1. 真夜中の処刑ゲーム
いやぁ、これは、超掘出物の秀作です。警察官がストライキ(そんなアホな!)の無法状態でのドクズ達とアパート住民達の籠城戦。手に汗握るというより、こんなに怖い思いをさせられたのは「狩人の夜」以来だったか。ひたすら怖かった。オチがまた超強烈で続編も作れるんじゃないかと思いました。お薦めです。 [DVD(字幕)] 9点(2022-12-24 03:10:16) |
2. 名探偵ホームズ/黒馬車の影
「暗闇にベルが鳴る」のスタッフが、切り裂きジャック、王室スキャンダル、フリーメイソン、政府の工作というダークな物語の雰囲気を盛り上げています。 その用意された舞台で躍動するジェームズ・メイソン、クリストファー・プラマーのお宝映像満載。 「ローマ帝国の滅亡」(1964)での共演(直接の絡みは無し)に大感激した身にとって、本作は大大大…感激。冒頭からエンディングまでこれでもかっ!という程のツーショットに夢見心地。ホームズへのとどめの一撃を間一髪で阻止して自らが刺され「犯人を追え」というワトソン。何という事はないシーンだけど、もうね・・・、子供の様に「あ~、○×△□◇・・・」興奮・悶絶状態。存在感たっぷりの70歳ジェームズ・メイソンを従えた50歳クリストファー・プラマーの喜怒哀楽豊かな表情(涙のシーンにホロリ)とキレのあるアクション、スカーフェイスの超絶オトコマエでの首相との対決、見目麗しい姿での熱演ぶりはベスト・オブ・クリストファー・プラマーと呼べるもの。 我を忘れて酔いしれた逸品。 [DVD(字幕)] 9点(2018-11-13 23:57:41) |
3. 戦慄の絆
真っ赤な手術服とあの手術器具は一度見れば忘れられない程怖い。エリオットとビヴァリーの絆。ラストは悲し過ぎるけれど、こんな兄弟愛の形があるのかと羨ましくて仕方がない。二人は一人、一人の中のもう一人の人格、アイアンズの渾身の演技に鳥肌がたった。兄弟の破滅の原因となったクレアの描き方に-1点。 9点(2004-01-27 00:24:45) |
4. ファイヤーボール(1978)
《ネタバレ》 amazon prime Star Channel EX -DRAMA & CLASSICS 対象作品のレースものということで鑑賞。イケイケな歌と共に流れるタイトルロールで脚本クローネンバーグに「ヘッ?」そして監督もクローネンバーグに「あらまぁ、ハズレかなぁ」 レースはレースでも400㍍を6秒そこそこで走るドラッグレース。 いやぁ、これが全編血湧き肉躍る(死語?)物語で一気見。 勝ち負けよりもカーオイルが売れればOK、勝つためにコストを上げるのはダメ、どこかで聞いたような理屈のスポンサーを演じるのがお懐かしのジョン・サクソン。ステレオタイプの悪徳ぶりが見応えあり。 正真正銘の炎上シーンも盛り沢山。結末も爽快。 湿地帯の隠花植物の様なイメージとは真逆の掘出物の作品でした。 鑑賞後に知った監督は無類のカーマニアというのになるほど納得。 [インターネット(字幕)] 8点(2023-05-22 02:08:20) |
5. チェンジリング(1980)
メルヴィン・ダグラス目当ての鑑賞。ジョージ・C・スコット、トリッシュ・ヴァン・ディーバ夫妻も出演しているのが嬉しい。 スプラッター臭皆無のオカルトサスペンスはヒタ・・・ヒタ・・・と迫ってくる演出にゾクゾクさせられ通し。怨念が清算されたかのような炎上ショットがもの悲しい。圧巻の対決シーンを初め両名優の硬派な存在感も相まって、味わい深い上質な仕上がりになっている掘り出し物の作品です。 [DVD(字幕)] 8点(2022-07-25 12:13:02) |
6. しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス
《ネタバレ》 私的にはエベレットの物語でした。不器用で無骨な彼が自分に正直になっての「捨てないでくれ」にはこちらも感無量。静かな語り口での深い愛情物語は記憶に留まる秀作でした。 [DVD(字幕)] 8点(2022-01-23 00:07:38) |
7. デッドゾーン
《ネタバレ》 オープニングのシベリウス交響曲第2番2楽章モチーフそのままの旋律に早くも惹き込まれます。 「夜は千の眼を持つ」が浮かぶ特殊能力を授かった者の苦悩と悲劇。本作では更に孤独感と諦念が際立つジョニーの姿がクリストファー・ウォーケンの絶品名演も相まってやるせなく、彼の心を抉るサラの残酷なおためごかしに腸が煮える。名優を配しながらぶつ切りのエピソードが勿体ないのですが、鮮やかすぎる着地が余韻を残します。坂上忍、もとい、マーティン・シーンのトランプ氏を思わせる怪演にも拍手。超苦手な監督作品とは思えない傑作。 [DVD(字幕)] 8点(2021-05-09 00:57:15) |
8. 僕たちのラストステージ
《ネタバレ》 チャップリン、キートンと並び称される2人組コメディアンの元祖ローレル&ハーディの落ち目になった晩年の物語。心配していた程辛気臭くなく映画製作資金の為のイギリス巡業模様に惹き込まれる。いろんなものを抱えながらも幕が開けば観客(いろんなものを抱えているであろう)を楽しませる、皆の芯からの笑顔に尊い職業だと思わされる。念願叶わなかった切なさを上回る二人の奮闘ぶりが沁みる作品。 [DVD(字幕)] 8点(2019-12-26 09:53:37) |
9. あの日の指輪を待つきみへ
「貞女二夫にまみえず」が思い浮かぶ。50年の歳月を経て尚皆を縛っている指輪の約束。その指輪をもたらしたのがエレノアの孫というところに因縁を感じる。「私の母を好きだったの?」と問われたジャックが「それだけは聞かないでくれ」と慟哭するのに、この人も胸の奥底に思いを封じ込めて生きてきた事に気づかされる。50年経って明らかになったテディの遺言「これからは自由に生きろ」が切ない。ラストショットに、これからは娘も愛してあげてほしいと思わされた。名優達の共演に感じ入る作品。 [DVD(字幕)] 8点(2017-08-13 12:42:04) |
10. 手紙は憶えている
《ネタバレ》 「オットー・ヴァリッシュは君だ」まさに青天の霹靂でありました。マックスの深謀遠慮は憎悪が生きる糧となっていたようで胸の詰まる結末でした。痴呆症のヨタヨタの老人を演ずる矍鑠としたクリストファー・プラマーの衰えぬ役者魂に喝采を送ります。 [DVD(字幕)] 8点(2017-05-30 00:55:59) |
11. 灼熱の魂
内戦での憎悪の連鎖が生み出す残虐なシーンが満載。更に、テロ行為の報いであっても、これ以上の出来事はこの世には無いと思うあまりにも残酷な真相に言葉がありません。宗派の対立が端を発しているならば神とは一体何なのかとの思いが募りました。ストーリー展開の巧みさが見事な作品でした。 [映画館(字幕)] 8点(2012-01-18 21:51:44)(良:1票) |
12. ワイルド・ファイト エックス
兄弟、親子、夫婦の葛藤がそこそこ見応えあり、プロモーターの悪徳っぷりに神経逆なでされまくり、奴の吠え面かく姿にスカッと爽快。格闘模様と聴衆の熱狂がワンパターンで作品の主にならずドラマの添え物になっていたのが残念でしたが、安っぽい邦題とは裏腹に楽しめた掘出物の一品でした。 [DVD(字幕)] 7点(2024-01-22 01:57:52) |
13. ダブル・ジョパディー
《ネタバレ》 ジャケットに興味をそそられてから20年、ようやくの鑑賞。オープニングタイトルロール、「アシュレイ・ジャッドってヒートに出演してたっけ? 監督は・・・見辛い画面だなぁ・・ん、ん、ブルース・・誰?・・・・ブルース・ベレスフォード!!!」期待で血圧急上昇。 アシュレイ・ジャッドの無鉄砲な奮闘模様、ブルース・グリーンウッドのクズっぷりは強烈だったので遂に対峙するシーンが淡泊だったかなと。 ジョーンズさんはジェラード捜査官ばりのキャラクターが新味に欠ける感じで、男性二人のキャスティングを逆にして欲しかったところ。それでもフェリーから海中へのアクションには握り拳。 濃厚と淡泊が入り混じる起承転結ですがトータルで密度が高く満足出来た良作です。流石名匠! [DVD(吹替)] 7点(2023-05-15 12:00:49) |
14. キラー・ジーンズ
ちょっとだけ観て寝ようとしていたのが最後まで目が離せず。人気アパレルショップの新作ジーンズが発売前日の準備に追われる店員を次々になぶり殺しにするシーンはどれもエグい。 だけでなく、 見た目爽やかながら出世しか頭に無い極悪店長の下で横の繋がりが無い上下関係のみの職場に現実味があり、ジーンズ達の犯行動機が絵空事とは思えない考えさせられるもので、キラートマトとは段違いの出来映え。 尺が短いのは好感ながら強制終了のような結末が惜しいところ。あと一ひねり欲しかった。 珍作にして良作な一品。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-04-10 03:05:46) |
15. コーダ あいのうた
《ネタバレ》 オスカー作品賞以外の知識無く。傍から見て大変な暮らしでありながら、大変ヅラせず瑞々しくキラキラしているルビーを演ずるエミリア・ジョーンズが素晴らしい。ルビーを気遣う両親と兄もさることながら、V先生がMIP。音楽への熱い思いを持っての筋の通った物言いに教師かくあるべしであり、わざと間違えるところに胸熱にさせられました。 ルイーズ・フレッチャーがオスカー受賞の際、手話で両親に「夢を持つことの大切さをあなた方から教えて貰いました。あなた方は夢を叶えた私を見ています」涙ながらに語りかけるシーンを思い出しました。 劇場鑑賞を諦めたのを後悔する良作です。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-04-09 23:13:01) |
16. クライシス(2021)
《ネタバレ》 法律で医療用に使用が許可されている病院での使用に限られていた麻薬鎮痛剤オピオイド。1995年にパーデュー・ファーマ社が開発したオピオイド系鎮痛剤が処方箋で誰でも簡単に買える常備薬となり、後発組による同種鎮痛剤開発でオピオイド危機に至るという背景を知らずに鑑賞。製薬会社から委託された新薬テストで明らかになった瑕疵を圧力に屈せず食品医薬品局に訴える大学教授(ゲイリー・オールドマン)彼の相手である製薬会社、役人、大学、最凶トリオの人の命を預かる自覚が1ナノグラムも無い姿が恐ろしい。とりわけ事実を公表する事は守秘義務違反、一生かかっても払いきれない賠償金を課せられるという理屈が流石アメリカというべき胸糞の極み。このエピソードのみで作り上げたら地味だと判断したのかもしれませんが、密輸業者への麻薬取締局おとり捜査官(アーミー・ハマー)、息子の死の真相に迫る母親(エヴァンジェリン・リリー)のエピソードが並行して描かれています。犯罪ものとしてまぁそれなりにと言ったところですが、喪失感一杯の母親が見せる奮闘振りは白けた不要さで作品が散漫になってしまったのが少し残念。簡単に薬に頼る事を見直さなければと考えさせられた佳作です。 [DVD(字幕)] 7点(2021-08-13 19:42:23) |
17. スターリンの葬送狂騒曲
演奏会のエピソードでの開いた口が塞がらない無茶苦茶さも当事者にとってはまさに命懸けであるところにスターリンの人柄が表れている。死後の権力闘争が描かれていて、語られる一言一言のきっつい皮肉に苦笑させられるも、コメディ要素は感じられなかった。踏み潰される害虫の如く奪われる人の命、自国の黒歴史をロシアは直視できなかったのか上映禁止と相成ったようで。フルシチョフ役は似ていると思ったブシェミその人で健在ぶりがちょっぴり嬉しかった。存在感があったオルガ・キュリレンコも印象的。 [DVD(字幕)] 7点(2019-03-31 20:35:50) |
18. 暗闇にベルが鳴る
《ネタバレ》 動機もへったくれもなく殺したいから殺すというホラーものは苦手。サスペンスものとして鑑賞した本作。犯人目線でのカメラワーク、不穏な音楽、惨殺体の一瞬のショットに怖さで奥歯噛み締め握り拳に。ピーターが怪しいと睨むものの動機が解らなくて、どんでん返しの犯人がいるのか展開に目が離せない。ジェスの寝顔から後エンドロールまで恐ろしさで身体はカチンコチンの硬直状態に。結末がホラーものであった起承転結における恐怖演出が凄い。屋根裏部屋を捜索しない事並びにジェスを独りにして引き上げる警察に-1点、クレアの父の絡みの無さに-1点、何じゃこりゃ?の逆探知シーンに-1点。絶品の邦題によるホラーものの秀作。 既に左奥歯があ痛たたた・・・・・・(自己責任) [DVD(字幕)] 7点(2018-09-15 23:40:44) |
19. 銃撃犯
発見された多数の射殺体の中で唯一の生存者であるアランが、身代金目的の誘拐事件被害者ウィリアムスの行方を追う警察の聴取に答える形で進む物語。 8年ぶりに会いに来た腹部に銃弾を受けている息子ダニーからの、自分が死んで妹の心臓移植のドナーになる。代わりに誤って殺してしまったウィリアムスの替え玉になってくれ。金を受け取ったらボスは人質は殺すだろうからその時は死んでくれとの申し出を、愛する娘の為に、そして過去のダニーへの非道な仕打ちの罪滅ぼしにと受け入れる。 ダニーのコロコロ変わる作り話に何が真実なのか分からずにたどり着いた結末に、どんな親でも親に違いなく、どんな子供でも子供に違いない血の繋がりを思わされる。 こういう父親像を何度か演じてはまり役であるジョン・ハートは今作でも今になってそんなに苦しむという事を当時は分からんかったんやねというアランを好演して存在感を示している。 キャリー=アン・モス演じるリーが中途半端な悪役で盛り上がらなかったのが駄目な邦題と共に残念なところ。 [DVD(字幕)] 7点(2018-06-15 00:33:09) |
20. トレヴィの泉で二度目の恋を
孤高で生真面目で偏屈でありながら情けを持ち合わす爺さんとモラルに欠け嘘八百のおしゃべり婆さんのキスシーンが美しいと思えるのは、年輪を重ねる大樹のような名優二人ならではでしょうか。私の叶わぬ夢は The Pierre, A Taj Hotel, New York で por una cabeza を愛する人と踊る事でアリマス。 [DVD(字幕)] 7点(2017-07-22 14:04:59) |