語は少しも他人事とは思えませんでした。父に自身を重ね、体を硬くして観入りました。もちろん自分もかつての子供。息子たちの戸惑いも判ったし、母の想いも想像できました。痛くて、苦しくて、ずっと泣きそうでした。終始この調子だったら、最後まで観られなかったかもしれない。ですから、役所教官の運転教習に笑わせてもらったのが救い。重苦しい物語ほどユーモアが欠かせません。ソナタは、2つの主題を対比的に用い、主題の提示・展開・再現の3部で構成される器楽形式。コンダクター黒沢清の、家族再生のソナタが心に響きました。
[DVD(邦画)] 9点(2010-01-25 20:56:58)(良:4票)
4.  ドラえもん のび太の海底鬼岩城 《ネタバレ》 
海底をバギーで疾走したときの高揚感に、我ながら驚きました。いい大人が、こんなにも胸を躍らせることが出来るとは!常識を覆す色鮮やかな海底。陸上を遥かに凌駕するスケール。未知の世界に酔いしれました。海底ハウスに、深海バーベキュー。夢のある仕掛けにガッチリ心を掴まれました。月夜の松茸づくしディナーには爆笑。なにゆえにマツタケ?遊び心のセンスがたまりません。海底人が登場する中盤以降は、前半と打って変わってシリアスモード。メリハリのある展開も劇場版ドラの魅力です。バミューダトライアングルの秘密など、その見事な設定にいつものことながら感心します。クライマックスに至るまで、きっちりドラマを組み立てているので、最後にはちゃんと感動が待っている。教訓も押し付けがましくサラリが丁度イイ。非常に満足度の高い作品でした。自分にとっては、海を再認識できたことが何よりの収穫。こんなにも身近に神秘の世界が広がっているなんて、本当は凄いことなんだ!子供の頃なら当たり前だった事実に、もう一度気付かせてくれたことに心から感謝したいです。
[DVD(邦画)] 9点(2007-03-06 18:09:05)
5.  となりのトトロ 《ネタバレ》 
本作のイメージは「カレーライス」です。それも家で食べるごく普通のカレー。じゃがいもごろごろ、色は黄色の、あのカレーです。ときどき無性に食べたくなる味。理由は簡単です。それはお母さん(あるいはお父さん)が作ってくれたから。慣れ親しんだ、懐かしい味だからです。本作にも同じことが言えると思います。本作で描かれる田舎の生活は、まさしく子供の頃の記憶。おばあちゃんの家で過ごした、夏休みの記憶です。お母さんの入院にしても同じ。入院とまでいかなくても、親が風邪で寝込んだことはあると思います。そのときの切ない気持ち、不安な気持ちは忘れられません。迷子のエピソードにしてもそう。本作で描かれるのは、誰もが「こんなことあったな」「あったかも」と思うような出来事ばかり。そういう意味では極めて大人向き(少なくとも、さつきと同じ小学生以上向き)の作品といえます。それでいて、トトロの存在は幼い子供も惹きつけます。守備範囲が広いのです。物語はシンプルで楽しい気持ちになれるもの。だから何度も観たいと思えます。まさしく大人から子供まで人気の「カレーライス」。専門店のカレーは確かに美味いです。でも家のカレーの美味さは格別です。しかもトトロという魔法のスパイス入り。『となりのトトロ』はそういう作品と考えます。
[地上波(邦画)] 9点(2006-07-31 18:13:22)(良:1票)
6.  ドラえもん のび太と鉄人兵団
宮崎駿作品、クレヨンしんちゃんと並ぶアニメ映画界の最高峰「ドラえもん」。宮崎、クレしんとの一番の違いは子供向けに徹しているところだと思います。本作でもその基本姿勢は崩さないまま、大人でも十分に楽しめる作品に仕上がっています。というか、むしろ大人に観てもらいたい作品。基本構成は、いつものメンバーが地球侵略に来るロボット軍団と戦うという、いたってシンプルなものですが、大挙して押し寄せる鉄人兵団や破壊される都市などハードな描写も目につきます。ロボットが地球侵略に来た理由、リルルの行動選択など、現実の世界に当てはめて考えさせられる部分が大いにあります。メッセージが照れることなくストレートに伝わってくる、子供向けアニメの素晴らしさがここにあります。最後はほとんど禁じ手のような結末ですが、素直に感動できる秀作です。ちなみにMVPはしずかちゃんですが、個人的にミクロスに敢闘賞を贈りたい。
[DVD(邦画)] 9点(2006-05-06 23:15:24)(良:1票)
7.  ドロステのはてで僕ら 《ネタバレ》 
『サマータイムマシン・ブルース』や『曲がれ!スプーン』など、壮大なSF設定(サイエンスフィクション又は少し不思議)を平凡な日常に落とし込むのが滅法得意なヨーロッパ企画・上田誠主宰の脚本作品。着想の素晴らしさや展開の巧みさは折り紙付きですが、上田作品の魅力の本質は氏の人間観(人生観)にあると考えます。人々の行動、判断は決して正しい(論理的あるいは倫理的)とは言えません。でも時に馬鹿をしてみたくなるのが人間です。それが世の理に反する行為だとしても。愚かで、滑稽で、でも愛おしい人々の姿に共感するのだと思います。二人の小気味よい蛮行に拍手しました。キムタクも、綾瀬はるかも、ガッキーも出てこないけれど、だからこそドロステの果ての僕らは、私たちでありました。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-06-25 14:19:33)
8.  時時巡りエブリデイ 《ネタバレ》 
ネタバレしています。ご注意ください。鑑賞後にお目通し頂けると嬉しいです。  善意のいし(石と意思)の力でタイムリープ。最短15分~のショートレンジですが、手軽に人生をやり直せます。ただし、連続リープは不可。また利己的な理由(例:金儲け)でのリテイクは大変なしっぺ返しを受けるのでご法度(ここ最重要ポイント!)。タイムリープの源となる石ころは、物理的に減っていくので無限にやり直しが出来ないこと、また主人公以外もタイムリープ出来てしまうところがミソ。制約付きの「こじんまり」した設定ゆえ、タイムトラベルものとしてのスペクタクルは皆無ですがSF的な充足感は十二分で、人生の機敏が味わえる不思議なドラマに仕上がっています(各キャラクターの後日談が垣間見えるエンドクレジットは必見です!)。さて、終盤怒涛のカオス展開について。明らかに妄想・幻想の類に思えますが、ここは視点を変えてみる事をお勧めします。個人単位のミクロの視点から、地球や宇宙単位のマクロの視点へ。そもそも善意の石は何処にあったのでしょう。意思があるのは人間だけでしょうか。もしかしたら時々感じるデジャブって・・・いやいや、なかなかどうして立派にSF、堂々と哲学ですよ。しかしながら本作最大の魅力は、コメディパートに違いありません。主人公・美鳥(鳥居みゆき)が既に破壊力抜群の飛び道工なれど、彼女を取り巻く一癖も二癖もあるサブキャラクターの皆さんが良い味出しまくりでニヤケまくりでした。特にお気に入りは、アゴなし“ペッシ”広子に、ライクア“ホラーヒロイン”婆さん、そして“ザ・イーグルアイ”安藤兄弟のデブ(弟の方)。見事に劇薬級ばかり。あの鳥居みゆきと存在感でタメを張ります。絶妙な空気感とワードセンス、そして先制攻撃上等のハードヒッティングなラブコメで、久々にドストライクに笑えました。こういう映画に当たると、役者に求められるのは演技力より役作り、作品に必要なのは制作費より企画力と再認識させられます。期待していなかった為、完全に不意を突かれました。掘り出し物のグッドSF、ナイスコメディ。素晴らしかった! 以下余談。広子役の仁後亜由美さん。お笑いコンビ『フタリシズカ』の女芸人の方だとばかり思っておりましたが、調べたところ女優さんでした。『かしこい狗は、吠えずに笑う』にも出演されていたそうで。・・・大変失礼いたしました。
[DVD(邦画)] 8点(2019-07-15 07:59:21)
9.  TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ 《ネタバレ》 
クドカン映画の“やり口”としては、『少年メリケンサック』の時と基本的に変わりません。楽曲が持つ力、監督の世界観を体現する常連俳優&其処にいるだけで有難いミュージシャン、“らしさ爆発”の笑いに、切なさの詫び寂びをブレンド。これはもう鉄板の面白さです。幸せの青い鳥。何故か多いぞ畜生道。理不尽極まりない自殺判定。汚ねえクソと上品なクソ、どこが違う。何が違う。だってHELLもHEAVENもどちらもHでしょ。極め付けは「わたしも」。右に左に、グイグイハートを掴まれました。自分の、いや、全人類の人生が愛おしくなる映画。沁みますなあ。悪ふざけで感動なんて、きっと一時の気の迷いか錯覚でしょう。でもそれが映画の魔法であり、醍醐味に違いありません。いい映画でした。(以下余談)小6の娘と一緒に居間でTV鑑賞。それなりにウケていたと思いますが、あるシーンで固まりました。主人公弟の、○ナ○ーシーン。それもノーロック・ケツ丸出しのストロングスタイルですよ。これを年頃の娘と一緒に観るのは、何という名前の“地獄”ですか(泣)?『中学生円山』の監督であったことを忘れていた自分を呪います。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2017-06-30 17:29:21)
10.  TRICK トリック 劇場版 ラストステージ 《ネタバレ》 
最後の最後で“泣かし”に来ましたか。あんな表情の上田教授が見られるなんて、オフザケドラマ『トリック』なのに、ずるいですよ。こっちまでウルウル来てしまいました。鬼束ちひろの『月光』の破壊力も抜群。前原一輝氏(金髪オールバック・初代矢部の相棒石原)のキャスティングに感激しました。結局、観客の“思い出(思い入れ)”に勝る味付けは無いってことです。あと、仲間由紀恵さん、ご結婚おめでとうございます。ご祝儀込みの8点進呈です。全『トリック』ファンは、ラスト10分の為に、この映画をご覧ください。
[DVD(邦画)] 8点(2014-09-30 19:56:53)
11.  飛べ!ダコタ 《ネタバレ》 
タイトルから容易に想像がつくように、物語の着地点(本作の場合は離陸点かな?)は初めから確定しています。ですから、観客の興味は結末に至るまでのドラマにありました。どんな苦難を乗り越えてダコタを再び飛ばす事が出来たのか。しかしながら、ハードルらしいハードルが見当たりません。英兵も島民も皆物分かり良く協力し、順調に滑走路を造り上げたように見えました。障害と呼べるのは放火未遂事件くらいのもの。厳しい自然環境の抵抗や滑走路造成過程の試行錯誤など、外的要素で盛り込めるハードルは幾らでもあった気がします。それに時は戦争直後の混乱期。ベンガルの言葉「ここ(頭)では分かっていても、ここ(心)がいうことを利かない」という島民の内面にも、もっと踏み込んで欲しいと思いました。戦争で息子を亡くした母(洞口)や戦時中の思いを引きずる青年(窪田)のエピソードにしても、簡易に処理をした感は否めません。心の穴を埋めること、凝り固まった心を解すのは、そう簡単な作業ではないはず。悩み、ぶつかり合い、苦難を乗り越えてこそのカタルシス。残念ながら、優等生の善行より不良の親切が持て囃されるのが世の常です。そういう意味では、登場人物がみな良い人過ぎたと思います。美談を美談のまま映画化することの難しさを感じました。ダコタ不時着時及び離陸時の描写に、予算問題をカバーする工夫が見られなかったこと。島民の善意の結晶であり最大の見どころ、自然石を敷き詰めた500メートル滑走路の全景をきちんと見せなかったこと。演出面、映像面での不満もあります。手放しで称賛できる映画ではありませんでした。本サイトのレビュワーとしての採点は6点です。ただし、一新潟県民としての思いは別。忘れ去られていた誇り高き感動の実話を、このような形で世に知らしめてくれた本作には、心より感謝いたします。油谷監督、比嘉愛美さん、初監督及び初主演に『飛べダコタ』を選んでくださり有難うございました。洞口依子さん、素晴らしい演技でした。この映画製作に関わった全ての方に敬意を込めて+2点を献上させてください。
[映画館(邦画)] 8点(2013-10-06 20:49:39)
12.  ドラえもん のび太の恐竜 《ネタバレ》 
記念すべきドラえもん映画の第1作目。さらには思い入れの要素も相まって、贔屓目に見てしまうのは致し方ないところ。ではありますが、それを差し引いてもいい映画だと思います。危機的状況の作り方も上手いし、何よりピー助とのび太のドラマが心に沁みる。卵のまま化石となっていたピー助は、生を受けつつも誕生できなかった命。それを1億年の時を超えて、のび太の愛情を受けて命の花を開かせた。コレだけでも涙ぐんでしまうほど、自分の琴線に触れるエピソード。のび太を親と慕うピー助のけなげさに涙。エピローグ、ピー助を想いながらボールを抱えるのび太に、また泣けてしまう。のび太も精神的に成長しました。個人的に一番泣けるドラえもん映画です。惜しいのは、VS恐竜ハンターとの決着にタイムパトロールを介入させてしまったこと。奇跡や正義の味方を頼らすに、自力で問題解決できていれば、もっとスッキリしたと思います。
[DVD(邦画)] 8点(2008-04-06 21:44:38)
13.  トゥモロー・ワールド 《ネタバレ》 
空飛ぶ車もレーザービームも出てこない未来。見て取れるのは、カーナビの進化くらい。現在のペースでテクノロジーが進めば、驚きの発明や進化にお目にかかれそうなもの。しかし世界は薄暗く、貧困ばかりがクローズアップされます。人々は活力を失っている。生きる力が無いから進歩もないということ。その理由は、子が産まれないからだという。日本のみならず先進国と言われる国が皆抱える少子化問題。その究極のかたちと言えます。ですから設定には、リアリティがありました。子がいないIfの未来。世界で一番若い18歳の少年は、スーパーアイドルで人間国宝級。歌いも踊りもしないのに。人々は正気を失っている。もし新たな赤ちゃんが誕生したらどうなるか。法王クラスか、はたまたメシアの再来か。その子が持つパワーと利用価値は計り知れません。母子が逃げる理由には説得力がありました。主人公と母子の逃避行。その緊張感は“凄まじい”の一言に尽きます。守るべきものがある恐怖。内戦の中、母子を探す場面の臨場感に身が震えました。赤ん坊の泣き声ひとつで兵士達が戦いを止める。表現としては陳腐かもしれません。でも心を打たれます。そもそも赤ちゃんの鳴き声や子供の笑顔には、それだけの力があると思う。愛や母性という言葉で説明してもいい。『利己的な遺伝子理論』を持ち出してもいい。いずれにしても、人の心はそうプログラムされていると感じます。私たちには、次の世代に“大切なもの”を受け渡す責任を負わされている。それは逃れられない事実だと思います。“大切なもの”はDNAだけではありません。知識、知恵、文化、思想もそう。喜びや悲しみ、感動だって伝えたい。私たちは、途方もない数の命と、想いと、願いを受けて生きています。だから命は尊い。他人のことは知らない。私が死んだら世界は終わり。そういう価値観も否定しません。でも “繋がっている”と考えると、穏やかな気持ちになれると思う。誰かの手を握るだけで安心するように。伝えたいものがある。託す相手がいる。そのことに感謝したいです。物語は一応ハッピーエンド。しかし銃声は鳴り止まず、トゥモロー号は深い霧の中。希望の光が照らす明日は見えません。だから思う。失ってから気付くのでは遅いと。本作の設定は一例に過ぎません。世界を終わらせるのは、そう難しいことじゃない。今のままで、明日がやって来るのか。私たちは問われていると思う。
[DVD(字幕)] 8点(2007-10-03 18:14:18)(良:2票)
14.  ドラえもん のび太の大魔境
秀逸な設定。テンポ良く盛り沢山な内容。飽くなき兵器開発に対する警鐘というメッセージ。子供向け娯楽映画として洗練されていると思いました。設定を論理的に説明すること。展開に整合性を持たせること。誠実な制作姿勢を感じました。この時期の劇場版『ドラえもん』に共通している長所だと思います。また興味深かったのが、当時の世相を反映した思想・価値観(教育的配慮)について。盛んに「男らしい」を連発するしずかちゃん。今ならこのような表現はしないはずです。やはり映画は時代を色濃く映す鑑だと思いました。満足度の高い作品。ただ、お姫様わんこがカワイクなかったのが残念(笑)。
[DVD(邦画)] 8点(2007-03-02 18:21:30)
15.  とんかつDJアゲ太郎 《ネタバレ》 
立志→小成功→挫折→葛藤→特訓→勝利。これは青春スポコン映画の黄金パターン。本作のような非スポーツ系にもこの絶対無敵の方程式があてはまります。ただし、特訓が派手で分かりやすいスポーツ競技に対し、文化系の訓練は見た目に地味です。さらに芸術系となると、技能向上をどう表現したらよいのやら。では、クラブDJの場合はどうでしょう。私の認識では、ツマミをいじって、レコードをキュキュキュキュやって、フロアを盛り上げるのがDJの仕事(本当は何をしているのか知りません)。もちろん楽曲知識や操作テクは必要でしょうが、一般的な技能習得法など見当もつきません。主人公が弟子入り志願をしたオイリーさんは、当初「そんなもん独学だ」と一蹴し、子弟関係を結んだ後も「フロアの客を具体的にイメージしろ」程度のアドバイスのみ。結局は「経験」と「センス」がモノを言う世界と思われます。これを前述した方程式の「特訓」に落とし込むと、「指たて伏せをする」「洋楽を24時間聴きまくる」「小箱100件武者修行」のような表現になるかと。分り易い。でも汗臭い。そして重苦しい。クラブDJのイメージとはかけ離れてしまいます。そこで本作では、「とんかつ屋」の下積みをそのままDJ修行に置き換え、軽やかに仕上げました。とんかつを揚げるのも、フロアの客をアゲるのも同じという理屈。もちろん詭弁です。しかし的外れでもありません。両者に共通するのは「お客さんの笑顔がみたい」。果たしてとんかつDJは、とんかつ屋修行で身に付けたスキルを武器に、フロアの観客に最高のグルーヴを巻き起こしました(調子乗って使ったけど、グルーヴってなんだ?)。オチもまた良し。アゲ太郎よ、DJである前にとんかつ屋たれ。まずは本業で一人前になること。そのとんかつ道はDJにも続いているに違いありません。 最初に『とんかつDJアゲ太郎』なるパワーフレーズを耳にしたのは、伊集院光の深夜ラジオだったと記憶しています。氏のフェイバリットフレーズ『岡村孝子のうどんの歌』と同じ悪ふざけかと思いきや、本当に漫画が存在するとは。さらに映画化と聞いて驚いたものです。しかも実際観てみるとキワモノではなく、正統派の青春映画で2度びっくり。タイトルで先入観をもってはいけませんね。それにしても、とんかつ美味しそうでした。本作鑑賞後、馴染みのとんかつ屋に走ったのは言うまでもありません。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-09-16 22:20:23)
16.  ドロメ【男子篇】 《ネタバレ》 
次に『男子篇』の感想です。物語のベースとなる『女子篇』を補完するのが男子篇の役目。「あれは一体何だったのだろう?」の種明かしがお楽しみ。さて、そんな男子篇の目玉は、何と言っても幽霊の存在でしょう。霊がいること自体は女子篇でも見当がつきましたが、正体がまさかオ〇ンとは。何なら男子篇のタイトルは『ドロメ』よりも『オ〇ン』の方が相応しい気もします(あれ?関西じゃないから『マ〇ン』かな)。ドロメを悪意の塊と捉えるなら、こちらは善意、いや愛の塊。ただし、過ぎたるは及ばざるが如しで、悪意より厄介かもしれません。霊体なのに物理攻撃が効くばかりか〇〇化までする、映画史上初(?)の快挙も見どころの一つ。おっと、○○化の方は『○ーストバスターズ』という先例がありましたね。女子篇と比べると圧倒的にコメディテイストが強いのは、それだけ男の子の方がアホだという事でしょう。とはいえ、女子風呂の残り湯を頂戴するお約束が見当たらないあたり、相当に育ちが良いか、あるいは俗にいう草食系男子とお見受けしました。カレーもおでんみたいでしたし。注文を付けるとすれば、キャラクターにメリハリが欲しいこと。これは女子篇にも共通しますが、美男美女揃いで特徴がありません。例えば、メガネ、デブ、お金持ち、お風呂好き。まずは見た目で差異を。性格で厚みを与えましょう。キャラクターの魅力はコメディの面白さに直結しますから。あれ、そもそもコメディではありませんか。ただし、本作の楽しさは完全にコメディのそれであります。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-05-10 10:28:11)(良:1票)
17.  トリガール! 《ネタバレ》 
スポ根青春ラブコメディの王道フォーマット。そつのないつくりで、大変楽しく観させていただきましたが、本作最大の魅力はやはり土屋太鳳さんにあります(断言します)。まさに魅力爆発!「何すか」の言い方が、もうたまらないです。ヤンデレ系とでも言うのでしょうか。彼女より美人でスタイルが良く、演技も上手い若手女優さんは沢山いると思いますが、彼女ほど“人間力”が高い方はそう居ないでしょう。比肩できるのは、吉岡里帆さんくらいかな。とにかく、土屋太鳳、恐るべしと。
[DVD(邦画)] 7点(2019-06-16 20:24:34)
18.  翔んで埼玉
郷土”愛“が根底にあり、かつ実際は”そんなわけない“から成立する差別ギャグ&自虐ギャグ。当事者となった埼玉県民や千葉県民が一番楽しめるのは間違いないでしょう。かくいう私も、川口と八王子に在住経験ありで親近感もあり。地名で笑えるのは、その土地に大なり小なり愛着があるからに他なりません。他の地域でも、同じようなライバル関係はあるでしょうし。散々な言われようをした関東北部県の皆さんは楽しめたのか気になるところです。関東全部引っくるめて『首都圏』でくくっていまう田舎者(新潟県民)としては、微笑ましい兄弟喧嘩を眺めさせていただいた感じでございます。Gacktさんや、伊勢谷さんは、注文通りのキャラ設定に熱演で安定感あり。二階堂さんの男性役は、正直たまらんものがありました。もしかしたら自分、新しい世界が開けたかもしれません涙驚。(以下余談)今回錦糸町で劇場鑑賞したのですが、勝手に錦糸町って千葉県だと思い込んでおりました。だから、どうということもありませんが、警鐘を兼ねてご報告まで。そんな警鐘要りません?失礼しました。
[映画館(邦画)] 7点(2019-02-24 21:13:45)(良:1票)
19.  東京喰種 トーキョーグール 《ネタバレ》 
青年漫画ならではのトンデモ設定に、始めは呆れ気味でした。怪物の臓器を人間に移植?人間がヒト喰いに変化?二次元なら許容される世界観も、実写では流石に無理が過ぎました。怪物と人間の戦いにおけるパワーバランスも不自然さを通り越してミステリー。ところがどうでしょう。観終えてみると、不思議と腑に落ちたのです。その理由を考えたところ、次の結論に至りました。“グール≒捕食者(肉食動物)”ではなく“グール≒人間”と認識出来たということ。見た目は勿論のこと、言語や文化を共有し、おそらく性交も可能で、臓器移植は実証済み。ここまで来るとグールを“別種”や“向こう側”と割り切るのは難しくなります。ただし積極的に共存しようとは思いません。脅威を排除できるなら、それに越した事は無いでしょう。少なくとも、上から目線かファッション感覚で“○○○を守ろう”と声を上げる意識高い系(又は恥知らず)ではないつもりです(失礼、言葉が過ぎました)。ただし、決して分かり合うことのない同じ人間と、グールでは何が違うのだろう(どちらがマシだろう)とも思うのです。人間より運動能力で遥かに勝るグールが、捜査官と一対一で遅れをとってしまう謎の補整も、この事実を示唆するためと考えれば納得できます。反芻すればするほど、味わいが増す気がしました。主人公の生き物としての属性を完全にグール側に置いたこと、人間(捜査官)が掲げる正義に裏付けを与えなかった点など、観客をグールサイドに肩入れさせるやり口は上手いと思いました。設定・テーマ被りの『寄生獣』との比較も興味深いところ。続編が期待されます。最後にキャストについて。そもそも原作未読につきキャラクターのイメージは持ち合わせていませんが、大泉洋はミスキャストと感じました。シリアスに寄せる事を拒絶するナチュラルボーン・コメディアン。存在そのものがマンガでした。佐々木希も?が付く配役。存在感の薄さには製作者の悪意さえ感じます(もしかして渡部の嫁になったからか?そうなのか?)。そして清水富美加。演技云々とは別次元で、続編での続投が望めないのは残念で仕方ありません。そして窪田くん。蒼井優様にお顔をぺろぺろされて、羨ましいったらありゃしない(どんな締めだ。反省)。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2018-05-05 09:56:20)
20.  DRIVE 《ネタバレ》 
2017年の時点で観ると、まず驚くのがキャストの豪華さ。松重豊、ピエール瀧、津田寛治、松雪泰子ら人気と実力を兼ねそろえた味ある俳優がチョイ役で色を添える贅沢ぶり。まあ15年も前の作品ですから今とはネームバリューが違いますけれども。ホント、どのキャラクターも濃いめの味つけで自分好みでした。趣としては、『世にも奇妙な物語』風のファンタジックな仕上がり。テーマは人の縁。マヌケな銀行強盗たちと生真面目主人公の偶然の出会いが化学変化を引き起こし、各人の人生が好転していく様は観ていて気持ちの良いものでした。因果応報の原則が効いているのかいないのか微妙なところですが、強盗たちは皆その後お縄になったと考えるのが自然なのでしょうね。
[DVD(邦画)] 7点(2017-12-25 19:50:57)
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