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1.  ラブ・アクチュアリー 《ネタバレ》 
これほどまでに作品全体が輝かしいほどの幸せビームを発している映画は、今まで見たことがありません。「愛とはどこにでもあるものだ」というテーマに正面から挑み、しかもそれをここまで自然に具現化してしまったというのは実に素晴らしい。よく見ると、必ずしも全員がハッピーエンドではないのですが、脳天気な人とか、単純明快に決断した人は意外とうまくいっていて、1人でくよくよと悩んでいる人はうまくいっていないというのが面白いです。しかし、この映画で一番素晴らしいのは、うまくいった人に対してもそうでない人に対しても、全員を暖かく優しい視点で包んでいるという点です。だから、これだけ多数の登場人物がいても全員に対して愛着を感じることができるし、見終わったときには自然な形でポシティブな感情がわき上がってきます。
[映画館(字幕)] 10点(2004-02-08 21:05:09)(良:1票)
2.  キャロル(2015) 《ネタバレ》 
こういう奥行きが深い役をケイト・ブランシェットに与えて、出番を存分に与えていれば、あとは当然のようにクオリティが上がっていくわけで、見る側としてはどっぷり浸りながらその演技を堪能していればよいわけなのです。しかししかし、さらにびっくりしたのが、ルーニー・マーラの存在感と表現力で、ブランシェットが次々に投げ込む剛速球や超変化球を、平然と全部ボレーで打ち返すがごとき高感度ラリーを繰り広げているのです。その上で、最小限の言葉で背景を言い尽くす上品な脚本と、慎み深くも職人芸を感じさせる映像や美術の充実が加わったら、もう言うことはないのです。そして、ここぞという箇所に凝縮されているベッドシーンの美しさも、監督の登場人物に対する深い敬意と愛情を感じさせます。
[映画館(字幕)] 9点(2017-10-24 01:02:24)
3.  めぐりあう時間たち 《ネタバレ》 
細部まで一字一句を無駄にしない、また疎かにしない脚本の凝りように唸らされるが、それに加え、主演3人の卓越した演技力で、最後まで先々への興味を引っ張ってくれる。とりわけ、ストリープとムーアは実力通りとしても、ニコール・キッドマンがそれと互角の存在感を放ち、また他の2人との対比での締めの芝居を堂々と行っているのにはびっくりした。さらには、クレア・デーンズやジョン・C・ライリー、トニ・コレット、ミランダ・リチャードソンといった脇役たちも、各自の位置づけを十分に理解した確実な芝居を見せてくれている。3人の人物が、それぞれ、影から出てきてまたひっそりと影に消えていっているような、独特の雰囲気も心地よい。●改めて見てみると、主演の3人は、共演シーンは(ほぼ)ないにもかかわらず、どのシーンでも、「ほかの2人はどう演技しているか」を把握した上での芝居を行っているんだなあ。凄すぎ。
[DVD(字幕)] 9点(2006-08-01 00:52:20)
4.  日の名残り 《ネタバレ》 
冒頭、エマ・トンプソンの気品と迫力溢れるモノローグで、一気に作品に引き込まれる。職務に忠実であることを至上命題とする(しかし、それに嫌味がない)執事と、理知的でありながら自然に内面を表している女中頭の、無言の心理攻防戦。本を取り上げようとするシーンの一瞬の接近がもたらす官能性と、ホプキンスの冷たい一言にエマ・トンプソンが涙するシーンがもたらす感情の重さ。これこそ名演だと思う。さらには、音楽や美術や照明関係の充実も素晴らしく、まさに作中の使用人たちのような職人芸の誇りを感じさせる。つまり、この映画そのものが、私たちにとってのダーリントン・ホールなのだ。
[DVD(字幕)] 9点(2006-01-23 00:49:41)(良:3票)
5.  ソフィーの選択 《ネタバレ》 
最初に見たときは、現在の妙な三角関係の描写ばかりで話が前に進まないとか、ケビン・クラインが1人で切れすぎではないかとかいろいろ拍子抜けした部分があったのですが、よく見てみたらとんでもない。あの三角関係の中にこそ、ソフィーが背負ってきたものの重さが全部に滲みまくっているということが今頃になって分かりました。ネイサンはひたすら自己中心的でコミュニケーション不全なのですが、解放後に魂を抜かれたような状態になっていたソフィーとは、きっとお互いに同じものを感じ合ったはず。そうすると、ケビンの切れ具合も必須の描写であったことが分かります。また、一気に話を飛ばすことなく、一枚一枚薄紙をめくるように明かされるソフィーの過去も、強力な現実性をもって迫ってきます(「嘘をつきすぎてどれが本当か分からなくなった」というソフィーのさりげない一言が重い)。これこそが人間ドラマの描写です。
[ブルーレイ(字幕)] 9点(2005-07-11 00:18:15)(良:1票)
6.  マーシェンカ
哀愁系・悲恋系ラブロマンスの最高レベルの作品。本題に入るまではややテンポが緩いが、回想シーンのしっとりとした美しさ、クライマックスへ向けて高まる心理、ラストシーンがもたらすとめどない切なさなどは、強烈なインパクトを残してくれる。骨組みはどうということはない話なのだが、じっくりと登場人物の心境を醸成することによって忘れがたいドラマを作ることができるという好例。1日も早いDVD化を望む。
[ビデオ(字幕)] 9点(2005-04-19 21:43:31)
7.  イングリッシュ・ペイシェント 《ネタバレ》 
最初に見たときはただダラダラ長いだけと思っていたのですが、数回見てやっと分かりました。何というか、ひたすらことことトロ火で煮込んでいたら、いつの間にか取り返しのつかない芯の部分の熱量になってしまった、みたいなじわっとしたゆったりした雄大なロマンスの描き方が、そこに身を委ねてみると実に心地よいのです。ラストシーンが冒頭にそのままつながっていく構成も、見るたびに味わいを増してきます。●しかしこの作品をそれだけにとどめなかったのは、ジュリエット・ビノシュの絶大な貢献でありましょう。主演の二人に加えてコリン・ファースをはじめとする助演陣がおり、美術や音響や大自然映像やエキストラの助けが存分にあった過去パートに比べ、現代パートは、廃墟となった修道院内がほとんどで、デフォーなどの助演ヘルプはあるものの、ほとんどはビノシュとファインズの2人芝居です。しかもファインズは寝たきりで表情もなしという演技上のハンデありです。その中で、派手な動きも大げさな台詞もなく、それでいてハナという人格をそこにいるだけで表現しています。このハナなら、いきなり患者を廃墟に連れ込んで同居するという突飛なはずの行動も自然に理解できますし、最後のファインズとのあのシーンも必然のものとして受け止められます。そして実は、過去パートの全体すらこのハナに支えられているという気さえしてくるのです。
[映画館(字幕)] 9点(2003-06-18 01:22:36)(良:1票)
8.  ニコライとアレクサンドラ 《ネタバレ》 
主人公がニコライ2世であるというだけで、もう最後の悲劇は分かってしまうので、前半の壮麗な光景の数々も、そして4姉妹の無邪気な笑顔も、見ていて何とも言えない気分になってしまうのですね・・・。●前半の(映画上の)MVPは、何といっても怪僧ラスプーチンです。華麗な衣装の各キャストの中に、凶報を告げるカラスのごとくひっそりたたずむ黒マント。長身と目力、長髪と髭。この人の名前を聞いて反射的に「ラ!ラ!ラスプーチン!」とつい歌ってしまう私達にも、正確な姿と、そして歴史上の位置づけを伝えてくれます。●レーニンやスターリンも本物そっくりの役者を使っているのも唸りますが、最初にちらりと出てきたそのボルシェヴィキ連中が、中盤過ぎまで画面から姿を消していながら、政府の崩壊とともにあっという間に権力を掌握する逆転の構図。その間の転換点となっているケレンスキーの描写も的確で、既存体制に対する革新側と思っていたら、いつの間にか革新される側になっていた、という皮肉も込められています。●それと反比例して進行していく、皇帝一家への容赦ない扱い。そして最後、あらかじめ分かっていたそのシーンの手前、無音・無言の間がもたらす、絶望的な暗黒のインパクト!
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-11-11 03:36:53)
9.  アバウト・タイム 愛おしい時間について 《ネタバレ》 
主人公がタイムトラベルをいろいろいじり始めたところで、気がつけば、レイチェル・マクアダムスが別の男とくっついている。これではいかんと即座に修正して、ちゃっかり自分に出会いを向けている。厳密にいえば、これは恋愛競争としては「卑怯なやり方」なのだが、リチャード・カーティスはそんなことは気にせず、話をどんどん先に向けていく。彼は主人公には何としてもハッピーになってもらいたいのだし、これはみんなが夢想する「あんなことができたらなあ」の具現化なのだから、作品としてはそれが正解なのだ。そして、いろいろあったけど結びついてハッピー、で収束するかと思いきや、さらに後半は話を飛翔させて、人生全般の次元まで包み込んでしまう着実さ。
[映画館(字幕)] 8点(2014-12-31 21:16:03)(良:1票)
10.  トゥモロー・ワールド 《ネタバレ》 
事の背景なり詳細といったことはびっくりするくらい省き切っているのだが、その前提で大風呂敷を広げるだけ広げ、そして強引につじつまを合わせて収束するという突っ走りぶりは、そんなに嫌いではない。で、長回しは個人的に大好きなので、当然、点は甘め。●再見して気づいた点。(1)めちゃくちゃ主役っぽく登場するジュリアン・ムーアを、ものの30分で退場させる力技。こんなに早かったんだ。(2)やたらと各シーンで動物があれこれ登場するのも、ちゃんと意味があったんですね(空飛ぶ豚=そのものずばり「アニマルズ」もその一環?)。(3)これだけいろいろ詰め込んだら、普通はいくらでもダラダラ長くなってしまうんだけど、きっちり110分に収めている技も凄い。ということで1点プラス。
[DVD(字幕)] 8点(2014-11-24 03:51:17)(良:1票)
11.  オリエント急行殺人事件(1974) 《ネタバレ》 
これだけとてつもない原作なんだから、あとはしかるべき俳優を配置して、急行の内部をしっかり再現して、それをきっちりと撮れば、存分に楽しめる作品が出来上がるわけです。しかし、単なる原作頼みではなく、多岐にわたる登場人物を上手く整理して、全員を必然性のある存在にしています。犯行再現シーンの迫力はいうまでもありませんが、それ以外でも、冒頭で1人1人列車に乗っていくシーンなんかでも、タネを知ってみていると緊張します。ただし、最後はやっぱり原作通りの主犯のスピーチが見たかったなあ。●後で考えると、この作品は、「お客さんに楽しんでもらうこと」を徹底するために、巧妙に原作をいじっているのです。冒頭に誘拐事件をずばり提示して(しかも台詞もナレーションもなし!)後の展開を分かりやすくし、閂がどうのとか細かいトリックは潔く削除。殺害場面は、原作ではものの数行なんだけど、台詞を追加してしっかり時間をとる。最後はキーパーソン2人が立ち上がって、もろにカーテンコール。そうそう、乗車・尋問・犯行・ネタ割り・ラストで順番をいろいろ操作しているのも、オールスターキャストの強みを生かした周到な緻密さが窺えます。というわけで1点プラス。
[DVD(字幕)] 8点(2011-01-24 00:08:15)
12.  ターミネーター 《ネタバレ》 
今見るとこの作品って、最初から最後まで「追いかけられるだけ」なんですよね。途中で各登場キャラクターが別方向にぶれたりはしない。背景だの何だのの説明は必要最低限。その焦点の絞られ方、見る側の想像力に委ねる信頼感こそが、作品のインパクトを高め、写真やベッドシーンに至るまでの周辺部分の説得力を強めています。●(追記)今頃になって気づいたのですが、あの写真の使い方って、もろに「ある日どこかで」じゃないですか。「タイタニック」があちこちであの作品を下敷にしているのは知られていますが、キャメロンはよほどあの作品が好きだったのか?
[映画館(字幕)] 8点(2010-03-14 12:11:51)
13.  スラムドッグ$ミリオネア 《ネタバレ》 
作品の本質は、最後まで突き抜ける一直線のラブストーリー。スラムもクイズも、それを導くための手法にすぎない。その視座が明確に定まっているからこそ、作中に出てくるすべてを飲み込んで、爽快なパワーが輝いている。●再見して思わず泣きそうになったのは、実は、エンディングテーマ中にところどころ挿入される、子供時代の二人が無邪気に踊るカット。現在の大人の二人と、心の中身は同じであるところがミソ。一緒になれて本当に良かったね。
[映画館(字幕)] 8点(2009-04-30 04:17:06)(良:1票)
14.  ロミオとジュリエット(1968) 《ネタバレ》 
オリヴィア・ハッセーの絶句するほどの可愛らしさはいうまでもないが、ただ可愛いだけでなく、きちんと演技をしていることも見逃してはならない。仰々しい台詞回しもごく自然にこなしているし、動作や表情にもきちんと指導が行き届いている。また、それぞれのシークエンスにじっくりと時間をとることによって、衣装なども含めた全体の構築美が作品世界として無理のないものになっている(決闘シーンだけ、少々長すぎか)。欲を言えば、神父は最後すたこらさっさと逃げるのではなく、二人が亡くなった後に現れて含蓄のある一言を決めてほしかった。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2008-02-16 01:50:36)
15.  ナイロビの蜂 《ネタバレ》 
アフリカの描き方が植民地主義的だとか、真相が都合良く明らかになりすぎだろとか、とってつけたようなカーチェイスもどきは何なんだとか、突っ込みたくなるところはいろいろある。しかし、私は、この作品の本質は、亡き妻への思慕と情愛と敬意(この3つ目が重要)に突き動かされ、その軌跡を真摯にたどっていく夫の物語であると理解したし、それに基づいて存分に鑑賞した。だから、あのラストシーンも、悲劇的であり、かつ理不尽であるにもかかわらず、物語のフィニッシュとして必然的に到達しているのである。ラブストーリーは数あれど、夫婦間の敬意を込めた愛情をここまでの極限状況に高めて描き出した作品は、ほかにあまり思いつかない。レイチェル・ワイズのぎゅっと抑えたような演技はもちろんだが、それを(レイチェルがいない場面でも)きっちりと受け切ったレイフ・ファインズの表現が見事。
[映画館(字幕)] 8点(2006-06-04 21:42:44)
16.  いつか晴れた日に
様式時代物の体裁を纏ってはいますが、中身は完全な「ラブコメ」そのものですね。各人物の関係や動きなどはなかなか凝っていますが、場面場面が比較的短時間に抑えられているのが惜しく、せっかく巧者の俳優を集めたのですから、もっと長い会話と芝居の応酬が見たかった。しかし、本作のMVPは何といってもケイト・ウィンスレット。当時20歳、映画デビューした直後とはとても思えないほど、台詞のない場面でも確固たる存在感を示している。エマ・トンプソンも、いつものように堂々と風格のある芝居をしているが、内心ではびびっていたんじゃないだろうか。
[DVD(字幕)] 8点(2006-05-08 00:14:14)
17.  スティル・クレイジー 《ネタバレ》 
何よりも、作中で登場するストレンジ・フルーツの楽曲が、猛烈に格好良く、強烈に70'sブリティッシュ風なのに驚き。これって全部オリジナルなんですよね?音のボリュームを上げすぎて中断するシーンの曲なんて、ビル・ナイがアレックス・ハーヴェイに見えましたよ。中盤過ぎまでは、浅いエピソードを何となくつなげているという印象は否めなかったのですが、再会シーンとラストのブライアンのはにかんだ笑顔、あれは反則です。あれ一発で映画のイメージも全部塗り替えられてしまいました。マネージャーのジュリエット・オーブリーの立ち位置もいい感じ。こういう作品はイギリスにしか作れませんね。
[DVD(字幕)] 8点(2005-10-26 01:49:56)(良:1票)
18.  ショコラ(2000)
とにかく、ジュリエット・ビノシュの一貫した凛とした気品が素晴らしい。それを最大限に生かすべく、カメラは遠近を自在に使い分け、表情・仕草・動きを存分に切り取っています。また、ジュディ・デンチ、レナ・オリン、キャリー=アン・モス、そしてもちろん子役の彼女も、立ち位置を的確に把握した見事なサポートを見せつけています。かえって、ジョニー・デップが霞んでしまうほど。
[映画館(字幕)] 8点(2005-04-19 01:37:54)(良:1票)
19.  ギャング・オブ・ニューヨーク 《ネタバレ》 
数回見てやっと名作だと分かりました。レオは父の敵を討つはずでありながら、手間取ったり逡巡したりしてなかなか前に進まない。スーパースター的な活躍を全然しない。凄くリアリティがあります。デイ=ルイスは、単なる敵役のボスではなく、レオを父の代わりのような暖かさで包んでいる気配がある。キャメロンも、この作品では珍しく立ち位置を把握した的確な演技を行っている。登場人物の造形に一筋縄ではいかない味わいがあります。そして、脇役も含めて、それらの人物の行動が、これまで意外にふれられることのなかったNYという街の生まれていく経過を一体となって表現しています。最初は単なるヤンキーの喧嘩(文字通りだ)だったのが、利権と結びついてマフィアの原型のようになり、それが最終的に国家権力によって制圧される、その構造が徐々に浮かび上がってくるのです。米版キャッチの"America Was Born In The Streets."が見事にこの映画の本質を表しています。それを具現化したのが、当時の街の全体風景を執念で再現してしまった美術陣であり、この頑張りも称賛されるべきでしょう。2時間40分があっという間。
[DVD(字幕)] 8点(2005-03-27 00:46:17)
20.  遠い夜明け 《ネタバレ》 
重い題材を扱っていながら、ビコの言動そのものと同様に、決して声高になったり仰々しくなったりせずに、誠実に力強く主張を伝えてきているのが素晴らしい。だから、この作品は、観衆のそれぞれに普遍性を持ってこの問題を認識させることができるのである。中盤までの充実ぶりに比べ、後半がロードムービーみたいになってやや主題から外れ気味なのがちょっと残念。●と、思っていたのだが、再見して気づいた点。この作品は、「ビコという偉大な人がいました」というだけで終わらせてはいない。それを受け取った者が何をするか、がむしろ主題なのである。ウッズの場合は、すべてを捨て去り、家族まで命の危険にさらしての国外逃亡であった。だから、前半以上に時間が投入されているのも理解できる。そして、クラインもデンゼルももちろん素晴らしいが、ぎりぎりのところで冷静さを保つ妻の立場を的確に表現したペネロープ・ウィルトンの演技も素晴らしい。
[DVD(字幕)] 8点(2005-01-01 03:39:09)(良:1票)
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