21. スキャンダル(2019)
古今東西見聞きする枕営業のハナシが繰り広げられる舞台がFOXニュースであり最近起こった実話だそうで。容姿端麗且つ知的な人々が織りなす痴的な騒動をポカーンとして眺めておりました。どう見てもシャーリーズ・セロンに見えなかったのが、オスカー受賞者による特殊メイクだったところ、ヒヒ爺振りが圧巻のジョン・リスゴー、健在な姿を拝見出来たマルコム・マクドウェル、枕営業の何たるかを体現したマーゴット・ロビー、実話をサッと1本の映画に作り上げるしたたかさに、それぞれ1点ずつ。 [DVD(字幕)] 5点(2021-04-20 12:15:24) |
22. しあわせはどこにある
豊かな毎日を送っている精神科医ヘクターが、幸せとは何かが分からないと患者のカウンセリングが出来ないと痛感し幸せ探しの旅に出る物語。中国:ステラン・スカルスガルド、アフリカ:ジャン・レノ、LA:クリストファー・プラマー。この3人目当ての鑑賞でしたが、顔見せゲスト出演で何一つ響いてこないキャラクターでガックリもいいところ。それぞれの地での体験から得た幸せに異議はありませんが、沁み入る事も、よりどころになる事も無く。製作意欲は窺えるものの平板な作品です。 私的には幸せだと思った瞬間が不幸の始まり、逆も然り、であります。 [DVD(字幕)] 6点(2021-04-03 02:40:02)(良:1票) |
23. マリオネット・ゲーム
《ネタバレ》 その憎悪はどこから来るのか、外道っぷりに息を呑むピアース・ブロスナン、私のヘンなお目当てであるスコッチをきこしめす姿があったのは(このシーンでですか?)嬉しいところ。彼の憎悪を一身に受けるジェラルド・バトラー、情けないまでにいたぶられ続けても、どこか肝の据わった迫力があるのは持ち味なのか。初っぱなから二人の因縁が明かされるのを待ち続けました。中盤過ぎた頃だったかなぁ。何かイヤな予感がしてきたのが正解となりました。(激泣)こんな脚本どこからもクレームが出なかったのだろうか。 大山鳴動して鼠一匹というか ♩♪真っ逆さまに落ちてデザイアー♪♩というか 雪崩式パイルドライバーを食らったというか もう、ダメ。 [DVD(字幕)] 6点(2020-05-06 13:41:33) |
24. 危険なメソッド
冒頭でのキーラ・ナイトレイのキャリアにプラスになるかマイナスになるか考えさせられた役者魂炸裂の演技に圧倒されます。そんな彼女とクローネンバーグ監督、ヴィゴ・モーテンセン、マイケル・ファスベンダーの組み合わせに寝落ちしないだろうか不安を持っての鑑賞。完走出来たものの、そっち方面の知識が無い身にとっては高尚ぶった下ネタ話に白けてしまいました。お目当てヴィゴ・モーテンセンは印象薄く物足りないところです。 [DVD(字幕)] 5点(2020-04-27 03:04:14) |
25. 僕たちのラストステージ
《ネタバレ》 チャップリン、キートンと並び称される2人組コメディアンの元祖ローレル&ハーディの落ち目になった晩年の物語。心配していた程辛気臭くなく映画製作資金の為のイギリス巡業模様に惹き込まれる。いろんなものを抱えながらも幕が開けば観客(いろんなものを抱えているであろう)を楽しませる、皆の芯からの笑顔に尊い職業だと思わされる。念願叶わなかった切なさを上回る二人の奮闘ぶりが沁みる作品。 [DVD(字幕)] 8点(2019-12-26 09:53:37) |
26. スターリンの葬送狂騒曲
演奏会のエピソードでの開いた口が塞がらない無茶苦茶さも当事者にとってはまさに命懸けであるところにスターリンの人柄が表れている。死後の権力闘争が描かれていて、語られる一言一言のきっつい皮肉に苦笑させられるも、コメディ要素は感じられなかった。踏み潰される害虫の如く奪われる人の命、自国の黒歴史をロシアは直視できなかったのか上映禁止と相成ったようで。フルシチョフ役は似ていると思ったブシェミその人で健在ぶりがちょっぴり嬉しかった。存在感があったオルガ・キュリレンコも印象的。 [DVD(字幕)] 7点(2019-03-31 20:35:50) |
27. 名探偵ホームズ/黒馬車の影
「暗闇にベルが鳴る」のスタッフが、切り裂きジャック、王室スキャンダル、フリーメイソン、政府の工作というダークな物語の雰囲気を盛り上げています。 その用意された舞台で躍動するジェームズ・メイソン、クリストファー・プラマーのお宝映像満載。 「ローマ帝国の滅亡」(1964)での共演(直接の絡みは無し)に大感激した身にとって、本作は大大大…感激。冒頭からエンディングまでこれでもかっ!という程のツーショットに夢見心地。ホームズへのとどめの一撃を間一髪で阻止して自らが刺され「犯人を追え」というワトソン。何という事はないシーンだけど、もうね・・・、子供の様に「あ~、○×△□◇・・・」興奮・悶絶状態。存在感たっぷりの70歳ジェームズ・メイソンを従えた50歳クリストファー・プラマーの喜怒哀楽豊かな表情(涙のシーンにホロリ)とキレのあるアクション、スカーフェイスの超絶オトコマエでの首相との対決、見目麗しい姿での熱演ぶりはベスト・オブ・クリストファー・プラマーと呼べるもの。 我を忘れて酔いしれた逸品。 [DVD(字幕)] 9点(2018-11-13 23:57:41) |
28. 暗闇にベルが鳴る
《ネタバレ》 動機もへったくれもなく殺したいから殺すというホラーものは苦手。サスペンスものとして鑑賞した本作。犯人目線でのカメラワーク、不穏な音楽、惨殺体の一瞬のショットに怖さで奥歯噛み締め握り拳に。ピーターが怪しいと睨むものの動機が解らなくて、どんでん返しの犯人がいるのか展開に目が離せない。ジェスの寝顔から後エンドロールまで恐ろしさで身体はカチンコチンの硬直状態に。結末がホラーものであった起承転結における恐怖演出が凄い。屋根裏部屋を捜索しない事並びにジェスを独りにして引き上げる警察に-1点、クレアの父の絡みの無さに-1点、何じゃこりゃ?の逆探知シーンに-1点。絶品の邦題によるホラーものの秀作。 既に左奥歯があ痛たたた・・・・・・(自己責任) [DVD(字幕)] 7点(2018-09-15 23:40:44) |
29. 銃撃犯
発見された多数の射殺体の中で唯一の生存者であるアランが、身代金目的の誘拐事件被害者ウィリアムスの行方を追う警察の聴取に答える形で進む物語。 8年ぶりに会いに来た腹部に銃弾を受けている息子ダニーからの、自分が死んで妹の心臓移植のドナーになる。代わりに誤って殺してしまったウィリアムスの替え玉になってくれ。金を受け取ったらボスは人質は殺すだろうからその時は死んでくれとの申し出を、愛する娘の為に、そして過去のダニーへの非道な仕打ちの罪滅ぼしにと受け入れる。 ダニーのコロコロ変わる作り話に何が真実なのか分からずにたどり着いた結末に、どんな親でも親に違いなく、どんな子供でも子供に違いない血の繋がりを思わされる。 こういう父親像を何度か演じてはまり役であるジョン・ハートは今作でも今になってそんなに苦しむという事を当時は分からんかったんやねというアランを好演して存在感を示している。 キャリー=アン・モス演じるリーが中途半端な悪役で盛り上がらなかったのが駄目な邦題と共に残念なところ。 [DVD(字幕)] 7点(2018-06-15 00:33:09) |
30. 白い家の少女
サスペンス的には何という事もなく嘘寒さだけ感じた物語。堂々としたジョディ・フォスターの演技だけが印象に残る。 [DVD(字幕)] 5点(2018-04-18 16:45:18) |
31. ヒストリー・オブ・バイオレンス
《ネタバレ》 殺されたり傷つけられたりした者たちの「お前だけ幸せに暮らせると思うなよ」という怨念が形になったような物語。相手が無法者とはいえ次から次へとゴキブリを踏み潰すように殺しておいて罰を受ける事無く妻子と暮らしていこうとするムシのよさにドン引きします。息子が後ろからためらいなくエド・ハリスを撃ち殺したのには救いの無さを感じます。この子もこの先物事を暴力で解決するのでしょう。卑しい顔つきのジョーイを表現するヴィゴ・モーテンセンの演技にプラス4点。 [DVD(字幕)] 5点(2018-04-08 21:49:25) |
32. カポーティ
《ネタバレ》 どこかで見たような話だと思っていたら、以前に鑑賞した「冷血」でした。タイトルに惹かれた思いは空振りに終わった作品でした。本作は作家カポーティが作品を完成させる過程を描いています。語り口と立居振舞が無機質な彼こそが「冷血」であり、彼にも作品にも魅力を感じられず、真っ当な一家四人の無念が晴らされるのを長引かせた一因に腹立たしさが募りました。フィリップ・シーモア・ホフマンの怪演に接し早逝が惜しまれます。 [DVD(字幕)] 5点(2017-09-17 19:21:09) |
33. あの日の指輪を待つきみへ
「貞女二夫にまみえず」が思い浮かぶ。50年の歳月を経て尚皆を縛っている指輪の約束。その指輪をもたらしたのがエレノアの孫というところに因縁を感じる。「私の母を好きだったの?」と問われたジャックが「それだけは聞かないでくれ」と慟哭するのに、この人も胸の奥底に思いを封じ込めて生きてきた事に気づかされる。50年経って明らかになったテディの遺言「これからは自由に生きろ」が切ない。ラストショットに、これからは娘も愛してあげてほしいと思わされた。名優達の共演に感じ入る作品。 [DVD(字幕)] 8点(2017-08-13 12:42:04) |
34. トレヴィの泉で二度目の恋を
孤高で生真面目で偏屈でありながら情けを持ち合わす爺さんとモラルに欠け嘘八百のおしゃべり婆さんのキスシーンが美しいと思えるのは、年輪を重ねる大樹のような名優二人ならではでしょうか。私の叶わぬ夢は The Pierre, A Taj Hotel, New York で por una cabeza を愛する人と踊る事でアリマス。 [DVD(字幕)] 7点(2017-07-22 14:04:59) |
35. 手紙は憶えている
《ネタバレ》 「オットー・ヴァリッシュは君だ」まさに青天の霹靂でありました。マックスの深謀遠慮は憎悪が生きる糧となっていたようで胸の詰まる結末でした。痴呆症のヨタヨタの老人を演ずる矍鑠としたクリストファー・プラマーの衰えぬ役者魂に喝采を送ります。 [DVD(字幕)] 8点(2017-05-30 00:55:59) |
36. サイレントパートナー
《ネタバレ》 モッサリしているが悪知恵が働く小悪党エリオット・グールドと残虐さに目を背ける悪党クリストファー・プラマー(「トラップ大佐」のキレキレの狂気模様に心底仰天)の絡み合いは先が読めなく結構ハラハラさせられた。緊張感が高まった中での悪乗りが過ぎた女装姿に脱力したまま結末を迎えたのがすごく残念。 2017.11.25 オトコマエの狂乱模様を観たくて再見。残忍なチンピラ役は見事な役作りだとしても、子供の頃からの悪役好きの私が見ても魅力のカケラも感じない。オトコマエがけったいな顔にしか見えなかったのが致命的。女性の顔を踏み躙ったり、女性の喉を掻っ切ったり、モッサリ銀行員にいいようにしてやられたり、「愚か者が! 女にしか勝てんのか!」と憤慨する始末。金輪際見ること無い作品。不細工な女装姿にちゃんとした役だったら美人になるのだろうかと考えてしまった。 [DVD(字幕)] 7点(2016-07-30 17:07:39) |
37. ホテル・ルワンダ
スピルバーグのようなどうしてここまでと思える殺害描写は無くとも、「金の切れ目が縁の切れ目」を見せつける展開が恐ろしい。白人・黒人、フツ族・ツチ族、ゴキブリからみたら全て同じヒトなのに。ベルギーがルワンダで行ってきた事を描いてもらいたかった。 [インターネット(字幕)] 7点(2015-10-17 16:04:58) |
38. コズモポリス(2012)
投機に失敗し破産が迫る28歳の大富豪。贅を尽くしたリムジンを舞台に入れ替わり立ち替わり訪れる人々とのエピソードが綴られています。皆の異様に多い言葉数の内容と行動が頓珍漢なのが辛く、眠りに落ちそうになった時次の人と代わってハッと我に返るの繰り返しでした。青臭い子供が大金持ったらこうなる事を見せてくれました。監督と俳優陣にかけた期待はものの見事に外れました。 [映画館(字幕)] 2点(2013-04-29 07:21:16) |
39. 第9地区
特筆すべきはあまりにも汚ならしい映像。吐き気に何度も見舞われ、その都度一時停止ボタンを押す羽目に。こんな事初めて。ただのスプラッターじゃないとばかりの舞台設定及びヒトとエイリアンの交流も思わせぶりなだけで、力だけが正しいという展開に少しも盛り上がれませんでした。観た事を忘れたくても記憶から消えないであろう作品でした。 [DVD(字幕)] 2点(2012-02-26 01:45:27)(良:2票) |
40. 灼熱の魂
内戦での憎悪の連鎖が生み出す残虐なシーンが満載。更に、テロ行為の報いであっても、これ以上の出来事はこの世には無いと思うあまりにも残酷な真相に言葉がありません。宗派の対立が端を発しているならば神とは一体何なのかとの思いが募りました。ストーリー展開の巧みさが見事な作品でした。 [映画館(字幕)] 8点(2012-01-18 21:51:44)(良:1票) |