1. 2046
久しぶりに映画館に行って、久しぶりにスクリーンに向った。事前の情報はほとんどなくて、ウォンカーワァイ作品と言うことと、キムタクが出ていると言う事くらいは知っていた。カーワァイ作品はけっこう観ているつもりだけど、これまであまり上手く理解しているとも思えない。他の作品の過去の自分のレビューを読んでみると、理解できていないことがよくわかる。正直に言えば、あまり期待していなかった。カーワァイ作品に期待するのは精神衛生上よくない。基本的に期待は裏切られる。コンセプトはよくわからない。メインキャストクラスの人間が数分の出演時間で終わったりする。そんな感じで、僕はスクリーンに向った。関係ないが、僕は映画を観ていると右手の人差し指の第1関節と第二関節の間を噛む癖がある。この癖には二通りの役割があって、一つは眠さをこらえるため、一つは興奮を抑えるためだ。この映画を観た後は僕の右人差し指には大きな歯形がついた。眠かったこともあり、興奮したこともあり、けっきょく二つの理由から僕は終始人差し指を噛みつづけた。冗長だという意見には、やっぱり反論できない。かといってこの作品を90分にまとめることができるかと言えば、僕は無理だと思う。削るべきエピソードはみあたらないが、しかしどうしようもなく長くも感じた。僕にはカーウァイ監督の映画に明確な答えなんて出せないだろう。彼の映画を必死になって語るのもなんだか恥かしい。だけど、たぶん僕はだらだらと彼の映画を観つづけるんだろうな。そんなことを思った。 7点(2004-11-01 02:33:55)(良:1票) |
2. 花様年華
加齢からくる色気といったものを、キャストの一人一人から感じた。重苦しくも華やかな、甘い空気はある年齢を越えた女性と男性の恋からしか生まれないだろう。しかもそれを、一コマ一コマに十分に時間を与え、個々の感情の動きを丹念に追っていったからこそ、表現できる世界である。そして、その時間をこちらの感覚器官を麻痺させるような映像美で見続けさせたクリストファードイルの力には、映画の奥深ささえ感じる。 8点(2004-01-17 20:43:36) |
3. 欲望の翼
内容は正直よくわからない。僕が映画を観始めて最初の頃に観た映画だから、理解できていなかったという事もある。しかし、「この映画は理解しようと頑張る映画ではないような気がする。」という詭弁で終わってしまうのももったいない作品である。あえて言えば、「一瞬一瞬の主役であるレスリーチャンの心の動きを丹念に追いかけ、その煌きの満喫していけば、その空気となる質量を持たない思考の沈積が、この映画を創り上げている。」といった風に感じられたと言えるのですが、これも一つの詭弁でしかない。評価の難しい作品。 7点(2004-01-17 20:37:50) |
4. 天使の涙
香港の街には、本物と偽者の間の境界があやふやになる、不思議な空間がある。それは、プラダのバッグだったり、SEIKOの時計であったり、ナイキの靴だったりするのだが、それらは本物であろうとなかろうと、強烈に自己を主張してはばからない。その真偽混在のカオスの中に、うごめく"リアル"は、人々の欲望と、恋と、力である。そんな、香港の「パチモン臭さ」を、ウォンカーウァイは見事に映画にした。それは、実は創り手の彼にはまったく意識されない臭いなのかもしれないが、観ているこちらには強烈に意識される、鼻をつまんでも抑えきれない臭いだ。もちろん、彼の映画を「香港そのもの」ととらえることには躊躇を覚える。香港映画といえばすぐにも思い浮かぶアクションや、大陸という近くて遠いルーツから影響される仁義や誇りといったものを、彼はまったく踏襲しようとはしない。しかし、それは、これからの時代が決めることでもある。我々はウォンカーウァイという、香港という特殊な土地、特殊な時代に生まれた、一種の"詭弁"を楽しんでみよう。 6点(2003-12-27 23:12:13) |
5. 宋家の三姉妹
面白いかと言えばそうでもなく、かといってつまらないわけでもなく、史実に正しいかと言われればそうでもなく、かといって間違っているわけでもない。なんというか、中途半端ですね。ドロドロとした愛憎劇を期待していたわけなんですが、とことん美化して伝えたいんでしょうか?現代の、全体を俯瞰できる時代で作っているんですから、また時代考証のされているストーリーなんですから、もっと深く描いて欲しかったなと思います。宗美鈴は公開時にはまだ生きていたはずだから、それに遠慮でもしたんでしょうか?とにかく、綺麗に小さくまとまっちゃったな、という映画。 6点(2003-12-26 23:26:18) |
6. 無問題2
これまであまりB級アクションは観ていなかったわけですが、とりあえず観賞。特に悪いとも思いませんでした。昔の香港映画のアクションと、最近の香港映画のお洒落さを足して4で割って、流行りの映画のパロディーで水増しして、それでもちょっと足りないくらいが、いい感じです。酒井若菜が下手だとか、岡村隆史が下手だとか、サム・リーも下手だとか、ユン・ピョウに失礼だとか、思うかもしれませんが、落ち着いてくださいな。とりあえず、主役の名前の『健介』に笑ってみたり、ストーリーの強引さに笑ってみたり、矢部登場で笑ってみたり、長島一茂に笑ってみたりすればいいんじゃないでしょうか?実家のどこかにたぶん保存してあるANNを聴きかえしてみようかな、なんて思っただけでも収穫です。 6点(2003-12-15 13:36:59) |
7. 紅夢
コン・リー絶賛映画だとは思いますが、あえて第三婦人の演技を褒めておきましょう。この映画のキーとなる役で、切ない歌と、切ない心情を上手く演じていると思います。映像はイーモウ監督の映画は安心して観ていられますね。あの「ポンポンポンポンポン」が良かったです。 7点(2003-12-13 13:34:09) |
8. ブエノスアイレス
同性愛モノの映画は「ブエノスアイレス」「ジュテーム~」「傷ついた男」と3本観たんだけど、これが一番ソフト。そのぶん楽に観れました。同性愛への偏見だとか、同性愛独自の悩みだとかが描かれていないので、普通の男女の恋愛みたいですね。レスリーもトニーもいい演技なんだからちょっと切なくなってしまいました。最後にメイキングが入ってたんですが、トニーの「ブエノスアイレスに着いて内容を聞いた」って、レスリー相手なんだからかなり焦ったろうに。これがマジで笑えた。関係ないけど、レスリーのジャケットカッコいいです。それにしても男の同性愛って、どうして必ずパンツがブリーフで、しかもそれが眩しいくらいの白なんだろう? 7点(2003-12-10 19:53:53) |
9. 楽園の瑕
ストーリーはよくわからない、感情移入も当然出来ない、2時間の間に観ている映画の基本を大きく裏切ってしまう。はっきり言って、カーウァイは観客に優しくない。それは、観ているほうも辛いですね。それなのにそれなのに、観始めると続けて見てしまうのがウォンカーウァイ作品なんですね。中毒的な魅力。それは、出ている香港映画スターの演技の魅力もあるが、クリストファードイルの魅力もあるが、何よりカーウァイ自身の魅力が凄いのだろう。はっきりと、その魅力は指摘できないのだが。 6点(2003-12-10 19:38:48) |
10. 少林サッカー
妙な話ですが、この映画は意味がわかると面白くないですね。僕は、この映画を最初中国で観ました。もちろん字幕も吹き替えも無しの広東語です。バスの中で上映していたんですが、最初から最後まで笑いっぱなし。もう大爆笑です。バスの乗客みんなで笑ってました。ホントに面白かった。で、言葉はわからないけど、それでも現地のVCD買って、帰ってPCで観て爆笑。けど、字幕入りのDVDをレンタルで観たら面白さが半減なんですね、これが。意味がわからないうちは爆笑してたのにな。セリフをみるとナンセンスギャグが痛かった。残念だ。 6点(2003-12-02 18:38:54) |
11. 變臉~この櫂に手をそえて~
こういう「泣かせる」という傾向のものは駄目だと思ったんだけど。。。参ったね、すごく良かった。クーワーの演技が素晴らしい。しかもアクション(雑技)がきちんと出来ていて好感。變臉王の朱旭は貫禄ですね。とにかく見応えのある映画でした。 9点(2003-11-04 02:33:08) |