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飛鳥さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1679
性別
自己紹介 今まで観た映画の記録を整理したくなり、レビュー開始。
物忘れが良いのでメモを残しておかないと、印象薄めのものは内容をすっかり忘れていたり、前に観た映画も初見かと思って後半にようやく気づくなんてことも。
備忘録を兼ねているので、ほとんどのレビューはネタバレで書いてます。

10 至高の殿堂入り
9 心に残る傑作 
8 もう一度観たい佳作
7 面白い
6 そこそこ面白い
5 普通
4 それほど面白くはない
3 面白くはないが見どころがなくはない
2 全然面白くない
1 酷い駄作
0 呆れ果ててもはやネタレベル

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81.  大誘拐 RAINBOW KIDS 《ネタバレ》 
お婆ちゃんが誘拐犯の身代金を吊り上げるのが面白い。 途中から少し頼りない三人組に知恵を与え、犯行を主導するお婆ちゃん。 黒澤映画の名作『天国と地獄』は社会性が高かったが、岡本喜八監督の本作はエンターテイメント性が高い。 体重激減からガンかもしれないと思い込み、死んだら自分の財産が国に奪われることに思いが至る。 戦争で三人の子供を国に奪われたことが伏線となっており、誘拐されたのを利用して国へのリベンジともいえる。 犯人は三人とも欲がなく分け前を放棄したり堅実な生き方歩き出したり、誰も傷つくことのないハッピーエンドなメルヘンに仕上がった。 北林谷栄ありきの映画で、その存在感はすばらしい。
[ビデオ(邦画)] 7点(2013-06-07 00:17:01)(良:2票)
82.  愛を乞うひと 《ネタバレ》 
原田美枝子が両極端な二役を好演、まるで別人に見えた。 豊子は虐待するなら孤児院から引き取らなければよかったのに、去っていった男に対する執着が歪んだ形で表れたのか。 強姦されてできた子だから産みたくなかったと言い放つが、それも事実とは異なることで、照恵を徹底的に傷つける意図が見える。 その理由がはっきりとは描かれていないが、豊子も虐待された経験があったのかもしれない。  虐待を受けながらもひたすらに母の愛を求め続けたいたいけな姿が胸を打つ。 髪をすくのが上手だとたった一度ほめてもらったことが、鬼畜のような母を憎みきれなかった要因か。 老いた母との美容院での再会シーンは緊張感が漂う。 額の傷に受けた傷が伏線となっていたが、結局老母から娘に向けた言葉はなく、親子としての会話は交わされなかった。 照恵は虐待の理由をそれまで何度何度も考えてきただろうが、理由なんて今さら意味をなさないし理解する必要もない。 母への執着にピリオドを打ち、娘の深草の愛で癒されることで、愛に彷徨していた自身の思いは完了できたのだろう。  照恵が父の遺骨探しに奔走するのは、母が捨てたものを全部拾っていくことを決意したから。 つらい時や困った時にはいつもそれを誤魔化すように笑みを浮かべてしまう照恵は、なかなか正直に自分の気持ちを表現できない。 小さい頃から抑圧されてきたために本当の自分を見失っている照恵にとって、遺骨探しは自分探しの旅でもあった。 最後に拾ったのは自分自身ともいえる。  あれほど虐待した親を許せるものなのかどうかは想像がつかない。 再会しても恨み言の一つもぶつけずにはいられないのではと思ってしまうので、そうしなかった照恵が不思議にも思える。 ただ、娘の存在なくしては、母への思いがいつまでも決着のつかなかったことは想像に難くない。 当時は邦画も捨てたものじゃないと思わせた映画で、長らく不振だった邦画の復活を感じさせた。
[ビデオ(邦画)] 7点(2013-06-06 00:12:18)
83.  ナビィの恋 《ネタバレ》 
沖縄の風情たっぷりに素朴でのどか、音楽も効果的に使われ南国らしく陽気で楽しい。 方言が柔らかく人を包み込みようで耳に優しい。 サイレント映画のような回想も味のある演出だ。 ユタの占いで結婚できずに引き裂かれるという前近代的な風習がそもそもの原因とはいえ、ナビィが50年連れ添った夫を捨てるとは…。 これが標準語で都会だともっと非情な印象を与えるだろうが、あの方言とナビィのキャラクターでずいぶん緩和される。 愛する人のために黙って送り出してやるおじいはこれぞ日本男児で立派だけど、なんとも切ない。
[ビデオ(邦画)] 7点(2013-06-06 00:08:37)(良:1票)
84.  サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS 《ネタバレ》 
設定がユニークでいい。 冒頭はその設定を理解させるための説明セリフのオンパレードが気になったけど。 心の声が聞こえることから生じる悲喜劇がおもしろい。 前半はコメディタッチ、後半は祖母の病気でヒューマンドラマに。  精神科医の洋子は孤島で一人生きていたサトラレ1号と出会い、サトラレの本当の苦悩を思い知らされる。 それが洋子の健一への理解を深め、真の共感へとつながっていく。 八千草薫の優しいおばあさんはぴったりハマっていてホロっとくる。 健一を思いやる祖母と洋子の気持ちが周囲の心も動かす。  ありえない設定に違和感があるとリアリティのなさと予定調和が気になって最後まで受け付けないだろう。 だいたい人間の心はもっとどす黒いものも含んでいて、健一の心はしょせんはきれいごとにしか描けていない。 それでも、童話を楽しむように観るなら抵抗感なく作品世界に浸ることができる。 そうした意味で好き嫌いの分かれそうな作品。
[ビデオ(邦画)] 7点(2013-06-02 00:47:30)(良:1票)
85.  虹の女神 Rainbow Song 《ネタバレ》 
市原隼人のウザキャラに序盤からイライラ。 あんな気持ちの悪いストーカーとすぐに仲良くなるわけがない。 ところが、次第に二人の物語に引き込まれていく。 特にあおいの上野樹里がハマリ役でいい。 上司の酔った上での説教を真に受けて、不器用に好きな道を生きる姿が気持ちいい。 その裏には智也への失恋もあったわけだが、素直に告白できないジレンマがうまく描けていた。 出会いパーティで告白者ゼロというみっともない姿を智也の前でさらし、さらに酔った智也の無神経な言葉で傷つけられる。 「日本にいればいいじゃん」「日本なんだ…そばじゃないんだ…」 屋上での会話で、そばにいてくれと言ってほしかった女心が切ない。  市原隼人のダメ男と相田翔子の計算女のやりとりが妙にハマっていて笑える。 また、盲目の少女を演じたヒロインの妹役の蒼井優も出番は少ないが存在感はある。 結局実らずに終わった純愛だが、手紙に残されたヒロインの本音が胸を打つ。 大学時代の自主映画は全然つまらなかったけど、そのつまらなさも映研っぽくてリアルではあった。 ただ、自主映画の内容と二人の現実が関連しているので、無駄なシーンにはなっていない。
[DVD(邦画)] 7点(2013-05-31 19:41:56)(良:1票)
86.  ウォーターボーイズ 《ネタバレ》 
伊勢佐木町ブルースでのドタバタがシュールで面白い。 竹中直人演じるコーチが、思いつきのいい加減な水族館指導法が偶然うまく当たって自分でびっくりする様子も笑える。 矢口史靖監督得意のコミカルシーンが冴える。 途中加入組がそんな短期間でシンクロ演技のマスターができるのかというのは突っ込みどころだが、シンプルに楽しい。 おバカだけれど溌剌とエネルギッシュで元気になる映画。
[DVD(邦画)] 7点(2013-05-25 00:46:18)
87.  シムソンズ 《ネタバレ》 
王道の学園青春もので「がんばっていきまっしょい」のように田舎の女子高生のクラグ活動を爽やかに描いている。 女子高生の4人組が良かったが、特に主人公の加藤ローサがハマっている。 ストーリーはなんの捻りもない照れ臭くなるほどのベタ路線。 反則で目標の一点を取ったことをきっかけに大喧嘩でバラバラになった四人が、お約束のごとく本当の一点を取るために団結する。 でも、セリフが生きてて面白く、映像も牧歌的でほのぼのと楽しい。 北海道の田舎という舞台設定が、真っ直ぐで素朴な青春ストーリーを違和感なくさせている。 カーリングはマイナー競技なのでルールもよく知らなかったが、映画としてはなかなか面白い素材だった。
[DVD(邦画)] 7点(2013-05-23 22:53:59)(良:2票)
88.  ヒミズ 《ネタバレ》 
園子温監督の描くいつものバイオレンスと狂気がここにもある。 おもしろい。おもしろいが、傑作とまではいかない感じ。 原作にはない震災を絡めたのは、狙いはわかるがあざとさが気になった。 ストーリーの中でリンクしきれていない印象が残る。  一番信頼するべき親から見捨てられ死までも望まれた子供達のやり場のない悲しみ。 「がんばれ!」「死ぬな!」「この世でたった一つの花よ!」「夢を持て!」 住田と併走する少女の叫びは、自分への励ましでもあっただろう。 教室での教師の上っ面の言葉とは重みが違った。
[DVD(邦画)] 7点(2013-05-16 01:24:56)(良:1票)
89.  鉄道員(ぽっぽや)(1999)
お涙ちょうだいのあざとさは感じるが、役者がいいので引き込まれる。 健さんのキャラがハマっているし、広末涼子も奇跡的なかわいさ。 ファンタジーだがハリウッドとは違い、どこか日本昔話のような日本的情緒に満ちた映画。
[DVD(邦画)] 7点(2013-03-31 01:41:21)
90.  紀子の食卓 《ネタバレ》 
レンタル家族というモチーフは本作が公開された20年程前に清水有生のデビュー作『正しい御家族』にもあったので、目新しくは感じなかった。 むしろ、いまさら感のある題材だとも感じたが、切り口が面白く、なにかわけのわからない迫力を感じて目が離せない。 同監督の『自殺サークル』を先に見たが、それはまったく受けつけなかったのに、本作はなぜか面白かった。 家族のあり方やアイデンティティの喪失といったテーマに切り込んで、サスペンス性の高いストーリー展開。 哲学的でカオス状態、シュールで理解しにくいところもあるのが残念。 もう少しわかりやすく整理してくれていたら、唸るほどの傑作になっていたような気もする。 あえてモノローグを多用しているようだが、これだけ多いとさすがにうるさく感じられる。  出演者の好演が印象的で、特に吉高とつぐみは役柄にハマっていて迫真の演技。 吉高はこれがほぼ映画デビュー作といってもいい新人だったが、ナチュラルな演技と個性が光り、売れっ子になるのも十分納得の存在感。
[DVD(邦画)] 7点(2013-02-26 21:04:55)
91.  ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う 《ネタバレ》 
石井隆監督のエロスとバイオレンスの世界。 竹中直人もよかったが、大竹しのぶの演技力はさすが。 目的のために人を殺すことにためらいを感じない家族と、それに振り回された人のいい男。 サイコな家族のどす黒さが、男の純真さを際立たせる。 仕方なく犯行に加担していたかのようにも見えたレンだが、三人の中で一番狂っていたことが露わになっていく。 あどけない少女をモンスターに育ててしまった鬼畜父との陰惨な過去が痛々しい。  佐藤寛子は一番難しい役どころで、その狂気を演じるには力不足の感は否めない。 クライマックスでの長~いモノローグシーンを一人でもたせるには、それこそ大竹しのぶ並の演技力と存在感を備えていなければ無理。 それができる若手女優がどれだけいるかと考えても、すぐには思いつかない。 ただ、佐藤寛子は足りないながらもグラビア出身らしい抜群のプロポーションを惜しげもなく晒す熱演でカバーしていた。 ラストの男と女刑事の食卓シーンは、陰惨な物語の救いになってくれる。 その食卓シーンに流れるエンドロールの東風万智子って誰かと思えば、真中瞳が改名していたことを初めて知った。
[DVD(邦画)] 7点(2013-01-25 22:50:45)
92.  北斎漫画 《ネタバレ》 
曲亭馬琴と北斎のやりとりが江戸の当時を想像できて楽しい。 緒形拳、西田敏行、田中裕子の三人が達者で、軽妙な会話に笑えるシーンが幾つもある。 田中裕子と樋口可南子が思い切り良く脱いでいるが、まったく違った女を演じていておもしろい。 田中裕子は北斎の娘役で、無邪気でユーモラスないい味を出している。 密かに好きだった馬琴の手伝いを勘違いして帯を解きだしたのは微笑ましかった。 樋口可南子は魔性の女の妖艶さが出ていた。 映画の売りになっていた大ダコとの絡みはインパクトがある。 大ダコの作りがチープだったのが気になったが。  北斎といえば切手になってる絵くらいのイメージしかなかったが、人となりに触れたような気になる。 バイタリティあふれる北斎の生き様には圧倒される。 作品に対するメラメラとした執念がすごい。 頻繁な改号や転居、エピソードも奇行が目立つ人物だが、芸術家本来の姿を教えてくれるようだ。
[ビデオ(邦画)] 7点(2013-01-19 23:04:34)
93.  東京物語
とても静かで地味な映画なので全然好みではないけれど、なんだか不思議と印象に残っている映画。 老夫婦が上京した際の子供達の扱いに、こちらまで胸が痛んでくる。 親子の関係は誰にとっても一番基本的なものだから、心にじんわりと沁みてくるようで…。 老夫婦の姿は哀愁があって切ない。 この映画は時を経ても色あせることがなさそう。 学生時代に見れば退屈な作品だろうが、年齢を重ねて見直すごとに味わいが増していきそうな気がする。
[ビデオ(邦画)] 7点(2013-01-11 00:14:53)
94.  冷たい熱帯魚 《ネタバレ》 
村田夫妻のイカれたサイコキラーぶりがすごい。 でんでんと黒沢あすかが好演。 愛犬家連続殺人事件をモチーフにしているが、人の心の隙間を見抜いてつけこむのが天才的な悪党ぶりは、尼崎事件も彷彿させる。 最終的には透明にすればいいんだからというイカれた論理を振り回す。 風呂場で言葉遊びをしながら笑って死体を肉片に処理していくのが異様。 夫婦のあっけらかんとした明るさが、猟奇事件のどろどろした陰湿さを感じさせない。 巻き込まれて共犯者になった男に、サイコにターゲットにされた恐怖と無力感が漂う。 殺すしかないところまで追い詰められたギリギリの心境が伝わってくる。 ラストまで不快感がまとわりつくが、有無を言わせないテンポで異常な世界に巻き込まれていく。  社本が渾身の力を振り絞って自分の力でスッキリさせた姿は、血まみれでも尊くさえ見えてくる。 星を眺めることが好きなロマンチストで自己主張もできない男が、仮面を捨てて自分の足で初めて立ち、カタをつけた。 それなのに、命をかけて娘に伝えた言葉が娘には通じず足蹴にされてしまう。 それが簡単には取り戻せない現実の悲哀を感じさせて切ない。 娘が父の思いを素直に泣いて受け止めるラストであれば、一気に凡庸な作品になっただろうが、そうしなかったのがよかった。 嫌悪感を催すけれど、妙に心に残ってしまう毒のある映画だ。
[DVD(邦画)] 7点(2013-01-08 23:58:59)
95.  それでもボクはやってない 《ネタバレ》 
面白いというか、恐ろしいというか…。 裁判官、警察が神様ではなく間違いのある人間であることを今更ながらに思い知らされる。 こんな酷い目に遭うのかという衝撃。 そりゃあ大の大人でも泣きたくなるだろう。 加瀬亮がハマっていて、冤罪への苛立ち、無念、怒りが実によく出ている。
[DVD(邦画)] 7点(2013-01-07 00:17:23)(良:1票)
96.  クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲 《ネタバレ》 
20世紀博にのめりこむ大人たちに、置き去りにされる子供達。 昔の懐かしい臭いに未来を捨てようとするが、家族の愛がそれを防ぐ。 平凡な人生でも愛する家族と一緒なら満たされる。 言ってみれば気恥ずかしくなるほどベタな話だが、知らない間にその世界に魅せられていく。 それは、ノスタルジーが誰にでもある普遍的なものだから。 ひろしの回想する人生も、普遍的なものであるため感情移入できる。 お子様用アニメだと舐めていたが、十分大人の鑑賞に堪えうる映画。 むしろ、ノスタルジーに浸れる分、大人向けの内容だ。
[DVD(邦画)] 7点(2012-12-31 11:31:02)
97.  告白(2010) 《ネタバレ》 
子供を殺された女教師の復讐譚。 少年法の下で庇護されて自己中心的な論理で他者を平気で抹殺するクソガキたち。 そうした奴らへの徹底的な制裁を加える妄想に浸らせるような内容でもある。 中学生が森口先生の行為を外に漏らさないなど現実にはありえない箇所が幾つかあるが、ある意味妄想的な物語なので、その辺りのリアリティは気にしていないのだろう。 人間の醜い部分が詰まっているので陰鬱極まりない内容で、好みの映画ではない。 復讐のためには手段を選ばない女教師にも、共感して好感を持つまでには至らない。 それでも、制裁されるべき者に痛烈な制裁が下されたラストに、いい気味だとの軽いカタルシスは感じさせる。 的外れな熱血教師や偏執的な母親など、ステレオタイプではあるものの、嫌悪感を感じさせる描写はうまい。 原作の小説を読んでから映画を観たが、小説のほうが章によって語られる視点がより鮮明に違っているので面白い。 ただ、映画も原作の世界観は壊していないので、映像作品としての良さはある。 ------------------- 久々にネトフリにあったので見てみたら、オチは覚えていたものの詳細はすっかり忘れていたので見入ってしまった。 ヘドが出るようなクソガキへの復讐に、手段を選ばない女教師の強烈な怨念。 その女教師にいいように操られる的外れの熱血教師など、今の学校へのアイロニーが効いているのは面白い。 復讐潭は今も昔も物語の王道の一つなんだな。 復讐相手がムカつく相手であるほどに最後まで引っ張られる。
[DVD(邦画)] 7点(2012-12-30 00:25:18)
98.  ゆれる 《ネタバレ》 
対照的な性格の兄弟間で交わる感情が、一つの事件を通して見事に描かれている。 深層心理にまで関わる心理劇のようで、複雑な人間の心の深淵を覗き見る思い。 兄弟ともに、抑圧された心理がチラっと顔をのぞかせる瞬間が見逃せない。 それが事件の真相への手がかりとなるサスペンスとなっている。  「智恵ちゃん、結構しつこいだろ……酒飲みだすと」 関係を持ったことがバレたかと思った弟は、酒のことかとホッとする。 兄に鎌を掛けられたと知ったのは、後の裁判中でのこと。 兄と弟の心の揺れを浮かびあがらせるような描き方がうまい。 兄弟役の演技も共に良かったが、特に香川照之が素晴らしい。  本作では、何が真実なのか明確には描かれていない。 『羅生門』のように人の主観によって真実が複数存在するようにも見える。 人間の心理を完全に解き明かすのは難しい。 一定のものではないし、本人でさえ気づかない要素もある。 証言に影響を与えた弟の深層心理も、本人は気づいていなかったのだろう。 ラスト、兄は弟の呼びかけに応じてバスに乗らなかったのか、それとも乗って去っていったのか。 これは、兄の心理を解き明かす上で、180度変わってくるところだ。 その解釈は観客に委ねられているが、これは作り手としてズルイと思う。  個人的な見解をいえば、兄はバスに乗って去ると思った。 後で原作も読んだが、小説のラストも明確な描写はないものの、その印象を強くした。 バスに乗らなければ、予定調和的なラストになって作品自体の評価が下がりそう。 あの状況で弟を受け入れるなんて、そんな簡単なものじゃないし、弟に都合がよすぎる。 でも、その結末が描かれていないと、評価のしようがない。 結末を描いてしまえば、バスに乗ってほしい観客とそうでない観客のどちらかが失望する。 都合のいいように受け取ってくださいというのは、ある意味無責任で、都合よく逃げているとも言える。 面白い映画だっただけに、その点が残念でマイナスポイント。
[映画館(邦画)] 7点(2012-12-28 23:54:08)(良:1票)
99.  椿三十郎(1962) 《ネタバレ》 
椿三十郎のキャラがよく、かっこいい。 椿の合図で敵を騙すのもシャレている。 敵方の捕虜のとぼけた味は、コミカルで楽しい。 リアルタイムで観ていたら、もっと衝撃的だったかもしれない。 でも、今だと娯楽性のある映画は他にもいっぱいあるので、ありがたみは減っているか。 ラストは、西部劇の早撃ちガンマンの決闘のようでシビれる。 血の噴き出し方が変だったのは、ご愛嬌か。 誰でも楽しめる作品だと思うが、深みは感じなかった。 期待があまりにも大きすぎたようだ。 
[DVD(邦画)] 7点(2012-12-25 00:15:43)
100.  天国と地獄
まさに映画のお手本。 お手本を参考にして作られた映画やドラマがたくさんある。 そのせいで、かなり損をしているような…。 後発映画を観てから、オリジナルを観ることのほうが多いから。
[ビデオ(邦画)] 7点(2012-12-19 20:08:30)
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