101. 夜よ、こんにちは
サスペンス的演出がなかなかに良く、緊迫感をもって楽しめる。 ただし、題材が個人的には興味をひかれるものではなかったのが残念である。 ブルジョアと労働者階級との闘争に、キリスト教会的権威も絡めた内容だが、そんなことに大した興味のない人が観ても、十分に楽しめるとは言い難い。 [DVD(字幕)] 4点(2010-01-01 02:52:44) |
102. 黒い瞳
監督のニキータ・ミハルコフは相変わらず巧い。 最後の余韻の残し方なんて半端なし。 観た後も、あのオチのことを考えてしまった。 マルチェロ・マストロヤンニが演じたいい加減な男が、ロシア人女性を裏切ったことによって、幸せになれた誠実な男。 これは何とも皮肉。 この事実を、この誠実な男が知ってしまったら、どうなるんだろう・・そう考えてしまった。 [ビデオ(字幕)] 7点(2009-12-16 00:07:45) |
103. ベリッシマ
ルキノ・ヴィスコンティ作品は相当数観たが、本作は間違いなくルキノ・ヴィスコンティのベスト作品。 [ビデオ(字幕)] 7点(2009-12-15 19:47:58) |
104. マカロニ
初老男性二人の奇妙な友情を描いた人間ドラマ。 二人の会話はそれなりに楽しめるが、どうも話として軽いというか、最後なんて特にメルヘンすぎる。 洒脱さを楽しめれば良いのだろうが・・・ [ビデオ(字幕)] 5点(2009-12-03 00:27:11) |
105. ただいま
《ネタバレ》 ちょっとした過ちが、殺人につながり、そしてそれが一人の女性の人生を奪ってしまった。 何とも哀しい話だ。 哀しい話だけで終わってしまうところが、この作品の最大の難点。 悲劇があったとして、悔い改めてこれからの生活を前向きにいこうとか、何らかの希望や、温かい何かがあっていいはずなのに、それがまったく見えてこない。 単なる悲劇で終わっている。 ただ哀しい話で終わらせず、そこへのプラスアルファ、つまりは、何か観ていて得られるものが欲しかった。 テーマとしては、深くて重みがあっただけにもったいない。 [ビデオ(字幕)] 5点(2009-11-21 20:45:53) |
106. ブラックボード 背負う人
いかにも映画第三国的な雰囲気を持った作品で、エキゾチックな気分に浸れる。 しかし、どちらかと言うと、そのエキゾチックさが、私にとって不慣れな映画文法と相まって、マイナスな方向に働いている気がした。 どこに映画としての面白さを感じていいのか、最後まで戸惑いながらの鑑賞だった。 ブラックボード(黒板)を背負う自称“先生”は、教育というものに無縁で無関心な人達に一方的に勉強を教えるが、ことごとく無視されるというストーリーは、クドさもあるし、イライラもする。 おそらくこの作品が扱いたかったテーマは、こういった不安定な環境に居る人達への「教育の機会」「教育の方法」という、社会的・国際的問題なのだと思われるが、その真面目さが面白さを削いでる気がした。 [ビデオ(字幕)] 3点(2009-11-14 17:07:13) |
107. ベニスに死す
ダーク・ボガードは生理的に合わず。黒い汗が気持ち悪い。 [DVD(字幕)] 4点(2009-09-29 22:44:45) |
108. ブルジョワジーの秘かな愉しみ
「秘かな愉しみ」とか題名にあるから、てっきり同じブニュエルの『小間使いの日記』みたいな淫靡な内容を勝手にイメージしてみたんだけど、見事に裏切られた。 しかも、何が言いたいのか分からず、困惑しながらの鑑賞となってしまった。 [ビデオ(字幕)] 4点(2009-08-23 00:18:22) |
109. マイ・ネーム・イズ・ジョー
冒頭の5分から既にまったく肌に合わなかった。 これは相性が悪いというほかない。 音楽も好きになれないし、映像も凡庸、ストーリーも全く興味が湧かず・・・ [ビデオ(字幕)] 1点(2009-08-10 02:05:29) |
110. たそがれの女心
残念ながら観た直後でも大した印象が残っていない。 DVDまで購入して観たのに、これは残念無念。 シャルル・ボワイエやダニエル・ダリューといった出演陣に古臭さを感じてしまったのも、その一因かもしれない。 [DVD(字幕)] 5点(2009-08-01 21:37:55) |
111. アレクサンダー大王
テオ・アンゲロプロス作品を観るのもこれで何本目だろう。 結構観た気がするが、この退屈感は何本観ても解消されることはなかった。 特に、本作は殊更退屈だった。 退屈プラス理解不能。 話が陳腐とかではなく、むしろ高尚な感じのするものなのだが、そもそも冒頭からラストまで何が言いたいのか解らない状態が3時間半持続し、致命傷を負った次第である。 共産主義体制であるとか、宗教であるとかの問題が背景にドデーンと据わっているのは分かるものの、それに対する知識も造詣もないので、やっぱり解らない。 あと、この監督の作品とは波長が合わない。 何も起らない作品が嫌いというわけではないが、この作品の何も起らない感じは、どうにも私の感性とマッチしないようである。 [ビデオ(字幕)] 1点(2009-07-26 23:04:54) |
112. 特別な一日
子供6人を抱える母親が、家事に追われ、刺激を求めたというソフィア・ローレンの心理は理解できたものの、同性愛とやらのマルチェロ・マストロヤンニが、ソフィア・ローレンを執拗に誘う心理がどうも理解できなかった。 反ファシズムの党員として、アパートメントから出立する前日の「特別な一日」にそういう行動に出たともとれるが、それにしてもシックリはこない。 前半から中盤にかけての、男性から誘われる側の女性の心理を緻密に描いた部分は良かったのだが、後半にかけていまいち乗りきれない作品だった。 ただし、淡々と描写される室内の登場人物達の動き、屋上での男女二人のやりとりなどは、とても印象に残るシーンだった。 [DVD(字幕)] 6点(2009-06-29 00:15:39) |
113. パリの灯は遠く
《ネタバレ》 淡々と進む展開は、いかにもフランス映画って感じでそれはいいんだけど、話があまりにつまらない。 アラン・ドロン演じる主人公のフランス人をどんどん追い詰めていく内容で、その狙いは分かるのだが、スリリングさもないし、謎かけもないし、工夫がない。 それでもアラン・ドロンの魅力でなんとか魅せるが、それ以外に見所がないのが、どうにも救い難い。 [ビデオ(字幕)] 3点(2009-06-27 00:31:37) |
114. 革命前夜
これは期待はずれだった。 パゾリーニと同じ白バックのオープニングロールで始まったので、更に期待は膨らんだが、本編が始まって、それはすぐにしぼんでしまった。 ロッセリーニ作品の様な格調高い雰囲気も映像もなく、かといって、パゾリーニ作品の様な洒脱さや皮肉も感じられない。 しかも、フランス映画的な難しさが充満した内容なのが余計にネックだった。 [ビデオ(字幕)] 3点(2009-06-17 02:19:44)(良:1票) |
115. ストロンボリ/神の土地
《ネタバレ》 イタリアン・レアリスモの教祖的存在のロッセリーニが放った痛烈なる作品。 終り方が特に良い。 ストロンボリ島に渡った経緯、渡ってからの環境と心理的葛藤、そしてラストの神頼みな絶望的心境に至るまで、小気味いいまでのリアリティが貫かれている。 映画で描かれがちな嘘っぽい甘さなど、どこ吹く風。 世間の厳しさを決して大げさに表現することなく、リアルに描いている。 この辺りの演出力は、他の追随を許さない確固たるものを感じる。 さすがはロッセリーニといった演出だ。 バーグマンは、本作では(?)とても美しく、本作の後にロッセリーニと駆け落ちしたというのも納得の雰囲気。 他の作品ではそんなに魅力的に感じなかったバーグマンが、本作ではその魅力を十二分に発揮していた。 これはロッセリーニとバーグマンの相性を象徴しているかのようで、微笑ましい。 痛烈でいて、リアルなラストの描写は、「ハッピーエンド」とか「バッドエンド」とか「アっと言わせるだけのラスト」とかに勝手に縛られているハリウッド映画とは異なる、別格の余韻を残した。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-04-04 11:14:32) |
116. シシリアの恋人
エンニオ・モリコーネの調べが何ともマヌケな本作。 エンニオ・モリコーネはビッグ・ネームだが、少なくとも本作においては、エンニオ・モリコーネの音楽が功を奏していたとは思えない。 緊迫したシーンに限って、エンニオ・モリコーネの音楽がここぞとばかりかかる。 そこで、「ぼよ~ん♪ぼよ~ん♪」の、お馴染みのエンニオ・モリコーネ効果音が流れる。 そこで、一気に緊迫感がなくなってしまう。 これは、いかがなもんでしょう。。 話の内容としては、シシリア・マフィアの青年が、農家の純朴な娘に恋するというお話。 さすがイタリア映画といった感じで、無難に楽しめるクオリティは確保されている。 主演の男も、なかなかのハマリ役である。 イタリア映画って、レベルが高いのに、案外観ている人が少ない気がするが、こういうメジャーでない作品でもそれなり楽しめる出来に仕上がっているので、もっとイタリア映画を沢山の人に観てもらいたいな、と思ったりもするのであーる。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-03-07 00:48:39) |
117. ダンケルク(1964)
《ネタバレ》 アンリ・ヴェルヌイユにジャン=ポール・ベルモンドの組み合わせということで、食い付いた私。 同じくヴェルヌイユ作品の『ヘッドライト』の様な作品を想像していたが、これがなんと単なる戦争映画だったので、テンションも落ち込んだが・・・ しかししかし、これがなかなか素晴らしい内容。 戦争映画っていうと、アメリカ映画や日本映画を観すぎているせいか、「撃ち合い」「仲間との死別」「残忍で生々しいレイプシーン」「上下関係」などばかりをイメージしてしまいがち。 そういった、日本人が戦争映画に対してイメージする様な内容とは全く違った渋みを持った作品だった。 主人公のベルモンドは、隊から離れて戦地をブラブラとしている。 そこで巻き起こる数奇な運命の数々。 とびっきり綺麗な女性との出会い。 粋な同盟軍兵士とのいっときの友情。 仲間との離別。 そして最後には自らの死。 そういった、まるでロード・ムービーを観ているかの面白味がつまった内容だった。 なんてことのない平坦な流れなのに、何故か心地良く見入ってしまった戦争映画だった。 戦争映画を観て、こんな気分になったことは、今まで一度もない。 それは、ドンパチや安っぽいヒューマニズムと反戦思想の渦巻いたアメリカ戦争映画や、敗戦国としての重荷を背景に背負った重苦しい日本戦争映画ばかりを観ていたからこその衝撃だった。 ベルモンドと束の間の愛を交わす少女にカトリーヌ・スパーク。 いやはや、息をのむほどに美しい。 顔がどうとかというより、全身から放たれる匂い立つような魅力。 抜群のプロポーションと美しいブロンドヘアー。 これにやられた! 運命の皮肉と戦場における美しき少女とのロマンス。 そしてロードムービー色の強い流れるようなストーリー。 個人的に、50年代、60年代のフランス・イタリア合作には良い作品が多いというイメージを持っていたが、そのイメージは本作でも見事に保たれたのである。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-02-12 21:50:44) |
118. 奥様ご用心
ちょっと待った!ちょっと待った! アヌーク・エーメの出番がほとんどないじゃないか!! これは詐欺だ!! アヌーク・エーメを目当てで観たのに、こりゃひどいよ・・・トホホ。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-01-03 22:58:49)(良:1票) |
119. 天使の詩
やばい、いくら集中しようとしても集中できない。 何故か、セリフの一つ一つが頭に入ってこない。 これはヒドイ。 えらく退屈だ。 イタリア映画は大好きだと信じてきた私だが、これでイタリア映画に対するイメージが変わってしまった。 それだけ私にとっては相性の悪い作品だった。 [ビデオ(字幕)] 0点(2008-12-20 00:26:01) |
120. 殺し(1962)
これはイタリア映画ならではの魅力が散見される逸品。 『羅生門』さながらに、あらゆる登場人物の異なる視点から、一つの事件を描き出していく技法は、なかなか面白い。 パゾリーニの原案・脚本ということで、パゾリーニ風味もどこかに感じられる。 パゾリーニの初期作品によく出てきた“ゴロつき”がゴロゴロと沢山登場。 彼らを巻き込む事件。 そこに絡む娼婦や少年。 これらの様子が、時間軸を交錯させながら、サスペンス仕立てに観る者を楽しませてくれる。 一見すると分かりにくい作品ではある。 しかし、何度も観たくなるような、クセになる雰囲気を醸し出している作品だ。 [ビデオ(字幕)] 7点(2008-11-29 15:39:07) |