121. もののけ姫
気合いは十分ですよね。これ以上ないと言わんばかりに。とにかく,あの怪物が最後まで,やられてもやられても姿形を変えて出現してくる。言わんとすることはわかるつもりだし,それに異論を唱えるつもりは全くないけれども,はっきり言ってくどすぎた感があります。だから,見終わっても案外心に残らない作品となってしまいました。宮崎作品の最高峰?はっきり言って「ラピュタ」「トトロ」「魔女の宅急便」の方がずっと平易な内容で(当たり前だけど),5年前の「豚」の完成度の足元にも及ばないものとなってしまいました。スペクタクルに走るのは別に悪いとは思いませんが,以前認められた宮崎作品ならではの味が,小手先の技術によって損なわれたような気がしてなりません。「千と千尋」に期待。 4点(2001-11-25 20:12:55) |
122. 平成狸合戦ぽんぽこ
私もどうも高畑監督とは相性が良くないらしい。「思ひ出ぽろぽろ」は40年代の風俗を懐かしいと感じただけだったし,「となりの山田君」にいたっては何をかいわんや,といったところだ。本作も主義主張は声高に伝わってはくるものの,心の琴線に触れるようなエピソードは感じられない。残念なことである。 5点(2001-11-21 22:31:15) |
123. フランケンシュタイン(1994)
ただの恐怖ものじゃないのはよくわかります。結局「なぜつくった」なんですね。あまりにも悲しい作品でした。トム・ハルスを見たのは,「アマデウス」以来かな・・・ 6点(2001-11-21 20:10:46) |
124. クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦
「豚の深爪」は受けたぜ。この後の「温泉わくわく・・」の方がどっちかというと好きだな。でも,第一作の「アクション仮面対ハイグレ魔王」や次の「ブリブリ王国の秘宝」よりゃましかな。でも,やっぱしんちゃんはテレビのスペシャル版が一番いいな。 5点(2001-11-15 20:43:24) |
125. クリフハンガー
スタローンの懸垂にたまげた。山が綺麗だった。ザイルが切れそうになった瞬間は息を飲んだ。ま,それだけかな。封切りを見た数少ない作品だけど,別に自分の意志で見に行った訳じゃないし・・・。 6点(2001-11-15 20:38:03) |
126. アメリカン・ブルーパーズ
いやー,こんな作品がここに載っていたなんて・・・。私も18年前に見ました。同時上映は何だったか(「ベスト・キッド」じゃないし・・・)忘れました。私もイマジンさんに同感です。CX系の珍プレー好プレーの方が絶対面白い。 4点(2001-11-14 20:46:29) |
127. キューポラのある街
子どもの頃学校て゜見せられて感動しました。物もお金も今のようにふんだんになかったあの時代,でもそれを補って余りあるもの・・・やはり皆さんおっしゃる「健気さ」でしょうね。 7点(2001-11-01 23:13:08) |
128. ガメラ3 邪神<イリス>覚醒
新ガメラシリーズを賛美してきた私にとって,この3作目は,評価の難しい作品となった。バラバラに砕け散っていく新しい京都駅のシーンなど,息を飲むような緊迫感とリアリティに溢れた映像だったし,ストーリーも悪くないと思った。では何か゜・・・?1と2で覚えた,昔の戦争映画を見たときのようなあの興奮が感じられなかったのは何故なのだろう。次作に期待・・・。 7点(2001-11-01 22:59:41) |
129. 宇宙戦艦ヤマト
小学生の頃から松本零士フリークだった私は,昭和49年秋に本作のオン・エアとともに,日曜の7時半はテレビにかじりつきました。ところが裏番組だった小松左京原作の「猿の軍団」が当時は人気で,私の周りの誰も「ヤマト」を見ておらず,周囲の話題についていけなかった記憶があります。その「ヤマト」がプレイクしたのはその2年後,再放送がきっかけだったと思います。そして翌年の本作登場。メカニカルにしてマニアック,そして美麗な映像は健在でしたが,そこまででした。オン・エアでのあのときめきはわずか3年にして色褪せたものになりつつありました。行雲流水・・・その後何本か作られたようですが,「さらば・・」を見て,「ヤマト」との訣別を誓いました。 5点(2001-11-01 22:29:24) |
130. 犬神家の一族(1976)
私も金田一シリーズでは,これかな,と思います。佐清の恐ろしさと例の水の中から脚2本。えらく衝撃的でした。 7点(2001-11-01 22:16:32) |
131. ホーホケキョ となりの山田くん
3年程前,「ジブリがとなりの山田君をアニメ化しようとしている」という情報が入ったとき,「冗談だろ」と耳を疑った。翌年それが現実となったときは心底たまげた。野球4コマの草分け的存在であるいしいひさいちだが,朝日新聞連載中の原作を見ても,今一つのものが多く,正直言って今となっては的な存在と思う。それを敢えて映画化に踏み切った高畑監督とジブリって・・・と思ってしまった。いしい御大のアニメというと20年前の「おじゃまんが山田君」を思い出すが,本作は勿論違う。例えるなら,1冊読むのに15分かかるあまり面白くない4コマ漫画の単行本を10冊積まれた感じ。水彩画のような色彩感やほのぼのとした雰囲気は悪くないが,退屈さは最後まで払拭できず,忍耐を要した。 5点(2001-10-28 14:03:42) |
132. ガメラ 大怪獣空中決戦
誤解と反論覚悟で言うが,この「ガメラ」シリーズは,邦画史に残るべき傑作である。子どものころ,父親にさんざんねだって連れていってもらった「ガメラ対ギャオス」にも当時えらく興奮した記憶があるが,最近見たら,空自のF104Jがギャオスの超音波光線(無茶苦茶な言葉だが)を浴びて綺麗に2つになったなど,さすがに特撮は時代がかっていたが,さすがに30年後の本作は凄い。飛行するガメラに対してスクランブルに上がったF15Jのかっこよさ!これは絶対に戦争映画だ,と思った。邦画で,これ程までにメカニカルな素材で興奮させる映画が果たして他にどれ程有ろうか。 9点(2001-10-26 20:06:58) |
133. 天空の城ラピュタ
まさに上げ潮ムードの宮崎,といったところ。独自の世界観が斬新且つ新鮮であり,映像と久石譲の楽曲との融合も素晴らしい。しかし,何と言っても一番魅力的なのは,ドーラとその一味だろう。この延長線上に「紅の豚」のマンマユート団や空族連合が有るのだろう。翌々年の「トトロ」とともに80年代の宮崎アニメの集大成,とでも言おうか。今後の宮崎に,もうこうした作品は求められないし・・・・・。 9点(2001-10-24 19:11:13) |
134. けんかえれじい
私もこの作品の高橋英樹は好きです。今となっては到底見ることのできない,骨っぽい男の生き様が熱っぽく綴られていて,懐かしさと羨望が交錯します。目出度く8点献上。 8点(2001-10-06 20:50:19) |
135. 銀河鉄道999
私も松本零士の映像化作品ではこれが一番と思います。「ヤマト」シリーズは,一作か二作で止めときゃ良かったし,個人的に期待していた「わが青春のアルカディア」も今二つだった。ストーリーの一貫性や無理のない各登場人物の絡みも良い。ただ,こうした松本作品の功罪は,アニメーション技術(特に映像美)の飛躍的な進歩と,それまで子どものもの,と思われていたアニメに色恋沙汰を持ち込むことでアニメ人口の拡大に多大に貢献すると共に,異常な感情移入を作中の登場人物に行う所謂二次元コンプレックス(通称アニメオタク?)を大量に生み出したことにある,などと思ってしまった。(そういう私もハーロックが好きでした。アルカディア号のプラモも作ったし,メッサーシュミットもハーロック仕様にした) 8点(2001-09-30 22:43:14) |
136. こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE
いい年して毎週日曜の夜7時を楽しみにしている。5年前にTVアニメ化が決定したとき,いったいどうなることかと危惧したが,5年の月日に慣らされたのか違和感無く見られるようになった。したがって,これほど映像化が似合う漫画は,今時そうあるまい。続編に大いに期待,である。 8点(2001-09-30 22:28:04) |
137. 天と地と
いやー,ここまでひどいと何と言うべきか。ま,数10年前のハリウッド超大作に匹敵する作品を,とでも思ったのでしょうな。人と金を使えばいいってもんじゃないことの良い見本。海音寺潮五郎の原作は割と堅くない内容だけど,いくら何でもこれは24年前に亡くなった原作者に気の毒だ。昭和44年のNHKの大河ドラマでは,石坂浩二が謙信をやってたけど,結構はまっていた,と10歳にならない私は思っていた。(オン・エア見た人いるかな?) 1点(2001-08-18 21:40:21) |
138. ガメラ2 レギオン襲来
大森一樹の「ゴジラ」にえらい失望させられたので,どうせこんな映画,と思って見たらえれー面白かった。30数年前の戦争映画を見たときのような妙な興奮があった。然るに,ガメラは人類の味方というよりそれらを含んだ地球環境全体の味方なんだな。うん。 9点(2001-08-18 21:20:16) |
139. おもひでぽろぽろ
ま,いいんじゃないの,て感じ。結構1960年代を懐かしんで見れたが,もうあれから10年か。柳葉敏郎の妙な村山弁は山形県人としていただけない。 5点(2001-08-11 20:53:59) |
140. 雨あがる
山本周五郎の珠玉作が何と世界の黒沢が長年暖めていた構想だったとは。大いなる期待をもって見た。これって結構ドラマティックな内容と思う。それを敢えて淡々とした運びにした点に苦労や工夫が窺えるのだが,どうも収まりが悪く隔靴掻痒の感を最後まで払拭できなかった。原作の味をそのまま出すのが優れた映像作品,などとは全く思わないが,淡々とした筆致の中に詩情や憤りを盛り込んだ山本文学の世界は一筋縄ではいかぬ代物なのかもしれない。寺尾聡が実に良い味を出していたのだが。 5点(2001-08-11 20:40:08) |