661. 父と暮せば
俳優の仕事がいかにすごいかが分かります。原田芳雄のあのエプロン劇場の凄さで一気に映画にのめりこみ、最後まで観せられました。原爆のむごさを感じます。父と娘の互いを思いやる気持ち、そんな普通の愛に満ちた家庭を、一瞬に死滅させた原爆。とてもじゃないけど、そんなもんいりません。素晴らしい映画でした。黒木和雄は本当にいい仕事しますね。調べてみると井上ひさしさんの作品は意外に映画化されてないことが分かります。舞台の完成度が高いからでしょうか?もっと他の作品も観てみたいと思いました。 [DVD(邦画)] 8点(2010-07-15 19:38:47) |
662. 今度は愛妻家
この顔ぶれで期待するなと言う方が無理で、これほど井上陽水の世界にあった映画があるだろうか、と思うくらい、良い出来栄えだった。薬師丸ひろ子の少女のような演技に年上の女性ではあるが、全然鼻白む感じを受けないのも驚きだ。早々とこの映画のネタをばらしといて、残り時間どういう展開になるだろうと心配したが、これはお見事というくらいのラストへの持って行きかた。いや~良かったなぁ。センスのいい映画です。DVD手に入れようっと。 [DVD(邦画)] 8点(2010-07-15 17:35:33)(良:1票) |
663. 紙屋悦子の青春
相米監督が亡くなってから、あまり映画でお目に書かれなかった長回しの演出。この映画では、その長回しが、戦争時の田舎のゆっくりした時間の中に住む人たちを描くのに効果的に使われたと思う。とてもいい映画だった。監督の反戦のメッセージが心に響いた。どんな家族にもその背景には色んな人がいる。戦争だけでなく、人が死ぬと言う事はその色んな人を悲しませる。原田知世演じる女性が幼なじみの男性が戦場の最前線に志願していくと言う事実を知った時、嗚咽する場面にはこちらも泣いてしまった。原田知世も永瀬正敏も九州出身。自分も九州だが、二人の九州の言葉は違和感なく、自然で良かった。とてもいい映画でした。 [DVD(邦画)] 9点(2010-06-02 17:49:00)(良:1票) |
664. お父さんのバックドロップ
《ネタバレ》 こういう映画には弱くて。映画と分かっていても、最後は泣きました。子どもの端正な顔がこの映画を引き締めていると思います。そしてあの独特な構造の下宿屋も。絵になるあんな場所をよく見つけてきたもんだ。セットかなあ?住人の人情話もいい絵でとれてますし。とにかくとても心温まりました。こういう下町も今では減っているだろうなぁ。試合のシーンはマンガ「1・2の三四郎」でも凄まじいバックドロップが出てきますが、ここでも一発で決めてしまいます。でもよく殴られっぱなしであんな体力残っていたもんだ。やはり息子の姿が親父に最後の力をふり絞らせたのでしょう。いい映画でした。余談ですがプロレスの映画では観たくてしょうがないのが「カリフォルニアドールズ」。早くDVD化してほしい。 [DVD(邦画)] 7点(2010-06-01 14:51:30)(良:1票) |
665. ピーナッツ
《ネタバレ》 そもそも最後まで見せた、って事がすごい。バラエティで鍛えた、ちょっとした笑いや、楽しくなるようなBGMが、映画への集中力を途切れさす事なく見せてくれました。これは大事な事で、プロの監督が創っても、時計を気にする作品が多いのに、これは凄い!面白かった。ラストもアマイ展開ではなく、シビアだけどちょっとホロリとこさせるとこなんか良い。ただし、映画というよりマンガに近かった気がする。さま~ずが好きなので、準主役の三村をたっぷり観れたのは良かった。大竹も彼の個性にあった人物設定で良かった。 [DVD(字幕)] 7点(2010-05-31 12:38:03)(良:1票) |
666. 沈まぬ太陽
《ネタバレ》 角川映画もやるじゃん。良かったよ、この映画。石坂浩二はこんな役もできるんだね。元々演技がうまいし、安定感のある演技で会長を演じていた。三浦友和も渡辺謙も良かった。特に後半の渡辺謙は良かった。前半はちょっと力みすぎ?だったかな。久しぶりに見応えのある邦画を観れたのがうれしい。こういう社会派は大歓迎だよ。ただ、1点気になったのが、為替の穴埋めに香川照之が空港券を安売りチケットに横流ししてた金をあてたの?この辺がよく分からなかった。為替の問題がどうしてうやむやになったのかを分かりやすく見せて欲しかった。やっぱ原作読んでないからかなあ。でもこの映画で山崎豊子に興味を持ったよ。 [DVD(字幕)] 7点(2010-05-23 21:51:20) |
667. 六月の蛇
《ネタバレ》 好きな邦画の一本。満たされない夫婦が色々あって愛し合うようになる。そういう話、自分は大好きなんで。黒沢あすかが可愛い。雨の中で被写体になり、自分を解放していく奥さんを陰で見ている、旦那の姿が切なく、でもとても良いラブストーリーだよなぁと思ってしまう。 [ビデオ(邦画)] 7点(2010-05-17 08:01:54) |
668. 風が強く吹いている
《ネタバレ》 陸上競技映画は秀作が多い。それは体を使ってやるスポーツが美しいからだろう。音楽とマッチする。「炎のランナー」「ランニング」「800」「奈緒子」「マイウェイ」など。仲間と一つの目標に向かう、という青春は忘れられない。爽やかだし。この映画、ラストはちょっと観てて苦しかったが、仲間の迎えるゴールになだれ込んだシーンはちょっとジーンと来た。監督が実は金メダリストの高橋尚子の小出監督みたいにスグレモンだったら面白いと思ったが、最後までやはり、ただの大家さんだったのはちょっと残念だった。でも10人みんなの想いを丁寧につづっており、いい映画だった。特に主人公の小出は声も表情もいい。これからも色んな映画に出て頑張って欲しい。 [DVD(邦画)] 8点(2010-05-17 00:33:21) |
669. サマーウォーズ
《ネタバレ》 負け戦でも戦う武田家の一族。この大家族を束ねるおばあちゃん。数学オリンピックに選ばれそこなった物理部の主人公。みんな爽やかでした。ただゲームに興味のない自分には、こういうバーチャルなものにみんながのめりこんで応援するというシーンはちょっと「?」と思ったのも事実です。でもラスト、世界中の人たちが自分らのアカウントを使ってくださいと言ってきた展開にはちょっとウルッときました。 [DVD(邦画)] 7点(2010-05-16 21:02:44) |
670. ハゲタカ
面白い経済ドラマだったが、配役が濃すぎて、引いた。2時間超えるほどの内容だったかな? [DVD(邦画)] 6点(2010-04-19 02:13:51) |
671. ディア・ドクター
《ネタバレ》 母と娘のこういう心理は女性じゃないと描けないだろうなぁ。まず西川監督に脱帽。そして鶴瓶。鶴瓶の演技は最初、観ていて辛かったが、後半気にならなくなって、観終わると、この役は鶴瓶しか考えられないと思うくらいの出来。久々の面白い邦画だった。映画の語ってくる事も、結構大きな問題意識だった。 [DVD(邦画)] 7点(2010-04-19 02:09:14) |
672. ひゃくはち
マンガ「ダイヤのA」の新入部員時代と雰囲気がよく似てました。実際、あのような感じなのでしょうね。センスのある人間もない人間も何かに夢中になります。そのような中でも切磋琢磨していく様は素敵です。ちょっと泣ける場面もあり、良い映画だと思います。某レンタル屋でお奨め100本の映画の中にあったので、観てみました。観て良かったです。 [ビデオ(邦画)] 7点(2009-12-29 13:29:13) |
673. 赤ちょうちん
《ネタバレ》 なんで、思い出を浄化したような曲を、そのイメージを汚すような映画を創ったんだろう。しかも秋吉久美子の演じる女性は最後、精神病んじゃうし。あれは彼女が同棲している青年が酒に酔って浮気したのが分かったからだろうか?そもそも曲の方は二人分かれちゃうし、もっと強い女性に感じられたけどなあ。この映画では中学2年の時にもう家の面倒を見なきゃいけなかった、そんな苦労人の女性すら、あんなになっちゃうんだもんな。そう、この映画はここで終わるべきじゃない。もうちょっと二人のこれからに陽が差し込まれてから終わって欲しかった。(秋吉久美子の体がきれいだった。でも、もう若い頃からこんなシーン撮ったりするから、最近では「透光の樹」みたいな大胆な映画も撮っちゃうんだろうね。この映画では女の子の要素を残して、脱ぎっぷりが良かった。)今度は「神田川」をモチーフにした爽やかな映画が観てみたい。 [ビデオ(邦画)] 5点(2009-12-15 12:15:09) |
674. アヒルと鴨のコインロッカー
《ネタバレ》 この国は外国人に冷たいと思わせる導入部、あのバス停の場面は必要だったのだろうか?動物虐待のシーンもあり、なんか荒んだ国だと思わせる。でも、中盤のどんでん返しがこの映画のポイントなのだろうと思う。社会派にどんでん返しは合わないと思う。鑑賞後、そんな感想をもった。瑛太もがんばって演技していた。人の好い役の濱田君も良い味出していた。何かかわいいのだ。原作未読だったが、そういうところもあって、だれる事なく、最後まで観られた。でも心になんか残りそうで、残らなかった。残念。ところで、バスの運転手も警官もあんなんでいいんでしょうか? [DVD(邦画)] 6点(2009-11-11 00:20:49)(良:1票) |
675. レッドクリフ Part II ―未来への最終決戦―
《ネタバレ》 いや~面白かった!個性派軍団の劉備玄徳たちがいつ出てくるか、楽しみでした。もう少し大暴れして欲しかったですが。張飛が何本も弓矢がささって平気なのは、ちょっとマンガちっくですねえ。相変わらず趙雲は人気があるんでしょうね。見せ場がたくさんです。呉の国の孫権はなんであそこで弓矢をひかないかなあ。じれったかった。とにかく三国志の中でも面白い部分、満喫しました。ただ、中村獅童は戦闘のすさまじさを際立たせるために出演させたんでしょうか?原作(マンガ)にいたっけかなあ。主要人物で死ぬのはこの人だけでしょう?まぁ、いいですけどね。ただ、追い詰められている側の方が人材がそろっているような描き方だったので、曹操軍に凄さが感じられなかったです。大軍に追い詰められて、大暴れという点では「ロード・オブ・ザ・リング②」の方が迫力あったように思います。でもジョン・ウーさんのアクションシーンは分かりやすく、観やすいと思います。お腹いっぱいという感じです。 [DVD(字幕)] 8点(2009-11-09 00:02:03) |
676. おっぱいバレー
《ネタバレ》 ラストがどうなるか、まったく見当がつかず、久しぶりにハラハラして映画を観た。ちょっとしたサスペンスだった。綾瀬はるかだから、まあ見せることはないとは思っていたが。ひょっとしたら、もしや、CGか、とか、とにかくどうラストを締めくくるのか、が気になった。まあ、それとは別にHなことで頭がいっぱいの中学生時代。気持ちはよく分かる。駄目な連中が、頑張る映画に自分は弱い。途中、自分は何に感動しているんだろう、と思うくらい、目頭があつくなった。音楽も良かったね。良い映画でした。8点献上。 [DVD(邦画)] 8点(2009-10-27 17:51:59)(良:1票) |
677. 暴力教室(1976)
《ネタバレ》 校長から不良を含め、生徒会長すら、哲学がない。ただ、野獣が発散してるだけ。不愉快になる。気の毒なのは、これに関わる女性たち。女性教師にまで手を出すというのは、信じられない。そんな中、松田優作がしぶい。でも最後、校内に入ってくる警察を前に晴れ晴れした気分で舘ひろしと2ショットでうつるが、彼は妹を殺したようなもの。そんな奴と一緒に2人そろって映っているのは変!松田優作にしてみれば、殺しても殺し足りないくらいの奴だろうに。マンガの名作「男組」。マンガの方が先に作られていて、この映画の悪どもは、このマンガに出てくる不良を見習いなさい!と言いたい。映画で言えば「クローズ」の方がずっと面白い。 [ビデオ(邦画)] 5点(2009-10-13 09:31:24) |
678. クローズZEROII
《ネタバレ》 前作の登場人物も相変わらずで、この作品も自分には楽しめた。なぜ、この映画がおじさんの自分にも響いたかと考えていたら、やはり喧嘩の強いやつへの憧れってのもあるが、殴られても立ち上がってくるところが、現実世界で苦しんでる自分に「まだまだ」と思わさせてくれるからでは、とも思うのだ。何より、彼らは人生への姿勢がそのまま、喧嘩に対する姿勢に現れている。そこに魅力を感じるし、見習いたいと思う。しかし、頭の手術をしたのに喧嘩をしている人物にはついていけん。あれは見習いたくない。 [DVD(邦画)] 8点(2009-10-07 00:05:15) |
679. 二十四時間の情事
《ネタバレ》 マルグリッドデュラスの映画は、どれも言葉が多く、そしてどの言葉もきれい。 殺されてしまったドイツ兵に恋をしていた女性の心の傷を 原爆被爆国、日本の男性が癒す話。 戦争は国を超えて、みんなに何らかの形で傷を負わす。 できることなら、戦争なんてない方が全くもっていいのだが・・ [DVD(字幕)] 6点(2009-09-06 22:19:49) |
680. 上意討ち 拝領妻始末
《ネタバレ》 人間としてのスジを通す。それが出世より大事。そんな事を考えました。それにしても、三船敏郎や仲代達也のセリフは聞き取りやすい。黒澤明の映画は面白いのだけど、登場人物のセリフが聞き取りづらく、字幕をつけてほしいくらい。まあ、黒澤さんの計算のうちなのかもしれないけど。三船敏郎が圧倒的に強いわけではなく、奥さんの尻にしかれているところなんか、人間味たっぷりの剣術使いだったため、最後の方はつらかった。できれば生き残って欲しかった。仲代達也が味方になって、藩の連中をやっつけたりすれば、とも思いました。でも剣の道は厳しい。だからこそ、この作品は面白かったのかもしれないですね。しかし、これは「鬼の爪」の山田洋次監督も言っていたことだけど、心身ともに鍛えて、到達する剣の道。それを遠く離れたところから狙う鉄砲という道具はずるいと思う。「切腹」もおもしろかったので、小林監督と脚本の橋本さんコンビの作品がもっとあればなあと映画ファンとして思った。 [ビデオ(邦画)] 8点(2009-08-31 01:31:52)(良:1票) |