1. めぐりあう時間たち
全編が神経症的なトーンで描かれていて、決して体調の悪い時に観たくない映画です。3人の主役女優を使って3つの物語を2時間枠に詰め込んだのは、やはり欲張り過ぎであり、物語が薄味になっていまうのは当然と思われます。何とかそれをカバーすべく単体の女優陣が熱演していますが、空回り、消化不良気味の感は否めません。唯一嵌り役であったニコールキッドマンの演技は秀逸でした。 3点(2003-05-27 13:03:16) |
2. ショコラ(2000)
愛すべき珠玉の名編。チョコレートの甘さと、隠喩としての欲望が、ジュリエット・ビノシュの情感と放逸さにぴたっとマッチ。寝物語の北風のエピソードが、チリペッパーのように効いています 8点(2003-02-12 08:38:26) |
3. 日の名残り
大人が充分に堪能できる綺麗な映画でした。原作、映画とも素晴らしい。英国マナーハウスの厳格さ、執事とは何かという哲学、その矜持を揺らす淡い恋愛感情。アンソニーポプキンズが完璧に演じてます。彼の右に出る性格俳優はいないのでは。 9点(2003-02-06 12:41:07) |
4. ハンニバル(2001)
↓ちょんぎったら9点!には大笑い。何にしてもグロのやり過ぎ。羊たちの沈黙の続編には思えない。ジョディフォスターだったら、一味は違ってたかなとも思う。ジュリアンムーアも聡明そうで悪くないけど、神秘性がない。レクターと対峙する獰猛さもない。 5点(2003-01-23 12:50:10) |
5. グラディエーター
ホアキン・フェニックスの屈折した演技と、コニー・ニールセンの意志の篭められた美しさがいい。ラッセル・クロウの強烈な男臭さが貴重であることは認めるが果たして演技力を誉めるべきなのかどうか、ちょっと難しいところだ。単純な俳優に見えてしかたない 6点(2002-07-30 18:41:58) |
6. テス
亡き妻、シャロン・テートへのオマージュの言葉から始まるのが悲しい。この映画は何と言ってもナスターシャ・キンスキー扮するテスの魅力に尽きる。上映時間3時間弱とかなりの長編のため中弛みしてしまうという意見もあるようだが、極力冗長な状況説明を排し、簡潔にストーリーを紡ぐポランスキーの演出はいつもの如く冴えわたり、観るものを放さない。そしてやはり映像美だ。夕暮れの草原で村の娘たちがダンスを楽しんでいるシーンの美しさに初っ端から打たれ、ラスト、逃亡の旅の果てに辿り着く月光に照らされたストーンヘッジと、朝の淡い光の中で巨石に身を横たえるキンスキーの美しさにため息が出る。こういう女性の描き方が好きな人は多いと思うなあ。 9点(2002-07-30 13:05:13) |
7. リトル・ダンサー
ジェンダーや古臭い慣習やイデオロギーは新しい時代の波に飲み込まれ、人々の希望として残っていくのは、〝ダンスへの欲望〟〝才能への賛美〟となる。親父や兄貴の厳しい現実。彼等を愛しながら自分の才能に気づき始めるビリーの心の揺れを描く当たりが繊細でいい。女コーチに悪態を垂れて、その後彼女の肩で泣くシーンなんか、いいシーンだと思いました。演技も上手。 8点(2002-07-08 12:34:05) |