1. UDON
《ネタバレ》 うんとね、凄くつまらない。前半はワケもわからないままうどん雑誌を売っていくんだけど、取材がただ単にうどん食いに行ってるだけなので、どんなアイデアで雑誌が売れていったかの描写が貧相すぎてサクセスストーリーになっていない。一番肝心なうどんのおいしさの違いとか素朴さがむぁったく伝わってこない。これじゃうどん映画を作る意味が無い。そのままなんの原因もわからず勝手にうどんブームが去って(この部分が実際のブームに対する皮肉?)、後半は何の脈絡も無く親父との確執という稚拙な展開が始まるんだけどもうお腹いっぱい。前半とは切り離された感じで別の映画のようだしね。これだったら後半丸々キャプテンUDONでいいです。でもコレ、伊丹十三が撮ったら絶対面白くなったね。そんなのを期待してしまったのかも。 [DVD(邦画)] 3点(2008-02-19 00:34:28)(良:3票) |
2. 電車男
《ネタバレ》 ホントにモウ、最近の日本の恋愛映画って男の妄想丸出しのご都合主義がデフォルトになっていやしないか?この映画の主人公は、幸せな事にどうやら初っ端からヒロインに惚れられている。以降、会話をリードするのも家に誘うのもキスをするのも全部女性のほうから。主人公がどんなにドジったってヘマしたって優しくて懐の深いこのヒロインから嫌われる事は全くないのである。こんな希有な女性がいたら主人公がアキバ系じゃなくてもハッピーエンドになるのは当然でしょ。まあ原作がこのまんまなんだけど…。まさにこれこそ、昨今パターン化しているあらかじめ結末が決められた自分勝手な童貞妄想イズム。この後ヒロインが白血病で死んで主人公が泣きながら世界の中心で「助けてください!」を叫んだりしないよね…? んでもってこの映画、主人公が「アキバ系」である時間が大体序盤の10分程度なのである。後は髪型もファッションセンスも生まれ変わった普通の恋愛ベタでシャイなマニュアル男になるだけ。原作を大事に…とは全く思わないけど、もう少し「ヲタク臭」から抜けきれない葛藤とかを全面的に出した方が面白かったのではないか?そうしちゃうと一般の女性には完全に敬遠されますか?ああそうですか。 [DVD(字幕)] 5点(2006-02-12 14:16:21) |
3. タンポポ
内容はどうしてもこの年代らしいナンセンスで下らない展開がなんだけど、それを邦画を代表する名俳優の皆さんが糞真面目に演じてるって事がとっても笑かせてくれる。伊丹監督と言えば、「マルサの女」からのどこか説明的な裏事情摘発映画ってイメージがあるんだけど、今作はそういった所も少なく、バラエティに富んだ話がオムニバス風に語られていて非常に実験的。そこに伊丹監督独特の美しく変態的なエログロが満載で、大人も子供(?)も楽しめる痛快な娯楽映画に仕上がってます。やっぱり印象的なのは、物語には全く関係ない「カキの少女」の話。このシーンには大人も子供も何かを感じてまくりなんじゃないのでしょうか。映画全体を通して時折安っぽさを感じてしまいますが、冒頭からラストまでアイデアが詰まっていて、魅力的な豪華キャストのおかげもあって今観ても色褪せない名作の一つだと思います。 7点(2005-03-04 20:22:19) |
4. ジョゼと虎と魚たち(2003)
《ネタバレ》 途中、恒夫がジョゼに近づく理由がわからなくなってしまった。善意か、好奇心か、性欲か。しかし、最後に恒夫が泣き崩れるシーンで納得した。恒夫はジョゼに対して普通の男が普通に女を好きになるように、ただ純粋に惹かれていたんだと思う。恒夫はジョゼを「一人の障害者の女性」として嘘偽り無く愛していた。だから恋愛をする上での善意や好奇心や性欲はあったんだ。二人の間には、健常も身障も関係なかった。この映画は、心の優しい男と心の純粋な女の、誰もが味わった事のある切ない恋愛物語。恋愛ほど素晴らしい事は無い。恋愛とは、出会い、愛し、そして別れる事。その恋愛の全てが、この映画にはあります。あともう一つ、私は恋愛にはセックスが必要不可欠な事だと考えているので、この映画のラブシーンは恋愛の本質の一面を見事に捉えていて非常に重要なシーンだったと思います。またこういったシーンが無かったら単なる「偽善」に成り下がってしまったかもしれません。本当に、素晴らしい映画でした。 8点(2005-02-15 04:43:43) |
5. シベリア超特急
私、「シベ超3」を観てから、シリーズ第一作の本作を拝見させて頂いたんですが、シリーズを重ねるに連れて、スケール感・スリリング感・俳優陣の演技力・そして驚愕のラストなど、様々な部分が一作目から全く進歩していない事がよーく分かります。でもさすがに新作ごとに多少なりとも改善されてたり、新しい施しがされてたりする点もあるんですが、それが「列車が走っているように見えるようになった」とか「マイク水野の出演シーンが減った」とかその程度なのである。でもそれはそれでなんか「今度のマリオは空を飛ぶぞ!」みたいで新作が出る度にワクワクしてしまうのだが。そんなこんなで最新作「シベ超5」は「世界初!万里の長城を大階段落ち!」らしい。…ワクワク。 0点(2005-02-11 14:35:30)(笑:3票) |
6. 下妻物語
こりゃ楽しイイ映画。テンポが良くて演出が面白いから冒頭から物語に引き込まれた。またこのキャスト陣のハマリっぷりはスゴイ。特に深田恭子と土屋アンナはほとんど「素」だな。それにフカキョン意外と演技上手いじゃん。オジサン驚いた。「アメリ」の邦画版とで言いますか、なんつーか子供の頃に映画を観て思うような「映画に恋をする」資質がこの映画にはあると思う。あえて難癖つけるならやっぱり後半に田舎特有のグダグダ感が出てしまった所と、矢沢心が出てきたあたりから急にVシネ臭が漂ってきた所。まあそれを差し引いてもこの映画は素晴らしいです。拍手。出演者の方のお言葉をお借りしますと、「いやあ、映画って本当にイ(ry 7点(2005-02-08 03:45:03)(笑:1票) |
7. ロスト・イン・トランスレーション
《ネタバレ》 これほどまでに日本を客観的に正しく描いた外国映画は他にはなかなか無い。なんか「日本を馬鹿にしてる!」とか目くじら立てて怒ってらっしゃる方もおられますが、ゲーセンとかカラオケとかパチンコとか選挙カーとか、実際に馬鹿みたいな文化なんだから言われてもしょうがないでしょ。日本人の描写も、保守的で神経質で無愛想な所を良くわかっていてなかなか面白いと思った。狭いのに人ゴミで溢れていてレベルの低い娯楽が賑わう街東京…生粋のイエローモンキーの俺でも、そんな東京の排他的な所は孤独感や刹那さを語るにはうってつけの街だと思うんだけど、なんつーかこの映画、舞台が東京である意味があまりないと思う。東京「らしさ」が中途半端。これなら極東の都市ならどこだって外人はこの程度の同じような感情になるでしょうな。その上メイン二人の感情描写も中途半端でストーリーもマッタリしているから映画としてじぇんじぇん面白くない。ラストのシーンがめちゃくちゃイイのに感動も何もしなかったよ。でも興味深い所なのがマシュー南が出演しているシーン。これはそれまでのミニスカポリスとかの流れと一緒で、作中のマシューは「下らない西洋人ギミックの日本人TVMC」という役割なんだけど、これってマシューからして見れば「日本語のわからない外人をおちょくって笑いを取る」といういつもの芸風なワケで、この部分だけは逆に馬鹿にされているのに気づいていない米人のことを想像するととても微笑ましい気持ちになってしまいました。つまりこの映画は欧米人だけが観てりゃイイっつー事だ。あとヴァージン・スーサイズの時から思ってたけど、ソフィア・コッポラはやっぱりバイだと思う。女性キャスト選びとその表現・演出がすばらしく良い。そしてエロい。ネガティブ思考の女の子の心理描写だったら右に出る監督はいないね。天才。 6点(2005-02-05 13:53:48) |
8. 青い春
《ネタバレ》 泣いた。「岸和田」がポジティブバカなら「青い春」はネガティブバカだ。リアリティがあるのかないのかよくわからんが、作品全体から滲み出る雰囲気が「青春」の全てを見事に表現していて痛いほど胸に響いた。この後味は最高。嗚呼、青木の春…。ミッシェル嫌いだけどこの映画には抜群にイイ。他人にお勧めするような作品ではないが、こういう日本映画は大好き。だけど一つだけ、最後の青木のアレの姿は絶対に必要なかった。 8点(2005-02-01 15:00:08) |
9. シベリア超特急3
てっきり「つまらなすぎて面白い映画」だと認識していてわざわざ金出して観る気になれなかった「シベ超」シリーズですが、先日「シベリア超特急5公開記念?」としてTVで深夜に放映していた本作品を何かに導かれるように拝見させて頂きました。ってかコレ何?北朝鮮映画?冒頭の意味の全くない長回しから早くも私はトランス状態。俳優陣の名演技のおかげで全く退屈させられる事無くグイグイ画面に引き込まれ、その後早朝午前4時過ぎまでマイキーマジックを余すところ無く堪能させてもらいました。正直、これほどまで凄いとは思わなかった。しかも聞くところによると今作はシリーズ最高傑作(つーかまともに出来上がった)らしい。これは第一作を観ないわけにはいかない!さあ眠気に負けずにレンタルビデオ屋へ走るぞ!GO!0点! 0点(2005-01-27 10:59:10)(笑:2票) |
10. きょうのできごと a day on the planet
最初は退屈だったが観方が判ってからは引き込まれていった。何でもない日常が描かれていて非常に好きなタイプの映画のはずなんだけど、個人の描写だけで他人に対する感情がわからない。全体的な人間関係にリアリティがないからイマイチ共感できないまま終わってしまった。伝わってきたのは男に対する感情の田中麗奈と池脇千鶴ぐらい。なんつーか、ありがちな会話をしてるだけの映画。友情も絆も見えないし、全然仲良くなさそうなのにコイツら一緒に集まって何が楽しいのだろうか?そんなに暇か?でもこの年代の奴らって人に対しての相互理解が希薄でもすんなり友達になれたりするんだよな。俺にそういった社交性がないからつまらなく感じてしまったのか?何か複雑な感情になってしまいました。とりあえず出会い系サイトで女子高生と交流でもしよおかなあ? 6点(2005-01-24 06:37:31) |
11. ラスト サムライ
《ネタバレ》 傑作!時代背景や細かい描写がオカシイ…って言うのも解るけど、「え?トム様がサムライに!?」って事だけでリアルとは別次元に逝っちゃってるから全く問題なし。それより妙に細かい所が忠実になっていたりなってなかったり。そんな所から日本に対する敬意みたいなものを感じ取れました。普通なら超駄作になるような題材なのに本当に良く出来ました。でもトム様が出演してなかったら超駄作です。あと最後の総土下座シーンは笑うとこなの?思い切って素晴らしきB級大作と言ってしまおうか?ニッポン万歳! 8点(2005-01-18 11:19:06) |
12. 世界の中心で、愛をさけぶ
《ネタバレ》 間違いなく2004年度で一番の糞映画。本っ当に都合が良すぎで突っ込み所満載。冒頭で柴咲コウが台風中継に映っちゃってる所で早くも大爆笑してしまった。登場人物全ての行動・発言の真意が全くわからない。まるで「感動」させる為にやらされてるような感じ。もしかしてこれって童貞クンのキモチ悪い妄想を詰め込んだタダのジコチュー映画なんじゃないか?「片想いのあの娘が実は僕を・・・」「テープで文通を・・・」「二人で無人島へ・・・」とかまさに童貞が考えそうな話だし。BOYS BEって感じ。付き合うキッカケもケンカの仲直りを仕向けるのも、常にリードをしているのは相手の女の子ほうだし。これぞ童貞ならではの他人任せな妄想なのではないか?婚姻届出したり病人連れ出して海外へ行こうとするなんて相手の事は一つも考えてなくて身勝手極まりない。挙句の果てに妄想しすぎて女の子が死ぬなんて事になって「助けて下さい!」だと?笑わせんな。「助けて~」の後に泣きながら夢から目を覚ます朔太郎、って夢オチだったら許してやるよ。コレ、映像は綺麗だし決して「つまらない映画」とは言えないけれども、話の内容がとんでもなく非現実的で非常識な夢物語の癖に、泣かせる本筋が「病気で死ぬ少女」ってリアルな所だってのが最高に胸糞悪い。んでこれを観て「泣けるよね」なんつって群がる奴らが大勢いるのが全く理解出来ない。そして自分が時代の流れに取り残されているのが良いのか悪いのかよく分からず別の意味で泣けてくる映画。これなら平井堅の「瞳をとじて」のPVのほうがよっぽど感動するよ。 5点(2005-01-12 04:14:19)(良:3票) |
13. 魔女の宅急便(1989)
10年ぶりに観た。切ない所が小学生の女の子が観たら相当影響受けるアニメなんだろうなぁと思った。にしてもちょっと少女漫画チック過ぎやしない?ちょっと観てて恥ずかしくなった。ストーリーも派手さが無いし、教材ビデオとしていかがでしょうか?音楽はいいんで6点。 6点(2004-12-31 00:40:50) |
14. となりのトトロ
10年ぶりに観た。例えば押入れの中にドラ何とかがいたとしても今更何の感動もありゃしねえってのに、「トトロがいる」という単純な事に不思議にも純粋に感動してしまった。本当にいい子にしてたらネコバスに乗れるんじゃねーかと思っちゃったり。その辺の微妙なバランスがこの映画にはあったと思う。そんなバランスを保っていたのがお父さん役の糸井重里。味出しすぎ。 10点(2004-12-31 00:33:00) |
15. キル・ビル Vol.1(日本版)
超ド級のB級映画。いや、ズバリC級。なんだかなぁ…。要はタラが影響を受けたカンフー映画やらヤクザ映画やらをパロって作られているんだけど、何もかもが中途半端。冒頭のカンフーも、無意味なアニメも、ユマの日本語も、大掛りな殺陣も千葉真一も全て中途半端。鹿おどしの音まで見事に中途半端。そりゃそれぞれそつなく撮られてますよ、相変わらず展開には驚かされるしさ。でも大金使ってまでしてわざわざ世界に向けて大々的に上映する映画としてコレはいかがなもんだろうか?まさにタラのオナンティーノ映画でしかないだろ。オマン濡って感じ。やり過ぎと思えるほどのグロテスクな殺戮描写は、ホントに出し惜しみ無し搾り出し!って感じでタラの火照った恍惚な表情が想像できるし。これがさ、全く無名の新人監督が撮りましたっつーんなら新しいスーパーサブカルチャー映画として話題になるかもしれないけど、タラだもん。だってタラだもん。カンヌのパルム・ドールだぜ?だからこそこんな映画撮っちゃダメなんだよ。タラが日本の文化が好きなのは嬉しいけど、その情熱を違う方向に向けたらもっとめちゃくちゃで面白い映画が撮れる監督だと思う。それは証明出来た。「キル・ビル Vol.2」はまだ観てないけど、このシリーズだったら前作の雰囲気とか設定とか全く無視しちゃっても平気だからいくらでも続編作れそうだね。あとこれって日本人が観た場合、もの凄くアホ臭いから意外と面白く感じられちゃうんだけど、これを単純に「笑えるおバカ映画」なんつー的外れな評価したらこの人怒ると思うよ。怒らないか?本来はクソ真面目な復讐劇なんじゃないの?知らんけど。…ん?じゃあルーシーのあの死に様はクソ真面目なのか?笑かそうとしてるんじゃないのか?わは。つーことで俺のレビューが中途半端なんで6点でつ。 6点(2004-04-23 00:25:53) |
16. 座頭市(2003)
殺陣にCGを使い、殺しの惨さを見事に強烈に表現していた。それが全く大袈裟じゃない。これが現代時代劇のお手本とも言える。以上で8点。悪いわけじゃないけど相変わらず単純な脚本だもんね。今までは、時代劇にタップを入れてるのがどうしても嫌で、たけしの趣味でしかないじゃんって観るのを躊躇ってたんだけど、全編常に画と音を巧くシンクロさせていたから最後も娯楽作としてはタップで終わってもいいと思えた。作品の随所には日本の伝統芸能や文化が描かれていて、HANABIもそうだったけどたけしは「日本」を魅せるのが本当に上手い。日本が好きなんだな。こりゃ外人に受けるわ。笑いも奇をてらってなくて普段どおりだし、漫画的なオチもイイ。日本が誇るエンターテイメント映画。ただまぁ市は正義の味方じゃなくて非情な人殺しにしか過ぎないんだけどぉ。 8点(2004-04-14 18:22:04) |
17. ルパン三世 カリオストロの城
宮崎駿は既にこの年でこんな金字塔ともいうべき名作を作っちゃってるんだよなぁ。ナウシカよりも5年も前。すごいよなぁ。 8点(2004-02-03 02:04:49) |
18. リング(1998)
日本映画の中でもこれだけインパクトがあって怖いホラー映画はなかなかない。ビデオを見たら死ぬ、という非現実的な所を現実に解明してくれればもっと怖かった。無理だろうけど。 7点(2004-02-03 01:56:00) |
19. らせん
リングが台無し。とくにラスト。観なきゃ良かった。 1点(2004-02-03 01:31:57) |
20. ゆきゆきて、神軍
キチガイ。私は理解できないし、しようとも思わない。共感をするのもどうかと思う。もう新しい価値観を作っていくべき時代なんだから。ただ、近代日本の正しい歴史と、こういう人物がいる事については知っておいたほうがいいとも思う。…いや知らないほうがいいのか。意義のある0点。 0点(2004-02-03 01:25:22) |