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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1249
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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321.  恋谷橋 《ネタバレ》 
鳥取県の三朝(みささ)温泉のご当地映画である。島根県の映画は見たことがあるが鳥取県のは初めて見た(というのは間違いで「妖怪大戦争」(2005)は見たことがある)。 題名を見ただけだと「恋空」(2007)とか「君の名は」(1953)とか演歌のカラオケ映像とかを思わせて引いてしまうが、これは現地に実際にある橋だそうで仕方ない。その恋谷橋も映っていなくはないようだが、一番出るのは主人公の実家と温泉本通りの間を結ぶ「三朝橋」で、次が足湯のある「かじか橋」なので題名とはずれがある。 映像的には結構風情があって賑わいもある温泉街のように映っており、ご当地映画らしく見所とか名物も積極的に紹介しているようだが(なぜか「ヌード」が目立つ)、足湯などはいいとして、ちょっとそこまでという感じでいきなり砂丘というのは行きすぎだったかも知れない。なお「山陰KAMIあかり」というのは隣の倉吉市で実際にやっているイベントのようで、劇中でも因州和紙というのが出ていたのでここは因幡でなく伯耆ではないかと思ったが、その点は地元でもあまりこだわりはないらしい。  物語としてはいわゆるメロドラマでもなくさらりとした感じにできており、地方の若い人々に対して一度出てからまた戻れというような、現代の情勢からしてあまり無理のない話になっている(出る気がなくても無理に出していた)。町のためにではなく「自分のために」と言っていたのも人間の行動原理の基本を押さえている。 少し気に入らなかったのは、せっかく若い連中が始めたイベントを喧嘩でぶち壊しにしてしまったことである。その後のストーリー展開につながるのはわかるにしても、見る側としては初回のイベントなので成功してもらいたい/一般のお客を落胆させたくない、という思いがあったわけで、ここは観客の気持ちを無視して制作上の都合を通してしまったように見える(一応のフォローはしていたようだが)。 もう一つ、これは絶対悪いといえるかわからないが、「河原風呂」という周囲から丸見えのような感じの露天風呂で、真昼間に女児と男児が素っ裸で入浴(混浴)している場面があり、子どもとはいえ今どきこんな撮影をしていいのかと動揺してしまって、その場面で出た開湯の由来譚が頭に入らなかった。見ている側が気にしなければそれまでだろうが。 だいたい以上のような感想だが、特に主演女優に思い入れがあるわけでもないので点数はほどほどにしておく。
[DVD(邦画)] 4点(2018-08-11 17:12:36)
322.  チェリーボーイズ 《ネタバレ》 
同名マンガの映画化とのことだが読んだことはない。内容は題名の通りで、中高生ならまだしも25歳というのが共感の条件をかなり外している。 登場人物を見て笑う映画のようだが自分としてはバカな連中の出る映画が嫌いなので可笑しくもなく、何でこんなのを見てしまったかと後悔しながら耐えていた。最初に笑ったのは全体の2/3くらいのところで、パチンコ店女子従業員の表情をあまりにじっくり見せられたのでちょっと吹き出してしまった(こんなに可愛いのにこれまで何もなかったわけがない)。また終盤で見せた池田エライザ嬢の呆れ顔も可笑しかったので、女優の顔を見ている方が面白いのかと思ったが、最後のオチがあまりに馬鹿馬鹿しいのでついに笑わされてしまった。 男はみな一様にバカなのかと思えば実際は三者三様で、うち2人は酒屋の男に最後まで付き合う動機はなかったはずだが、それでもついて行ってやったのは友情の証とでも思うしかない。ラストはわずかな前進を見せて終わったようでもあり、それでよくやった、頑張れと言ってやりたくなったわけでもないが、まあ結果的にはそれなりの物語ができていたようではある。自分としては「映画 みんな!エスパーだよ!」(2015)とどっちがマシかと比べてしまったが、大して変わらなかったということで点数は同じにしておく。主要キャストの役者ぶりには感動した。 ※なお「強制性交等」は犯罪です(刑法第177条)。未遂も罰せられます(同第180条)。劇中の公務員は懲戒免職になります。
[DVD(邦画)] 5点(2018-08-04 13:57:01)
323.  舟を編む 《ネタバレ》 
何となくいい映画のように見えるが不満な点も多い。 基本的には不器用すぎて生きづらい人生になりそうだった主人公が、幸運なめぐり合わせと相応の自己変革を経て、社会生活と私生活で自分の居場所と役割を固めていった話と取れる。まことに都合のいい話で羨ましい。 社会生活の面では、主人公が特に見込まれて自分の特性に合った仕事につくことができ、またその仕事を通じた能力開発が促された上での成功だったようである。何十年も同じ仕事で済むなら幸せだろうが、しかしその仕事がまるで周囲に偏見を持たれるもののように描写されていたのは共感を削ぐところがある。この映画では年代を1995年(Windows95の発売の年?)から2010年までと特定し、その間の情報化の進展を背景にした物語にしていたようだが、それなら最後は主人公が自らデジタル辞書(大辞林web版のような)を提案するくらいの発展性は見せてもらいたかった。それでこそ当初からの「今を生きる辞書」の実現になり、同時に昔ながらの古臭い仕事という印象の払拭にもつながったと思われる。  また私生活の面では、男女の役割や関係の変化を背景に、主人公の特性に合った配偶者が得られたことが語られていたように見えなくもない。しかし前半の展開が都合良すぎなのはまあいいとして、結局最後まで話が深まらなかったようで印象に残らない。そもそも主人公のような変人が宮崎あおい級のカワイイ系女子と一緒になるのなら、女子の方もよほど個性的なところを見せておかなければ釣り合いが取れないわけで、今どき単に板前志望の女性というだけでは弱い。また終盤に至っても、パートナーがわざわざ作ってくれた雑煮を食わないで放置していたというのは最悪だ。互いの仕事を尊重し合う関係はできていたのかも知れないが、最低限の思いやりも返せないのではいつ破綻するかと気が気でなかった。逆に最後を「面白い」で済ませたのが安易に思われる。  なお映画の後に原作も読んだが、それほど妙な改変もなく誠実に映画化しようとしたらしいことはわかる。ただ「迎えにきてくれたんだ」のところは、原作では言われた方がキュンとする感じだったが、映画では印象が弱まっていて残念だった。映画独自のよかった点として、手紙が読めないといって本気で怒っていた様子は好きだ。また辞書編集部OBが書いた「ダサい」の用例が、まさに「今を生きる」表現だったことを如実に示した台詞があったのは面白かった。
[DVD(邦画)] 6点(2018-08-04 13:56:58)
324.  寄生獣 完結編 《ネタバレ》 
前回に続いて普通に面白かったが後半は少しバタバタした感があり、また物語の面でも特に切ないとか愛しいとかいう感情が湧くほどではなかった。しかし唐突な交合場面はけっこう痛々しい印象で、これを見た橋本愛ファンの反応は内心どうだったのかとは思った。ちなみに自分としては、いまだに大森南朋と新井浩文の区別がつかないので同じ映画に出すのはやめてもらいたいと思ったが、同じ映画に出ていることでかえって違いが目立ってわかりやすかったということはある。  以下余談として、前回から気になっていたことのうち、まず前回冒頭のナレーションに対応するものとしては市長の大演説が目立っていたが、環境テロリストの自己正当化の主張などまともに相手にしていられるかという感じで説得力どころでない。こういう糾弾型の主張はいまだに時々やっているが、聞かされる方はたまったものではない(やかましい怒鳴るな)。 また犬の件に関しては、要は共生の観念につながっていたようだが、どうもペットと散歩するとか添い寝する程度のイメージしかないようで正直落胆した。クマとかコモドオオトカゲが相手では寄り添いづらいだろうが、そもそも人類の身体を乗っ取らなければ生存できない生物など、自分のこととして考えれば誰も存在を容認できないはずである(奇特な志願者がいれば別)。 最終的には、人類が他の生物と折り合いをつけながらそれぞれに生きる、という現実的なあり方が一応示されていたと取れなくもないが、やはり通常の野生動物と同列に扱えない架空の生物を使って、人間と自然の共生にまで結び付けるには無理が出ている。原作の方は結構まともな内容だったとすれば、やはり映画では表現できていないことが多いのではないかと想像するが、これを見て何を書くかと一応考える機会にはなったといえなくもない。
[DVD(邦画)] 5点(2018-07-28 17:45:16)
325.  寄生獣 《ネタバレ》 
原作が有名なのは知っていたが読んだことはない。この映画を見る限り普通に面白い話にはなっている。 映像面でいえば、以前に「海賊とよばれた男」(2016)というのを見た時は(三丁目は見ていない)、かつて実在していたものを現に存在しているように見せられたので驚いたが、この映画ではマンガを立体化して実写映像と違和感なくすり合わせした感じなので、それ自体で感動というほどでもない。 また出演者に関して、個人的には深津絵里、橋本愛といった女優を好きだと思ったことがないので主要キャストに関しては不満足である。主人公の同級生役で出ていた山谷花純という人は前から知っていたので注目していたが、最後に二つになってしまったのは残念だ(原作では死なないはずではなかったのか)。ほかどうでもいいことだが、東出昌大という役者は身長が高すぎだ。  以下余談として、原作は1988年からの発表とのことだが、この映画でも冒頭からしていかにも20世紀の青臭い環境論が鼻につく。それほど人類による環境負荷を嫌うのなら、半分とか1/100とか言わず絶滅させてしまえばいいだろうがと思うわけで、何をどうしようという観念もなく声高にアピール(自己主張)して終わりの昭和臭さを感じる。何なら先進国が温室効果ガスを削減する代わりに途上国には人口を削減してもらうかといった皮肉も言いたくなる。 また犬に関することでは、生きた犬も死んだ犬も同じく尊重すべきと思うのは構わないが、そういうことをいえばヘビもカラスもカマドウマもコウガイビルも全部同じように扱わなくていいのかと言いたい。愛護動物を前面に出した方が一般にはわかりやすいとしても、地球環境問題を尖った形で取り上げる割に、生物多様性という面では大して考えていない状態のように見えた。 まあ続編があることがわかっているのでここで突っ込んでも仕方ない。
[DVD(邦画)] 5点(2018-07-28 17:28:14)
326.  女子の事件は大抵、トイレで起こるのだ。 後編:出る! 《ネタバレ》 
前編に続けて気楽に見た(DVDが1枚なわけだが)。 今回も主人公は相変わらずだが、本職がドラマーの人が何でこんな映画にキャスティングされているのかという疑問がますます膨らんでいく。オバサン(ババアとも言われていた)にしても自分などよりはるかに若いわけだが、劇中中学生がダンスに馴染んでいることへの感慨を述べていたあたりは自分としても同感で、こういう点は当時20代後半の人々でも世代ギャップを感じているということか(劇中人物は26、脚本家は25、ちなみに演者は29)。生徒も一通り紹介が終わっているので馴染みが出て来て、一応みなさん個性的なので顔もだいたい憶える。 今回は前編の導入部を受けて、これまで少しずつ名前を出して来ていた文化祭への動きが加速する。便所アーティストが発案したライブペインティングを軸にして雑多な登場人物が一つの流れにまとまり、その中で、中学時代の記憶に縛られた主人公が中学生のおかげで解放されるというドラマが展開する(それほど感動したわけでもない)。今回も結構笑う場面が多く、特に便所アートを毀損した犯人が隠れていたのは爆笑した。またその首謀者が次第に形勢不利になり、孤立無援で追い詰められて最後は開き直っていたのは柔軟でしたたかで微妙に感心した。  そのほか前編でも最後に一つ出ていたが、別室で撮ったスピンオフのような小エピソードが入っていたのは結構好きだ。冒頭のパンの話は、時間の流れが本編と全く違う世界で何が始まったのかと思わされる。3秒ルールというのは当然知っているだろうから、それをこの場で適用するかどうか判断する即応力が問われているのだと思われる。また中盤の原宿訪問練習のエピソードも、ラストの一言に失笑を催すので嫌いでない。
[DVD(邦画)] 6点(2018-07-20 19:59:14)
327.  女子の事件は大抵、トイレで起こるのだ。 前編:入る? 《ネタバレ》 
あまり真剣に見るものでもないだろうから気楽に見た。 出演者については知らない人ばかりだが、主人公を自称するオバサンは、風貌の見せ方はともかくナレーションなどは結構かわいい声なので和む。また生徒の方は人数が多いが、絵に描いたような美少女ばかりでないのが現実に寄せた感じもある。当初は若さだけで圧倒的な優位に立っていたように見えた連中も、まつげの件とかメイクとかで次第にボロが出るので相対化されていく。 この前編ではキャラクター紹介のようなエピソードが連続し、笑うところも多いので結構面白く見ていられる。個別エピソードでは第1話で“キセル”に誘う場面が、よく言われる“ぶぶ漬け”の話を思わせるものがあったが、古都と違ってドライで開けっ広げなのが誠実ともいえるので嫌いでない。こういうのが中学生女子の実態かというと自分は知らないが、予告編のキャプションに出ていた「あるあ……ねーよwww」というあたりが妥当な見解なのだろうとは思う。 各エピソードに笑わされながらも少しずつラストにつながるネタが出て来るので、後編への期待が一応高まらなくもない。  なおこの前編で感心したのは、第2話に出た「桃山新聞」の中身がかなり濃いことだった。ストーリーに直接関わる記事のほかにも、東京駅丸の内駅舎の保存・復原工事にまつわる陰謀論が紹介されており、地下要塞の話までは現実にも語られているようだが、( ) 付きで「お菓子倉庫」と書かれていたのはこの映画らしいアレンジか。またトップ記事の「中央線沿線の魅力」は個人的に好みの内容なので本気になって読んだが、これを本当に中学生が書いたとすれば非常に優秀で有能な人物で、この学校の教育水準や生徒についても評価を改めなければならなくなる(DQNネームのサンリオペアも含め)。
[DVD(邦画)] 6点(2018-07-20 19:59:11)
328.  劇場版 私立バカレア高校 《ネタバレ》 
まりやぎという人が出ているので見たが、そもそもAKBというものに全く関心がなかったので(1回だけ総選挙でチーム8の人に投票したことがあるが)、ヒロイン役を含めてほとんど誰の顔も知らない。かろうじてみおりんという人は外見が特徴的(小顔)なのでわかったのと、見ているうちに高身長なのが光宗薫という人だというのも薄々わかって来た(同年の「女子カメラ」というのを見たことがある)。 しかし今になってみると、ここに出ているAKBのメンバーは既にほとんど卒業してしまっているようで、世の変転は激しいともいえるがそれでもAKB自体は不滅だともいえる。そういう面で一定の感慨を覚える映画ではあった。 ちなみに石井杏奈という人の顔も見えたがこれが映画初出演とのことで、その後はE-girlsに所属して各種映画にも出ているので知らない人でもない。  中身に関しては、意外にもというか当然だろうがストーリーはちゃんとできており、男連中の話の方が主軸になって、そこに女子の物語がからんで来る感じに見えた。男女それぞれのファンが見に行く前提だったはずだが、どうせ数的には女子中高生が多いのだろうから、男の友情とかアクション(暴力沙汰)でとにかく盛り上げるように作ったのかも知れない。女子の方はお嬢様というだけでなく知能程度も高かったようで、ヒロインに関していえば、こういうしょうもないお話からも一定の人生訓を学び取る賢明さを備えた人物のようだった。最後の「自分でみつける」というあたりはうまく感動的にまとめてある。 TVシリーズは見ていなかったが(当然だが)それでも劇中の回想場面から、それなりの積み重ねがあった上に今があることがわかり、また「大嫌い」というのがいわば(2人限定の?)キーワードだったらしいのも知られる。この手の企画を毛嫌いせず、大らかに受け入れようとする気にさえなれば、娯楽として見る分には支障がない映画だった。 ちなみにヒロイン役の人は、周囲が全員アイドルであるのにその中でちゃんと特別の美少女として目立っていたのに感心したので、そのうち「劇場霊」(2015)でも見るかという気にはなった(特に期待はしない)。
[DVD(邦画)] 5点(2018-07-20 19:59:09)
329.  写真甲子園 0.5秒の夏 《ネタバレ》 
2014年夏の「東川町国際写真フェスティバル」の時期に現地に行ったことがあり(皆さんお世話になりました)、その際に映画化の話も聞いて来た。その後にふるさと納税(株主制度)のお勧めがあったので喜んで「写真甲子園映画化事業」に協力したが、いざ公開されてみると自分の住所地から半径100km以内では上映していなかった。まあそれはだいたい予想していたことなのでDVD化を心待ちにしていたわけである。見覚えのある場所とか花火大会とかが見られるのは嬉しい。 東川町は2014年に「写真文化首都」を宣言しているが、そういうアピールの仕方は個人的に好きだ。ちなみに環境分野では「環境首都」というのもあるが、何にせよ何から何まで東京が一番でなければならないことはないはずなので、うちはこの分野では全国代表だ、という気概を持ってやっているところは応援したい(気持ちだけだが)。 この映画でも無理に町民を主人公にはしていないが、実際の写真甲子園で本当に活躍するのは全国の高校生であり、地元としては仕組みを作って場を提供することで写真文化を盛り立てる立場になっている。文化での町興しは無理との意見もあったそうだが、その正否はすでに実証済ということである。  褒めてばかりでも何なので映画に関していうと、まず予選を勝ち上がる過程を大胆に省略したのは時間の節約としても、全国大会の出場者にしてはあまりに素人っぽいとか緊張感のなさすぎな連中で大会の権威に関わるのではと思ったが、それはまあ審査の厳しさを強調するための下準備と解される。その審査の講評には台本がなかったとのことだが、「できるでしょう」「できます」というやり取りがあったのもアドリブだったということか。審査委員長の人となりは知らないが芸術家にしては意外に優しい物言いで、厳しい単語は使っていても若い人を伸ばそうとする意図は明らかであり、「未来しかない」「開き直る」といった励ましの言葉には正直感銘を受けた。ここには本物の感動がある。 その後の椅子工房は話を作り過ぎだったが、今しかできないことを今しなければ、という意味ならわかる。また終盤でひたすら走る女子の情けない顔に少し泣かされるところもあった。結末も意味不明瞭だった気はするが、今回の体験が当然、出場者それぞれの未来につながっていくはずだと思っておく。彼らの後に続く人々は、写真を含む芸術文化の創造性が人間の力になるということを、例えば極端に古風な(ステレオタイプな)言動の校長に見せつけてやってもらいたい。 その他個別事項として、必要な告知事項などをCGか何かで映像中に紛れ込ませていたのはスマートな説明の仕方だったかも知れない。また撮る側のマナーにかなり気を使っているのが目についた。
[DVD(邦画)] 8点(2018-07-15 09:29:09)(良:1票)
330.  想影 《ネタバレ》 
若い監督(加藤慶吾)の短編映画で、芸術志向で難解というわけでもなくどちらかというと素直でほのぼの系の映画である。 若い男女の中学(~高校)時代と、大人になってからの出来事を対比させながら進める形になっており、中学時代の方は純粋でいじらしい恋物語である。大人になると青春のキラキラ感もなくなって暗く寂しくなるが、ここでヒロインの鬱屈した思いをどうするのかと思っていると、最後の最後に一定の解決が図られて相応の感動がある(気恥ずかしいがけっこう泣かせる)。それで幸せになれるかというと何も保証はないわけだが、何かは変わるはずと思いたくなるものはある。  主要キャストは男女2人で2つの時代で4人だが、この登場人物/出演者も全体の好印象につながっている。ヒロインの相手の男は、中学時代の姿を見るとあからさまなイケメンのため自分としては拒否感の方が先に立つが、大人になってみると25歳にしては枯れた感じで嫌味なところがなく、相手の言葉をちゃんと受け止める率直さと悪気のなさがこの男のいいところなのかとは思った。 またキャスト中で唯一自分の知っていたのがヒロインの中学時代をやっていた松原菜野花という人である。撮影はこの人が大学に入った年の秋なので、かなり年代を遡った役をやっていたことになるが(それをいえば相手の男もだが)、実際見ればかなり美少女寄りで見事に愛らしい思春期の少女になっている。これまで自分としては外見的に微妙な役をやっているのしか見たことがなかったので、今回初めて普通に美少女役を見られたのは感動的だった。 このヒロインが大人になると変にもっさりした感じになってしまったのは残念だが、この役をやっていた三瓶美菜という人は、キャストインタビューを見ていると非常に愛嬌のある(よくしゃべる、頭の回転の早い)人だったらしい。大人役の2人は中学生役の映像を見てから撮影に臨んだとのことで、2人ともちゃんと連続性を感じる人物像ができていた。
[DVD(邦画)] 7点(2018-07-15 09:29:06)
331.  ×ゲーム(バツゲーム)(2010) 《ネタバレ》 
この原作者の著作は読む気にならないが、今回は原作がどうなっていたのか気になったので読んだ。 原作でも根本原因はいじめだが、起こったことは単なる性格異常者の猟奇犯罪という印象が強い。それだけでは不足と思ったのか、映画では組織的な復讐ということにして社会性を持たせているが、そのためにかえって荒唐無稽の度合いが増してしまっている。また話を大きくした割に、最後に糾弾すべき相手が特定されずに拡散してしまったのは、いわば社会派崩れの腰砕けという印象もあった。 いじめる側や黙認した教員の悪質さを強調して観客の憎悪を煽るのは、映画の見せ場である残虐行為を心理的に肯定させるためだろうが、劇中の大学教員の発言によれば、こういう映画ができるのも世間がそれを望んでいるからだと言い訳していたようで、結局は一般大衆の嗜好に媚びた形になっていたようである。登場人物のうち金持ちの同級生は行き過ぎた復讐という意味合いを出すための存在だったのだろうが、結果的にはあまり印象に残らず、この男が語った心の傷の説明も取ってつけたように思われた。  また原作では性格異常者の極端な執着としか思えないものを、映画では悲しく痛々しい愛情という印象に変え、破滅的なラブストーリーとして一定の共感が得られるよう再構成したと見える。これはアイドル映画としての性質からも十分理解できる。 それと同時に主人公の男の境遇にも憐憫とやるせなさを感じなければならないのだろうが、しかしこの男は最初から態度が極めて苛立たしく(本物のバカ)、自分としては真っ先に死んで当然だと決めつけていたら主人公だったというのが意外な展開で、最後までこの男には同情する気に全くならなかったのは作り手の意図に沿っていなかっただろうと思われる。  そのほか映像化という面では悪い印象はなく、主役の人物も苛立たしい(バカな)人間像を好演している。刑の執行時のおふざけ感などはいいとして、残酷描写はそれほど徹底しておらず(尻に穴がない)、真に迫っているのは登場人物の顔芸だけだったようだが、それも残虐なだけの映画ではないという作り手の意図を反映していると解することはできる。 ただ現実問題として、自分としては見ていて最初から最後まで不快感しかなかったというのが実態だったので、それをそのまま反映した点数にしておく。関係者の皆さんはご苦労様でした。
[DVD(邦画)] 1点(2018-06-30 21:00:33)
332.  携帯彼女<OV> 《ネタバレ》 
[2016-10-09更新] 携帯サイト「魔法のiらんど」で公開されたケータイ小説を原作とした映画で、同じく映画化された「携帯彼氏」(2009)の続編に相当する。少し間が空いているが前作で予告された正規の続編であり、劇中で再現映像も使われている。 内容的には前作よりも陰気な印象になっており、また後半に入ってからの物語がちょっと詰め込み過ぎのように感じられる。悪の根源が誰かに関して二転三転していたようだが、通り一遍の説明があっただけで心に刺さるものがなく、また見ている側の感情面がついて行かないまま転々とするのでかえって意外感がない。衝撃のはずのラストも何となく聞き流してしまう程度のものにしかなっていないが、これはナレーションのせいもあるだろう。 また前半は主人公が当然メインだが、後半に入ると主人公がラストのオチ以外はストーリーと密接な関係がなく、この人以外の人間関係が濃密すぎることもあって、そもそも不要な人物だったのではないかという印象が拭えない。アイドルの出演が前提の企画だったのだろうが、残念ながら半端な感じに終わっていた。 ちなみに興味本位で原作も読んだところ(上記サイトで無料で読める)、映画と同様に真相が転々としていたが詰め込み過ぎの印象はなく、また何より主人公男女の存在感がしっかりしているので(当然だが)安心して読んでいられる内容だった。原作のラストがけっこう感動的なのに対して映画の方は、原作のあとがきの言葉を借りれば「救いのないつまらない作品」になったように感じる。 なお映画の主演のアイドルは、世間的には有名かも知れないが自分としては知らない人であり、かえって邪悪なエリカ役で出ていた女優の方が別の映画で見て印象に残っていた。ほか若手の役者が相対的にしっかりした感じに見える映画であって、邪悪なエリカの兄役(馬場徹)が一途な若者という感じで格好よかった。
[DVD(邦画)] 2点(2018-06-30 20:29:34)
333.  携帯彼氏 《ネタバレ》 
携帯サイト「魔法のiらんど」で公開されたケータイ小説を原作とした映画で、同サイト発のものとしては「恋空」(2007)、「赤い糸」(2008)に続く映画化ということらしい。それを聞くととても成人男子がまともに見るものではないということになるが(「赤い糸」は見ていないが「恋空」で想像はつく)、しかし別に非常識で不道徳な過激描写が連続するわけでもなく、おおむね一般常識の範囲に収まっているので特に問題はない。 ストーリーとしては若年者向けのため他愛ないところもあるが、謎を解明していく要素もあったりしてあまり退屈しない作りになっている。自分としては続編の「携帯彼女」(2011)を先に見てしまったが、それよりはまだしも面白く見ていられる感じだった。特に主人公が小柄で可愛らしいので和むものがあり、「言ったらチョー寒いって絶対引くよ」とかいう今風の台詞が微笑ましい。 公開時には女子高生限定試写会などというものも開催されたようだが、そもそもの携帯サイトが「ガールズエンタテインメントサイト」とのことで、初めから女子が主な対象層だったらしい。この映画でも次の「携帯彼女」でも若手の女性監督を起用したのはそのせいだったのかも知れないが、しかしこれだけの各種美少女満載映画を男子に見せないつもりだったとは考えられない。自分としては前田希美さんという人が出ていたので見たわけだが、この映画では軽薄で可愛気がなく台詞が上滑りするような人物で、いかにも真っ先に死にそうな感じだったのが残念である。まあもともと死体になる役が多い人とのことで、この映画はその最初の例ということらしい。 なお興味本位で原作も読んだが(上記サイトで無料で読める)、主人公の女子(高校生ではなく卒業後の社会人)の考えがその時々の感情で簡単に左右されて不合理な行動に走る様子が見えたりして、そういうところが共感を呼ぶのかと興味深かった。 [2018-6-30追記]主人公の友人役で朝倉あきという人が出ているので再見。当時17~18歳くらいで可愛らしい感じで、若干のお色気担当で熱演している。またお話全体としても「言ったらチョー寒い」言葉がちゃんと生かされていて悪くないと思ったので、この機会に+1点としておく。
[DVD(邦画)] 5点(2018-06-30 20:29:31)
334.  イースターナイトメア 死のイースターバニー 《ネタバレ》 
ハロウィン・ハロウィン2・バレンタインに続く「ナイトメアシリーズ第4弾」とのことで、他の3つを見てしまったのでなりゆきで見た。今回は「日本初のイースターホラー」だそうで、復活祭というもの自体はまともなキリスト教の行事だろうが(そもそも知らないが)、それよりも本体に付随するイースターバニーなるものの胡散臭さに着目した企画ということか。ちなみに原作ゲームはこの映画を見る上でそれほど参考にはならないとの噂である。  内容としては全般的に低調で、映像的な見せ場がないことからすれば物語に重点が置かれているのかも知れないが、結局何がいいたいのかはわからない。真面目に語るのも野暮だが一つ書いておくと、もしかすると最後に裁判官の役を務めたのは主人公だったのかも知れないが、よほどこの主人公が清純で清廉な印象をあらかじめ出しておくのでなければ意外性も何もなく、そもそもキャスティングに無理があったように思われる。 もう一つ低レベルの指摘として、日本語として適切なのは「あなたを呼びます」か「あなたに呼びかけます」のどちらかであって、「あなたを呼びかけます」という言い方はありえない。これを書いた人物はよほど国語が不得意だったか外国人と思われる。  登場人物に関しては、まず劇中にバニーガールの扮装をする人は出ない。やるとすれば主演の人だったかも知れないが、バストの大きさが強調される服装が多いという程度で抑えている。この人のほかに男っぽい同級生役(女子)や、いたいけなウサギ役の人は別のところで出ていたのを知っているので自分にとっては無名の人々でもない。最も普通に愛らしく見える同級生役は知らない人だったが、現在は女子プロレスの道に進んでいるとのことで、何が起こるかわからない世の中である。
[DVD(邦画)] 2点(2018-06-30 20:23:07)
335.  HALLOWEEN NIGHTMARE ハロウィン ナイトメア 《ネタバレ》 
「ハロウィン ナイトメア2」(2015)の方は前に見たが、この映画の主演が「かぐや姫の物語」(2013)の主演声優だったとのことでこれも見た。「かぐや姫」の方はあまり可愛げのないキャラクターだったが今回は当然顔出しで、自然体で活動的な編集者の役がなかなかいい印象である。ちなみに劇中の編集長には美少女の娘がいることが次作で明らかになる。  基本的な性質としては低予算ホラーだが、監督と脚本家が「口裂け女2」(2008)と同じのため一応期待が高まらなくもない。短い映画ながら主人公をオカルト雑誌の編集者という設定にして、10年前から続く不気味な事件の謎を解明していく形にしている。日本でハロウィンのホラーというのは無理やりだが一応の説明は付けてあり、変な外来種を持ち込んだために、国内で被害が拡大していく結果を生んだ関係者は罪深いと思わせる。 また不自然さ(制作側にとっての都合よさ)をそれほど感じさせない作りになっており、登場人物の微妙にユーモラスな掛け合いや皮肉な物言いが気の利いた印象を出している。最初の事件が小平市といった地味目の地名だったことや、職場でフォトショップが使える、フェイスブックも効果がある(ない)といった具体的な事物が劇中世界と現実との距離を縮めていた。それにしても登場人物が何で「甲府事件」(1975)なるもの(ストーリーと直接無関係)を重視していたのかはわからない。スタッフの中にこの手のマニアでもいたということか。 視覚的には黒い霧などは安っぽいが、全体的には絞った形でスリリングな場面を設定している。最後の12分間を視覚化するための場所選定も(多少無理はあったが)効果的で、エンディングにつながるところも心地いい。主人公はよく頑張ったと言ってやりたい。  なお雑談として、主人公の友人が真昼間に襲われた場所は千代田区とされていたが、撮影場所は川崎市の武蔵小杉(中原区小杉町)にあるカフェだったらしい。いかにもただの古い住宅を改装した作りで、同種のものが「ハロウィン ナイトメア2」でも使われていたが、近年こういうのが好まれるようになっているということか。現地は「シン・ゴジラ」(2016)にも出たタワーマンションが林立する地区に接しており、長期的な土地利用でもないだろうが、空き家のとりあえずの活用方法としてはよさそうな感じである。
[DVD(邦画)] 5点(2018-06-30 20:23:04)
336.  ももへの手紙 《ネタバレ》 
監督の名字が「瀬戸内の民俗誌」の著者と同じだったため、この地方にはこういう名前の人が多いのかと思ったら実の甥とのことだった。学者の親戚ということで“妖怪は神の零落したもの”といったそれらしい知識は出ているが、劇中の主要妖怪は姿形を江戸の黄表紙本から取っているので土着性はないことになる。   ストーリーの方は、意外にもごく普通の出来事が淡々と起こっただけのように見える。夫を亡くしたことで母親が気負っていたのはありがちなことであり、また父親の残した言葉も娘には謎だったというだけで、本人をよく知る人物にかかれば誰にも納得できる解釈が容易に出て来る。いずれも自分の立場を離れてみれば簡単なことだが、子どもの目からは妖怪は見えても人間が見えてなかったということかも知れない。友人関係に関しても、劇中では妖怪が去ったことを契機にしてやっと子どもらの中に飛び込む決心がついていたようだが、実際は少年も妹も最初から主人公を仲間に入れたがっていたのであり、本人がその気持ちをいつ受け取る気になるかという程度のことだっただろう。 また今治へ集団で押しかけていたのも、本当にその結果として母親が救われたことを示す場面はなく、単に関係者の気持ちの問題ではなかったのかという気さえする。劇中の妖怪連中は結局、主人公にとって何ら決定的な役割を果たしていなかったように見えるが、しかしそれは前記のように、その存在が今日では人間社会にとって必須ではないという妖怪自体の性質を反映しているのだろうし、あるいはストーリー的に安易な神頼みをあえて排する意図があったのかとも考えられる。文字通り見守っただけというわけだが、ただし出来事の大事なところを補強し、あるいは強調してはっきり見せたことで、今回のことを主人公の心にしっかり刻み付ける役には立っていたかと思われる。   以上、結果的に悪い話ではないが、内容があまりに普通すぎて大感動作ということにもなっていない。しかし主人公の少女が変にリアルに可愛らしい(おしりを叩かれて「痛ぁーいっ!」と叫ぶのが生々しい)ので、やはり少しいい点にはしておきたくなる。友人の少年も実直そうな感じで悪い奴ではないようだ。また映像美が大きな魅力になっているのも間違いないことと思われる。
[DVD(邦画)] 7点(2018-06-24 13:09:56)
337.  きみの声をとどけたい 《ネタバレ》 
言霊を扱った映画は「学校の怪談 呪いの言霊」(2014)以来である(中身は全く違う)。 個人的には最後の展開が意外だった。まさかこうなるとは思わなかった。年少者向けアニメとはいえ一応は現実世界のこと(紫玉は主人公の主観的な現象という前提)として話が進んでいくので、キセキという名目で絶対あり得ないこと(皆が見ているところで紫玉が大量発生)を起こすとまでは予想していなかったわけだが、まあこれは初めからこういうものだったと割り切るしかない。意識障害からの回復は絶対あり得なくはないので、そういうことなら普通に奇跡として受け入れられる。 中心テーマのコトダマに関しては、悪口を言うと本人に返るというのは現実的な教訓だが、願いを言葉にすれば必ずかなうとも思われない。口に出すのが実現のための第一歩というならそうかも知れないが、それは努力家のお嬢様にこそふさわしい行動様式である。そこまでご立派でなかった主人公も、自分の言ったことを自分で受け取った結果として生きる姿勢を改めて、それがその後の就職につながった…と思えばいいのかも知れないが、どうも派手なキセキに気を取られて、まともな成長ドラマの部分が見えない気がする。  一方、音楽著作権には厳しい割に、その他社会通念は無視というのはこの手のアニメに必須だとでもいうことなのか。特に、いくら高校生の趣味的活動でも、商店街の協力者やリスナーを巻き込んだ時点でそれなりの責任が発生するのであって、病院の母親とさえ直接関係のない個人レベルの事情で放送を使うのには反感を覚える。いろいろ気に障ることは多いながらも、“これはほのぼの系アニメだから”と自ら宥めながら見ることを強いられて、それが最後に全部帳消しになるほどの大感動はない感じだった。 ちなみに劇中の女子高生が外見的にみな可愛いのはアニメなので当然として、人格的に最も魅力がないのは主人公だった(一般代表を兼ねているからか)。人間以外ではカエルの位置付けが半端である(仏様の化身?)。  なお余談として、「長寿の鐘 お題目を唱えてからおつき下さい。」と書いてあるのに主人公が完全無視していたのは自分が咎めることではないとして(この宗派に特に義理はない)、その方面では有名と思われる「龍ノ口法難」というのがこの辺のことだったというのは今回初めて知った。この宗派でも言霊は重要なのか。
[DVD(邦画)] 5点(2018-06-24 12:59:11)
338.  便利屋エレジー 《ネタバレ》 
便利屋営業の3人が、シングルマザーと家族の間をつなぐ話である。大人同士の関係ではもう動きが取れなくなった状態で、あえて子どもを中心にすることで物語が前に進んでいき、ラストは子どもの笑顔が嬉しいハッピーエンドになっている。柄にもなく子役の表情にキュンとさせられるところがあり、また料理が父子の距離を縮めるというのもいい話だった(ただし作ったものはちゃんと食え)。 やりすぎ、できすぎという面はあるだろうが、そこは架空のお話ということで問題を感じない。社長には過去の体験から、困っていても言い出せないでいる人を助けたいという思いがあり、また年長の社員も父親が原因で心に傷を残していて、それぞれの事情が行動を促す形になっている。結末も絶対ありえないわけではなく、劇中タレントの既成イメージにうまく乗せられれば今後の持って行き方はありそうな気はする。マネージャーの変心だけは少々都合よすぎかと思ったが、これもその前の場面で家族のつながりを見せつけられたからだと解される。 ネット上で観察した限り、日本中でほとんど誰も見なかったかのような印象もある事実上の超マイナー映画だが(著名レビューサイトでも現時点で投稿が1~2件)、見れば意外に泣かされる話だったので少しいい点にしておく。 なお登場人物では、元AKB48の永尾まりやという人が夜の仕事で子育てしているシングルマザーになっている。女の子でもないがくたびれてもおらず、ほどよく華のある母親役だった。
[DVD(邦画)] 7点(2018-06-17 10:08:43)
339.  口裂け女VSカシマさん<OV> 《ネタバレ》 
ひたすら逃げる映画である。最初の出現時には、歩道のフェンスも自転車小屋も乗り越えてひたすらカメラと鎌が迫るのを見て少し期待できるかと思ったが、その後はただ逃げるだけになる。夜になって登場人物がやっと周囲に助けを求め始めたので少しずつ進歩しているのかと思ったが、同じ行動様式を最後まで続けるのでは呆れてしまう。 しかし途中でこれは画期的だと思ったのは、人のいないところばかり狙ったように走っているのを登場人物が自覚していたことである。これは制作上の都合を登場人物に語らせるメタフィクション構造ということか、あるいは観客の心理を代弁させたということなのか。また宣伝に出ていた「渾身の長回し」というのは、地下駐車場で柱の周囲を回る場面がそうだったのかも知れないが(前後含め約5分)、見た結果としての感想は「さっきの、何だったの」「おれもわかんねえよ」という発言の通りで、ここも登場人物と観客の一体感をわずかに出していた。  今回登場の二大キャラクターはそれぞれ独立の存在のはずだが会えば対立するようで、ゴジラのような二足歩行怪獣の脅威が迫ったところに、脇の方から別の怪獣がのそりと這い出して睨み合う、といった昭和怪獣特撮を思わせる場面もあった。ちなみに二大キャラクター以外にヒトコワ系変質者が出たのは唐突で意味不明だったが、ここは何らかの必然性があったのかどうか。 最後に追い詰められた(自分で追い詰まった)場所は、「SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ」(埼玉県川口市上青木3-12-63)の屋上だったようである。ここでの出来事も理解不能だが、あえて解釈すれば都市伝説のキャラクターは人の心の負の感情からできており、破裂して飛び散ったものを浴びた2人がそれぞれの内面をさらけ出してぶつかり合ったことで相互理解に至ったという感じか???? …結局よくわからないが、ちなみにいえば口裂け女の本質が「追いかけても届かない」ことだというのでは恐れられる理由がなくなり、存在意義まで危うくなるので納得できない。ただ最終的にラブストーリーだったらしいのは大変結構なことで、少し前までAKB48所属だった永尾まりやという人のキスシーンもあったりするので軽くは扱えない。 以上、最大限真面目にコメントしようとしたが、褒めるには申し訳ないが能力の限界がある。出演者・制作スタッフには今後の活躍を期待する。
[DVD(邦画)] 2点(2018-06-17 09:57:44)
340.  リアル人狼ゲーム 戦慄のクラッシュ・ルーム 《ネタバレ》 
「リアル人狼ゲーム」(2013)という映画に続く第二作という扱いらしい。「人狼ゲームを題材にした」とされているが、驚くべきことに人狼ゲーム自体は出て来ない。グループの中に殺人者が混じっていて人が次第に殺されていくのを人狼ゲームに見立てたのだろうが、それにしてもよくここまで堂々と開き直るものだと思う。なお自分としては人狼ゲームを見るのが目的ではなかったので別にどうでも構わない。  前作は見たことがないが、今作は(も?)基本的には密室サスペンスといった感じのもので、マンションの一室にたまたま集まった8人が殺されていく展開になる。メインテーマのような曲とか仕掛人の人物像からすると古風なミステリーの雰囲気でも出そうとしたのかと思ったが、そもそも未知の科学力だかオカルトだかわからないネタを使っているわけなので真面目に考えても仕方なく、これで最終的に辻褄が合っていたかも不明である(考える気がない)。また全般的に登場人物の考え方や行動に人として不自然な点が多く、「前作よりも緻密なストーリー展開」とされている割には緩い印象があるわけだが、それより専ら意外性が重視されていた気はしなくもない。発端になった出来事の真相などはありがちな感じだったが、何より人が死んでいく順番が意外だったとはいえる(1人目を除く)。  ちなみにこの映画は当時AKB48所属だった永尾まりやという人の初主演映画ということになっているが、登場人物の中で唯一特殊な立場というだけで、終始大活躍でもなかったのはかえって妥当な扱いかも知れない。また若手女子では花村裕加という人(後の小西キスという人?)も結構目立っていたが、2人とも唇が特徴的なので重複感があるというか何かこだわりがあったということか。もう一人、少し年上で落ち着いた感じの所里沙子さんは、これまで見てきたところでもあまり派手な役がなかったので今後に期待したい。
[DVD(邦画)] 3点(2018-06-17 09:57:41)
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