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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1630
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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1.  マタンゴ 《ネタバレ》 
もう60年以上前の怪奇特撮映画ですが、意外と本質的にはホラーや特撮ものよりはハード系人間ドラマ=極限状態での浅ましい人間性の描き出し、の方がワリとメインって作品に見えてまして、その意味ではロメロの初期ゾンビ映画とかの先行作的な位置づけ…みたいな感じも覚えますかね。ドラマにせよ・特撮にせよ、今観ると多少チープ+まま娯楽映画的なつくり込みの深さ、だと思われるのも確かではあるのですが、それでもその(実は上映時間の大半を占める)ドラマ部分の陰湿な居心地の悪さとゆーのは、今作が多くの人の記憶に鮮烈に残ってるってコトのワケがいとも簡単に理解できる…みたいなショッキングな代物だったと思うのですよね。登場人物にはモデルが居るってコトらしーのですが、そーいうの関係無くとも比較的みんなキャラクターのつくり込みが上手くいってたと思いますし、演技の方も総じてソレにハマってた…とゆーのがひとつのポイントかな~と思われますかね。またもう一つ、現代社会に毒されたこの連中は結局マタンゴなんて居ても居なくても(同じ状況ならば)いずれは破滅しただろう…みたいな全体構造が在るコトにも(個人的には)一応筋が通ってたと思えたコトも含めて、今回再見してもやっぱドラマとして全体的に好く出来てるよな~と思っちゃったのですよね⇒なので1点加点しておきます。  プラスその上で、終盤はやっぱシンプルにかなり怖い・悍ましいのですよね⇒いま観直しても尚、ちょっとゾクッとしちゃいました。昔の特撮のこの感じの不快な「音」とか、あとは前述どおり(ココでも)演技のハマり様=作中イチバン印象的なのってやっぱ水野久美さんだと思うのですが、彼女が妖艶にも人間でなくなってゆく様子なぞも、やっぱ素晴らしかったと思うのですね。観てないって方は、ぜひ一度は観た方が好いかもな~と思ってしまう様な良作クラシックでありますね。
[DVD(邦画)] 7点(2024-03-26 22:49:44)(良:1票)
2.  マッチング 《ネタバレ》 
内田英治監督としては、ちょっとチャレンジングなジャンル…なのかとも思えますが、ホラーと言うよりはサイコ・スリラー or サイコ・サスペンスと言うべき作品ではあって、要は謎解き要素が結構モロにメイン…みたいな感じではありますかね。ただ、それで居てホラー的にビビらせようって部分もかなり手堅く仕上がってたかな…とは思えてまして、その面の見応えも決して悪くはなかったと(まずは)思います。加えて前述どおり、より肝心なサスペンス部分についても、その「片側」の方はモ~これ見よがしに終盤手前で見当が付いてしまう…のですケド、そっから先に実は更にトリックが2つも3つも在る…てトコロに関しては意外性も高くってまま好く出来てる方だ…と完全に思えましたですよね。先に結論、再び少し迷ったりしたトコロでもありますが、先年の『キャラクター』より評点を下げるのはややフェアじゃない…的な感覚が強く在ったコトからも、一旦この点数としておきます。フツーに面白く観終われたな~と全然思える感じなのですよね⇒お暇なら是非。    ただし一応、ホラーマニアの眼からすると重ねて、それでもワリとホラー(のレベル)に見えなくない箇所も在ったってコトで、逆にその面からはイチャモンをつけたくなる部分も在る…みたいな感じなのですよね(⇒再度、謎解きが主眼の映画だとは思うので、コレは完全にイチャモンでしかねーのでありますね)。その一つは、シンプルに全体的にかなりテンポがマロいコトで、コレは所謂「ヒトコワ」系であれば(ホラーとしても)まま採り得る選択肢であるとは思うのですが、それでも一旦のクライマックスを越えた後の例の20分位については、流石にちょっと「勿体ぶり過ぎ」かな…と思ってしまったのが正直なトコロですかね⇒ホラーだったらもっとテキパキしてる方が妥当かな…的な感覚ってコトですね。  もう一つ、私が単純に(意外と)土屋太鳳ちゃん大好きだから…てコトなダケって気もしますケド、今作はこの終わり方だと流石にちょっと太鳳ちゃんを「イジメ過ぎ」みたいな感覚も在りますかね。特に、ホントにホントのオーラスを迎えても尚、彼女の恐怖=恐怖すべき状況自体がほぼ解決されて居ないっちゅーのは(少なくともホラーとしては)またちょっと頂けない…と思ってしまいます。あと重ね重ね、そもそも何よりそのラスト20分位って、佐久間大介くんの方に主役自体が移っちゃってない?て気もしちゃったのですよね。再度、もし根本的にホラーであったなら、この「途中で主人公が変わっちゃう」てのはやっぱまた非常に頂けないと個人的には考えてるトコロがありまして(⇒ダレがナニに恐怖してるのか?という一番根本的な捉えるべき「感情の流れ」が絶対的に途切れてしまうから)その意味からも流石にちょっと、オーラスのあのアップのカットだけは少し「やり過ぎ」だったのでは…て気がしてしまってますかね。太鳳ちゃん自身の演技の面でも、少~しキャラ自体においても「軸がブレてる」みたいな感じもあった様に思えて、その意味でも(特に終盤は)演技自体も多少ボヤけちゃってたかな…という気もしたりしてます。その辺りは、やや心残りになってしまってる感じではありますかね。
[映画館(邦画)] 7点(2024-03-08 16:49:32)
3.  MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない 《ネタバレ》 
最初は正直、軽めのコメディかと思ったのですが、後半はかなりマジメに深く共感できるというお話でしたね。ちょっと『100万回生きたねこ』とかも思い起こされてしまいました(感動しましたです)。  前述どおり、間違い無くコメディ with タイムループというオーソドックスなヤツだとは思うのですが、同時にかなり高度で真剣なお仕事映画だとも思うのですよね。私だって確かに、ちょっと前までは月曜が来るのが死ぬホド憂鬱な時期がありましたし、或いはも~「現時点から一週間(一か月)キング・クリムゾンで吹っ飛ばないかな…(⇒その私自身の未熟さ故の結果は甘んじて享受するが、その過程には金輪際関わりたくない!)」なんてコトもよ~在ったな~とも思うのです。時間操作系のヤツって、実は仕事系のお話とは根本的に相性好いんだろ~な…なんて思ったりも。  んで、そんな今作はまず、前半はしっかりそのコメディ部分がかなり好く出来ていたと思いますし、かつ後半はお話の方がまたしっかりしてる=テーマとゆーか信念とゆーか(その「仕事」や「人生」における)価値観がハッキリと語られる、という意味で二回チャンと美味しい映画だったのが非常に好きなタイプ+意外性から生じるお得感もあってとても好かったと思いました。テーマの部分もまた、押し付けがましくないとゆーか(流行りの)ダイバーシティ的なとゆーか、ソレこそ仕事における価値観・流儀になんて絶対的・単一的な答えなんて無い!とは私もつくづく思ってるトコロではありますし(「(最後に)頼りになるのは自分だけ」も「大きな仕事こそ仲間と協力して成し遂げるモノ」もどっちも真理だと思うのですよね)。小品ですが、誰にでも臆するコトなくオススメできる良作である様に思います。短尺でサックリ観れますし、是非。
[DVD(邦画)] 8点(2023-09-24 01:49:43)(良:1票)
4.  窓辺にて 《ネタバレ》 
テーマはもろもろの「感情」とのコトらしいのですケド、その意味ではなんかみんなソコが実に希薄な…とゆーかミョ~に全員「大人」なのですよね(17歳って設定の玉城ティナちゃんも含めて)。ただね~、本作はぶっちゃけ、中で肝心な吾郎ちゃんのその有様をどう見るか・捉えるか、という映画だ…て様にも思われますね。役柄には合ってたとは思うのですよ。特にまたその格別で絶品に「大人」な感じとゆーか、端的にもう「枯れてる」とゆーか、そーいう欲求なんてもう残っちゃ居ない…みたいな感じが、ですね(コレって、思えば草彅クンも若干そーいう感じがありますかね)。  でもね~、その「悩みにならなかったのが悩み」みたいなコトとはゆーて、そーは言ってもやっぱしそのココロの奥底には何らか感情が根付いてるハズ(or「べき」)ではねーのかな、と(私のよーに)思ってしまうと、じゃあソレがソレとしてチャンと伝わって・表れて来ていた…て風にはどーにもあんまり見えていなくて、だから最後にティナちゃんの元彼がズバリ言ってた様に、私には(サイコパスという言葉を敢えて避けるならば)彼はやはりちょっと「変わった」人だったのだな、という感覚に辿り着いたトコロ迄で映画が終わってもーたのですよね。そーなると、コレって結局ナニが描きたかった作品なのかな…とも少~し思ったりなんかもして(=やや「肩を透かされた」感もあるな、つーか)。  まあでも、その大人たちの「大人な振舞い」には、どちらかと言えば間違い無く共感の方が強いのですよ。私も単純に加齢によって感情のメリハリも薄くなってきてる…という実感はあるのですし(恋愛絡みなんて尚更)そもそも「大人に為るコト」のひとつの側面としてのその「感情のコントロール」てヤツの重要性なんてのは痛いホドに分からされてる、とゆーか。ただコレも、ソレでもやっぱり何らか一枚上手な人ってのは、ただ感情を抑制するのではなくて必要であればソレを高めて利用できるという人だとも思いますケドね。んで、そーいう(ある種業務上の)テクニック的なコトでなくたって本作でも多少、ソコでは「悲しいフリくらいはしてやれよ…」と思わん箇所もあったのでして。結論、色々と悩んでこの評点とはしますケドも、映画としては十二分に面白みは有るヤツだった(≒興味深かった・思考をくすぐられた)とはお伝えしておきたいですね。
[映画館(邦画)] 6点(2022-11-22 12:54:11)
5.  マイ・ブロークン・マリコ 《ネタバレ》 
本質的なお話の内容自体はごくシンプルなモノではあるし、終わり方含めても今まで全く見たコト無かった…というヤツではないかと思う。他方、映画としての展開運びはまずまず巧みであり、ほっこりしたり笑えたり、或いは心を締め付けられる様なシーン・かなりキレ好く緊迫するシーンも色々と含まれていてソコはバランスが好かったな…とも。ただ、一番の見ドコロはやはり登場人物のそこそこユニークなキャラクターであって、だから結局永野芽郁チャンそのものが今作の最大の勘所だ、とも思ったりするのですよね(基本出ずっぱりで、かつ単独行動するシーンも結構多いので)。  その意味では、芽郁チャンに関してはまずはとにかくこの役にはドハマりしてたな…とはまた思うのですね。年の頃合いもドンピシャだし、少しやさぐれてるケド基本的にはしっかり者で、ただ所ドコロ多少乱暴でバカっぽい…ケドやっぱ根はしっかりしてる…みたいなキャラの表現としてかなり巧妙・精密に仕上げてたかな、と(私が今まで観た彼女の演技の中では確実にピカイチというモノでしたね)。一点、やや珍しくも思える一人旅でのロード・ムービーというコトで、特にその最中は説明的な台詞や自分の心の声をド直球に「独り言ちる」シーンがワリとふんだんに含まれてくるのですよね。重ねて、最初からそーいうキャラとして役自体が構築されてるモノではあるのですし、ラスト付近の肝心なシーンの演出にもその設定+流れを活用できていたり…と決して悪いコトばかりではなかったとは思うのですケドも、全体として観た時にちょっと「直接的すぎるかな…(少しダサいかな…)」というシーンも無くはなかったので、個人的にはココは功罪両面あったかな~と仄かには思いましたです(=可能ならば、本人に言わせずに語れないモンかな、と)。  ただし重ね重ね、シンプルなダケにごく共感し易い(=誰しも感動できるだろう)物語だったと思いますし、(コレも重ねて)だからこそ重要となるキャラクターの魅力も十二分に引き出されてはいたかな、と。相方の奈緒チャンも(芽郁チャンよりちょっと更にややこしい役柄にも)同じ位にハマってたと思いますし、もう一人、窪田正孝の役柄も非常に魅力的に見えました(彼に関してはモ~流石…という感じですかね)。
[映画館(邦画)] 7点(2022-10-21 02:10:03)
6.  MOTHER マザー(2020) 《ネタバレ》 
ムム…かなり高度に救いの無い、胸糞の悪い映画なのは確かですね。加えて、終盤はまだしも序盤~中盤はかなり「分かり難い」映画である様にも思えます。中でもやはり、長澤まさみの母親てのが何をどう考えているのかは非常に分かり難いです(最終的には母と子の関係性はある程度「シンプルな」モノに帰着する、とは言え)。特に、決して子供より「男」の方を重視している訳でもない様に(序盤はともかく)段々と見えてゆく一方で、阿部サダヲにだけは最初から最後までかなり入れ込んでいる様に見える部分とか(まあ~荒巻全紀に抱かれた後で、ふと考えを変じてスマホのメッセージを見る…というあたり、そーいうコトなのかなあ~とも思うのですケド)。  翻って、男の子の方は比較的には分かり易い、なので共感・感情移入もし易いと言えますかね。子供が親に依存する、なんて当たり前じゃあないですか。だから逆に、あの親についていったら君は幸せになれないよ、とゆーのを子供に伝えて決断を迫る、とゆーのは、それが例え事実であったとしてもあまりに残酷すぎる(=子供に対する負担が大きすぎる)なんて思ったりしましたね(じゃあどーするのが正しいんだ!と訊かれたら、黙るしかない…とゆーのは情けないトコロではありますが)。
[DVD(邦画)] 6点(2022-02-16 22:19:21)
7.  まともじゃないのは君も一緒 《ネタバレ》 
「無知の知」とでも言いますか。男の方は当然「普通」とゆーのが何なのかは分かっていないのだケド、少なくとも自分は「普通」じゃないというコトは適切に悟って居るのであって、一方の女の子の方とて実のトコロ「普通」って何なのかコッチもチャンとは分かってない(とゆーか総じて色々分かってない)うえに、更に自分が「普通」なのかもこれまたアヤフヤしてっちゃう……という意味では、序盤は確かに成田凌の様子を笑って観てゆく感じなのですケド、中盤からは清原果耶ちゃんのアレコレの方をよりニヤニヤしながら眺める様になってゆく(逆に成田凌の誠実さ純粋さの方には好印象の方が強まってゆく)というつくりかなあ、と。二人のキャラの実際のトコロにせよ、コメディと人間ドラマを両立させているコトにせよ、かなり楽しく微笑ましく観れる作品なのは確かでしたね。若干ですケド、一本の映画に仕立てるにしては内容自体は少~しボリューム不足かな、とも感じたのですが、あくまで小品として気楽に観るうえでは気にする方が野暮かとも思います。  結局「普通」ってナンなんすかね?今作においては(とゆーか清原果耶ちゃん的には)「普通」て要は「空気が読めること」でしかないよーにも思えましたかね。確かに「読める=読むことが出来る」という意味では、読めるか読めないかで言えば読める方が好いに決まっている、とは思うのです。ただ「読める=実際に空気を読んだうえで、ソレに従って当り障りなく大人な振舞いをする」という意味では、敢えてそーしない方が難易度も価値も高いというコトだって大いにあり得るとも思うのですよ。結論的に私個人としては、空気なんて読めなくても一向に構わん!とすら思いますね(ビジネス的には、敢えて空気を読まない人の方が時として遥かに貴重で頼りになる、とすら思ってますよ)。改めて言われると結構「嫌いな」言葉、かも知れないですね(「普通」にせよ「空気読め」にせよ)。
[DVD(邦画)] 6点(2021-11-11 00:23:36)
8.  (秘)色情めす市場 《ネタバレ》 
醜い世界の過酷な境遇に生きる女性に美を見出す、とゆーのは、古今東西問わず結構よくある映画的シチュエーションだと思うが、そーいうのを男の下卑たサディスティック指向と結びつける向きが一部にあるのは、これも然も当然なコトだとも個人的には考えている。だから重要なのは、そのドン底の境遇のリアリティなのだろうな、とも感じているのだよね。実際に在るコトなんだからしょーがないじゃない!とゆーのが(少しばかりの)エクスキューズになり得る、とでも言いますか。  その意味では、本作の凄さは二つの点にあるかと思う。まずは全編釜ヶ崎ロケというものの凄まじさ。画面から放たれるとんでもなくヤバい雰囲気には終始マジで圧倒されるのだし、ややドキュメンタリチックな撮り方もその意味では非常に適切だったと思う。この一点だけでも間違い無く観る価値のある古典的作品だと言えるし、そもそも相当に撮るの苦労したのではないかとも容易に想像できるのだね(その意味でもレガシー的価値がある、とゆーか)。  もう一つはモチロン、主演の芹明香ですよ。彼女が居なければ・彼女でなければ全く成立しない作品だし、ここまでのハマリ役とゆーのは正直他に観たことが無い、というレベル(ホントにこーいう生まれです、と言われても二もなく信じてまう、つーか)。そして一方で、これ程までに美しい・神々しい女性美・母性美とゆーのは、私はこれも他に匹敵するものを知らない。この点に関しては同種の映画、つまり『カビリアの夜』だとか『ダンサー・イン・ザ・ダーク』とか『西鶴一代女』すらも上回る、と個人的にはそのような感覚を持っているのですよ。  現代に至って、本作は完全に人間ドラマとして評価すべき作品であることには何の異論もないと思われるが、その面の完成度は(そもそもがポルノであることもあって)決して他と比較して高度だ、とは言えない様にも思う。とは言え、類稀でユニークで絶大なとあるクオリティを備える屈指の傑作であるのも絶対に間違いは無い。全力でオススメしたい作品です。
[DVD(邦画)] 9点(2021-07-10 20:51:20)
9.  街の上で 《ネタバレ》 
主人公は冴えない若葉竜也ではあるが、彼同様に彼の物語というのも(少なくともラスト付近までは)結構どーでもよくて(=どーでもよい様に見えて)、描きたいのはむしろ彼の物語上に登場する幾人かの女性のキャラクター、という様に思われた。  誰が一番好みか、と言われれば、個人的には古川琴音だろうか。というか素直に「善人」と言えるのは彼女だけな気もする。穂志もえかなんか普通にかなり自分勝手だと思うし、萩原みのりは確実にそれ以上だし(みのりちゃんは最近こんな役ばっかだね)。一見屈託の無さそうな中田青渚も、彼女も彼女で打算というものが見え隠れする。諸々ひっくるめてコレは男が愛すべき「女の女たる所以」というヤツなのかとも思うけれど。  どーでもいいと言いつつも、若葉竜也(と女子達)の話は(それでも若干のコミカル分を含みつつも)思いがけないほどにマジメに淡々と進められてゆく、ソコをごく温かく半笑いで(長尺ながら心地好く)観てゆけるというのは、若葉くんの素晴らしきキャラあってのことか、とも感じた。別に今作でも友情出演の成田凌が主役でも何の問題もない様にも思うが、どちらかというと若葉くんの方がこの頼りない主人公としては(成田凌よりは)感情移入は確実にし易いかと思う。その意味ではラスト、監督が堪え切れなかったかの様に放り込まれる一大コメディの大立ち回りを経て暢気なまでのグッド・エンドが若葉くんに訪れるのも、観客としては間違いなく至上に喜ばしい終い方だった、とも思う。
[映画館(字幕)] 8点(2021-04-13 00:31:26)(良:1票)
10.  前田建設ファンタジー営業部 《ネタバレ》 
私もいちおう「ものづくり」が生業な人間ですが(私のつくってるモノというのは、彼らとは違って「目に見える」モノだとも言い切れないのですケド)、今作に描かれる「ものづくり」というのは、つくり手側からすればかなり理想的な状況ですよね。とあるモノをつくりたい!というのも結局つくり手側から出てきているのですし、(技術的制約というのはあれども)自分がつくりたいものをつくりたいようにつくっている、とも言えるかと。現実のものづくりでは、これは全くそーいうワケにはいかないものだと思います。色々と「大人(=発注者側)の事情」というのがあるのであって、つくり手はまず彼らとある部分で「戦う」必要がある、その戦いのストレスに耐えるコト自体が、ものづくりという仕事の少なくない部分を占めている、なんてことも結構ザラだと思います。  だからこの映画を観ると、やはりまず率直に「羨ましい!」と思ったのですね。と同時に、こんな今どきこんなド直球に「ものづくり」というのを実に魅力ある仕事として描いてくれたこの映画には、なにか「感謝」というか、とても嬉しい気持ちというのを覚えました。私が言うのもなんですが、若い人とか就活生とかにそーいった観点で観てもらえたら、と思われる作品です。個人的にはとてもオススメ。
[DVD(邦画)] 7点(2021-03-17 23:09:28)(良:1票)
11.  マタギ 《ネタバレ》 
村落を襲う危険な巨熊との最後の戦いに挑む老マタギの話と、チビ犬を立派な猟犬(マタギ犬)に育て上げようとする老マタギの孫の話を軸に、東北の農村の生活風景を季節感豊かに織り交ぜて描いてゆく隠れた秀作。話の内容も普通にまずまず面白く観れるし、本物の熊を使ったクライマックスの対決シーンなどは緊迫感も中々素晴らしい。主演の西村晃は本物のマタギにしか見えない秀逸な役づくりでこの面の満足度も高い。一点だけ、特に前半は登場人物の訛りが非常に強烈で、何を言ってるのか分からないシーンも散見された(字幕が欲しい)。  あと、個人的に印象深かったのは、今は失われたであろう種々の農村の生活風景・風習の興味深い様子である。個々のシーンで特に面白かったのは、警察署長と飲んでるときに「ドブロク持って来い!」と言って署長が顔を顰める場面や、マタギ犬の大会の様子(ツキノワグマと犬を実際に対峙させるという)など。もう一つ、獲物は山神からの授かりものとして命懸けでこれと相対することを旨とし、旧式の猟銃と三発の弾のみを携えて山に赴くというマタギの精神性。これもまた、今は確実に失われてしまった日本人の在り方の一つであろう。
[DVD(邦画)] 8点(2020-07-24 01:55:32)(良:1票)
12.  卍(1964) 《ネタバレ》 
ほぼ原作通りな映像化だが、中々に一癖有る女な若尾文子は演技に加えて妖艶な美貌も冴え渡っているし、岸田今日子のヒステリックな様子もかなりグッド。岸田今日子について言えば、彼女の(感情的な演技とは対照的な)無感情な「語り」のシーンが、本作の文芸的な趣の大部分を形作っており、ナレーターとしても非常に優秀だと感じた。和製文芸映画としては文句無しに傑作の域。
[インターネット(邦画)] 8点(2019-12-21 02:37:55)
13.  卍(1983) 《ネタバレ》 
まず、内容を原作から大分変えた点は、思い切って綿貫をオミットして夫婦+光子の三角関係に絞ったのは悪くないアイデア。ただ個人的には、異常に取って付けな導入部分は少し無理矢理が過ぎると思う。キャラ設定も若干変わっており、園子の方が妖艶(かつ豊満)な高瀬春奈になってたり、光子はサバっと天真爛漫な樋口可南子(だいぶ桃井かおりっぽい)になってたりするが、両人ともまずまずな出来かと思う(特に高瀬の情念籠ったジト目は中々)。ロマンポルノレベルとまではいかないがかなり濡れ場が多いのも(乳尻放り出しまくり)評価できるポイント。
[インターネット(邦画)] 6点(2019-12-21 02:33:43)
14.  また逢う日まで 《ネタバレ》 
文学的で繊細で、率直に「軟弱」な主人公といい、コテコテのメロドラマ展開といい(その割に男女のシーンは他愛ないお喋りがタラタラと続く印象で、その意味でも古風)、加えてかなり古臭い演技など、現代に至っては「古典」と言うしかない恋愛映画だとは言える。ただ、件のキスシーンは実に見事な流れ&演出で非常に素晴らしいし(その後の展開で普通にキスシーンが有るのはやや勿体無い気もするが)、ラスト付近も十分に感涙もので、現代に至っても観る価値は十二分に思う。良作。
[インターネット(邦画)] 6点(2019-12-18 22:33:39)
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