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FSSさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 854
性別 男性
自己紹介 <レビュアー引退について>

他の方にとってはどうでもいい事ですが(笑)、
こちらでのレビュアーを引退させて頂きます。
理由はあまり映画自体を見なくなった事と、
結局、映画以外にもレビューを書けるAmazonが
レビュー投稿の中心になってしまった事ですね。

長い間、お世話になりました。 2021/11/27
   
<ジャンルの好みについて>

・好きなジャンルは「ホラー」「サスペンス」「ミステリー」。
・嫌いなジャンルは「ミュージカル」「恋愛」「韓国映画」「感動押し付け系」。
・どちらでもないのは「アクション」「SF」「コメディ」「時代劇」。

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21.  ルパン三世 セブンデイズ・ラプソディ<TVM> 《ネタバレ》 
ファンとして新作が出てくれた事は嬉しい。  ただ、出来の方は相変わらずショボい。  前作「天使の策略」に比べれば、いくらかマシにはなったものの、はっきり言って前作は悪すぎたから論外。  盗む獲物や敵キャラの取って付けたような設定に加え、ありがちで強引なストーリー展開。そして、その強引さを中途半端なギャグとご都合主義で誤魔化すため、ラストに行くに従ってグダグダな展開に。  しかも今回はなんと五右衛門がギャグ担当。珍しい設定に期待したのに、結局、不二子に協力しているからと言うだけの理由で無理やり途中退場させられる。やはり従来のテレビ映画シリーズ同様、ファンが見たいと思うようなルパン一味の「活躍のさせ方」がまるっきり分かっていない。  よくルパンのキャラに対する批判としてやたら「旧シリーズ」と比較する人がいるけど、個人的には「カリオストロ」のように義賊としてのルパンが好きなので、こういう優しい性格に違和感は無い。今作の問題はそういう事ではなく、各キャラ独自の「個性を発揮した見せ場」が無いこと(もっともこれはシリーズ共通の問題だけどw)。「主役を光らせるには脇役の活躍が不可欠」という脚本作りにおける基本が分かってない。主役だけが目立っていれば良いという作り方は、要するに前時代的。  ルパンとツンデレな関係の次元はまだマシな扱いだが、悲しいかな敵側に魅力が無いので、相対的に次元にも勢いが無い。銭形の活躍もこれまた中途半端で、いてもいなくても話が成立する程度の扱い。敵にもルパンにもつかないという不二子の役回りもワンパターンすぎる。ヒロインのキャラ設定もありがち。おまけにラストは「カリオストロ」の劣化コピー。  監督や脚本を書いている人は業界では有名なようだけど、はっきり言って感性が古い。このままじゃルパンの名が廃れる一方だし、せっかく最近は一般にも漫画やアニメのレベルの高さが認知されてきたのに、こんな駄作を作られちゃ、元の木阿弥だよ。 
[地上波(邦画)] 3点(2006-09-18 15:19:43)
22.  ギミー・ヘブン 《ネタバレ》 
せっかく「共感覚」という面白そうなアイデアを盛り込んだのに、それがミステリーのギミックとしても、テーマとしてもほとんど機能していないのが最大の欠点。  さらに肝心の脚本構成は文字通り「話」になっていない。陳腐で恥ずかしいセリフ回し(「君はオレが守る」とか「君の目は好きだったビー玉に似てるんだ」etc.)、センスの無いネーミングの数々、ダラダラとした展開、説明不足な人物描写、「共感覚」を表現するためのビジュアル面での演出不足、説得力に欠ける殺人の動機etc.etc...。坂本裕二氏は映画「世界の中心で、愛を叫ぶ」の脚本担当らしいが、はっきり言ってセンスが古いと言うか、感性がベタ過ぎると思う。  あの少女が共感覚を持つがために、誰とも分かり合えない孤独から人を殺すというのは、まあ分からないではないが、なぜ養父を次々に殺すのかが意味不明。虐待されていたとか?いまいち分からない。  また、新介が好きなら、なぜ貴史について行く?はっきり断っておけば殺す必要すらないじゃん。むしろ邪魔なのは恋人の方でしょ。それに貴史があそこまで彼女に惚れ込む理由もはっきり描かれているわけではない。  他にも適当に逃げた先の廃墟に監視カメラが取り付けてあったり(しかも貴史がどこに逃げて行くかも分からないのに、ちょうど見やすい位置にあるw)、「ピカソ」がプリペイドの携帯電話の番号を知っていたり、暴力団とどう関係しているのかとか、あのゲームをやっているとなぜ死にたくなるのかとか(あんな単調なクソゲーをトリップするまでやり込むわけないだろw)、突っ込みどころは数知れず。凄腕のハッカー(クラッカー)とか?とにかく基本的に設定の荒さが目立つし、人物描写も薄っぺらい。  音楽の使い方は悪くないし、「共感覚」のアイデアさえ作中で上手く活用出来ていれば面白くなる潜在力はあったはずだけに惜しい。脚本ですべてダメにされた感じ。
[DVD(邦画)] 3点(2006-08-31 17:29:54)
23.  妖怪大戦争(1968) 《ネタバレ》 
さすがに古臭さはあるけど、2005年度版の「妖怪大戦争」に比べれば、娯楽映画としてはこちらの方がまだ見られる。40年近くも前の制作年代からすれば、「西洋の妖怪が日本の妖怪と対決する」という発想は素晴らしく斬新。  また、妖怪を敵対するものでなく、我々の日常のすぐ傍に棲む隣人として受け入れる、日本特有の民俗学的なユーモラスな妖怪観も出ている。  ただ仕方ないとは言え、さすがに特撮や演出全般のショボさはいかんともし難い。手作りの良さは出てるけど、今見るにはキツい。特に戦闘シーンの迫力の無さ、演出面のチープさは痛い。  最後の決戦のシーンも、本来は凄まじい死闘のはずなのに、妙に静かで迫力不足。それにぜんぜん妖怪たちの特殊能力を戦闘で活かせてないのがもったいない。ダイモンも単に分身するか巨大化するかしかしていないのも物足りない。  また、巨大化したダイモンの目の前に唐傘お化けに掴まってゆっくり浮かんで行くシーンなんかも、どうしてダイモンは何も反撃しないのか意味不明。じーっと見てるだけで、そのまま弱点の目を突かれてあっけなく終了ってのは、戦闘中という事を考えれば、いくら何でも不自然すぎるでしょ(笑)。肝心のクライマックスが一番盛り上がりに欠けている。さすがにこの辺のアクションシーンにおける演出センスの未熟さは時代を感じる。  今、娯楽映画としてリメイクするなら、敵キャラもダイモンだけじゃなく、バビロニアの古代妖魔とか、ダイモンの上位に位置する魔人なんかを出して、日本の妖怪たちと「特殊能力」で戦わせるくらいの事はやらないとね。  申し訳ないけど、製作年代を考慮しても今見ると点数的にはこの辺が限界です。
[インターネット(字幕)] 4点(2006-08-21 22:39:21)
24.  カクレンボ 《ネタバレ》 
この手の実験的短編ムービーは、「ストーリーを見るか」、「ビジュアルを見るか」で、評価は大きく変わると思うが、個人的には「アニメ学校の卒業作品のレベルが高いもの」、という印象しか受けなかった。  日本とアジアの文化を融合させたようなオリエンタルな美術的世界観は「ブレードランナー」を始め、大友克洋の「AKIRA」や押井守の「イノセンス」、宮崎駿の「千と千尋」、ゲームで言えば「クーロンズゲート」や「シェンムー」など、枚挙に暇が無いほど良く使われるものであり、まったく目新しさは無い。むしろ「非日常の象徴」や「近未来都市の雑多な雰囲気」を醸し出すための背景イメージとしては既に陳腐な部類で、「またこれか」と思わされる。  少年たちが被っている狐の面は、狂言の演目の中で扱われるもので、その影響は、つげ義春の「ねじ式」や「うる星やつら」などでもよく使われているほどで、非常に印象深いが、これも「異界の象徴」として扱いやすい安易なアイテムと言える。  カラクリ人形のような「鬼」のデザインも歌舞伎や人形浄瑠璃からの影響が強く、これまた斬新さは無い(人形浄瑠璃の人形のデザインをベースにした傀儡忍法が既に「ナルト」などにも出ている)。  残念ながら、この作品を作ったクリエイターが今まで影響を受けた映画や漫画、アニメからの部分的模倣とパッチワークの域を出ておらず、はっきり言ってオリジナリティは皆無。  また肝心のストーリー性は皆無に等しく、肝心の人物描写や物語の整合性は完全に放置されている。  ラストにおいて捕らえた子供たちを街の「電球」代わり(?)に使っているというオチも意味不明。無理やり何らかの民話的テーマを読み解く事も出来るが、イメージ優先という作品性からも、そこまで深く考えて作られているとは思えない。最初から人物描写が放棄されているので、命の大切さや死ぬ事の恐怖感にも説得力が無く、伝えたいテーマがあってもそこに訴求力が足りないのだ。  不遜を覚悟で言わせて貰うと、皮肉な事に「技術はあるが独創性が無い」という、現在の漫画やアニメ業界を担う若手クリエイターに足りないものをこの作品がすべて体現してしまっている。   最近のこういうアニメ作品を見ると、既にオリジナリティという点で、原型となるべきアイデアが出尽くしてしまった現代の日本の漫画やアニメの限界を見るようで、何とも暗澹たる気持ちになる。  
[インターネット(字幕)] 4点(2006-08-19 23:53:03)(良:1票)
25.  妖怪大戦争(2005) 《ネタバレ》 
はっきり言って「子供向け」じゃなく、「子供だまし」映画。現代の子供を嘗めてるね。  悪い意味での邦画特有の垢抜けなさ、センスの無さが目立つ。安っぽいCG、安っぽいセット、安っぽいギミック、やたらスケールだけ大仰な幼稚なストーリー、どっちつかずのギャグとシリアスのせいで、妖怪の恐怖感も、お祭りの盛り上がり感も無いショボい展開、豪華な顔ぶれなだけでヘタクソな演技の出演者etc.etc。  あと、これは監督の演技指導に問題があるが、神木くんの演技が一本調子すぎる。特に叫び声が「うわっ」「うわわわ~」「う~わ~」と記号的なテンションばかりで、それに加え、子供特有の甲高い声のせいで非常に耳障り。聞いていてイライラさせられた。   小学校低学年以下には話が分かりにくいだろうし、高学年以上にとっては話もアクションも幼稚すぎる。今どき、大人はもちろん、日本のレベルの高い漫画やアニメを見慣れている現代の子供にこんなお粗末な映画は通用しないでしょ。 漫画は進化しているのに、邦画は退化してると言うしかないね。
[地上波(邦画)] 1点(2006-08-12 00:44:14)(良:1票)
26.  雲のむこう、約束の場所 《ネタバレ》 
前作「ほしのこえ」同様、監督が今まで見てきた好きなアニメや漫画から得た影響のみで作り上げたであろうパッチワーク作品ではあるが、ここで酷評されているほどにはヒドい作品ではない。  その製作姿勢は基本的に同人誌の延長であり、監督の自己満足が先にあるものだが、取りあえず、何とか商品として金を取れるレベルに仕上げてある点は評価できる。  確かに「並行世界」という陳腐なSF設定も近未来の世界観も、あくまでイメージ優先で、小難しい単語を使いまわしているだけで中身は薄っぺらく、独自の着想も皆無。「戦争」、「幼なじみの少女」、「並行世界」、「飛行機」、などなど、すべてが「イメージ表現」のために用意されたギミックでしかないし、主人公たちのやっている事や言ってる事も青臭く、やたら感傷的で自己陶酔的だが、その「青さ」も含めて、青春恋愛アニメとしてのテーマは押さえてある。  まあこれが普通の劇場版として、どこかのスタジオが集団作業で作ったというなら間違いなく駄作ではあるが、ほとんど一人でこれだけのものを作ったというなら、それなりの評価には値する(必要な機材を与えられても自分ひとりではとても出来ないし)。  あくまでイメージ優先のジュブナイルアニメであって、それ以上でも以下でもない作品。今はまだ「技術はあるが独創性は皆無」というオタク作家の典型だが、もう少しクリエイターとしての視野を広げて、オリジナリティの高いしっかりとした脚本作りが出来るようになれば、あるいは…。  PS.この作品はともかくとしても、今やハリウッド映画やディズニーアニメのスタッフにも日本の漫画やアニメの影響を受けていない人間はほとんど皆無という時代に、未だにアニメや漫画に偏見持っている日本人がいるというのが嘆かわしい…。 
[DVD(邦画)] 5点(2006-08-05 15:57:47)(良:1票)
27.  NOTHING ナッシング 《ネタバレ》 
「何も無い世界」という極端な舞台設定ってのは、まさに白紙のキャンバスと同じで、何をどう描いても構わないけど、逆にその「何も無い事」に囚われてしまいがち。  本当に何も無いままでは話が進まないし、かと言って、線を一本書き込むだけで、ある程度の方向性が定まってしまう。しかしそうなると今度は何も無い舞台の必然性が失われる。そう言う意味でも簡単そうで難しい舞台設定と言える。  今作もその自由の束縛ゆえか、家以外の物体を何も出さなかった(出せなかった?)のかも知れないが、やはり作品としての方向性が定まらず、「生きる目的」とか「現実と理想のバランス」とか「日常の意味」とか、色々と描けたはずのテーマが描かれないまま、中途半端なドタバタに終始してしまった感がある。言ってみれば、映画「ゾンビ」におけるショッピングセンターのシーンを抜き出しただけの内容。  嫌なものなら物質どころか自分の記憶さえも消してしまえる、という能力を作中でもっと上手く扱えば、より深くテーマを抉ることも出来たはずなのに残念。  あえて「逃げ出した先に理想郷は無い」という定番のオチにしなかった可能性もあるが、わざわざ逆説的にテーマを読み解けるほどの深い作品とも思えない。終わり方も蛇足。「謎解きミステリー」か「不条理コメディ」のどちらかに徹するべきだった。色々な意味で中途半端。
[DVD(字幕)] 5点(2006-07-29 17:36:42)(良:1票)
28.  ノロイ 《ネタバレ》 
「擬似ドキュメンタリー」という製作者の「狙い」に乗ったうえで、娯楽作品として割り切って見れば、それなりに完成されたものになっている(ネット上の感想を見ると、ここまで分かりやすい作品でも、今作をホンモノ(実話ベース)と勘違いしている人がちょくちょくいる事に驚かされたけど)。  ネタ元としては「本当にあった!呪いのビデオ」+「ブレアウイッチプロジェクト」+「呪怨」+「杉沢村伝説」辺りの寄せ集めって感じだけど(笑)、全体の作りは丁寧でテンポは良いし、謎や伏線の振り方も上手いので、飽きずに最後まで見られる。恐怖演出のセンスも悪くない。  こういう作品はどうしてもチープで嘘臭くなりがちだけど、小道具や舞台設定を含めた雰囲気作りには手間が掛かっているし、出演者の演技もオーバーにならないギリギリの線に抑えてあるので、恐怖ものとしてのリアリティと娯楽のバランスが保たれている。  リアリティを優先し過ぎて娯楽要素や商品意識に乏しい「ブレアウイッチ」や、投げっぱなしの心霊番組などと違い、製作サイドに娯楽作品としての自覚があるから、最低限の謎や伏線をきちんと処理して終わるのも好感が持てる。確かにCGは興冷めだけど、これも使用目的に対して自覚的なので演出としての許容範囲に収まっている。  ただ、この手の「擬似ドキュメンタリー」という演出パターンには前例が多いし、「呪いネタ」自体もありがち。後半はほとんど「ブレアウイッチ」そのままで、目新しさが無いのが残念。出来れば、もう少し謎解き要素や恐怖演出にオリジナリティが欲しかった。  ラストもちょっとダラダラし過ぎ。あんな状況でカメラを持って撮影しているというのはさすがに不自然で、そのド根性ぶりに最後の最後で笑ってしまった。惜しい。  実質的には7点くらいだけど、もう少し高く評価されても良いと思うので、オマケで8点献上。   PS.これで「カメラ酔い」した人は、「ブレアウイッチ」や「ボーンスプレマシー」は絶対に見ない方がいいです(笑)。
[DVD(邦画)] 8点(2006-05-20 08:16:44)(良:1票)
29.  盲獣VS一寸法師
もっと奇抜なカルト映画かと思ってたら、マジメにやってる作品だったのか(笑)。  江戸川乱歩の作品が持つ、怪奇・猟奇・エログロ・昭和初期のモダニズムなどの魅力を出そうという意欲のようなものは感じるけど、出来上がったものは悲しいまでにチープで中途半端。ほとんど学生の自主制作映画レベル。  出演者の演技もひどい。セリフはアフレコみたいだし、おまけに棒読みで、失礼ながら「素人レベル」と言うしかない。  「盲獣」と「一寸法師」をわざわざひとつの物語として統合しているのに、基本的にそれぞれの事件が独立していてほとんど無関係。ここが致命的。その結果、本格推理ものとしても、エログロナンセンスとしても中途半端になっている。ラスト間際にだけ、ちょろっと出てくる丹波哲郎の存在も意味不明。  やはりイメージを想像で補っている部分が大きい乱歩の世界観を映像化すると、どうしても安っぽくなってしまう。
[DVD(邦画)] 1点(2006-05-03 14:56:36)
30.  隣人13号 《ネタバレ》 
<原作未読・映画版のみの評価>  はっきり言って後味の良い作品ではないし、内容的にも好き嫌いが露骨に出るだろうが、邦画のサイコ系ホラー映画としては間違い無く高い完成度である。基本設定はオーソドックスでスローテンポな展開でありながら、不思議と飽きないストーリーテリングの上手さと、中村獅童の怪演のおかげで作品世界に引き込まれてしまう。吉村由美のヤンキー演技も驚くほど自然w。  多重人格系である事を最初からストレートにバラしているし、演出にも取り立てて新しい工夫や意外性がある訳でもないが、サイコ系ホラー映画の正統な系譜としては十分完成されたものと言える。  アパートや建築現場、トイレ、学校といった日常の空間に立ち現れる非日常の狂気。その見せ方が上手いので、邦画特有の安っぽさが無い。  私もラスト辺りの展開には少し分からない部分もあるが、幾ばくかの謎を残したまま終わるのもまた良し。ひょっとしたら、全編すべてが少年時代の妄想だったという可能性もある。それはそれで十三が自己の殻を破って、いじめっ子に打ち勝ち、現れるはずだったもう一つの人格を「13号室という自我」の中に押し込めたという前向きなエンディングとも取れる。  何にしても、この作品が初めてとは思えない監督のセンスの高さに対する敬意と、今後の期待も込めて、おまけで8点献上。
[DVD(邦画)] 8点(2006-04-18 01:18:17)
31.  姑獲鳥の夏 《ネタバレ》 
色々な意味で映像化が難しいであろう京極シリーズの世界観を、何とか二時間枠の中で構築しようとする工夫の後は伺える。  とは言うものの、製作者に対して「よくがんばったね」と言ってあげるには、ほど遠い出来。京極ワールドの構築にとことん気を使っていないのは、宮迫博之や阿部寛という、知名度や話題性優先による明らかなミスキャストから窺える。  原田知世も女優としての成長が見られず、演技のレベルは低い。台本に書かれた時代がかった「お嬢様言葉」を噛まずにしゃべることに精一杯といった印象で、「演技のための演技」から抜け出せていない。  また小説ならあまり不自然に感じられない長々とした「中禅寺の薀蓄」も、こと現実の役者がベラベラと喋くっていると、さすがに違和感がある。何より説明的なセリフが聞いていて恥ずかしい(「我々は目から入ってきた電気信号を脳が変換した視覚映像を見ているにすぎないのだよ」みたいな)。  もともと原作は本格系ではありながらアンチミステリ的な傾向が強いので、基本的にこのシリーズを見る場合は、「妖怪=人間の業」が齎した事件の構造と、中禅寺による「憑き物落とし」の概念に共感できないと、禁じ手に近い謎解きが単なる「肩透かし」のように思えてしまうはず。  そんな原作を二時間枠に押し込んでしまったので、ミステリ慣れしていない人が見ると、色々な意味で分かりにくい映画になってしまったように思う。  妙な視覚効果の使い方もセンスが悪く、重厚な作品世界が安っぽくなっている。  しかしシリーズの中では比較的分かりやすく、舞台の設営も難しくなさそうな「姑獲鳥」がこれでは、「魍魎」や「絡新婦」や「狂骨」の映画化は難しそうだ。邦画ではこの辺が限界かな~。 
[DVD(邦画)] 4点(2006-04-17 01:13:21)
32.  ハサミ男 《ネタバレ》 
※※※↓完全にネタバレレビューです↓※※※  だいぶ以前に原作を読んだけど、この作品は世間の評価ほど面白いとは思わなかった。  映像化が難しい作品をあえて選択した勇気は評価したいが、誤解を恐れずに言えば、基本的に「叙述ミステリー」は、ストーリーとは無関係に「読者を混乱させる事」が目的化している部分があるので、騙され方に好き嫌いがはっきり出るタイプ。  トリックに関わる部分は、わざと大胆に扱うという事で上手く処理してあるが、ミステリーの見せ方としてはルール違反ギリギリ。また「シックスセンス」以降、同じような表現パターンは既に他の作品にも見られるありきたりなものになっていて、サプライズのためだけにある叙述トリックによるオチが、ほとんど効果を上げていないのが残念なところ。  「少女の首にハサミを突き立てるハサミ男が、自分の手口と同じ方法で殺された死体を発見してしまい、殺人鬼が殺人鬼を探すハメに」という、この序盤に提示される謎は最高に魅力的で、先の展開を期待させるが、ミステリーの醍醐味である、「フーダニット」、「ホワイダニット」という謎掛けの魅力に比して、真相がありきたりで、つまらなさが際立ってしまっているのが何とも残念。  つまり、その叙述トリックの部分が、「キャリア警視の便乗殺人だった」という、「もう一つの真相」とストーリー的にも、トリック的にもほとんどシンクロしていないという点が問題。警視にしてみれば、どの殺人事件に便乗しても良い訳で、ミステリー的な関連性という意味において、「ハサミ男が多重人格者でなければならない必然性」が無い。  それに加え「世間に公表されていない情報を知っている」という地点で、「真犯人は警察関係者なのでは?」と容易に予想もついてしまうので、中盤辺りまで来れば、多少この手の作品を見慣れている人にとっては、事件の全体像はバレバレ。そのため余計に「多重人格オチ」の弱さが際立ち、メインの謎の真相としてはインパクトに欠けたものに感じられてしまう。  ラスト辺りのダラダラ感もマイナスだし、終始鳴り続けているワンパターンなBGMも耳障り。麻生久美子の破滅的な殺人鬼の演技はなかなか魅力的だったのでおまけで5点献上。
[DVD(邦画)] 5点(2006-04-15 15:28:01)(良:1票)
33.  血と骨 《ネタバレ》 
<原作未読・映画版のみの評価>  いまいち何が言いたいのか分からない作品だった。  戦中戦後の混乱期を生きた人間のドラマとしては、たけし演じる金俊平の傍若無人&無軌道振りがヒド過ぎて、ちょっと感情移入が出来ない。いかに行動力や商才があっても、あそこまで他人の気持ちを無視してたら、そりゃ悪くないものまでダメになるに決まってる。時代とは言え、周囲の人間も流されすぎ。そこまで荒む事もないのに、勝手に状況を悪くしているように感じる。  在日朝鮮人の苦労談を描くことでの戦争批判、ひいては日本批判という訳でもなさそうだけど、やはり根底には「こうやって生きるしかなかった」という、被害者意識のようなものが見え隠れしているような気もする。  各エピソードもぶつ切りで特に繋がりがなく、あっても無くてもいいという程度の扱い。その分、無駄に尺が長くなっているのがマイナス。  特に年を取ってからのたけしのメイクとその動きは、「ひょうきん族」世代から見ると、ほとんどコントに見えてしまい、これまた違う意味で感情移入が出来なかった(w。  ラストも北朝鮮批判に繋げたかったのかも知れないけど、そこへ至る心情の変化が描かれていないし、金俊平の人間性に終始共感が出来なかったので、終わり方として唐突な印象を受けた。
[DVD(邦画)] 5点(2006-03-03 17:46:16)
34.  インストール
<原作未読・映画版のみの評価>  やはり女子高生という主人公である分、「あずみ」などより、上戸彩の等身大の魅力が出ている。そういう意味では正しい人選だが、それ以上に上戸彩のプロモーションビデオ的な意味合いの方が強いw。  物語のテーマ自体は、思春期に限らず、普遍的な「個」の揺らぎと不安から逃げ出した非日常の中で、現実を生きる意味を見出したり、自己の内面に向き合うと言う、よくあるもの。またその非日常の象徴として「ネット社会」を引き合いに出すという発想が、原作が書かれた時期を考慮してもすでに時代遅れ。  はっきり言って、この手の「自分探し」的なテーマは、もうこんな文学を気取った作品などより、既に日本の漫画やアニメの方が色々なアプローチで散々やり尽くしていて、今や作中で扱うごく基本的なテーマのひとつに過ぎなくなっている。  途中経過にもコレといった展開は無く、終始淡々としていて、内容らしい内容が無い。上戸彩ファンに媚びたような中途半端なエロティシズムなどウザったいだけ。ラスト付近の友人の自殺もそれまでのストーリーと何ら関わりが無く、取って付けたような印象は拭えない。唐突に重苦しいイベントを差し挟む事で、物語全体を締めようという計算が見える。  主人公と同じ悩みを持った思春期世代の中高生が見れば共感しやすい作品ではあるが、結果的に取り立てて結論らしい答えを出す事も無く、「見ているものが答えを出しなさい」という落とし方は手抜き一歩手前であり、それでいて中途半端な大人視点の説教臭さがつきまとう。  そこまでは多少ものを考えている人間なら、老若男女、誰でも辿り着く結論であり、問題はその「平凡である事の先」に、「生きていく上での活力」として、どういう哲学を導き出すのかが重要。それこそが作品の意義であり、主張すべき主体というもの。そこに言及しなければ、こんな作品をいくら作っても何も言っていないのと同じこと。  
[DVD(字幕)] 1点(2006-01-13 19:17:44)(良:1票)
35.  NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE 《ネタバレ》 
予想していたよりはずっとマシ。比べるのも失礼だけど、同じ実写作品でも「デビルマン」などとは比較にならないほど良心的な作り。さすがにキャラには違和感があるし、特撮、アクション、その他もチープではあるけど、これはこれとして別物と見れば、それなりに見れるものにはなっている。  「キューティハニー」もそうだったけど、実写化が難しい作品でありながら、あえてそれを選び、割り切るところは割り切って、娯楽映画として楽しめるように作ってある点には好感が持てる。  ただ、さすがにこれを劇場に1800円を出して見に行っていたとしたら、もう少し評価は下がったと思うけど(w。
[地上波(字幕)] 5点(2006-01-08 18:13:39)
36.  THE JUON/呪怨 《ネタバレ》 
シリーズの中で唯一の成功作品と言えるビデオ版1作目のリメイクなのだから、邦画のへっぽこ劇場版よりは見れるものになっている。  ただ、他の方の指摘にある通り、わざわざ外国向けにリメイクされているのに、何故か日本が舞台。内容を見ても、まるっきり主人公が外人である必然性が感じられないアレンジの仕方には疑問。  どうせなら、ビデオ版を見た事のある人も楽しめるように、別物とするくらいの変更が欲しかった。
[DVD(字幕)] 5点(2005-12-31 00:07:06)
37.  ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン 《ネタバレ》 
内容はFFⅦの戦いから二年後の後日談。当たり前だけど、この作品を楽しむにはゲーム版のFFⅦをプレイしている必要アリ(もっとも興味のあるファンしか見ないと思うけど)。  CGのレベルは凄いの一言。髪の毛や人肌、水、土、鉄、木、革、砂埃など、ちゃんと物の「質感」が表現されている。ここまでやってくれていれば、さすがにオールCGだからと言ってケチをつけるのは躊躇われる(笑)。  ただ、残念ながらストーリーはイマイチ。ファンなら誰でも一度は考えそうな同人誌的な「後日談」であり、かなり練り込み不足と言わざるを得ない。敵キャラの言う事、やる事も、かなり幼稚な印象。  セフィロスが現れるシーンも分かりにくいし、おまけにセフィロスの言う事まで薄っぺらい。あくまでセフィロスは個々人の記憶の中の「過ち」や「理想」の象徴としてのみ描いて、直接出現させるべきではなかったと思う。  アクションも派手なのは良いとしても、ちょっと非現実的過ぎるシーンが多いのは興ざめ(序盤、教会でのティファの戦いが一番リアリティがありカッコ良かった)。バハムートやセフィロスとの戦いは物理法則とか無視しすぎで、アクションシーンに説得力が無い。  もっと、一撃一撃、一言一言に色々な意味で「重み」が欲しい。彼らの戦いは、「殺し合い」ではなく「語り合い」であって欲しい。  
[DVD(字幕)] 7点(2005-12-30 22:26:12)
38.  ギブリーズ episode 2
最初のカレー話はまあまあ面白かったが、その存在理由は不明。また、その後の各短編にもまったく繋がりが無く、いったい何がやりたいのか分からない。  技術的にはレベルの高い事をやっているのかも知れないが、その使い方がまったく無意味。こんな中途半端な「実験的な内輪ネタ」に時間と労力を使うくらいなら、本編の方に全力投球して欲しかった。仮に真面目にやるつもりがあるなら、別作品としてきちんと完成させるべき。こういう同人作品のようなやり方は金を取るプロがやってはいけない。
[ビデオ(字幕)] 2点(2005-11-05 15:22:39)
39.  Jam Films2 《ネタバレ》 
「Jam Films」→「Jam Films S」→「Jam Films 2」と、このシリーズを見てきたが、共通しているのは、どの短編も高校生の自主制作映画レベルで、自己満足以上の商品的価値を持った作品がほとんど無いことだ。毎回、監督は総入れ替えされているが、若手らしいパワーや独創性に溢れる作品には一作もお目にかかっていない。こんな既存作品の廉価版みたいな映画しか作れない若手が、第一線で活躍しているというのだから呆れる。  ・『机上の空論』~何故か似非日本を舞台にした恋愛のHowToビデオから始まり、後半はそれを参考にした男の恋愛話という二段構成のコメディ。結局、「現実は理屈通り行かないよ」というありきたりなオチ。レクチャービデオの「バカな事を大真面目にやる」というお笑い部分も、日本のコント番組や一昔前のギャグ漫画などでよく使われてきたもので、笑いとしてはかなり使い古されたパターン。ワイヤーアクションも中途半端すぎ。笑いにしても何にしても、やるならもっと徹底して欲しい。4点。  ・『CLEAN ROOM』~無菌室に閉じこもった少女の精神的自立を描いたであろうストーリー。結局はよくある内的世界を打ち破る成長物語。ラスト付近の雰囲気やエンディングテーマはなかなか良いが、全体的にはよくある「イメージ先行型」の作品で薄っぺらい。3点。  ・『HOOPS MEN SOUL』~これも、いかにも最近の若手クリエイターが撮りそうな作品。ひとつのジャンルに徹底することが出来ないのか、する気が無いのか…。真剣さの中に、おふざけの要素を露骨に取り入れることで、両方の要素を際立たせようとする、演出において一番安直なパターン。2点。  ・『FASTENER』~これも真面目さとおふざけのバランスが悪い典型。何故かキスされた途端に、少年が大人になる為の現実と幻想の世界を彷徨う旅をする話。問題は、その人生の矛盾や生きる意味を問うための脳内妄想旅行(?)が、まったく面白くないこと。思わせぶりなエピソードを繋いだだけで、具体的な主張性や問題提起の無い薄っぺらなストーリー。これもイメージ先行型の作品。1点。  と言う訳で、今回も平均すると3点くらい。どの作品も中途半端で、発想や演出のすべてが、どこかで見た事のある借り物のパッチワークの域を脱していない。もう少し、荒削りでもいいから、若手らしいパワーや独創性を感じる作品が見たい。
[DVD(邦画)] 3点(2005-10-31 13:25:36)
40.  デビルマン 《ネタバレ》 
真の駄作。とにかく「映画製作において、やってはいけない事の集大成」。超スーパーミラクル反面教師。  どんなド素人が作ったって、「デビルマン」に対する理解と愛情があれば、ここまでヒドい出来にはならない。断言できる。原作に忠実だったのは登場人物の「名前」とアキラ君の「Tシャツのデザイン」くらい(笑)。いや、笑えない。  「デビルマン 糞」で検索すれば、いくらでも感想は出てくるので、ここで私がいまさら書くことも無いが、映画そのものの感想よりも、それ以前の疑問として、何故、こんなプロ意識の欠如した映画監督に、またよりにもよって原作版「デビルマン」の映画を撮らせようなんて話になったのか???私が分からないのはそこ。この監督の撮った他のクソ映画を見れば、そんな大役をまともにこなせるような「才能」も「センス」も「やる気」も無い事は、今までの悪しき実績から明白なんだからさあ。上層部の馴れ合いと、いい加減な製作姿勢のおかげで、稀代の名作漫画がひとつ穢されてしまった訳で、こんな映画が「デビルマン」として世間に発表されている事が日本人として恥ずかしいし、原作ファンとして非常に憤りを覚える。  主役二人の演技が学芸会以下なのも、ミキちゃんがショートカットじゃないのも、冨永愛が生乳どころか、作り物の乳すらつけるのを嫌がってシレーヌのイメージが壊れたのも(そんなに嫌なら始めからシレーヌ役なんか引き受けるなよ)、すべての責任は、そういう原作無視のキャスティングを組んだ監督を始めとする上層部にこそある。  この作品に価値があるとすれば、映画を作るには何よりも作品に対する「愛情」と「理解」こそが大切であると、その無残な姿を世間に晒す事で訴えた事だろう。  「映画製作において何をやったらダメなのか」。  これを見るだけで、そのすべてが分かる。世のクリエイター全員が後学のため見る必要あり。
[DVD(字幕)] 0点(2005-10-12 19:04:17)(良:3票)
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