41. ザ・バニシング-消失-
《ネタバレ》 味のあるサスペンス・ホラー ヨーロッパ的な雰囲気のある映画だ。 突然彼女が消えてしまう。おおよそ起きたことはすぐにわかるのだが、細かい部分の謎はどんどん深まっていき、画面にひきつけられる。 最後の犯人との対話は恐ろしい。 こういう普通の人が普通に犯罪をしていくというのが妙にリアリティーがある。 ラストはわりと予想できたが、しかし後味は非常に悪い。 [ビデオ(字幕)] 7点(2008-09-04 19:02:53) |
42. 密告(1943)
《ネタバレ》 これは読めない。あのラスト直前での二重三重の返しはすごい。 手紙という古典的手段で、人々が混乱していく様はなんか妙に現実的。 それにしても、人は噂でもあそこまで踊らされ、死者まで出してしまうものなのか。。。 そういえば、○○は精神病院に入れられたままなのだろうか。 かわいそうといえばかわいそうだが、まあ一応かかわっているし。 [ビデオ(字幕)] 8点(2008-08-17 22:51:05) |
43. Z
《ネタバレ》 非常によくできた政治サスペンス 2時間飽きずに引き付けられる映画はそうざらにあるものじゃないが、これはその1本だろう。 暗殺事件までの異様な雰囲気、そして事件後の展開。 ときどき入るフラッシュバックや音楽、余計なシーンがほとんどないカットなど、随所がうまく作られている。 そして後半に判事が猛然と追い込みをかける。 孤高のヒーロー的に次々要人を告訴していくのは圧巻。 そして満足して終わろうかというところであのニュースのラストで絶望へと追い落とされる。 しかしこれが現実だともいえる。 全体のテンポがよく、うまくまとまった秀作。 最後に これを「左翼はもっと頑張らねば」的に読んでいる人が(ここにはいないようだが)巷には多かったりもするのだが、それはこの映画を根本的に取り違えている気がする。 監督が批判しているのは「全体による圧制」であって、右とか左とかの話ではない。 あえて右左でいいたいならば、いまどき政府の弾圧とか起きるわけもなく、「第四の権力」マスメディアが主力を左翼が牛耳っており、ちょっと危ないことを言うと「軍国主義、戦争賛美、危険人物」的な取り扱いを受ける(実際それで大臣の首が飛ぶこともままある)この日本で、「全体」の側に立っているのは一体どっちかを考えてみて欲しい。実際、言論弾圧法案である人権擁護法は左翼の側から出されているのだし。 さらに言えば、この監督は次に共産主義を痛烈に批判する映画を撮っている。そして今ある共産主義国(中国とか北朝鮮とか)を応援しているのは左右どちらだろうか。 [地上波(字幕)] 10点(2008-08-14 23:15:35) |
44. 眼には眼を
《ネタバレ》 決して明言はされていないが、しかし壮絶な復讐劇。 不条理な巻き込まれ方としては「オールド・ボーイ」を髣髴させられるし、やり口の悪質さ加減は「ファニーゲーム」級でさえある。 だが、そのリアルさはこれらの作品をはるかにしのいでいる。 医師自身にも手落ちがないとは言えない。 あの復讐はやりすぎとも見えるが、むしろあれが人間の本性かもしれない。 ラストの笑い声と俯瞰ショットはぞっとさせられる。 [ビデオ(字幕)] 9点(2008-08-02 20:49:25) |
45. カノン
《ネタバレ》 徹底して、人間の醜い部分を映し出している映画です。 モラルとエゴ、正義の本質が暴き出されていると言ってもいいでしょうか。 映画のほとんどが、主人公のオヤジの独白です。早口なので、字幕だと疲れます。愚痴を延々聞かされている感じですね。 好き嫌いが激しく分かれる映画でしょう。 系統で行くと、「時計仕掛けのオレンジ」がもっとも近いでしょう。次が「ありふれた事件」になるのかなぁ。 あとは、「ファニーゲーム」や「殺人についての短いフィルム」、「レクイエム・フォー・ドリーム」、ある意味で「CUBE」などがこの部類でしょう。 こうした映画が嫌いな人は見ないほうがいいと思います。 個人的には最後のまとめ方は腑に落ちません。 大体、夢みたいな地平でまとめるべき映画とは思えない。最後が美しそうでダメな方向になってしまったように思われます。 [DVD(字幕)] 5点(2008-04-15 20:05:01) |
46. 大列車作戦
《ネタバレ》 期待しすぎたかな?思ったよりも冗長だった。 最初一時間がだらだらっと過ぎてしまい、計画もじりじりと迫ると言うよりは、観客も知らないうちにずるずると始まって続いていたと言う感じだった。 ナチスもレジスタンスも、目的がいまいちしっくり来ないし、抵抗するレジスタンスを使わないと列車も動かせないナチスってのは、なんか腑に落ちない。 ただ最後の、「何のために戦ったのかわかるまい」という感じで終わっていくのは、レジスタンスの無力感というか絶望というのかを感じた。 ただ命令されて、必死に絵を守り、仲間が死んでいく。でもその命がけで守った絵とは一体なんだったのか。 レジスタンスの憂愁を感じさせられた。 [DVD(字幕)] 6点(2008-04-10 22:56:40) |
47. 悪魔のような女(1955)
《ネタバレ》 非常に秀逸なサスペンス。 モノクロのよさが存分に出ている。 前半、淡々と殺人計画が進んでいく。 殺人の決心がなかなかつかないクリスティーナに完全に感情移入させてしまい、筋が読めなくなっている。 箱の紐が切れるところとか、危ない、と心の中で叫んでしまった。 ここだけでも十分面白い。 そして後半、プールの水を抜いたところから一気に加速。 次々と不可解な事態が発生し、半ばパニック。ミステリアス度は急上昇。 ラストなんて、並みのホラー映画ではかなわない怖さ。 陰影や音の使い方がうまい。 最後の死体は予想はしていたが、やはり驚く。 しかし、探偵がけりをつけて一件落着のところで、生徒の最後の一言が謎を呼ぶ。 せっかく完成したジグソーパズルが崩れて、嫌な余韻を残してエンド。 最近のサスペンスなんかよりもずっと優秀。 個人的には「恐怖の報酬」よりも上かも。 [DVD(字幕)] 9点(2008-03-31 22:42:00) |
48. 告発
《ネタバレ》 最後、ヘンリーが自殺したのは、勝利出来たことと、逆に人生にはもう期待できなかったからではないだろうか。 ケビン・ベーコンはさすがの演技。 皆さんかいておられますが、なんでオスカーは無視したんだろうか。 各シーンはすばらしいけど、全体がシーンごとの細切れになっているようなのはマイナス。 あと、最初の方のぐるぐる回りながらカメラが映していくのは、見ていて気分が悪くなる(酔う)。 マイナス点はそこら辺かな [DVD(字幕)] 9点(2008-03-21 20:04:17) |
49. 暗殺の森
《ネタバレ》 はっきり言って意味不明。だらだらと時だけがすぎていく。最後は何?、妄想?、狂気?、個別カットを適当につないだようにしか見えない。 リンチはもともと無意味そうに見えるからいいけど、これは見かけだけ有意味っぽくて実は何にもない。 ここでの高得点が不思議。 [DVD(字幕)] 2点(2008-03-03 20:13:19) |
50. ストレイト・ストーリー
《ネタバレ》 さしたる事件がおきるわけでもなく、淡々とおじいさんが旅していく、心温まるロードムービー。 何もたいしたことは起きていないのに、何か引き込まれてしまう。「となりのトトロ」的な映画、という印象を受けた。 [地上波(字幕)] 8点(2007-09-27 23:47:33) |
51. アパートメント(1996)
《ネタバレ》 よく出来た恋愛ミステリー。ラブストーリーではない。バラバラのピースがうまく組みあがっていくジグソーパズルのよう。複雑に時間を行き来し、場面場面の裏側が次々と明かされていく後半は頭をこんがらがらせながら一生懸命ついていく感じ。フランス版「ユージュアルサスペクツ」というのも納得。 恋愛を軸にして、重さと優雅さを加えた「運命じゃない人」のような映画かなぁ。 偶然と必然との絡み合い、結ばれてまたほどけていく糸のよう。 最後に。DVD化は本当によかった。ただ、パッケージの裏面はあまり読まないほうがいい。重大なヒントがあるから。 [DVD(字幕)] 10点(2007-09-18 19:54:38) |
52. 太陽がいっぱい
《ネタバレ》 ラストの雰囲気はいいですね。笑顔で立ち去って終わりだなんて。 でも、淡々と感電犯罪を続けるだけの感じで、なんかまったりしすぎてた。退屈さ加減が少し行き過ぎ。 あと内容とは関係ないけど字幕が読みにくい。 [DVD(字幕)] 5点(2007-01-26 23:32:20) |
53. ターミネーター2
《ネタバレ》 基本的に1と同じ。もともと1ではシュワはカイル役にキャスティング予定で、ターミネーターはシュワのようなごつい感じではなく、2のような人にまぎれてさっと殺す感じの予定だった。そういった意味ではまさにもともとの予定の「ターミネーター」を作ったという感じか。 で、どっちがいいかというと、う~ん、1のようなごついターミネーターのほうがいいかな。 2のよさは派手さなのかもしれないけど、だとしたら逆に1の方を高く評価したい [地上波(吹替)] 7点(2006-12-29 17:52:34) |
54. TAXi2
《ネタバレ》 1を見てないのでなんともいえないが。まあ「ニンジャー」でした。「ニンジャー」と「忍者」は別物です。 [地上波(吹替)] 6点(2006-12-27 18:46:46) |
55. クリフハンガー
《ネタバレ》 山岳アクションとしてはまあよく出来てる。現実性は考えないことにしよう。考えたら全然ダメ。 確かこれって世界一(値段が)高いスタントじゃなかったっけ? [地上波(吹替)] 6点(2006-12-26 22:00:03) |
56. ジャッカルの日
《ネタバレ》 じりじりと一歩づつ追い詰めていく・迫っていく感じがたまらなくいい。見ている間、ジャッカルにゴルゴ13をかぶせてみていた。そんな雰囲気。ただ、冷静に見るとゴルゴに比べるとかなり抜けがあるのだが。 [地上波(吹替)] 9点(2006-12-25 22:35:40)(笑:1票) |
57. マルホランド・ドライブ
《ネタバレ》 この映画、わかろうとしてはいけないのかもしれないが、わからないならわからないで微妙。 一応自分としては、前半2時間近くが死ぬ間際に見た長い長い夢(願望の夢でもあるし、寝ているとき見る夢でもある)で、後半の20分が悲惨な現実、そして全体の時間がわっかみたいになってて、最後と最初がつながる、と考えたけど。まあ安易に「夢オチ」で片付けるべき映画ではないと思いますが。 リンチ映画に慣れてからみた方がいい気がしました。 [地上波(字幕)] 5点(2006-12-19 10:27:18) |
58. ディーバ
《ネタバレ》 サスペンスとしてみてもアクションとしてみてもロマンスとしてみても中途半端。映像美と音楽だけでは評価できないので。 [DVD(字幕)] 4点(2006-12-19 10:24:48) |
59. ユナイテッド93
《ネタバレ》 すべての事実を知っている僕らから見ると、「何やってんだ!」と言えるかもしれないが、飛行機をのっとってビルにぶつけるというのはあまりにも非現実的なことだというのがそれまでの考えだろう。そういう意味で、「ビルにぶつかった?こんな晴天なのに?」とかのセリフは考えさせられる。2機目がビルに突っ込むのは、「あ、あ!」という思いでいっぱい。最後の草原が見えるとき、誰もが「あそこか・・・」と思ったはず。 [DVD(字幕)] 9点(2006-12-19 09:39:30) |
60. シンプル・プラン
《ネタバレ》 あまりにもあっけなく堕ちていく。金の魔力ですね。金が出てくると、それまでの過去とかの相手の汚点を徹底的に洗い出して、敵対心をむき出しにしてしまう。怖い。 でもあの奥さんがすべての元凶の気もするが。 [DVD(吹替)] 8点(2006-12-18 23:49:57) |