1. 長崎の歌は忘れじ
長崎の原爆を扱った映画だが、生々しい映像や悲惨さはなくメロドラマ風。爆風で崩壊した浦上天主堂(現在は建て替えられている)を見ることができるのは良いが、閃光で盲目になったにしては顔や身体に傷ひとつないのも不自然、原爆はこの程度のものかと誤解される方が恐ろしい。映画の内容はまずまずだが感動映画というほどでもない。反戦というよりは日米の和解に力点を置いた映画で、琴や陶芸など日本の文化が見られる。 [DVD(邦画)] 7点(2015-08-21 07:48:20) |
2. 名もなく貧しく美しく
聾唖者が一人で生きていくのは大変だけど、聾唖者同士お互い力を合わせれば・・・。それでも耳が聞こえない悲しさ、やっぱり悲劇は起こる。手話そのものはあまり手話らしくは見えなかったけど、主役の二人は上手く演じていたように思う。結婚して良いのか、子どもを産んで良いのかから始まって、どうやって子どもを育てていくのか、切実な問題をしっかりと捉えている。この後は父と子で助け合って行くのか、やっぱり息子は良い子だった。昔見た映画だけど印象深い。 [映画館(邦画)] 7点(2014-02-15 22:19:47) |
3. 長屋紳士録
紳士録というから男ばっかりかと思いきや、何と何と主人公は男勝りのおば(あ)さん。「あ」の字を入れるか入れないか微妙な年齢。笠智衆さんが拾ってきた男の子を、口や態度ではやっかいものとしながらも、次第に愛着を覚えていく過程が実に良く、表情が何とも言えない。ラスト近くの「親子っていいもんだよ」と言うあたり実感がこもっている。戦後まもない頃の映画だけに、音声が大きくなったり小さくなったり不揃いで聞き取れないところが多少あるのが残念だが、復興期の心温まる作品であることに間違いない。小沢栄太郎、笠智衆らの若き姿にも驚く。 [DVD(邦画)] 8点(2013-08-24 21:07:12) |
4. 内海の輪
大女優岩下志麻でなければ、ただの不倫ものメロドラマになってしまったかもしれない。彼女の彫りの深い演技により、松本清張独特の男女の愛憎の機微を感じることができる。それでも前半の不倫旅行はやや退屈、両者の共通の知人に出会ったあたりからようやくサスペンスらしくなる。 [映画館(邦画)] 5点(2013-07-17 05:43:42) |
5. なつかしい風来坊
「男純情の~♪」灰田勝彦が歌っていた「燦(きら)めく星座」なつかしい! その歌がぴったり?するような映画。ハナ肇をメインにした山田監督の映画はどれも好きだし、この映画は特に私のお気に入りだ。コメディとしては控えめだが、それでも愛ちゃんが笑ったときは私も笑ったし、ラストシーンは遥かなる山の呼び声とまではいかなくても感動的。そしてお役所つとめの切なさを漂わせる有島一郎のつつがむし演技はまさに絶品。 [映画館(邦画)] 8点(2013-02-19 23:20:30) |
6. 夏の妹
大島渚監督の映画はやっぱり苦手、今回の映画はそれに加え配役がどうも気になる。栗田ひろみも好きでないが、りりィのかすれ声も好きでない。素直子という役名も耳障りだし何もかも私に合わないのかも、後半になるとストーリー自体も・・・。1972年と言えば沖縄返還の年、もっと純粋の沖縄映画が見たかった。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2012-10-28 21:11:55) |
7. 仲間たち
高校三年生の大ブレークから次々とヒットを飛ばした舟木一夫、歌に合わせて映画も次々と作られた。これは私が見た最初の映画、うーん、歌手としての舟木一夫は良いが、やはり俳優としては演技が堅い。そしてまた映画のストーリーも悪くはないが、そこそこだし・・・。だが、だが、びっくりしたのは松原智恵子の可憐な美しさ。浜田光夫じゃないが、私だって彼女のバスに乗ったら終点まで行って、帰りもまた乗ってしまうだろう。ぞっこんまいってしまった。この後も舟木一夫の映画をいくつか続けて見るが、もちろん目当ては松原智恵子。 [映画館(邦画)] 5点(2012-08-24 16:47:08) |
8. 長崎ぶらぶら節
《ネタバレ》 長崎の三菱造船所で建造された戦艦「土佐」は、一度もその役割を果たすことなく、ワシントン海軍軍縮条約により翌年廃艦となり、呉へ移された。(魚雷の標的艦になる) その悲しい運命を愛八は歌い、横綱の土俵入りを行う。なぜ土俵入りかと思われる方も多いだろうが、戯曲「一本刀土俵入り」を知っている私にはずいぶん切なく思えた。 さて、長崎在住の私には諏訪神社、眼鏡橋、オランダ坂、グラバー邸など名所が出てくるたび胸を躍らせた。なかでも丸山の遊郭「花月」、ここには愛八さんの写真などが今も残されている。もちろん愛八さんも郷土史研究家古賀十二郎氏も実在の人物で、小説は史実を元に劇的な要素を加え作られている。 さて映画だが、原作小説に結構近いのではなかろうか。直木賞作品だけあって良い映画だったと思う。 蛇足ながら長崎では一足先に公開され、先頃亡くなられた諫早(長崎県)出身の脚本家市川森一氏を忍んで、リバイバル上映中である。 [映画館(邦画)] 7点(2012-02-24 20:34:59) |
9. 涙の連絡船
昔は歌がヒットすると、それを主題歌にした映画がたくさん作られた。そしてまたその歌手も映画に登場する、そういうパターンも多かった。都はるみさんは私と同年代であり、演歌があまり好きでない私ですら、しっかり覚えてしまうほど曲がヒットした。 だから映画を見たのではなく、お目当ては香山美子さん、とてもきれいな人で私たちの年配にはあこがれのお姉さんだったからだ。 しかし映画の内容は残念ながら香山さんの美しさ以外、ほとんど覚えていない。こんなことで点数をつけるのもどうかと思うが・・・。 [映画館(邦画)] 5点(2012-02-01 10:14:22) |
10. 奈緒子
思い切り漫画の世界だ。コースやルール、走法、タイムなど無茶苦茶であるが、漫画だから許そう。教え子たちが選手として出場しているので否応なく見る羽目になったが。そうでなければ決して見なかっただろう。撮影のとき頂いた奈緖子のTシャツは今も着ているが・・・。そう言えばおひさまのタケオ君が出ていたっけ。 [映画館(邦画)] 3点(2011-10-26 19:55:11) |
11. 流れる
男は宮口精二がゆすり屋で脇役を演じる以外ほとんど活躍しない。仲谷昇はまだ若く頼りなさそうだし、加東大介などはちょい顔をだしただけ、ほとんど全編が女優陣である。またその女優陣がすごい。主役をはるだけの女優さんが何人も一堂に会する。田中絹代の控えめでよくできた女中さん、芸者置屋つたの家の主人山田五十鈴、その娘ながら芸者を嫌いミシンの副業を始める高峰秀子、歯に衣着せぬ芸奴杉村春子、それぞれがそれぞれの役柄を見事なまでにこなしている。そして大御所栗島すみ子の存在感、これだけの映画は、時代が流れても映画史に永遠に残るだろう。 [DVD(邦画)] 8点(2011-09-18 03:33:21) |
12. 南極物語(1983)
2頭の樺太犬タロとジロ生存のニュースは、当時小学校6年だった私もしっかり覚えている。それこそ瞬く間に日本国中に感動と驚きをもたらした。まさに「奇跡」であり、今で言えば、なでしこジャパンがサッカーで金メダルを取ったときのようだった。 それから二十数年後この映画が制作され、勤務していた学校の高校生らと一緒に学校鑑賞として見たのだが、感動は今ひとつ、やはり現実のニュースには遠く及ばない。 さらにまた二十数年後DVDで鑑賞し、撮影秘話(大変な苦労での撮影だったらしい)などを聞くと別の意味で感動した。撮影の大部分は他の土地で行われ、南極ロケはほんの一部分らしいが、それでもすばらしい大自然である。 私のこどもの頃は、米ソが競い合って人工衛星を打ち上げたり核実験を行っていた時代、国際地球観測年として戦後間もない日本も参加したのだが、米ソに比べると日本は大変お粗末なものであった。観測船「宗谷」は最新鋭の砕氷船どころか、老朽船に近い船を改装したものであり、氷をわる能力も米ソの砕氷船の5分の1以下だったらしい。毎年のように氷に閉じこめられ、米ソの砕氷船に助けてもらうという有様だった。 その辺の事情を知らないと、なぜ犬を助けなかったかを理解できないと思う。 [映画館(邦画)] 5点(2011-08-18 18:23:25) |
13. ナイト・オン・ザ・プラネット
《ネタバレ》 夜のタクシーって、何となく怖いし寂しい。運転手もやたら煙草ばかり吸う運転手もいれば運転手なのに全くの方向音痴もいる。盲目の人よりも見えない運転手、やたら構わず喋りまくる運転手もいる。乗ってくる人もいろいろ、最後は不幸な乗客と運転手。要するに様々ということだろうが、盲目の美人ベアトリス・ダルが凄いなと思っただけであとはたいくつだった。 [DVD(字幕)] 4点(2011-08-02 12:27:28) |
14. 波の塔
《ネタバレ》 原作は過去七度もテレビドラマ化された松本清張の代表的長編小説である。政財界に纏わる汚職事件を描きながら、それに絡む人妻と青年検事の許されぬ愛を描くという松本清張にとっては甚だ異色とも言うべき作品である。 しかしながらこの映画は、テレビのメロドラマの枠を超えているとは思えない。原作にほぼ忠実であり、大切な要素は網羅されていると思われるのに、なぜ・・・。 ひとつはミスキャスト、有馬稲子のヒロインはともかくとして、津川雅彦の検事はあまりにも若すぎて未熟だと思う。それに映画の展開、あまりにも原作をなぞっているだけで平坦すぎ、感動も何もない。これでは・・・。 [DVD(邦画)] 3点(2011-04-08 16:35:01) |
15. 夏の庭 The Friends
偶然テレビ(CSだったかもしれない)で途中から見たが、「夏の庭」だとすぐにわかった。実はずっと前、演劇で見ていたからである。 演劇の印象が強くレビューにはならないかもしれないが、映画では三國連太郎のおじいさんが大変良かった。子どもたちとおじいさんとの心のふれあいが何とも言えない。 もう一度見てみたい映画なのだが・・・。 [地上波(邦画)] 6点(2011-03-06 09:35:04) |