Menu
 > レビュワー
 > キリコ さんの口コミ一覧
キリコさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 982
性別 女性

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : イギリス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順123456
投稿日付順123456
変更日付順123456
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12ヶ月
面白くていろんな場面でかなり笑えました。 コロコロした体型にぴったりドレスでヨチヨチ歩き、パラシュートで豚小屋に落下で糞まみれ、、レニーの体当たり演技はお見事。太めでドジなブリジットがエリートでやさしいマークを恋人にする、なんて嘘っぽい話もスクリーンの中では違和感なく楽しい。 レニーのブリジットは親近感のある等身大というのが共感しやすく、彼女の持ち味とブリジットのキャラがマッチして何をしても愛らしく見えます。 今回はマークのコリンが格別に素敵でかっこよく、ダニエルのヒューは相変わらず軽くて存在感も薄かった・・オープニングのサウンドオブミュージックなどの趣向も楽しい。気楽に見て楽しい気分になれる作品です。 
7点(2005-03-26 23:15:21)
2.  八日目
人が皆違うように、一口にダウン症といっても現れ方は性格や程度など様々だろうから、ジョルジュのような人もいるのかもしれない。でもなんか違う、、作為的という気がして素直に見られなかった。 彼の様々な問題行動は純真のようでいて”ずる賢い”、という感じで違和感があって好感が持てないし、一方のアリーも妻があれほど嫌がっているのにストーカーまがいに押しかけたりするので同情も共感もできない。二人の友情物語にしてもそれぞれの結末にしても、感動狙いといった胡散臭さを感じてしまって後味の悪さだけが残るようだった。   
4点(2005-03-19 23:03:30)
3.  運命を分けたザイル 《ネタバレ》 
実話を再現ドキュメンタリー風に描いているが、実際に遭難したアンデスの雪山などでロケしたという吹雪やクレバスの中などの映像がリアルですごい迫力! 撮影したスタッフやキャストはどんなに大変だったかと苦労が偲ばれる。切り立った氷壁を登って登頂に成功してからの下山途中にジョーが滑落してザイルで宙吊りになってしまう。ザイルで繋がれたサイモンは必死で支えるがとうとうこらえきれずにザイルを切ることになる。このあたりもドラマチックだが、ザイルを切られてクレバスに転落してからのジョーの行動がすさまじくてここからがさらにドラマチックで感動的。偶然クレバスの棚田に落ちたものの滑落で片足を骨折している。ここで死を待つよりは、、とクレバスの底へ降りていく決断もすごい勇気だと思うが、クレバスの底が地上に通じていたなんてのも奇跡的な話。 雪原に出てからは這って進み、岩場になってからは片足飛びをしては転びながらひたすらベースキャンプを目指す。岩場で転倒を繰り返しつつ前進するその壮絶さを見てるだけで体に痛みを感じるほどだった。 心身共に極限状態でのその心理状態を生還した本人が語っているが、人の生命力には想像を超えるものがあると感嘆する。ベースキャンプ近くまでたどり着きそこにまだサイモンがいたことも幸運だった。 生還できたのは本人の強い意志や生命力もさることながら、何か大きな力があったように思えてならない。 こうしたリアルな再現映像の合間に当事者たちのインタビュー映像が度々はさまれて、映像が途切れるのがちょっと惜しい気もする。   
8点(2005-03-19 22:23:13)(良:1票)
4.  ストレイト・ストーリー
D・リンチ監督と聞いただけで私は引いてしまうのですが、これはそれまでの彼の作品とは思えないほど淡々とした作りです。これを最後に死んでしまった老優に合掌。少し頭の弱い娘役のシシーも良かった。確執のあった兄弟と和解し、心残りなく人生を終えたいという老人の思いがトラクターでの旅行という涙ぐましいものなので、その一途さが切なくも心に響きます。
7点(2005-03-19 21:34:46)
5.  マダム・グルニエのパリ解放大作戦
ナチに占領されたパリで娼館のマダムと娼婦達がドイツ軍に抵抗して大活躍するというコメディ。多分ピーター・セラーズは3役、そのうちのイギリス将校は変装するので5役くらいやってるように見える。「博士の異常な愛情」での怪演は凄かったがここでも見事な変身ぶり。特にあの人・には恐ろしいくらい似ている。面白さで先の映画と似た感じもあるので好きな人にはこれも楽しめると思う。マダム達と共に活躍するのが神父!やドジなアメリカ人坊ちゃん、さらに彼女達がドイツ軍人たちをやっつける娼館の奇天烈な仕掛けや薬など可笑しくてかなり笑える。40年からパリ開放までの話をテンポよくコミカルに描いてとても面白かった。 
8点(2005-03-02 00:04:27)
6.  ライフ・イズ・コメディ ! ピーター・セラーズの愛し方
本作でJ・ラッシュは一体何役やったんでしょうか。声色まで変えて演ずる変化自在のカメレオン振りにはビックリです。 P・セラーズの演じた役のコピーや作品、実在のスターや監督なども登場してそっくり振りを見せてくれるのがとても楽しい。 どんな役でも自在に演じ分ける名優が、実はあまりにも役に成りきってしまうが故の悩みを持っていたなんてのが驚きです。 これで思い出すのがW・アレンの「カメレオンマン」の主人公。何にでもなれるがゆえに自分自身を失ってしまうというのはセラーズの人間像に重なって見えます。(もしかしてモデルはセラーズ?) でも自分を空っぽ(あるいは無色)にして違う人格を注ぎ込み(染まって)役に成りきる、 というのはある意味役者の究極の姿でもありましょう。それが強いあまり自己を見失って不安になったり、美女に弱く、マザコンでカッとし易い子供のように幼稚なところもあるなどといったエピソードの数々は意外な名優の素顔が見えてとても興味深いものがあります。 忍耐強く彼を支える最初の妻をエミリー・ワトソン、再婚したブリット・エクランド役をシャーリーズ・セロンが演じるのも楽しい。セロンはブロンドヘアが可愛くてちょっとB・Bのようにも見えます。 映像的にもシーンからシーンへの変化の見せ方なども凝ってて面白いと思いました。 それにしても未だに見るチャンスのない「チャンス」がますます見たくなります。    
8点(2005-03-01 23:59:15)
7.  アレキサンダー
何かと芳しからぬ評価が聞こえる本作ですが私は劇場で見る価値のある力作だと思いました。 4万対25万のガウガメラの戦いやインドでの像軍団との戦いは迫力があるし、 バビロンの空中庭園などのセットの壮大さや雄大な砂漠や山岳地帯のロケーションなども見物だと思いますが、字幕を見てるとじっくり味わう余裕もないのが残念です。 今のギリシャからインドまで遠征するなんて気が遠くなるような話ですが、何しろ2300年以上前のことですから判らないことも多いわけですがそこに謎やロマンもある、ということで主に偉大な大王の内面的な部分の解明に焦点をあてて描かれます。このあたりが娯楽的には真面目すぎるかもしれませんが、ドラマとして見るとなかなか面白いと思います。 幼い頃の父母との関係、特に母親から受ける呪縛は彼の行動に大きな影響を及ぼします。 見る前は違和感があったコリンの金髪大王も、少年アレキサンダーとよく似てたのですんなり見られました。 この少年も暴れる裸馬を乗りこなすシーンなど上手で良かったですが、コリンは夢と野望に突き進む強さの反面、人間的な弱さや孤独を見せるというアレキサンダーを見事に演じたと思います。蛇を持つ妖しい母のアンジーも良くて、特にスモーキーな眼色を生かしてその強さや妖しさを出したのが印象的でした。見ごたえは十分あるものの印象としては今ひとつ心に響いてこない という感もあるのですが、それでもトロイなどと比べてもしっかりした作りに好感が持てます。     
7点(2005-03-01 23:52:09)(良:1票)
8.  堕天使のパスポート
大都市の移民や不法滞在者を主人公にしたという題材が新鮮で、サスペンスタッチの展開も面白かった。 需要のあるところに供給がある、というわけで、ここでその対象になるのはびっくりのシロモノ。ウーン、、これを伏せるとちょっと書きにくいんだけどこれ以上書いていいやら悪いやら・・ 一応サスペンスだし話についてはホントに書きにくい。 一つ言うと私たちならば簡単に手に入るパスポートも事情ある人たちにとってはとてつもなく貴重なものだということ。外国でパスポートが狙われるというわけもよく分かる。 シェナイ役のオドレイは、アメリのイメージとは全く違う感じのオドオドした日陰のトルコ難民。 彼女を助けるアルジェリア人オクウェ役のキウケテル・イジョフォーは「ラブ・アクチュアリー」にも出てた人だけど、ここでは役得もあって印象が強い。その他弱者を食い物にするR・デ・ニーロ似の支配人など、登場人物たちの事情が次第に明らかになっていくところも飽きさせない。 話にいくつか疑問点もあるものの、ストーリー展開についてはスカッっとしたしとても興味深くて面白かったので7~8点と迷いつつ、、  
7点(2005-02-19 13:42:44)
9.  マン・オン・ザ・ムーン
私もラストのお葬式のところでぐっときました。でもカウフマンのお笑いはそれほど面白いとも思えない。おおかたの喜劇役者や芸人はお客様は神様というスタンスで楽しませようとするものですが、カウフマンときたら手の込んだ仕掛けで客を引っ掛け、びっくりさせて自分が楽しんでるような感じです。アメリカ人は引っ掛けられてもそれを面白がることができるから人気があったんでしょうが、日本じゃ受けるどころか悪趣味とヒンシュクをかってしまいそう。 かつての踊り子のおばあさんを踊らせてばったり倒れさせ大騒ぎ、なんてのがその代表格で、こういう芸風が受けるなんてのがアメリカの不思議なところ。自分のガンや死までがその芸の一つではないかと思われてしまったり、一縷の希望をかけてフィリピンまで行ってそのパフォーマンスのからくりに気づいて笑うところも皮肉この上ない。 見事に引っかかった客みたいで可笑しかったんでしょうねぇ。 ジム・キャリーは達者なところがいかんなく発揮されてはまり役。ジムともう一人のクリフトンは見事にそっくりでしたね。え?ラストのカウフマンは誰??
7点(2005-02-17 22:05:55)
10.  オペラ座の怪人(2004)
ゴージャスで素晴らしい衣装や美術と全編を彩る甘美な名曲の数々。テーマ曲の序奏に乗って豪華なシャンデリアが上がるオープニングですでにワクワクして感動し、歌やドラマが盛り上がると涙腺も刺激されて感泣。 もう何年も前に見た四季の舞台ですっかりこのミュージカルメロディに魅了されたものとしては、この映像と音楽の2時間半に浸ることができて満足満足です。ストーリーは定型なのでほとんど舞台そのままの運びですが、映像ならではの表現が迫力や広がりを見せるのでまた違う良さもあります。 ミュージカルでもこれほど音楽が主役でどれも美しいのは特筆ものの作品ですから、主な出演者が吹き替えでなく歌ってるのは当然嬉しいわけで、中でもクリスティーヌのエミー・ロッサムは可憐だし歌は声もきれいで素晴らしい。 怪人はラウルともども美形でかっこいい。でも怪人は主役だし実力で選んだならもう少し低くて声量のある歌唱力を、、という気がしないでもない。バンデラスという声もあったそうでそれでも良かったかも。カルロッタ役のM・ドライバーは吹き替えですがイタリアなまり?の我侭な歌姫がはまってました。 とはいえメロディが美しい名作ミュージカルなのでこれだけ聞かせて見せてくれれば上出来だと思います。帰ってから久しぶりに四季版ミュージカルを聞いて余韻に浸りました。      
8点(2005-02-02 21:35:32)(良:2票)
11.  スライディング・ドア
なんといっても巧みなストーリー作りとグィネスの魅力がイコール作品の魅力。 地下鉄に乗った場合と乗れなかった場合の二つのストーリーが混乱せず進行し、時にニアミス してるなんてのがなかなか凝っててうまい。グィネスが着こなす普段着からドレスまでいろんな ファッション、ロングやらショートのアレンジヘアやらと豊かな表情を見てるだけでもかなり楽しめる。まさにグィネスの魅力に満ち溢れた作品。 ユーモアもあるし落とし方がどうなるのかと最後まで興味を引き付けられる。 残念なのはやはり恋のお相手がイマイチでムードに欠けること。 惜しい!素敵なハンサムならもっとロマンチックに盛り上がったのにね。     
7点(2005-01-30 21:53:51)
12.  バルカン超特急(1938) 《ネタバレ》 
謎めいた話の展開にマジックなどの小道具や伏線の張り方の巧みさ、スリルにユーモアやラブロマンスまで盛り込んで面白くてよくできてると思います。 話のトリックはなんとなく想像できましたが、なぜ老婦人が狙われるのかというのは明かされてなるほど、と分かるまで謎めいてました。「お茶の時間だ。イギリス人はみな食堂車にいる」とか野球よりクリケットなどイギリス人を茶化すようなセリフが楽しくて愛情を感じますが、このイギリスを強調するようなところが案外意味深のような気も、、、 以下時局を感じての私見ですが。。。途中列車に乗り込んでくる軍人がナチみたいでした。製作年の1938年というと大戦前年のきな臭い頃で、架空の小国バンドリカというのがヒトラーのドイツを念頭においたような感じがする。 すると最後に食堂車のイギリス人が一致団結・協力して戦うというあのシーンもイギリスの当時の心意気を表してると考えると分かりやすい。老婦人の役割や狙われる危険性も納得、ということで時代背景と絡めて見るといっそう興味深かったりします。 
8点(2005-01-27 21:31:29)
13.  五線譜のラブレター/De-Lovely
私はコール・ポーターのミュージカルやスタンダードナンバーにも疎いのですが、ショー場面などミュージカルらしい華やかさが楽しめました。ナタリー・コールやエルヴィス・コステロなど登場する歌手たちや歌をよく知っていたり、お好きな方ならもっと楽しめるのかもしれません。 歌やショーを絡めながらポーターの人生を回顧するという形式で彼と妻との関係が描かれますが、印象としては妻ナタリーの深い理解と寛容によって築かれた愛情関係という感じです。ポーターの同性愛嗜好を知ったうえで結婚し創作と成功の支えとなり、自分亡き後の夫の世話係まで用意するというのは普通には理解しかねるほどの夫婦の姿ですが、これは人間性以上に彼の才能を認めていたゆえなのでしょう。そんなナタリーを演じるアシュレイ・ジャッドは落ち着いた声と物腰で、優雅なファッションや真珠のアクセサリーなどを身にまといとても美しく魅力的でした。ケビン・クラインのパリッっとしたスーツ姿も素敵で、自演してるピアノや歌も良かったです。ストーリー的に感動というところまではいかなかったのですがミュージカルとしては十分楽しめました。びっくりしたのはポーターの切断後の足や老けメイクの巧みさ。アシュレイの老けメイクもなかなか凝ってました。   
7点(2005-01-25 22:23:31)
14.  ネバーランド
静かな感動がこみ上げてくるような素敵な作品でした。 バリと子供たちとのエピソードもピーターとの心の触れ合いも感動的だけど、一番切なく感動の涙がこぼれたのはバリとシルヴィア婦人との大人の恋。 妻は夫のピュアな部分を理解しなかった(あるいはできなかった)のに、婦人は子供と遊ぶバリをみてその心を理解し共に楽しむことができた。お互いに惹かれ合っても立場上抑制された恋心のせつなさ。重い病の婦人にネバーランドの芝居を自宅で見せるバリに婦人への深い愛情が感じられ、美しくメルヘンティックな芝居と相まって感動のクライマックスでした。喪失感に沈むピーターに「想像して信じればいつでも会える」と言い聞かせる言葉は、同じ悲しみにある自らにも言い聞かせる言葉でもあったのでしょう。 子供たちを含め出演者はみな素晴らしいけれど、特にディップのジェームス・バリは「童心を持つ大人」を実に自然に演じて見事でした。 美しいケンジントンパークやロンドンでのお話だし、まるでイギリス映画のような落ち着いて洗練された雰囲気になってるのも印象的です。      
8点(2005-01-22 23:13:40)(良:3票)
15.  ダンサー・イン・ザ・ダーク 《ネタバレ》 
セルマが警官にお金を盗まれたあげくの殺人なんだから事実を言えばいいのに・・ってイライラ。あげくに死刑の場面までご丁寧に見せて益々イヤな気分になる。息子の目の治療のために・・と言いながら周囲の親切にもかたくなな態度のセルマには全く共感できなかった。唯一久しぶりのドヌーブが良かっただけ。今まで見た中でもトップクラスの不快な気分になる作品だった。<追記>皆様のレビューで見かたを教えていただき、なるほどと思いましたがやっぱり私の好みじゃありません。
2点(2004-12-05 21:18:19)
16.  アフリカの女王
私はこのハンフリー・ボガードの印象がいいです。「カサブランカ」のニヒルなイメージのボギーだがこんな男くさい、粗野な役どころも合ってたんじゃないかと思う。なんか生き生きとしてみえる。たくましいキャサリンは彼女のイメージ通りです。ストーリーはそこそこですが二人の演技は楽しめます。
7点(2004-12-05 13:23:19)
17.  モーターサイクル・ダイアリーズ
ゲバラについてはほとんど知らなかったので図書館で見つけた「チェ・ゲバラ伝」三好徹著を見る前に読みました。偉大な革命家という業績以外のイメージで言えば、「瞳が澄んで物静かで知的、まっすぐで純粋な無欲無私の人」といったこの人物像にすっかり魅了されてしまいました。ガエル・ガルシア・ベルナルはそういった魅力的なロマンティストでもあるゲバラのイメージによくマッチしてたし、いろんなエピソードにも人となりが現れていたと思います。ゲバラと友人のアルベルトは知らない土地への好奇心と旅への憧れから南米大陸を北上するという一万キロ以上の壮大な旅をする。 彼らはそこで貧しいインディオ達の暮らしなどを見聞し、様々な問題点を抱えた国々の現実を肌で感じていく。そうしたエピソードの数々が現地ロケでドキュメンタリーのようにして描かれるのがなかなか興味深い。ハンセン病病院でのパーティでゲバラが「患者と共に祝いたい」と川の向こう岸へ泳いでいくというシーンは印象的だった。 これは傍目には無謀であろうとも民衆側に立って困難へ立ち向かうという後年のゲバラの生き方を示唆するものとして描かれたように思う。こういったエピソードや暮らし以外の旅の背景として描かれるアンデスの山々やマチュピチュの遺跡など、美しく雄大なロケーションも良かった。  
8点(2004-12-02 18:41:10)
18.  ロミオとジュリエット(1954)
クラシカルな衣装も歴史を感じさせる石づくりの重厚な建物のロケーションも中世の雰囲気を漂わせ、ジュリエットも清楚で気品があるし、というので古典そのままのような本作もなかなかいいです。 ただこの後作られたフランコ・ゼフィレッリの若々しく躍動感あふれるロミジュリを見ているとどうしてもこのおっとりさが物足りなく感じてしまう。年齢的に言っても若さゆえ思慮も浅く一目ぼれの恋に突き進むというのは、O・ハッセー&R・ホワイティング組の方が説得力がある。舞踏会の出会いの場、バルコニーのシーンから墓場のラストまで、主な場面はいつでも記憶で再生可能なほど焼きついてるこの決定版と比べるとどうしても分が悪くなってしまいます、、ということでごめんなさい。 
7点(2004-11-16 21:49:56)
19.  フルメタル・ジャケット
前半の海兵隊で新兵にのべつ幕なしに浴びせかけられる罵詈雑言は不快でたまらなかった。自分の子供がこんな目にあっていると知ったら親はどんなに怒り悲しむことだろうか。しかしこんなにしてまで理性や人格を破壊しなければ、戦場で人を殺せるよう な人間にはなれない。情感豊かな人間本来の姿では兵士には向かず、ロボットのように忠実で無機質なものにならなければ戦場では役に立たないし生き残れない。こんなことをされたら人と争うのが嫌いな心優しい人ほど耐えられずに壊れてしまうだろう。普通の人間を兵士に改造するというのはかくも残酷で恐ろしいものだというのがよく分かる。狂って自殺してしまう兵士の表情が変わっていくのが真に迫って恐ろしくも見事だった。後半はそうして戦場に出た兵士たちの戦闘が描かれ、女性兵を殺してしまうところなどにその成果を見てこれも印象的だが、何といっても圧倒的に前半部分の印象が強烈だった。 
8点(2004-11-06 18:47:12)
20.  エレファント・マン
ケンドール夫人とメリックがロミオとジュリエットを交互に暗誦し、ケンドール夫人が 「あなたはエレファントマンじゃない、ロミオよ」といってキスする場面などいたるところで泣けてしまう。 彼女は同情などではなくメリックの人間性を見抜いての行動で敬意が感じられるし、彼を助ける外科医が自分の行為を省みて苦悩するのは誠実な証だと思う。少なくともアン・バンクロフトとホプキンスの演技からはメリックに対する偽善や偏見は感じられなかった。メリックは辛い人生を送ってきたが初めて人として認められ、安らかな時の中で教会の模型を作り上げて自分の生きた証を残した。きっと思い残すことなく人生の幕を閉じたのだと思う。      
8点(2004-10-19 20:45:26)(良:1票)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS