1. 踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!
人気ドラマの映画化の典型的なダメパターンだと思います。予算的にプロモーションに金をかけられないので内輪ウケで稼ごうと作ったつもりが完全に裏目に出て、従来ファンには無味乾燥、新規客には意味不明、と誰も楽しめない画期的な内容です。 もはや誰もこの仕事をやりたくなかったのではないでしょうか。ぼくもサラリーマンですからそういう気乗りしない仕事を押し付けられてゲンナリすることもあります。でも、そんなときこそ、青島クンは自分の信念を曲げずに前向きに仕事に取り組んで困難を乗り越えてきた。そういう地味な熱さが「踊る」の魅力ではなかったのか。 この作品からは、人気シリーズにあぐらをかいて適当に設定をこねくりまわした内輪のやっつけ感しか感じられません。青島クンのように立ち回って、かつての「踊る」を超える熱さを体現しようとしたスタッフは、どうやらいなかったようです。それが残念でならない。もうみんな歳いっちゃって何が何だか分からなくなっちゃったんですかね。これを本気でおもしろいと思って作ったんだとしたら、辞めちゃったほうが良いと思いますよ。 ファンからすれば、「事件は会議室でも現場でも起きていなかった」。そんな映画です。3点。岡村さんに2度もスベらせた罪は重い。あと小栗クンは仕事選べよ。 [映画館(邦画)] 3点(2010-07-05 12:21:52) |
2. しんぼる
わるく言うと、「自分の作りたいものを作ってハナっから観客を楽しませようという気概のない作品」である。最近の彼の言動はその傾向が顕著だったが、やはりこの作品も同様だった。もはや「分かるやつが分かったらええねん」という意思すら感じられず、観客不在で自分の思考を表現することのみに執着している気がする。しかし、残念ながら「表現したいこと」に対して「どう表現するか」がまだまだ追いついていない。「修行」「実践」「未来」と伝えたいことはかろうじて分かるが、このテーマを扱うにはちょっと早すぎた。 肝心の笑いのパートも間が悪くアイデア不足。彼を知る人ほどむず痒いのではないか。まるでWBCで不振を極めるイチローを見るような気分だった。最後にスコーンとタイムリーヒットでも打ってくれれば救われたのだが、ラストに待ち構えていたのはNHK教育の「天才てれび君」を観ているのかと思わせるようなCG。予算か納期に難があったとしか思えない。演技も狙いなのか何なのか分からないがお世辞にも上手いとは言い難かった。ここまでくると松本信者であっても救いようのない出来だと感じた。 松本監督の前作「大日本人」でも同じようなことを指摘したが、この作品はその性格上、宣伝のために松本人志が自らテレビのバラエティ番組に出演するなど大掛かりなプロモーションを展開して全国で拡大上映するようなものでは決してない。「かわいいパジャマが」とか「天使が」とか、そこは本質ではない。から騒ぎを毎週楽しみにしているような女の子でも誘おうものなら間違いなく痛い目に遭うので要注意。あくまでひとりで観る映画だと思う。 次作があるのかどうか分からないが、もしかすると彼は一度、いつものブレーン達と仕事をするのをやめたほうが良いのかもしれない。少なくとも主演から降りて、誰かに演じさせることを学んだほうが良いだろう。何にしてもこの作品と結婚がきっかけになって、彼によって植え付けられた笑いのDNAが再点火するような作品が登場することを心待ちにしている。 [映画館(邦画)] 4点(2009-09-13 05:35:47)(良:2票) |
3. ハッピーフライト(2008)
矢口監督らしい、マニアックに下支えされたゆるい作品。 「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」と比較すると、全体的に単調で起伏に富まず、特に音楽は驚くほど印象に残らない。あくまで1機の飛行機を飛ばすために働いているスタッフたちのゆるい群像劇である。雰囲気だけでなく、内容までゆるくなってしまったのが若干の心残りか。 しかしドラマが展開される舞台は極めてリアルかつマニアック。航空業界のことなど知らないはずなのに、なぜかニヤリとしてしまう小ネタが押し付けがましくなくテンポよく盛り込まれており、そのあたりの見せ方はさすが。航空業界を志す大学1年生くらいが観れば勉強になるのではないかと思う。 他がゆるいだけにちょっとしたハプニングが大きく見えるわけで、良いのか悪いのかよく分からないが、そのたびに「どうやってANAを説得して公開に漕ぎ着けたのだろう」と気にしながら鑑賞することができた。これを許せるANAはきっとおおらかな社風なのだろうと思ったが、「ウォーターボーイズ」を撮った監督がこの程度で収まってしまうのが不思議で、ANAのせいでこんなに窮屈な映画になってしまったのでは、と勘繰った。 というわけで、週末の仕事帰りの晩酌のおともに1本いかが、というこの作品。6点、綾瀬はるかがかわいいので1点プラスで7点献上。 【追記】綾瀬はるかはやっぱり、シャクれてる女の子のなかでいちばんかわいいと思います。 [映画館(字幕)] 7点(2009-07-06 19:15:12) |
4. ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
《ネタバレ》 過去にリリースされたテレビや劇場版の「エヴァ」は、「ヤマアラシのジレンマ」という言葉にに象徴される「登場人物たちのギリギリのところで保たれる関係性」が見所のひとつだった。しかし新劇場版は登場人物たちが一歩二歩と互いに歩み寄り、その関係性を濃くすることに成功している。その結果、いくぶんかの希望が見える。これはエヴァンゲリオンという作品が当時エヴァに熱狂したいわゆる「エヴァ世代」の成長と歩調を合わせて進化した結果のように感じられる。過去のエヴァとは異なり、劇中に見られる登場人物たちの能動的な行動がそれを証明しているのではないだろうか。これはおそらく次回作以降への大きな複線だと思われる。よってこの作品は単体で評価されるべきものではないだろうし、あとから見直すことで異なる評価や見方ができると思う。そういった意味では、この作品は単なる中継ぎではなく、全体を通して計算された大いなる野望作だと感じた。 しかしエヴァの魅力のひとつだった「孤独感」や「緊張感」に端を発した「危うさ」が緩和されたことにより、そこに大きな物足りなさを感じたことは否定できない。これはまぎれもなく「エヴァ」だが、同時に「ヱヴァ」であり、「エヴァ」とは同質ではない。深夜にアナログテレビにかじりついて見た「俺のエヴァ」ではないのだ。「いつまでも友達でいよう」「翼をください」と、本来、アニメ的な描写により表現すべき主題を歌に託した演出は、かなり説明的で野暮ったく、おおよそ「エヴァ」らしい繊細な表現にかなわなかった。CGを駆使した尋常ではないクオリティは強烈な説得力を持ち、新しく構築されていく「ヱヴァ」の世界には大いに興奮させられたが、なぜそれを生かすことができなかったのか。どこまでいっても「エヴァ」とは袂を分けた「ヱヴァ」であることに違和感があった。しかし同時に、この違和感をうまく吸収し順応することを強いる作品としての「エヴァ」の影響力の大きさは偉大だと思った。 というわけでいまのところ7点。過去にエヴァを経験していなければ価値はぐっと下がると思います。次回作までに8点、9点がつけられるようになりたいです。 [映画館(邦画)] 7点(2009-07-06 16:14:17)(良:3票) |
5. クローズZEROII
原作は「クローズ」「ワースト」ともにすべて読了。前作はDVDにて。思いのほかおもしろかった前作の熱気のまま劇場に足を運んだが、前作対比70%といったところ。この作品も悪くはないが、勧めるのであれば「1だけ観てあとは漫画読んでおけばいいよ」となってしまう。あまり文句ばかり並べても仕方ないけど以下苦言。 1.どいつもこいつも殴る蹴るがワンパターン。一見派手に見えるが、後半はグダグダ。単調すぎて飽きがくる。トイレに行って帰ってきたらまだ同じことやってて驚いた。 2.ナルシストすぎる鳴海大我。上半身裸の斜め45度でこっち睨まれても・・・。キャラ設定がいまいち「クローズ」の世界観にハマらず。ボスなのに魅力半減。 3.簡単にヤらせてくれる黒木メイサ。相変わらずの必要のなさに「これは彼女のアルバムのプロモーションだから!」と自分に言い聞かせても、やっぱり可愛そうになる。 というわけで、前作7点、今作6点、といったところか。熱さと勢いは前作のままで評価できるが、前作未見の方はとりあえず近所のTSUTAYAかGEOでDVDを借りて、それから劇場に足を運んだほうが吉かと。前作でハマった方はゴールデンウィークの徒然なるままに、どうぞ。 【追記】これ観たあとは、なんか強くなった気がする。 [映画館(邦画)] 6点(2009-04-20 11:13:55) |
6. 嫌われ松子の一生
劇場で観て「とても疲れた」という印象。 CM出身の監督がつくった映画って、1シーンあたりの情報量が異常に多くて観客を置いてけぼりにするオナニー的なイメージがあるが、この映画もそれが顕著。これでもかこれでもかと迫ってくる情報量に気圧されて鑑賞後はぐったりしてしまった。 ギトギトベトベト濃厚で化学調味料たっぷりなラーメン、みたいな。これは映像美とかそういう表現は相応しくない。ケミカルすぎる。このケミカルさが魅力、と言ってしまえばそれがすべてかもしれないが、こんだけ喰わされるとゲップどころかゲロ吐くよ。旨味成分足し算オンリーで映像を作るとこういう映画ができるんやなぁと素直に思った。 扱っているテーマ自体は陰影があって良い。でも、もうちょっと抜き差しして提供してくれても観客は十分に感情移入できるし、それを補完する能力はあると思うんやけどなぁ。というわけで、あともうちょいで7点、でも、くどさが不幸して6点、ということで。自宅で気楽に眺めるぶんにはちょうどいいんじゃないでしょうか。 「下妻物語」にもハマりを感じられなかった自分にとっては、この監督の映画はあまり観たいとは思えない。ま、これは相性の問題ですな。 [映画館(邦画)] 6点(2009-03-24 01:51:46)(良:1票) |
7. 秒速5センチメートル(2007)
どうしようもなく切なくなるからあえて自分から遠ざけていた青臭さと、実写よりはるかにリアルな繊細な映像美に、たった1時間で心をかき乱だされる良作。このテのテーマを直球勝負で語られることに拒絶反応を示す人は必ず存在しますので、賛否が大きく分かれるのであれば、それはこの作品の完成度の高さを裏付けているのではないでしょうか。その真偽は、レビューではなく一度作品を観ることで判断してください。 [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2008-03-08 22:23:22)(良:2票) |
8. 大日本人
《ネタバレ》 端的に言うとこの映画は、松本信者のための「ビジュアルバム&ごっつええ感じ!2時間拡大スペシャル!」です。よって、「いかにも松本らしいけど、新しさはないよね」という仕上がりです。 それはなぜか。そもそも、「大きい/小さいおっさん」「戦うおっさん」「哀愁漂うおっさん」「戸惑うおっさん」などというのは、彼定番のキャラクターです。おそらくおっさんを扱えば彼の右に出る者はいないでしょう。信者にとってはそれくらい安心感がある一方、どうしても既視感は否めません。どうせなら他のキャラクターを拝みたかったところ。「斬新」とされているドキュメンタリーテイストの展開も、自身が作った「モーニングビッグ対談」にインスパイアされているに過ぎず、新しさを感じるには至りません。実写に切り替えた意図も新しさどころかおそらくほとんどの人が必然性を感じないでしょうし、その後のコントは「ごっつええ感じ」そのものです。 要するに、彼が過去にやっていたことと同じベクトル上で尺を伸ばしてお金をかけて作品として世に送り出したに過ぎず、結果、そのベクトル上での驚きや笑いしか生みだせていません。「松本」ブランドは人気があるのでお金を出して観る人は多いと思いますが、「松っちゃんらしくて面白かった」という感想はあっても「松っちゃんらしさをうまく昇華させて、いままで見たことのないおもしろさがあった」という感想は聞かれないでしょう。 カンヌまで使って宣伝して、本人も「これはおもろいぞー」と公言していれば、「松っちゃんがどんな(いままで見たことのない)おもしろいものを作ったのだろう」とハードルが上がってしまうのは自然の摂理です。しかしそのハードルを超えることができなかった残念感は、無意識のうちにイコール「うーんいまいちだった・・・」に直結します。彼の映像作品をほとんどすべて消化し「松本人志の放送室」を毎週聞いているような人間にとっては、新作を映画館で見る楽しさはあっても新しさがないので結局は消化する楽しみしか味わえません。それならテレビの早朝や深夜でこっそり放送したほうが伝説的な作品になったと思います。映画としては身の丈の合ってない作品です。 それでもいつかきっとやってくれると信じて次回作を心待ちにしてます。信者ですからね。なんやかんやでこれ、2回見ましたし。 [映画館(邦画)] 6点(2007-11-14 17:39:51)(良:1票) |
9. 風の谷のナウシカ
これだけ有名でテレビやら何やらで散々流れているにも関わらず、今日のこの日まで一度も通して観たことがありませんでした。これはたぶん、ここまで評価の高いこの作品を公平に観ることができるチャンスだと思ったのですが・・・。うーん、素直に「おもしろい!」とは言い難かったです。 「負」なるものの裏に隠された「正」を描く、という切り口は個人的にとても好きなのですが、その強さといい価値観といい「正」としか言いようのないスーパーウーマン・ナウシカからは、「冒険とともに成長している」というこの手の作品の醍醐味が感じられず。どうも予定調和で説得力に欠け、説教くさく感じられました。ここまで弱点のない主人公って、自分にとってはあんまり魅力的じゃないんですよね。愛すべき人間は、どこかが欠けている人間だと思う。 世界観は完成されていて素晴らしいと思います。しかし宮崎監督の主張はどの作品においても根底はずっと一貫しているので、(良い、悪いは抜きにして)ナウシカは初見でもとくに目新しいものではありませんでした。やはり彼に関しては、公平なレビューは不可能なんかなぁ、と少しがっかりした次第でございます。 というわけで、厳しいですが6点です。主観バリバリです。ただし宮崎アニメのなかでは見事なまでに「陰」を描いている作品だと思うので、ファンにはオススメではないでしょうか。人によってはちょっと眠くなるので、睡眠をたっぷりとってからどうぞー。 【追記】ナウシカはノーパンではなく、なんかパッチ的なものを履いてるんですよね?でなければ、もう一度観ます。 [DVD(吹替)] 6点(2005-12-12 01:51:23) |
10. あずみ
上戸の彩ちゃんを142分も観られるなんて幸せです。怒った顔もかわいいし、あのフトモモ、たまらんよね。というわけで、上戸彩に1点、上戸彩の顔に1点、上戸彩のフトモモに1点。合計3点です。俺のような上戸彩にぞっこんな方にオススメします。そんなあなたが「ジイ」とか「キサマ」とかいう名前だと、彩ちゃんとケンカした気になれるのでもっとオススメできます。 [地上波(吹替)] 3点(2005-12-11 05:51:25)(笑:1票) |
11. 真夜中の弥次さん喜多さん
おもろくなかったです。うーん、破綻してますね。シーンごとにアイデアを詰め込みたかったのは分かるけど、一点豪華主義に終わっていて統一感がないです。「それはほんまに必要あるんか?」というシーンに、「自分、それやらせたいだけやん」っていう登場人物もたくさんいましたし。 「リアルとは何か」というテーマには共感できます。が、どんなに崇高で伝えにくいことをテーマにしようが、自分のありあまる才能を表現しながら、たいていの人が理解できるようにおもしろく作ることができる人間、というのが「天才」と呼べると思うのです。いかに気持ちよくなりながら、気持ちよくさせるか。その点で、この作品をつくった人は天才でもなんでもなく「ただのオナニー上手」ではないでしょうか。完全に観る人の存在を忘れて、やりたいことだけやってあっちのほうにいっちゃったバランスの悪い映画だと思います。 この作品をつくった人、すなわちクドカンの「こういう映画を作りたかったんやー!」という気持ちは分かります。才能のある人なのかもしれませんが、しかしものには順序というものがあります。もう少し段階を踏んでからこういったものを作ったほうが、観客のためであり、彼のためでもあると思いました。というわけで、4点です。人にはあまりオススメしたくない映画です。 【追記】関西人にもかかわらず、「こわい」「つめたい」「工夫がない」という江戸っ子のツッコミをこのレビューでしてしまったことをお許しください。 [映画館(吹替)] 4点(2005-12-11 03:40:25) |
12. ドラえもん のび太と鉄人兵団
この作品の対象年齢を考慮すると、この点数は妥当もしくはやや低評価だと思います。それくらい心洗われる快作ですねーこれは。古さも感じさせないですし。このあたりのドラえもんは、えらくおもしろいです。幼いころに見せられて、未だに心に残ってる作品が多いですし。やっぱりドラえもんは、この声にあのオープニングじゃないとなぁ・・・としみじみ思った20代男性でした。というわけで、7点。お子様に是非見せてあげてください。 [DVD(吹替)] 7点(2005-12-09 08:44:45) |
13. 電車男
ちょっとしたファーストフードというかファミリーレストランのようなお手軽さ。「おまえはひとりじゃない!俺たちがついてる!」というあたり、また「恋するって苦しい」というあたり、泣かせどころのツボをしっかり押さえているので腹は満たされます。そういう意味では手堅い映画ですが、あとに残る感慨深いものはありませんでした。だって「恋するって苦しい」って自分で説明してもうてるんやん。そこは演技のみで気付かせてほしいなぁ。 ここのところの邦画には、こういう後味の作品が多いですね。純愛か何か知りませんが、もうこうやって商品化して消費されていくのはうんざりです。べつに否定も肯定もしませんがね。興味がないだけです。こういうものを見て「よかったー」という人にも興味がないです。俺とは住んでる世界が違う。でも、できれば「また観たい」と思えるものに巡り会ったほうが幸せなのは言うまでもないですよね。 あ、中谷美紀の件ですが。ちーと無味乾燥すぎるんでないかい。「偶像を演じている」というのは理解できるんですが、それにしても、なぁ。というわけで、5点。あたまの中で想像できるぶん、どっちかというと原作のほうが。まぁどっちもどっちですが。 [ビデオ(吹替)] 5点(2005-12-09 06:42:47) |
14. 機動警察パトレイバー
ザ・押井守な映画だと思った。原点ここにあり!みたいな。ヘクトパスカルじゃなくてミリバールと言ってるあたり、ちょっとした時代の古さを感じさせるが、そのおかげで当時は斬新であったであろうOSとかコンピュータウイルスとかの概念がこんな俺でも分かりやすく、ストーリーもはっきり理解できた。マンガ版もテレビ版も見てないので偉そうなことは言えませんが。それだけいま攻殻機動隊とかで言ってることが分からんってこと。あのへんも、15年経てば分かるんかな。 原作を見てもっと掘り下げればこの世界観にどっぷり浸かれる良作ではないでしょうか。自分には、そこまでしようという気は起こらなかったのが残念です。ってことは、あんまりおもしろくなかったていうことかな。もうちょいパトレイバーや各キャラクターが個性的やったらなぁ。というわけで、ちょい厳しめに6点。これより下の点数は考えられませんが、7点以上は嗜好の問題だと思います。「2」のほうも観てみよかな、どうしよう。 [DVD(吹替)] 6点(2005-12-09 04:28:58) |
15. マナに抱かれて
たいへん申し訳ないのですが、『ナビィの恋』と間違ってレンタルしてきてしまいました。あれま。沖縄のつもりで部屋を暖かくしてビールまで用意してたのに、これハワイじゃないですか。やってもた。でも、グレードがアップした気になって、それならそれで、ま、ええかーと開き直って、なんでもないストーリーのバックに流れる美しいハワイの風景に見入ってました。あ、ストーリーは本当になんでもないです。これならハワイのDVDを借りてきたほうが良かった気もしますが、そっちよりは飽きずに観られるだけマシだと思います。というわけで、4点。川原亜矢子さんはモデルだけやっていればいいと思います。【追記】あんなデカい貝、ほんまにうまいのか? [DVD(吹替)] 4点(2005-12-07 18:04:04) |
16. ハウルの動く城
おもしろかったです。個人的に宮崎駿の映画が好き!ってわけではないので、贔屓目で観てたわけではなく。おもろいですよ、少なからずともどきどきわくわくしてる自分がいました。画もキレイですしね、キムタクもよかった。倍賞千恵子さんはどう考えてもミスキャストですが。いやーこの先どうなるのか、と期待しながら観てました。ラストまでは・・・。 と言うのも、ラストへの収束の仕方がハンパじゃなく投げやりなんです。「じゃ、戦争やめちゃおっかー」という軽いノリがすべてを物語ってます。なんで戦争したんか分からんし、なんでふたりが惚れ合ったんか分からんし、なんでカカシがでてきたんか分からんし、まぁさすがにソフィーが老いたり若返ったりした理由は分かりますが、とにかく説明をぜんぶ省略したのが監督の意図であるかのような作品に仕上がっております。なのでノリは軽いのですが、さすがに大人は考えますよねぇ。説明を放棄すればいいというハナシではないのです。ちゃんと詰めたうえでさらっと流していかんと。全体的に考えさせる映画にしたかったのか、魔法使いのおとぎ話にしたかったのか、どちつかずの散漫な映画になった気がしてならないです。 しかしまぁ、アニメって大変だと思います。とくにジブリは。ちょっと考えさせる映画にしようとすると監督の意図は抜きにして、観客から「子供向けにもっと夢と希望を!」という声でてくるわけで。そこまで考えること自体が考えすぎな気もしないでもないですが、やっぱりこれはいただけなかったです。おもろかったのですが・・・。どっちやねん。というわけで、甘め甘めの7点です。あまーい。 [DVD(吹替)] 7点(2005-12-07 17:31:01) |
17. COWBOY BEBOP カウボーイビバップ 天国の扉
かなりまえに一度レンタルして鑑賞中に寝てしまったので、もう一度チャレンジしてみることに。ちなみにテレビ版は未見で、まったく情報を持ち合わせておりませんでした。で、どやったかと言うと。んー、これはとことんおもしろくなかったです。ストーリーに新しさがないというか・・・。どうも「静かなバージョンの最近のルパン」のような。観ていてわくわくしないし、かと言ってじっくり観れるもんでもない。やっぱりこういうのって、テレビ版見てからのほうがいいと思います。この映画のなかでは、キャラの説明があんまりなされてなかったし。というわけで、3点です。どういう方にオススメすればいいんやろ。えーと・・・テレビ版の熱烈なファンかなぁ。ま、そんな感じで。 [DVD(吹替)] 3点(2005-12-01 03:49:57) |
18. 岸和田少年愚連隊
俺は関西出身です。ナイナイ好きです。井筒監督も好きです。と、贔屓できる要素はたくさんあるのですが、良い子ちゃんで育ってきた自分には、何をしたい映画なのかさっぱり分からず何の感慨もありませんでした。これは俺のアイデンさんとティティさんを否定された気がして悔しいので、原作読んでからまた出直してきますわー。でもたぶん、あかんのやろうな。というわけで、3点です。ブルーリボン賞をもらったナイナイのおふたりを観てあげてください。 [DVD(吹替)] 3点(2005-12-01 03:29:03) |
19. ロスト・イン・トランスレーション
旅先で出会った人と・・・というシチュエーションは、ひとりで海外を旅したことがある方なら、理解できる方もいるのではないでしょうか。かく言う自分も、この映画で描かれているような出来事を冬のヨーロッパで経験したことがあります。孤独を感じさせる薄暗く寒い冬のヨーロッパと、「砂漠」とも唄われる殺伐とした花の都・大東京。両者にはどこか通じるところがあって、この映画に自分を重ねて感情移入しながら観ることができました。というわけで、この点数です。 そこまで感情移入できたのに、なぜこんな中途半端な点数なのか。ということについてですが。いや、べつに日本人の描写が間違っているとかそんな野暮なことを言うつもりはないです。そう表現したなら、そう見えたんやろう。それは責めるべきことじゃないし、仕方ない、というくらいにしか感じません。ただ、その表現に計算が見え隠れして若干の悪意を感じたところに問題があります。病院のシーン然り、マシュー然り。本当になくてはならないシーンだったんでしょうか。あんたそれ分かっててやってるやろう、という。分かってるなら、もっといいシーンを入れてほしかったです。 そのへんをもうちょい詰めれば、もっといい映画になると思います。というわけで、7点。これ以上はつけられないし、自信を持って人に薦めることもできませんが、心の内に大切にしまっておきたい作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2005-11-30 02:58:46) |
20. 東京ゴッドファーザーズ
可もなく不可もなくといったところ。伏線があちこちに張り巡らされていて、どんどんイベントが発生していきます。なのでかなりテンポはいいです。手堅くうまいと思います。ただ、そこに一秒たりとも感情移入することができませんでした。 理由は自分でもいまいち分かっていませんが、手堅すぎてスリルに欠けていた、とか、あざとさを感じた、とか、キャラクターに魅力を感じなかった、とか、この作品がアニメでなければならない理由がいまいち見えてこなあった、とか、まぁ斬新な意見はひとつもないので割愛いたします。 ただ全体を通して、スピードは速いけど、ずーっとまっすぐで単調なすべり台に乗せられているような感覚でした。ストーリーが予定調和、というよりは、アニメとして予定調和だった気がします。というわけで、6点です。 [DVD(吹替)] 6点(2005-11-13 02:32:35) |