261. 煙突の見える場所
前半のホームドラマ調から、突如舞い込んだ赤ん坊、一転してシリアスなドラマとなる。自分の赤ん坊じゃなかったら死んでしまってもいいから寝ずの看病だったりしていろいろ浮き沈みのある映画だ。まさにお化け煙突、4本が3本だったり、2本に見えたりおしまいにはとうとう1本になる。見方を変えればどのようにも見える人間模様であり、この映画だった。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-02-10 22:36:25) |
262. マエストロ!
こういった音楽ものは役者が演じるため、音は一流の吹き替えでも手の動きと音楽がかみ合わず違和感を覚えたりするものだが、この映画ではそれがほとんどない。これはプロの指揮者佐渡裕を初めとする専門家がきっちり指導をしたからだそうだ。それだけでも見応え十分で、西田敏行演じるマエストロには威厳と風格を感じるし、オーケストラにとって指揮者とは何なのかを知ることができる。ただストーリー的には感動できるかというと疑問。 [映画館(邦画)] 7点(2015-02-02 15:37:05) |
263. 酒井家のしあわせ
ウザイ、空気読めよ、なんやねんの私とあまり縁のない世界から思わぬ展開、一転して家族のしあわせとは何かの世界になって引きつけられた。心がストレートに通じ合う良い映画だったと思う。 [DVD(邦画)] 7点(2015-02-01 11:25:42) |
264. アゲイン 28年目の甲子園
予告編でこの映画を知り、この映画でマスターズ甲子園を知った。大人になった球児たちが経験の差や世代を超えOBチームを結成して甲子園をめざす。何とすばらしい企画だろう。ホームページで特別映像まで見て、本編映画を見る前に感動してしまった。そのせいか映画館ではもう一つ波に乗れなかったような気もするが・・・。おじさんたちの野球映画の中で波瑠の初々しさが光ったし、主題歌も良かった。出場停止になったいきさつがいまいちピンと来なかった。 [映画館(邦画)] 7点(2015-01-26 20:00:23) |
265. 社葬
伝えるための新聞ではなく売るための新聞がある、そういう一面を赤裸々にし新聞社内部の権力闘争を描いた映画だ。だから新聞記者など一切登場しないし、別に新聞社でなくとも舞台はどんな会社であってもいいような感じすらする。重役が多すぎて会長派と社長派とと整理して見ないととまどってしまうけど、軸になるのは学歴なき販売上がりの緒方拳と頭脳をめぐらし画策を図る東大卒エリート江守徹。全編を通じ大変おもしろいが、腹上死の偽装など何か見にくいものを見せられたような気もする。 [DVD(邦画)] 7点(2014-12-12 02:29:19) |
266. トワイライト ささらさや
原作はファンタジーミステリーだろうけど、コメディっぽくそれでいて心温まるヒューマンドラマだ。赤ん坊のユウスケ君がとてもかわいくニコッとされるとたまらなくなる。母親のサヤさんともども応援したくなってしまう。おっかなく見えたユウタロウの父親も本当は愛情表現が苦手なだけだろうと予想のつく展開だけどそれでもやっぱり良い。隣の席あたりで涙ぐんでいて、「ばっかだねえ」と思っていたらこっちまでつられてしまった。 [映画館(邦画)] 7点(2014-12-01 15:41:56) |
267. 河のほとりで
加山雄三と星由里子が恋人同士と言えばもちろん若大将シリーズなのだが、同時期に撮影された作品でありながら結構雰囲気が違う。若者の青春ロマンスもあるにはあるが、彼らの両親のロマンス、それも奪い取っただのその辺の清純とは言えない要素も含まれてくる。原作はとみると石坂洋次郎、さもありなん、台詞が小説のままの雰囲気すらあるのだ。おもしろかったのは、東野英治郎と乙羽信子の結婚式だ。牧師の有島一郎とその夫人沢村貞子がからんでやりとりが何ともおもしろい。そうそう加山雄三が年上の女性池内淳子と関係するなんてのもあって、結婚とはそんなに純粋なものばかりでないということを言っているようだ。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-11-28 19:51:05) |
268. ふしぎな岬の物語
森沢明夫の小説「虹の岬の喫茶店」は、過去に西田敏行と竹下景子によるラジオドラマNHK新日曜名作座にもなったのだが、岬の先端に立つ小さな喫茶店の女店主とそこを訪れる人たちとの交流を描いた心温まるものだった。その小説の映画化なのだが、成島監督と吉永小百合の思いが奏し、ほっこりとした良いものになっている。幸せとは「なる」ものではなく「気づく」ものだという本質を表現したかったという原作者の思いを感じることができる。また堀内孝雄、杉田二郎、因幡晃といった私たち年代のフォークシンガーが顔を見せ大変懐かしかった。なおこの映画はモントリオール映画祭を前に亡くなった米倉斉加年の遺作でもある。 [映画館(邦画)] 7点(2014-11-04 15:05:33) |
269. 忍ぶ川
最初は年食った大学生の加藤剛に違和感を感じていたが、志乃が死を間近にした父親の元へ旅だったあたりから俄然物語に引き込まれてしまった。栗原小巻はとても美しく、加藤剛とともに清純派カップルの純愛ぶりが凄く良い。 [DVD(邦画)] 7点(2014-09-30 20:17:54) |
270. オリヲン座からの招待状
「君の名は」「二十四の瞳」に始まり、「丹下左膳」「幕末太陽傳」と戦後の名作のワンシーンが続くだけでもゾクゾクっとしてしまう。そしてオリヲン座の再開と幕引きになった「無法松の一生」 ニュー・シネマ・パラダイスと比較せずともこれは純然たる昭和のノスタルジーだ。とくに無法松は、留吉とトメが松五郎と未亡人とにオーバーラップしてしまうのだが、映画としては短編を無理に引き延ばしたような展開が気になる。 [DVD(邦画)] 7点(2014-09-28 08:15:15) |
271. 黒い十人の女
1が市子、2が双葉、3が三輪子と1から10までの数の並びになっていることに驚く(ついでに姓も)それで10人の女なのだが危うく11番目(これが11でなく一挙に百)も登場しそうになる。、奥さんが1でなく2なのは「ふうふ」なのだからか。対する夫はまさに風のごとくあっちに流されこっちに流され・・・、この辺がご愛敬というかサスペンスより舞台劇風のユーモアたっぷり。ただ最後の落ちはややハテナ? [DVD(邦画)] 7点(2014-09-14 21:55:18) |
272. 川の底からこんにちは
中の下のしょーもない女から、やるしかないと頑張る女へと変身する様がすごい。作り直した社歌を歌う力強さにびっくりした。所々に見られる品の悪さにはこのさい目をつぶろう。満島ひかりの演技とバイタリティーに脱帽、子役の相原綺羅もかわいいだけでなく、しっかり演技していた。 [DVD(邦画)] 7点(2014-08-28 03:00:46) |
273. 男はつらいよ 寅次郎春の夢
私の好きな香川京子さんがマドンナなのだが、米国の寅さんことマイケルに完全に食われてしまっている。だけどこれはこれで日米友好に一役買った映画かもしれない。日米の文化の違い、特に愛情表現の違いなど教えてくれる。お芝居の蝶々さんがさくらさんに変わって美声を聴かせてくれたのが印象に残った。 [映画館(邦画)] 7点(2014-08-16 17:08:18) |
274. 洋菓子店コアンドル
人の性格は十人十色、完璧な人間はいない。口ではひどいことを言い、態度には自分本位なところがあってもなかなか憎めないもの。そういった不完全な人間を、ちょっぴりビターにそしてスウィートにしてくれる洋菓子の魅力に感動。まずまずの映画でした。 [DVD(邦画)] 7点(2014-07-19 06:32:48) |
275. そこのみにて光輝く
原作者佐藤泰志は函館出身の小説家であるが、41歳の若さで亡くなった。死後20年を経て作品が映画化され始め、この映画は「海炭市叙景」に続き2作目。とはいえ、私は何も知らず、この映画を見るにあたって得た知識なのだが・・・。70年代高度成長から取り残された若者たちの閉塞感、どうしようもなさ、格差社会の一端を垣間見ることができる。そこのみにて光り輝くというタイトルが大変印象的だった。 [映画館(邦画)] 7点(2014-07-15 16:59:04) |
276. 不信のとき
有吉佐和子原作小説に基づく映画であり、何度もTVドラマ化されほど。また永田社長との諍いにより主演の田宮二郎が映画界から閉め出される羽目になった映画でもある。主人公の妻岡田茉莉子と愛人若尾文子の対決が何と言っても見もので、女の闘いの凄さを感じるとともに、他にも岸田今日子、加賀まりこと出演した女性陣の怖さを思い知らされる。 ところで最終場面の田宮の笑いは何を意味するものだろうか。そしてこのあとどうなるのだろうか。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-06-27 09:27:24) |
277. 僕の彼女はサイボーグ
猟奇的な彼女とターミネーターをミックスしたような映画だったけど、なかなかおもしろかった。綾瀬はるかはかわいいばかりでなく、サイボーグ的な表情やしぐさも結構良い。タイムトラベルものになるとどうしても矛盾や?が多くなってつまらなくなりがちだけど、ロマンティックでコメディいっぱいのSFでは気にならなくなる。雰囲気も邦画というより韓国映画に近い。 [DVD(邦画)] 7点(2014-06-22 07:02:59) |
278. 転々
まさに転々としたドラマなのだがおもしろい。何か突拍子もないことが脈絡なく続くのだが私はこういう感じは好き、人間のおもしろさや愛着を感じさせてくれる。映画は理屈で見るものではないことを改めて思う。 [DVD(邦画)] 7点(2014-06-16 14:29:21) |
279. クワイエットルームにようこそ
精神科の閉鎖病棟に強制入院、すわ日本版「カッコーの巣の上で」かと思ったが、ある意味それを上回っているようにも思う。ひとつは奇想天外なコメディ的展開、それと何とも言えぬ不思議な人物描写だ。なかでも大竹しのぶ演じる西野さん、この人がどうして病棟に入れられたのか、そのあたりを物語にすればまた別の映画が作れそうだ。ミキだって最初は蒼井優だとわからないくらい変身していたし・・・。映画の善し悪しはともかく、出演者の熱演が印象に残る映画だった。 [DVD(邦画)] 7点(2014-05-21 06:13:15) |
280. シンプル・プラン
元々は警察に届けないでほとぼりがさめるのを待つだけの単純な計画だったのに、偶然が重なり思わぬ方向へと進んでいく。殺さなくてもよかった人間まで殺してしまうことになり、最愛の兄までも・・・。よくありがちなストーリーにもかかわらず、しっかりとした構成と巧みな心理劇で良質のものになっている。冒頭の真っ白な雪と真っ黒なカラスも印象的。 [DVD(字幕)] 7点(2014-05-05 21:55:44)(良:1票) |