41. ハイランダー3/超戦士大決戦
いやいや、まだイケルよ。去年DVDも買ったし。現代日本の部分がなんともウルトラQっぽい…予定外のとこで受けた。 6点(2004-06-22 03:39:34) |
42. シンプル・プラン
最初観た時は「えーっ! これがライミ映画かよ~」って気がしたんですが、何年か経ってジワジワと沁みてきました。ライミって監督としては小者だと思うんだけど、逃げを打たずに堂々と演出する点が特徴です(だから『キャプテン・スーパーマーケット』なんかの自爆っぷりが凄いんだが…)。この映画は、ライミ流の「ごまかさない演出」が最大限プラスに働いて、田舎の人間像が上手に構築されていますね。個人的にはもっと田舎人の煩悩思考を全面に押し出して欲しかったけど、都会派監督にはこれが限界かな。あと、オイラ北海道人ですが、雪の描写は巧いですよ。雪の硬さ・柔らかさ・冷たさ・暖かさが肌に感じられるほどでした。これは原作の描写も影響してると思いますが、好得点です。 6点(2004-05-23 16:28:36) |
43. シャルロット・フォー・エヴァー
ここのレビューにまったく同感。果てしなくイタい映画です。昔、この映画を『なまいきシャルロット』の併映で見てしまい、甘酸っぱいだけのメインタイトルとは違って、インパクトは当然こちらの方が上でした。ここまでイタけりゃ評価も上がるさ。延々尻振り娘と、欧州一のダメ親父に完敗さっ(泣笑)。 5点(2004-05-09 04:43:34) |
44. 奇人たちの晩餐会
欧州コメディ界がついに「ボケとツッコミ」を発見した! という記念碑的作品かもしれない。だが日本人はこの路線で長年鍛えられているのだよ(冷笑)…というわけで、オイラ的にはTV特番レベルの映画でした。でも笑っちゃうんだよね。『民族の祭典』と交互に見るという暴挙をしてたおかげで、前半はいまいちノレなかったんだけど、間違って奥さん追い返してから(本気で「バカやな~」と思った)はもう止められませんでした。 (追記:昨日これ書いた時に、ひとつの単語が頭に引っかかってどうしても思い出せなかったんだけど、ようやく出てきました。藤山寛美。そう、藤山寛美の味なんだ! ああこれでスッキリ。三波伸介・てんぷくトリオの方が近い気もするが…) 5点(2004-05-05 00:15:27)(良:1票) |
45. ゴールデンボーイ(1998)
《ネタバレ》 キングの原作は、多分最初から映画化を念頭に置いて書かれていたと思う。超常現象とサイコサスペンス抜きで「心の闇」というテーマに正面からぶつかっている。かつてのナチ収容所長ドゥサンダーは原作と同じように虐殺の《職人》として描かれる。仕事でやってたんだから猟奇殺人者のように精神が蝕まれないかと、言うとそんな事は全くなくて、ちょっと機会があればナチの異常性を取り戻してしまう。キングが描いた物語を中盤まで忠実になぞったおかげで、映画版も「悪」「犯罪」という分けづらいモノの分離に成功しているようだ。惜しいのは画が季節感に乏しく、また実際に物語の最初から終わりまで、原作のように数年かかったわけではなさそうだという点。原作で、最初にドゥサンダーの元を訪れたトッドは14歳だからね(最終的に18歳で自滅)。この、子供の無邪気さが残る微妙な年齢設定を活かしてほしかった。クライマックス以降は予定調和なので、正直どうでもいい。むしろ原作版よりこちらの方が恐ろしかった。これから、ナチ将校から譲り受けた心の闇を抱えて生きていかにゃ~ならん! という重圧感が重く圧し掛かってくる(でもラストの画はもうちょっと何とかならんのかね)。ラストに大量殺人を持ってきてR指定になるのを避けたかった、というのが製作側の本音だろうけどねえ。もっとも昨今の映画はDVD化を当て込めるわけで「原作通りのラストも一応撮っておいて、特典に収録」みたいな技を使ってもよかったかも(足元には箱入りの弾薬。高速道路を遠目に見ながら、ライフルを掲げて「俺は世界の王様だぁ~っ!」と叫ぶトッドを後ろから撮って、後の展開は字幕で…エキストラなしの一発ロケ。安くて済むよ、シンガーさん)。 [DVD(字幕)] 6点(2004-05-04 08:24:50)(良:1票) |
46. ガンダーラ
しっかし2年で1感想のペースとは、人気のない映画だ。鬼才ルネ・ラルーを味わうという意味では、彼の作品中でベストな映画と言えるでしょう。それまでの2作と違い、テンポにゆとりが出てきて散歩するような感覚で彼の世界を楽しめます(内容は結構アドベンチャーだけど)。これを彼のマンネリ・老化現象と捉える事もできるんだけど、モトがあれだけのヒトなので、老化してやっと天才(うーん、宮崎駿がちょいヘボいあたり?)のレベルになります。神も、やがては老いるのです。 7点(2004-04-29 01:35:49) |
47. フォーリング・ダウン
まるで民話のようなシンプルな筋立てに乗せた、上質なブラックコメディですよね。他の国では絶対成立しない、バイオレンス大国アメリカならではの黒く爛れたジョーク映画。何度見ても面白いです。展開のバカさ加減と、わらしべ長者風に膨れ上がっていく主人公の武装がおかしさを醸し出してます。ゴルフ場での発作シーンは何度見ても笑えてきます。 8点(2004-03-20 22:30:35) |
48. リトル・ブッダ
期待ゼロで見に行ったんすけどね。面白かったなあ。前半の強引な坊さん達には「おいおい」って思ったけど、3人の子供の色分けがキレイだし、仏陀の話も以外にイケてる。仏教聖職者(坊主)がいなくて、民俗学者が仏教の普及に努めたフランスでは、まさにあんな感じで説話を捉えてるんでしょうね。最後、砂絵を崩すシーンが絵的に惜しい…リテイクできないんだから、あれこそが真実のフィルムなんでしょうけど。仏教の先入観を消して、頭カラッポにして見るといい映画です。ただ、製作者達の目から見た仏教が、異界の文化だという事にも変わりはありませんな。仏陀と子供たちとチベット仏教を結ぶ糸が、見えそうで見えない。糸なんてないのかもしれないし。 6点(2004-03-14 11:43:28) |
49. ニュー・シネマ・パラダイス
下の度数分布見てビックリでしたよ。こんな曲線見たことないよ。映画館には友人に誘われて見に行きました(ちなみに大宮の映画館)。見る前は冷やかし半分でした。「何でも凄く泣ける映画だって話だぞ。ハッピーエンディングなんだけど、観客全員が泣くらしいんだ」「まっさかなあ」という会話を交わしながら席へ…。2時間後、下を向きながら劇場を出て行く観客たちの列がありました。みんな、泣いてるようですが顔が見えません。そういうオイラも下を向いて列に並んでました。もちろん誘ってくれた友人も。完敗です(笑)。 (372 のちーほさんへ:観たのは完全版の方じゃないですか? 劇場公開版の方は青年時代のほとんどがカットされてますよー) 9点(2004-03-14 00:06:07) |
50. ポゼッション(1981)
うっかりヒトに「コレお勧め!」とDVD貸してしまったのが運の尽き。いまだに恨まれております。後に「アジャーニ=美しき狂女」というイメージを定着させた決定打ですな。これを超えるダイレクトな狂気の体現を、まだ見た事がありません(『鉄男』がかなり頑張ったけど、演出の力だったしなあ)。25歳であの演技が出来てしまうアジャーニの脳内ってどうなってるんでしょうか。そんな凄い大女優とくんずほぐれつの共演しておきながら、いまだに同じ表情でしか演技できないサム・ニールもどうかと思うんですが(誉め言葉)。 8点(2004-03-12 04:07:09)(笑:1票) |
51. ジェヴォーダンの獣
この点数をつけるのは、手堅くまとまったはずのシナリオを奔放に壊しまくった、その「着くずし方」がユニークで他に類を見ないタイプだから。この映画には、観客に一歩先んじて「判ってやってる」事の強みがある。全体の複線の張り方から考えても、編集の巧さからいっても確実にマトモな歴史映画となる準備が出来ていたと思う。それをコテンパンにしたラストの対決シーンの豪快さ! 映画に夢や感動を求めなくなった、すれっからしに向けて語られるスペクタクル駄作(もち誉め言葉)。 8点(2004-03-07 21:31:49) |
52. 少女ムシェット
《ネタバレ》 オイラ的にはブレッソン映画の最高峰。あのラストにはア然とし、かつ泣きましたね。何をやっても救われない少女ムシェット。健気、って感じじゃなく、カンシャクも起こせば生まれを恨みもするし、性格のネジケた悪戯もするし…そうであればあるほど愛しく、可愛く見えてきます。オイラ的にはロリータでもシベールでもアナでもキャンディでもなく、やっぱムシェットが映画史上最強の少女ですわ。ラスト、あまりの幸薄さに泣くけどね。 9点(2004-03-04 23:51:49)(良:2票) |
53. スリ(1959)
全員シロウト採用による、ブレッソン節炸裂(初期)の逸品。ヒロインがメチャメチャ美人なんだよねー。でも女優業じゃないんだよね…この映画以外で見れないのが超惜しいっす。というか、この娘が美しすぎるせいで作品ぶち壊してない? もっと貧乏に負けてやつれたようなキャラでしょ、あの役は。ストーリー/カメラワークは後の『ジャンヌ・ダルク裁判』の頃に比べるとまだケレン味があって、観客をグイグイ引っ張ります。息詰まる静と動。華麗なスリのテクニック。違った意味での(違わないかもしれないけど)『芸術』映画ですな。そして、下手な演技でも泣かせてしまうラストが待っております。観てから何年も経つけど、今でもあのラストシーンは心に残ってるなあ。オイラ的ブレッソンの中では『少女ムシェット』の次くらいにランクインする映画なので、この点数で。 7点(2004-03-03 03:33:35) |
54. ノスフェラトゥ(1978)
告白します。途中数分ぐらい寝てました(見てる途中で寝たのはこれと『バロン』くらいかな)。映像の迫力は凄いんだけどストーリー性がイマイチ…でも確かに絵は凄かった。絶頂期のアジャーニの美貌と監督の右腕キンスキーの名演で3点上乗せします(2004/3/14 5点に変更)。 5点(2004-02-22 16:50:15) |
55. ブラック・ムーン
超多彩監督ルイ・マルの中では最左翼に位置する作品(反対側には『地下鉄のザジ』が陣取ってますな)。冒頭のヤマアラシのシーン、何度見てもどうやって撮ったかわかりません…いったいどのタイミングで車へキューを出したんだろう。カメラの外ではスタッフ達が、ヤマアラシに向かって「ホラホラこっちだよー」と手を叩いてたんだろうか…見れば見るほど謎は深まります。タルコフスキーの『鏡』と共に、映像魔術の殿堂に捧げたい気分です。でもストーリー性に欠けてるので点数は低めで。 5点(2004-02-22 00:07:40)(良:1票) |
56. 地下鉄のザジ
なんか昨日からロリ物のレビューまとめてやってる…まあいいか。何はともあれザジ。最高ですね。展開は飽きないし、フィルムは手が込んでるし、ザジは元気で可愛いし。でもしかし! ザジの叔母さんの清楚な美貌もイイのであります。いやドイツ娘もなかなか…なんて言ってると怪しい警官になってしまうのでありますが。見よ! 我がトレール・スケイヨンの力を~! …ごめん、ちと壊れてマス。 9点(2004-02-20 03:03:44) |
57. キャンディ(1968)
まず一言。オモロ過ぎます。今度発売になったDVDで見ましたが、元々テリイ・サザーンの原作のファンだったんで、内容の前知識はバッチリ。だから迷わず笑えました(これから見る人は、原作を読んでからの方がいいっすよ! 本とDVDじゃリスクの差が大きいから)。オープニングの宇宙のシーンで、どう逃げを打つかが大体読めるので、ひたすらシュールな展開をアングリ口開けて待ってれば良かったのが気楽でよろしかった。原作では孕ませ極悪男だったグル・グリンドル(マーロン・ブランド)に期待してたんだけどなあ…なんか凍ってるし(笑)。軍人のウォルター・マッソーは素晴らしすぎ(爆)。全編の笑いの3割は持ってった気がします。クランカイト先生役のジェームズ・コバーンはチョイやり過ぎかも…でも満足。 8点(2004-02-20 02:16:31)(良:1票) |
58. シベールの日曜日
『ロリータ』のレビューを書いた流れで(笑)。乾いた、フランス映画独特の絵造りが怖かったなあ…と思う反面、子供の視点に移ると一転してフランス映画独特の美しい絵に。ガラス越しに見る風景は、特にそう思いました。でも、母親を思わせる(ていうかあれ親だよなきっと)ジプシーの占い師に出会うシーンから状況は一転して、胸に突き刺さるような展開に。フランス人て、どうしてこうドライな感性を誇示したがるんだろう…でもまあ根は戦争がテーマだし…『ジョニーは戦場に行った』の流れだよなあ…というワケで、何となく子供との純愛をダシにした反戦映画のような気がしなくもなかったですね。評価は悩むところだけど、この客に媚びたような臭気が気になってしまうので、減点方式で3点引きました(2004/3/14 6点に変更)。 6点(2004-02-18 06:41:02) |
59. やぶにらみの暴君
《ネタバレ》 おお、懐かしいな。パイロット搭乗型巨大ロボットアニメの原点と言えるでしょう。日本文化に与えた影響は大です。オイラは小学生の時に見ました。その後『ルパン3世カリオストロの城』が公開される訳ですが、露骨なパクリ方(いや『長靴をはいた猫』の方がもっと露骨なんだけど)に嫌気がさしてしまった…以来、宮崎監督には愛憎半ばする気持ちがあります。おっと余談はおいといて、本家のこの作品は(パクリ側とは違い)不遇な運命をたどってます。仕上がりの遅さに業を煮やしたプロデューサーが、全シーンが上がっていない段階で、強引にフィルムをつなぎ合わせて公開してしまったといういわく付きの作品。その後グリモー監督が後半生をかけて作品の権利を買い取り、エンディングも全く換えて『王と鳥』というタイトルで公開しなおしてます。個人的にはあんまりハッピーでない新作の終わり方より、こちらの慎ましやかなハッピーエンドの方が好みだったりします。子供時代に刷り込まれたイメージかもしれませんがネ。 8点(2004-02-12 05:40:30)(良:1票) |
60. 吸血鬼(1931)
《ネタバレ》 アイデアに脱帽。画質の良くないサイレント時代の映画で、夜が主体のヴァンパイア映画を撮るには? 主人公を「実は吸血鬼」という事にして、彼の視覚では昼夜が逆転しているように見せればいいのだッ! …てなこって、まっ昼間の映像なのに「こんな夜遅くにどうしました?」とかいう字幕が平然と入り込む。ほとんど最後にならないと主人公=吸血鬼の図式は見えてこないんだけど、中盤はこの時差ボケ爆裂な台詞回しがやたらと恐怖感を煽ってくれる。当然ながらヒロインを救ったハッピーエンドは、現実世界の我々からするとバッドエンドである訳で、頭をひねってからジワジワと恐怖が増してくる仕掛け。流石ドライヤー監督、ただの芸術監督とは一味違いますナ。 7点(2004-02-12 05:03:04) |