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121.  亡国のイージス
戦後60年を経た今、諸外国の地域紛争やテロの恐怖など、世界情勢は相変わらずキナ臭い状況が続いている。そんな中、“平和ボケ”と揶揄されながらも、自ら戦争を行使することなく、とりあえず平和を堅持している日本に突如、クーデターが生じたら・・・というのがこのドラマの発想である。アメリカのような、伝統的に育んでいく為の土壌というものが無く、本来こう言ったポリティカル・サスペンスは日本映画が最も苦手とするジャンルである。確かに上映時間の都合もあり、原作をダイジェスト版のように端折って描いた事で、未読の者には意味不明な部分も少なくない。その為か人物描写の中途半端さが感情移入することを遮ってしまっている。しかしその一方では無駄なシーンも多く、バランスの悪さばかりが目立つ作品である。これがハリウッドで将来リメイクでもされたら、もっと上手く料理して、さぞかし面白い作品になるだろうに・・・と、つい考えてしまう。この作品の問題点の一つには、やはり監督の力量にあるように思う。もちろんこれだけのスケール感をともなった人間ドラマを演出できる監督など、そうザラにはいない。骨太の男っぽい作品という意味では、いかにも阪本順治らしさが出ているが、どちらかと言えばローバジェット作品を主体に活躍してきた事もあり初の大作映画に気負い過ぎたのか、ドラマもアクションもどこかぎこちない印象を受ける。過去の映画の良いとこどりをしている割に、アレンジが巧くいっていないのだ。庶民の日常生活という狭い範囲でのドラマに冴えを見せてきた人だけに、作品の資質に見合っていたかが疑問である。さらに著名な俳優が多く出演している事が作品の格でもあるまいが、顔ぶれそのものには新味は無く、むしろ何の為に出ているのかすらも分からない人が多い。佐藤浩市と吉田栄作の役や女性工作員ジョンヒなどがその最たるものだが、「原作にあるから・・・」という程度の理由なら、余りにも主体性が無さ過ぎる。彼らの存在は一見意味ありげだが、思わせ振りなだけで、ドラマの中でほとんど機能していないではないか。登場人物をどうせ生かせないなら、むしろそう言うところこそ割愛するべきなのではないだろうか。自衛隊の協力もあり実物の船が航行するシーンなどの撮影は素晴らしいが、船内の暗さと船外の明るさのコントラストをもっと明確にする事で映像にメリハリが生じ緊迫感もより高まったように思う。
[映画館(字幕)] 6点(2005-08-19 01:08:26)(良:1票)
122.  コーヒー&シガレッツ
喫茶店などの喫煙タイムで、我々が日常よく目にする光景を掬い取ったのが今回のJ・ジャームッシュ作品。 11のエピソードから構成されているが、ここに登場する人物たちは必ずと言っていいほど複数であり、寸暇を一人で楽しむR・フレンチ嬢ですらウエイターが絡んでくると言った具合。それぞれのパートには実に個性的な顔ぶれが並んでいる。で、そのアトランダムな組合せから生じるミスマッチな会話の面白さが、本作の狙いなのかと問えば、否、会話そのものは大して面白いものでもなく、むしろ会話の噛み合わなさから来る気拙い空気を、コーヒーや煙草で間を持たせようとする、彼らのリアクションそのものに妙味があるという事なのだろう。エピソードとしてはS・クーガンとA・モリーナのパートが面白い程度で、それ以外は実に他愛ないものばかり。それにしても、ここに用意されている喫茶店あるいは喫煙室の無機質で殺風景なこと。モノクロだから余計そう感じるのかもしれないが、少しも楽しそうには見えないぞ。オセロの碁盤のようなテーブルクロス(カップが何故か余分にある)に、マルボーロとキャメルなど定番ものばかりで、忙しなく啜るだけのコーヒーと、ふかすだけの煙草など、まったく美味そうには見えない。コーヒーと煙草という本来の主役も、ここでは間を持たせる為の道具としてしか存在しないという、アンチテーゼともなっているようだが、旨みやコクといったことにはほとんど触れられない事で、「スモーク」でW・ハートがさり気なくお洒落に煙草をふかしていたシーンから伝わるものが、本作からは感じとれなかった。だから、少なくともこの作品を観た後で喫茶店に入ろうとは、私は思わなかった。
[映画館(字幕)] 6点(2005-06-02 18:33:29)(良:1票)
123.  隠し剣 鬼の爪
山田洋次監督クラスの新作ともなれば、映画関係者のみならず巷での関心は並々ならぬものがあり、それだけ批評の目というものも自然と厳しくなるものである。そう言う意味において本作も、「前作さえなければ・・・」という但し書きがやはり必要な作品ではなかろうか。前作とは言わずと知れた「たそがれ清兵衛」であり、私個人としても十年に一本の傑作として断言して憚らないほど惚れ込んだ作品であった。従ってあれほどの完成された作品は、いかに山田洋次といえども、そうそう簡単に作れるものではないというのは、誰しもが感じるところだろう。しかしそういったリスクを物ともせず、敢えて再び姉妹篇の如く製作に挑戦したのは何故だったのだろうか。確かに本作だけを見てみると、良く出来た作品として位置付ける事は容易いが、藤沢周平の原作を基にしている事や、多少のプロットや細かいエピソードの違いはあっても、基本的なスタンスが同じであるがために、大方の批評がどうしても比較論となってしまうのが、この映画の損なところ。仮に松竹のお仕着せ企画であったとしても、彼ほどの大人物ならばノーと言えるだろうに、よほど藤沢周平の世界がお気に入りだったのだろうか。それならそれで「たそがれ」の後に現代劇をワンクッションとして撮ってからでも良かったのではないだろうか。まぁ天才の頭の中身は、我々凡人には計り知れないということだろうか。いずれにせよ「たそがれ」とはひと世代若いカップルを主人公に、現代に通じる若侍の潔い生き方という、一種の青春モノを描きたかったことだけは間違いなさそうだが、前作のクライマックスが大立ち回りであったのに対し、今回は一瞬でカタをつけるという感触が、そのまま映画の感触となったようだ。
[映画館(字幕)] 6点(2005-05-03 18:43:49)(良:1票)
124.  またの日の知華
'60の安保闘争に始まり、東大・安田講堂での攻防、連合赤軍の浅間山荘事件を経て、丸の内ビル爆破事件へ・・・といった、それぞれの時代を象徴する出来事を、当時のニュース・フィルムを挿入しながら、この激動の時代を奔放に生きた、ひとりの女性の姿を切り取ったのが本作。ただひたすら堕ちていくしかない、その知華という女の体を時代が駆け抜けていく。彼女の生きざまに日本の戦後史を重ね合わせるというドラマツルギーは、いかにも日本という国家に拘り続けている原一男らしさに満ち溢れていて、これが初の劇映画とは言え、やはりどこまでもドキュメンタリー作家なのである。前述のシンボリックな時代背景が、彼が過ごした青春時代とも重なることを見ても、これらの時代をテーマにした事は至極当然なのである。だからなのであろうか、作品世界が60~70年代のATG映画そのものの肌ざわりなのである。個々のエピソードは男と女のドラマとして面白みもあるが、ただ戦後歩んできた日本の時代背景との関わり合いという点では、とりたてて深い意味合いは感じられなかった。また、知華を四人の女優に演じさせるというのは、それぞれの個性の競演という試みとしての面白さはあるが、ただそれだけに留まっていて、そこからさらに一歩弾けるような展開がみられなかったのは、まことに残念である。
[映画館(字幕)] 6点(2005-04-19 16:10:50)(良:1票)
125.  千の風になって
この作品を大雑把に言ってしまえば、雑誌の女性記者が3組の家庭を訪問し、それぞれの家族が人の死に対して、それとどう向き合いそしてどう乗り切って言ったか、という話を取材するうちに自分の人生を見つめ直すというもの。  映画はその大部分を三話のオムニバスとして、それぞれの家庭のエピソードを描いてゆき、女性記者・紀子は主人公というよりもナビゲイター的な役割を担っている。個々のエピソードは、実際の地方の人気ラジオ番組「天国への手紙」を基に構成されているものだが、近年TVなどでよく見受けられる、実話をベースにした再現ドラマそのものである。それを単に映画化しましたというレベルで、それ以上でも無ければそれ以下でもない。私がこの作品を鑑賞して、胸に迫りくるものが無かったのはなぜだろうか。人の死、とりわけ愛おしい人との別れには、その想いを断ち切れないもの。人によってそれは一生続くかも知れないし、時が解決してくれるかも知れない。それを人(=他人)に話して気持ちに整理がつき、少しでも穏やかになるなら、それもいいだろう。悲しみや苦しみのあまり、「天国への手紙」というコーナーへ投稿した残された家族の気持ちもよく理解できる。しかし私などは、それぞれの胸の奥にそっと閉まっておく事の大切さをより重んじたい。家族の死に対峙するとは本来そういうものではないだろうか。だから、分かりきった事(人の死=悲しい)をいくら巧みに映像化されても、それだけでは何も伝わってはこない。エピソードが単にエピソードに留まっているだけで、心を揺り動かすほどのドラマに昇華していないからだ。むしろ自身悩みを抱いている紀子の姿をもっと克明に描くべきではなかったか。彼女が取材で得た事をどのように自分の人生に反映できたかが、もっと掘り下げて描かれていたら、ラストの出産シーンも生きてきた筈だ。
6点(2004-10-22 00:43:36)
126.  イノセンス
確かに映像は凄い(ようだ)が、かつて何処かで見たことのあるようなものばかりで、独自性というものがさほど感じられない。しかしそれにも増して、音楽や効果音といった音響や難解な科白がやたら耳障りで、昨今これほど“音”が“映像”の邪魔をしている作品も珍しいのではないだろうか。以前「息子のまなざし」という映画を鑑賞したが、極端なほど台詞を削ぎ落とし、一切の効果音を排した作品であるにもかかわらず、作者の主張は十分に心に響き感動すら覚えたものだった。本作はまさにそれと好対照で、実に多くの事を語っているようでいて、結局は何も語っていなかったのと同じではなかったろうか。電脳世界という設定もいい加減食傷気味で、ストーリーをやたら混乱させるという“効果”以外にないようだし、どうせならセリフをも含め音を排除したほうがイマジネーションも膨らんで、映像ともどもより楽しめたのではないかとさえ思う。しかし良くも悪くもこれが押井守ワールド。好きな人には堪らない魅力があるのだろう。なにやら“イチゲンさんはお断り!”と言われているような気がする。
6点(2004-07-30 17:32:20)
127.  ヴァイブレータ
仕事に疲れ。人との関係に疲れ。ただ流されて生きていくだけの日々。この孤独な女性がコンビニでひとりの男と出逢う。どこか不良っぽくそしてどこか少年っぽさを残している男は、普段関わっている男たちとは明らかに違うタイプだ。女はこういう男になぜか惹かれるのだ。そして作業用長靴に導かれるようにトラックに乗り込む女。映画は長距離運転手である彼とのアバンチュールの一日を丹念に描いてゆく。その彼女にとっては滅びの山へ指輪を棄てに行くかのような、さぞや冒険の旅だったに違いない。やがてこの見ず知らずの男と女が、互いの心の空洞を埋めるかのように体を求め合う。しかしどこか虚しい。体じゃなく、曝け出さなければならないものがもっと他にあるはずなのだが。やがて旅を終え、彼と別れて再びコンビニへ戻ってくる。その時、彼女の何が変わり何が変わらなかったのだろうか。映画は明確に答えようとはしない。それだけに、何かを悟ったかのような彼女の表情は白々しくもある。今や大注目の寺島しのぶだが、この役に限って言えばどうという事も無い。むしろ大森南朋がなかなかいい雰囲気を持っていて、これからの活躍を予感させる。
6点(2004-05-05 17:21:31)(良:1票)
128.  トゥームレイダー2
P・ブロスナン=ボンドの「007」シリーズにしても本作にしても、最近のアクション映画の大半がアクロバッティックで見かけだけは派手だが、胸のすくような活躍というよりも、まるでサーカスまがいの曲芸でも観ているかのようだ。要はアクションに移る時の“タメ”がなく、全てが“段取りアクション”になっていて、ただ映像が流れているだけだから、そこに興奮もなければカタルシスも生まれない。つまり“見せ場”が“見所”になっていないので、ほとんど印象には残らないということ。そして世界中を舞台にしているシリーズの割には、作品的な大きさや広がりといったスケール感がまったく感じられないし、A・ジョリーに至っては女サイボーグじゃないかと思われるぐらい表情の変化に乏しく、とりたてて魅力は感じない。(パート1で父親に相対したときの人間味のある表情は印象的だったが・・・。)
6点(2003-10-30 23:36:16)(良:1票)
129.  ぼくんち
二十一世紀という現代をまったく感じさせない、それは子供が子供らしくあった、いかにも昭和三十年代のレトロ感覚を意識したような作品世界。本作の舞台であるうらぶれた島の人々は極貧に喘ぎ、日々生きていくことに精一杯で、願わくは島を離れての自立を目指している。しかしここに登場する大人たちは勿論、子供たちもマトモには描かれてはいない。その風変わりさが原作の持ち味という事なのだろうが、その点を阪本順治監督は十分にこなし切れていないように思う。とくに主役の子供たちと観月ありさとの絡みの演技に微妙なズレがあり、重要なシーンにもかかわらず間延びした印象を受けてしまう。これは監督の意図的な演出なのかも知れないが、だとしたら狙いは何なのか、聞いてみたいところ。歯切れのいい面白いシーンも少なくないが、全体的に見るとなんともテンポの悪い作品だと言える。
6点(2003-08-03 15:17:31)
130.  凶気の桜
ひと昔前の東映仁侠映画のアナログっぽさがぷんぷん匂う画作りが印象的な作品だが、それはあくまでも表層的なもので、作り手側の趣味の範疇を超えてはいない。白装束を身に纏った窪塚扮する(一見)ネオ国粋主義者的青年たちの無軌道ぶりには、そこいらの不良たちよりもよほど始末が悪く、暴力を振るうことでストレスを発散させているようにしか映らず、共感するまでには至らない。結局、彼等は何を遣りたかったのだろうか。本物のヤクザにも国粋主義者にもなれず、単に“ごっこ”だけで命を散らした若者たちの姿は無残だが、その無念さまでは伝わってはこなかった。凝りに凝った画面と独特の雰囲気を有した映画だが、製作者側の意図がよく解からず、意気込みだけが空回りした作品だったように思う。
6点(2003-07-24 11:49:27)
131.  魔界転生(2003)
深作御大に真っ向勝負の平山リメイク版の出来や如何に!名作の誉れ高いオリジナルに対して果敢に挑戦した、その心意気だけは大いに買いたいところ。で、平山監督自身初の時代劇ということで、先ずは小手調べといったところだろうか。深作演出の豪快さ、無邪気さ、ケレン味には一歩も二歩も譲り、とても太刀打ちできる相手ではなかったようだ。要は真面目でこじんまりと纏まり過ぎた為だが、比較論抜きで言えば、高度なVSF効果などで、見せ場には事欠かない作品となっている。が、今ひとつ魅力に欠けるのは、魔界衆の出演者たちの役不足だろうか。武蔵の長塚京三の口上などは、まるで教鞭を振るう学校の先生みたいで、思わず苦笑してしまった。肝心の窪塚クンに至っては、毒もなければ色気もなく、活躍するシーンも呆気なく、まるでお飾り人形みたいで、残念。
6点(2003-06-07 23:16:35)
132.  壬生義士伝
腕は立つものの、家族第一主義のパッとしない地方出の下級武士という点で「たそがれ清兵衛」の主人公とだぶるが、本作の貫一郎の場合、出世と金銭には極めて貪欲で、そのなりふり構わぬ姿に周囲からの失笑を買うほどだが、そんな事はまったく意に介さないような男である。舞台は幕末の東北で、大飢饉の為に極貧に喘ぐ家族を必死に守ろうとした実直でひたむきな男のイメージは、如何にも浅田次郎の世界そのもの。中井貴一はじめ佐藤浩市や子役に至るまで、俳優たちそれぞれの個性が光り、なかなか魅力ある作品となっている。が、終盤にきての、満身創痍の貫一郎が家族への想いを切々と語るシーンのなんと長いこと!くどい事!ここにきて作劇の拙さがモロに出てしまい、私などは鼻白むばかりで評価が一変してしまった。如何に鮮やかなエンディングを迎えられるかで、映画の印象や評価は変わってしまうという好例がここにある。
6点(2003-04-24 00:22:42)(良:1票)
133.  DRIVE
1時間ぐらいで終わりそうな話の内容を、無理矢理引っぱっているような印象を受ける作品だ。(そのひとつひとつのシーンのなんと長いことか。)しかも“ドライブ”というタイトルからはまったくかけ離れた展開をみせる。せっかくのキャラを集めたのに、偶然とは言え自らの進むべき道を次々と発見し、早々とフェイドアウトしてしまうのは余りにも勿体無いし、これでは堤真一と関わり合う必要性がないし、同乗する意味も薄れてしまう。さらに、仲間を裏切って金を持ち逃げした筧利夫に、彼らが最後まで会うことがないという設定にも不満が残る。結論を言えば、面白くもあり、面白くもなし。SABU監督作品は初見だが、場面場面で勝負する人のようで、このようなツッコミなど意に介していないのだろうけど・・・。
6点(2002-10-12 16:47:58)
134.  猫の恩返し
「もののけ」や「千尋」といった、いわゆるジブリ・イベント大作を見慣れてしまった為か、本作はなにやら“普通のアニメ”といった印象が強い。しかしアニメとは本来こういうモノなのではなかったか。我々はいつから作品に深いテーマ性や映像の美しさと言ったような完成度の高さを求めるようになったのだろうか。つくづくジブリ・アニメの功と罪というものを感じると共に、今後の方向性に一石を投じた作品のような気がする。
6点(2002-10-04 00:14:50)(良:2票)
135.  海は見ていた
遊女の世界を描いた作品としては、よくありがちなストーリーで、とりたてて目新しさは感じられない。黒澤明の遺稿で初のラブ・ストーリーというだけで、果たしてなぜ今映画化したのか、大いに疑問の残る作品だと言える。江戸時代の深川に展開される人間ドラマに、どれほどの深い意味を持たせられたのだろうか。往年の活力を失った熊井啓の演出は上滑りをするばかりだ。クライマックスの豪雨のシーンはいかにも黒澤らしく豪快だが、そこで展開される作劇とのズレを感じるのは私だけだろうか。それにしても惚れっぽい娼婦役の遠野凪子は、大半のシーンが泣き顔ばかりで、ほとんど演技らしい演技をしていないのには困ったもので、さっぱり印象に残らない。むしろ少しも娼婦に見えない清水美砂の、相変わらずぶっ飛んだ存在が痛快で、このつまらない作品を救っている。
6点(2002-09-13 00:46:32)
136.  リリイ・シュシュのすべて
一見、高い支持を得ているようだが、この作品も観る人を選ぶタイプの作品ではないだろうか?そもそも、この何とも奇を衒った演出スタイルはいったいどういう事なのか?自分の映画監督としての才能に確固たる自信があれば、何故もっと正攻法で描かなかったのか?映画は、中学生たちの生態の現実と、抱えている様々な問題を直視していくが、かなり歪な決着をつけようとする彼らには感情移入し難い面があるし、結局のところ、リリィ・シュシュとは彼らにとってどういう存在だったのか等々、映像表現に頼りすぎた為か、なかなか主題が見えてこないと言う恨みが残る。
6点(2002-02-03 11:34:37)
137.  ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃
いくら怪獣たちが主役とは言え、人間たちのドラマがしっかり描かれていればこそ、“彼ら”もより一層引き立つというもの。しかし毎回、出演者が違うというだけで、その描き方は相変わらず同じパターンの繰り返しで、それは監督が金子修介になっても何ら変わりは無い。これでは怪獣たちが可哀想と言うものだ。かつて円谷英二&本多猪四郎という、東宝特撮映画のゴールデン・コンビの作品群が些かも古びていないばかりでなく、今なお燦然と輝き続けているのも、工夫を凝らした特撮の見事さ以上に、奇想天外なストーリーが常に斬新であり、また人間ドラマもきちんと独立した魅力あるものになっていたからに他ならない。今回も、さほど必要性の無い登場人物の多さと、そのお座なりで戯画化された描き方には、もぅいい加減うんざりしてしまうし、そして特撮シーンで言えば、次々と撃ち落される戦闘機が民家に落下・爆発・炎上するという迫力あるシーンには、リアリティがあり唯一見所のある点だが、あれほど強大だったキングギドラが、設定とは言え、なんともひ弱な怪獣に堕ちてしまい、また、繭から成虫に変身するシーンがひたすら美しく、飛翔する姿も一段と見事なモスラも、夜間ではあの華麗で極彩色の羽の美しさが際立たないではないか。なんともセンスを疑いたくなる。もう少し“古典”をよく勉強して欲しいと願うばかりだ。前作の「G消滅作戦」(傑作!)には遠く及ばない出来だが、なにやらガメラと対決しそうな暗示的なシーンもあって、次回作に期待しよう。
6点(2002-01-19 01:04:05)
138.  ウォーターボーイズ
何かと暗い世の中、こういった明るく元気になれる作品が人気を集めるのも無理からぬところ。とかく評判の作品だが、しかし数々のエピソードの描き方には何か物足りなさがあるし、さほどの歯応えも無い。つまり、余りにもノリが軽すぎるのだ。若者たちが元気に画面をはしゃぎ回り、ノリのいい曲を流しておけばスポコン青春ドラマ一丁上がり・・・というような製作サイドの安直さを、僕などはどうしても感じてしまう。もっともこういった見方はこの作品には相応しくないことを百も承知だが、アジアの優れた作品に接するたび、果たしてこの程度で“評判”になっていいものか・・・と感じざるを得ない。
6点(2001-11-25 11:05:28)(良:1票)
139.  ファイナルファンタジー
大方の感想に違わず、映像的にはまず申し分なし!CGでの再現によるそのリアル感には驚嘆するばかりで、とりわけシド博士の造型は見事と言うしかない。ただ案の定、ストーリーが伴なっていないと言うか、彼らはいったい今、何をやっているのかという、このテの作品にありがちなシチュエーションの希薄さで、作品の印象が曖昧なものになってしまったのが残念だ。
6点(2001-09-29 23:35:07)
140.  ワンダフルライフ
ここで描こうとしている作品世界は解からないでもないが、是枝監督の製作意図そのものが良く判らないでいる。モノトーンで終始静かな拘りの演出には惹かれるものがあるものの、昨今のCG主体のエンターティンメント作品に毒されている観客にとって、これは辛すぎる。この作品をどれだけの人が観て、どのような評価をしたのか聞いてみたいところだ。少なくとも2回観ようとは思わない類の作品だ。
6点(2001-08-19 01:34:03)
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