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21.  男はつらいよ 柴又より愛をこめて 《ネタバレ》 
確かこれ当時は、「恋愛指南や相談相手役が続いていた寅さんが、久々に自ら恋患い!」みたいな売り出し方をされていたと思いますが、改めて見てみても、何か消化不良感が残るのですね。それは、栗原小巻が落ち着きすぎていてどうも寅さんとかみ合っておらず(これは第4作もそうでしたが)、したがって寅さんがボルテージを上げるきっかけに乏しいということ以上に、そもそも作品世界の設定が単純に二十四の瞳に寄りかかりすぎというのが大きいと思う。それを揺さぶろうとしてあけみのフューチャー度を高めたのでしょうが、どうもこのあけみというキャラ、出番が増えれば増えるほど、わがままでがさつな部分ばかりが目についてしまう。田中隆三との別れのシーンなどは、最小限の言葉でいろいろな想いを表現していて、良かったんだけど。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2020-12-17 02:07:13)
22.  男はつらいよ 寅次郎恋愛塾 《ネタバレ》 
何と今回、本編に入っていきなり谷よしのさんが!これは奇襲攻撃!●寅さんが恋愛指南役というのはこれまでにもいくつもありましたが、その場合も寅さんは、どこか悠然と構えた余裕というか、同時に自分自身もそれをどこかで楽しんでいる風情があって、そこが粋を感じさせていたわけです。この作品ではやたらきつい表情でストレートな台詞を吐く場面が目立っており、それが何か制作側の焦りみたいなものを感じさせます。そのせいかどうか、ラストの秋田シークエンスは完全にグダグダで、前の作品ならここは柴又の範疇内でさらっと切り上げていたはず。●それとこの作品のとき、渥美さんはもしかして体調悪かったんじゃないのかな・・・。声にも何となく張りがないし、序盤でポンシュウのアクションが目立っているのも、渥美さんを動かさないためのように見えてしまう。柴又案内には満男を行かせてしまうし、マドンナと平田満のデートシーンが延々と続くのも、もしかしてそのため?とか勘ぐったりして。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2020-12-08 00:16:08)
23.  男はつらいよ 寅次郎真実一路 《ネタバレ》 
マドンナが大原麗子といえばもちろんあの名作「噂の寅次郎」が思いつくのであり、でもあれを超えるのはそう簡単ではないだろうと思いながら見てしまうのですが、やはり超えられませんでした。「噂の」ではシャープな演出で麗子さんの魅力を鋭く引き出したわけですが、こちらでは、制作側が逆に麗子さんに寄りかかっています。とはいえそれにも耐えうるほどの麗子さんの輝きと存在感は、さすがです。●コンセプトとしては、「都心の高層ビルや新興住宅に登場する寅」がやりたかったんだろうな。それはそれで貴重ですが、やっぱり寅はどうやっても生きてないというか、居心地悪そうです(笑)。そして終盤には、失踪夫の存在をどう捉えるかというドラマに直面するわけですが、「俺の心は汚い」のくだりは、無法松から継承して馬鹿シリーズから続く、監督生涯のモチーフですね。●再見して気づいた点。津島恵子のお見事薩摩弁。そういえば大河ドラマの「山河燃ゆ」と同じ年なんだけど、まさか監督、あれを見ていて津島さんを拝借したんじゃないだろうなあ・・・。●そして実は一番ぞくっとしたのは、鹿児島ツアーでメインの桜島に着いたと思ったら、「もう帰りましょう」とあっさり収束するあの切れ味。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-11-27 01:37:40)
24.  男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎 《ネタバレ》 
これは一体どうしちゃったんだ?というくらいいきなり質が落ちてしまった作品。冒頭の恒例の夢でとらやファミリーが出ないところで不吉な予感が漂う。序盤で久々の(しかも堅気になった)登が登場して(第10作以来?)テンションが上がるも、寅さんが説教してそれで終わり。使われ方あれだけかい!中原理恵のキャスティングは・・・前々作の都はるみで「そういうのもありか?」と山田監督が思ってしまったのかもしれませんが、あっちほどのいろいろな周到な配慮がないので、逆に理恵さんが可哀想。渡瀬恒彦は完全に浮きまくり、あの白スーツでとらやに登場した日には、そのまま椅子や机を蹴り飛ばして仁義なき大暴れをするんじゃないかと思ってしまいますよ。佐藤B作はひたすら陰鬱なだけで、似たシチュエーションの第15作の船越英二とは雲泥の差(おまけに最後のあの処理は・・・)。しかもとらや登場場面は意味合いが渡瀬恒彦とまったくかぶっている。そうそう、とらやファミリーも、あけみの結婚という美味しいネタがありながら、今回はほとんど機能していません。と、ダメ出しばっかり目についてしまった一作でした。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2020-11-24 00:10:24)
25.  男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎 《ネタバレ》 
もうこれは、竹下景子様に尽きます。作品世界への適合度、寅さん好みの人物造形、渥美清との演技と掛け合いの相性、すべてがスーパーマドンナともいうべき魅力を発散しています。見る前からある程度想像はできていましたが、予想以上でした。そして、とらやで寅の袖を引いて囁く(というか口走る)あの一言のインパクト、さらに柴又駅の別れのシーンの、少ない台詞に込められた膨大な情報量。前半、とらやシーンを大幅にカットして投入された旅先での丁寧な積み重ねが、凝縮されて生きています。●備中高梁というところも、程良く観光地、程良く田舎で、またこの作品の舞台に合ってるんだなあ。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2020-11-19 00:40:07)(良:2票)
26.  男はつらいよ 旅と女と寅次郎 《ネタバレ》 
マドンナが都はるみなんで、演技力は望むべくもなく、実際見ていてハラハラしてしまう。しかしやはり、その辺は最小限にしておいて、開き直ったかのように随所で歌をぶち込んでくる。まるでミュージカルを見ているようです(!)。そのため脚本にも強引な箇所が見られますが、こういうのはそれでいいのです。ただ、佐渡の別れのシーンは、「ファンが待ってるから」ではなくて、「ここまで心配して汗かいてアンタを迎えに来た人たちがいるだろ」と言ってほしかったし、「行かせたくない」ではなく「行くんだよ!」と言ってほしかった。●とらやのリサイタルシーンはやっぱり名シーンなんだけど、そこに深みを与えているのは、影から思い詰めた表情でひっそり見つめる寅、そしてそれを見上げて何かに気づくさくら。●指輪はもう少し活用してほしかったな~、ちょっと使い損ねた印象。●しかしやっぱり、この作品で一番凄いのは、あの「日生のおばちゃん」こと中北千枝子さんを、堂々と「保険外交員役で」出してくださったことではないでしょうか。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-11-07 00:54:57)
27.  男はつらいよ 花も嵐も寅次郎 《ネタバレ》 
「田中裕子とジュリーへの恋愛指南」の一言で片付けられそうな気もするのだが、よく考えるとそれにとどまらない奥の深さがある。マドンナはジュリーを、当初は二枚目だから気が進まないと言い、デートしても何も喋らないのが嫌だと言う。もちろんその逆が寅さんであって、スナックでいきなり「今夜は飲んじゃおう!」とノーガード全開になってしまう描写にもそのベクトルは示されている。しかし、いざいい雰囲気になると引いてしまうのは寅の宿命でもあるし、まして結婚の心理がどうのこうのという相談には、寅は一切対応できない。もはや自分の中で処理しきれずにグシャグシャになる。あの、せっかくの相談の場から席を立ってしまう一幕に、そのあたりの心理の綾が凝縮されている。●それにしても、後にはいろいろ癖のある役や影のある役も多かった裕子さん、この「どこにでもいるような地味目のデパートガール」役の、何とも初々しく、そして神々しいこと!「おしん」で国民的女優に躍進するのはこの翌年なので、よくその前の貴重な時期を収めておいてくれたと思います。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-11-02 00:57:36)
28.  男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋 《ネタバレ》 
何と今回、恒例の「冒頭、旅先から寅が帰ってきてとらやのメンバーと一騒動」がない。その分、マドンナとの関係がじっくりこってりじわじわと描写されて、まるで一般のラブロマンス映画のようです(!)。挿入音楽も、ほかの作品では聴かないような「ザ・メロドラマ」な曲の連発です。またそういう演出に、いしだあゆみがぴったりなんだな。この人の場合、あまり表情を動かさなくても、目力とさりげない動きだけで芝居ができるんですよね。そしてそして、これまでありえなかったマドンナからのこっそり手渡しメモ(おばちゃん曰く「付け文」)、この予想しないたった1枚の紙がもたらすインパクト!この作品はもうここで十分です。鎌倉のシーンはおまけです(とらやでの対面状況で、デートがどうなるかはもう予想できますからね)。●再見して気づいた点。前半の仁左衛門のマドンナへの説教が、後半に効いている。これを生真面目に受け止めたかがりは、寅に対する思い詰めた純度高いアタックを、一点集中で全力で行う。もちろん寅がそれに耐えられるわけはないのだが、その凝縮された情念の強さは、寅を通り越してとらやメンバーすら動揺させるほどであった。それは、結果としてではあれ座敷ではなく店先のテーブルで済まされる応対や、おばちゃんの「恨むわよ、あの人」の台詞に象徴されている。そうして本作のかがりは、とらやを訪れたマドンナとしては唯一の「歓迎されざるマドンナ」となった。そのあたりの冷徹なほどの厳しさが、シリーズの中でも作品のオリジナリティを際立たせている。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-10-18 02:49:11)
29.  男はつらいよ 寅次郎紙風船 《ネタバレ》 
「実は意外と珍しい寅さんの『泥酔』(単なる酒酔いではなく)」「マドンナとサブマドンナが同一シーンの同一ショット内に遠近で登場」など、今回もちょこちょこ新しい試みには挑戦しています。●マドンナは何と音無美紀子!割と地味目な真面目な役が多い人なので、この待遇は嬉しい!と思っていたのですが、設定が「テキ屋の女房」!残念ながらこれは合ってない!いや、こういう同業界的なマドンナって貴重ではないかと思うのですが、よりにもよって庶民派一般人女優の代表格(?)の音無さんを当てんでも。●「亡くなった友人から妻の後添えを頼まれる」という強烈なネタも、その後の心理の綾をあまり使いこなせてないような・・・。あの夕暮れの駅のシーンだけというのはもったいないです。定式ホームコメディの枠にはやや重いネタだったのかもしれません。ただこれで、「やっぱり寅にはきちんと恋愛の修羅場に立たせないといけない」と監督が考えたのが、問題作レベルの次作「あじさいの花」につながったのかもしれん、とか想像するのも楽しい。●というわけで、音無さんの映画ヒロインというのは貴重だし、何だかんだいってこの後添え設定も味わい深いので、点数は甘め。味付けはいまいちながら、素材の良さだけで楽しめる料理、といった感じ。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-10-16 00:16:12)
30.  男はつらいよ 寅次郎かもめ歌 《ネタバレ》 
蘭ちゃんはキャンディーズでもしっかり者のお姉様リーダーだったわけなので、こういう純朴娘役にはやっぱり合わんよなあ。加えて、人と喋るのも苦手っぽい感じながら、初対面の警官にもいきなり食ってかかるなど、制作側の人格設定もどうしたかったのか分からない。さらに、元恋人との関係も脚本上上手く処理されておらず(朝帰りしてしまうってのも唐突だな~)、寅の旅立ちのあたりはグシャグシャな展開になっています。と、内容的には良いところが見当たらないのですが、これは蘭ちゃんの女優スタート時期の作品であり、その後の女優・伊藤蘭の誕生の礎となった功績は大きい。●再見して気づいたのですが、この作品って、いつもの「女性に惚れてフラれる寅さん」ではなく、「娘が彼氏とくっついたときにフラれたような気分になる父親」がやりたかったんですね。ただ、監督が手応えを感じなかったのか、以後の作品ではこの路線は影を潜めることになります。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2020-10-05 03:03:19)(良:1票)
31.  男はつらいよ 寅次郎春の夢 《ネタバレ》 
まず最初に、このタイトル、時期が全然違いませんか?で、内容ですが、香川京子が意外なほど輝いてません。このシリーズには合うかと思っていたのですが・・・。ヒロインとしての造形も、12作目の岸恵子あたりの使い回しっぽい感じ。しかししかし、横から出てきて全部を吹き飛ばすのは、遂に登場、さくら絡みの恋愛沙汰(!!)なのです。博と結婚して以降、ひたすら愚兄の色恋を影からひっそりと見守り続けてきたさくらに対して炸裂するあの一言、これによって作品世界の全体が揺らぐほどの衝撃があるのです。それを受けて変化するその後の倍賞千恵子の芝居も絶妙ですし、また、その引取として、明け方のごみごみした上野駅脇での別れのシーンが効果的に機能しています。寅さん、一晩中面倒見てあげたんだね。でもマイコー、あのお守りをもらっちゃったら、君の恋愛も一生成就しないと思うけど。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-09-24 02:00:41)
32.  男はつらいよ 翔んでる寅次郎 《ネタバレ》 
桃井かおりがマドンナってのは、前々作の武田鉄矢に続いて「ハンカチ」からの引っ張りなんだろうし、そもそもこのシリーズにこの人は合わんだろ・・・とあまり期待していなかったのですが、出会いの場面などは予想外にしっかりしている。桃井かおりのぼーっとした感じと、それに対し言葉少なに応答する寅さんが、むしろ侍の斬り結びを見ている感じで、意外に新鮮なのです。そこから進んで、ウェディングドレス駆け込みのシーンなんかも、そのシーンから逆算して作品を構成したんだろとも思いつつ、それはそれでインパクトはある。ところがそこからがどうも低空飛行で、結局桃井はその辺の若者のモラトリアムみたいな極小課題でうじうじ立ち止まっているし、布施明との関係を(制作側が)どうしたいのかも分からない。最後の結婚式は、博&さくらの結婚の再現みたいで、ある種のサービスだったのかもしれませんが、やはり機能していません。あと、せっかく引っ張り出した木暮実千代姐さんが気品のかけらもなく撮られているのは、一体どうしたのという感じ。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2020-09-17 01:00:28)
33.  男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく 《ネタバレ》 
導入部ですでに、おいちゃんの病気(それもそこそこの重さっぽい)がネタになっており、そのため何か暗い雰囲気で幕を開けてしまう。で、SKDを作品世界に取り込んでしまうという野心については評価したいのだが、やはり料理しきれなかったというか、その部分だけ別世界になっている。そのため、あちこちで、ほかの作品では見ないような突っ込みすぎの台詞が目立ってしまっている。最後に寅さんが舞台を見てしまうのも無粋。あと、武田鉄矢が結局触媒役として機能していない(むしろ、僅かな出番の杉山とく子小母さんの方がよほど重みがある。ちなみに杉山さん、熊本弁も上手い。)。●ただし、キャスティングとしては、レビューショーの主役女優としての木の実ナナは的確であり、ステージ上でも照明負け・衣装負けしていない。その結果、シリーズ唯一といってもよいスポーティ筋肉質系マドンナを創出したという点においては意味があると思う。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2020-09-03 01:15:07)
34.  男はつらいよ 寅次郎頑張れ! 《ネタバレ》 
マドンナの登場がやたら遅く、初期作品の作り方に戻ったような感じ。ただ、藤村志保さんという典型的和風美人はこの作品世界との適合度は高いと思っていたので、これは何とももったいない。一方で、若者二人の恋愛譚は、中村雅俊と大竹しのぶという人材の力も加わり、制作側にとっても、当初の想定以上に話が広がり、異様に出来が良くなってしまったのではないだろうか。とりわけ大竹しのぶは、弱冠20歳にして、とらやの面々をコントロールするほどの求心力を発揮している(実家から戻ったシーンの存在感!)。サブゲストとしてはこれまでも桜田淳子や檀ふみという強力な例があったが、作中における磁場力はそれ以上だ。それと、もっぱらコーチを受ける立場だった青年が、最後に一言で場の色を塗り替える逆転の構図。●それと忘れてはいけないのは、パチンコ屋の杉山とく子さんではないでしょうか。最初は相互反発そのものだった寅さんとワット君が、ここで邂逅し、共鳴する。その変化の媒介を、ごく自然に(それも笑わせながら)行って、シーンの価値を高めているのです。これこそが役者の演技ですし、このシリーズは随所でこういう人たちに支えられています。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-08-27 00:45:08)
35.  男はつらいよ 寅次郎と殿様 《ネタバレ》 
真野響子さんは歴代のマドンナの中でも3本の指に入るくらい好きな女優さんで、しかし、このシリーズの世界とは合わない気がしてたし、このタイトルだったらほとんど主役はアラカンだろうと予想していたのです。ところが、真野さんの持ち味を実に巧く引き出しているのに驚きました。何より、「夫が早世してそれに対する思慕の念を抱きつつ、新しい人生も朧気に考えているヒロイン」に、真野さんは実に的確にフィットしているのです。だから、「その後再婚した場合」を語る寅の「アリア」にも味わいが出ています。フラれるシーンは久々にすかっとした感じの(?)王道描写(このときのぎりぎりのところでその場を収めるさくらは、まさに神)。●考えてみると、この作品では寅さんはそれほどマドンナにのめり込んでいません。が、殿様からの例の手紙で、「あれ、俺って結婚できちゃう?しかもこんな美人と?しかも殿様のお墨付きありで?」と舞い上がってしまうわけです。ここでドキドキ感炸裂です(それにしてもこの手紙が読まれた後、なぜか一斉にどんより落ち込むとらやのメンバーのリアクションは、最高に笑える。いや喜べよ)。しかしその後で分かるのは、むしろ本当にフラれるのは殿様だったということです。そこが切なさと奥の深さを増幅しています。●というわけで、真野さんがヒロインである映画は貴重なので、点数もオマケ。あと、谷よしのさんが台詞多めなのも、ちょっと嬉しい。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2020-08-18 02:26:17)
36.  男はつらいよ 寅次郎純情詩集 《ネタバレ》 
京マチ子がマドンナというのが想像もつかなかったのですが、年上お姉さんへの憧れ路線と、そう来ましたか。しかもこのシリーズにはまさか来ると思わなかった難病死別展開と、割とやりたい放題な脚本で、位置づけとしては意外とアナーキーな一作かも。●京マチ子と檀ふみの演技の相性は非常に良く、作品世界での存在感もあって、レギュラーメンバーが安心して「支えの演技」に徹している。それを後押ししているのが、浦辺粂子大婆様の偉大なピン刺し力。ただ、最後の再会は、ない方がよかったと思います。●ところで最後の柴又駅で寅が語る、マドンナと一緒に花屋をするという空想話。実はこれは必ずしも荒唐無稽なでまかせではなく、実際に寅は、第3作では温泉旅館で、第5作では節ちゃんの豆腐屋で、楽しそうに働いています。つまり、もしどこかで運命が少し動いていれば、寅は風来坊を止めて、堅気として働く一生になっていたかもしれないのです。この駅でのやりとりには、その辺まで含めた主人公造形の周到さと深さを感じます。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-08-09 01:21:19)
37.  男はつらいよ 葛飾立志篇 《ネタバレ》 
樫山文枝さんがマドンナというのは、かなり期待したんですよねー。ほかの作品でいえば長山藍子さんとか大原麗子さんと一緒で、こういう庶民派美人こそが、このシリーズには相応しいと思っていたのです。ただ、設定が大学のインテリ助手になっちゃってて、そうなると、樫山さんの魅力というか本領もやや減少です。大体、この設定だったら、寅さんがそれまでやったことのないような勉学に本当にのめり込んでしまう、というところにコメディがあるはずなんだけど、寅さんがそんなことするわけないしね(したがって、ネタの活用不足感が残ってしまいます)。とはいえ、最後に大学教授と結びつけなかったのは、奥行きと余韻を残しています。樫山さんの映画出演作は貴重なので+1点。あと、桜田淳子も意外に作品世界にはまっていて、もう少し見たかった(この人、ドリフのコントでもきちんと絡む能力もあったりして、コメディに親和性が高いんですよね)。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-08-03 00:08:52)
38.  男はつらいよ 寅次郎子守唄 《ネタバレ》 
寅が赤ん坊を背負ってとらやに帰ってくる!というシーンのインパクトが撮りたいために作られた作品、といえなくもなさそうですが・・・。やっぱり、赤ちゃんが両親から捨てられて通りすがりの人に押しつけられるというのは、ネタとして重すぎかなあ。それと、八方さんはダメ父親がはまりすぎなんですが(引取のシーンの経過説明で、ちょっとだけ落語っぽい台詞回しになるのは、あれはやっぱりサービスだったのかな)、寅母のミヤコ蝶々と一緒で、(あれだけの出番でも)強烈すぎて浮いています。●今回、寅さんは、意外にあまりのめり込んでないですよね。いつもの作品だったら、病気か怪我のふりをして病院に押しかけ、そこでお医者さんも巻き込んで一幕、とか絶対にありそうなんですが。むしろ、ガード下で遠くから十朱さんを見て考え込む表情に、何ともいえない奥の深さがあります。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2020-07-13 01:17:30)
39.  男はつらいよ 寅次郎恋やつれ 《ネタバレ》 
「柴又慕情」での吉永小百合はただぎこちないだけで、マドンナとしても上手く機能しているとはいい難かったので、あまり期待していなかったのですが、意外にもきちんとした内容でした。今回は恋愛沙汰はスパイス程度で、主眼は宮口精二との親子関係の再生ですね(ただ、バランスをとるために、高田敏江のあの冒頭強烈カウンターを入れたのでしょう)。収束部分の、思わず「浴衣綺麗だね」と口走ってしまう寅、そして花火の隙にまた旅立ってしまう寅もいい感じ(あの「階段の下に置かれているサンダル」のショットの美しさ!)。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-07-05 02:28:06)
40.  男はつらいよ 私の寅さん 《ネタバレ》 
シナリオは無難にまとまっているはずなのですが、何か突き抜けてくるものがない。なぜかと考えたら、やはり岸恵子と作品の雰囲気の噛み合わなさなんですね。この人の場合、バリバリの存在感を発しながら、周りとの衝突によって作品世界を高めていくという演技タイプだと思うのですが、このシリーズのようにある程度枠組が定まっていると、どうも何というか、別人格が演技をしているように見えてしまうのです。よって最後には、友達でいましょう云々という、このシリーズには無粋ともいえる直接的な台詞を出さざるをえなくなっています。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2020-06-30 01:01:55)
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