1. ブレードランナー 2049
後半だるい。特に車が海に沈みそうなあたり。 Kと聞くと、夏目漱石のこころとか、カフカの城とかを思い出す。イニシャルという記号には中身が感じられない。イッコッコウみたいな存在。その中身の空洞に満たされていたのは、実はジョイちゃんなのかもしれない。 [映画館(字幕)] 7点(2017-12-29 22:59:27) |
2. エスター
《ネタバレ》 この映画を未鑑賞でこれから観る可能性が少しでもある方にとって、以下のネタバレを遠慮なく書いている拙レビューを読むことは、著しい損害を与えることになるので、くれぐれもご注意ください。 さて、 すべてを観終わり、真相が明らかになったうえで映画の出来事を思い返すと、僕は胸が締め付けられるような寂しさと憤りを覚えた。 僕は今30代前半の男だ。当然同世代(レンジは前後5年)のお姉さんとなかよくなりたいって思う。しかし僕が体が9歳の少年のままだったら、きっと同世代のお姉さんは僕を男性としてみてくれないだろう。ましてや奇形人として蔑まれるに違いない。 そんなとき、魅力的なお姉さんと出会い、でもそのお姉さんには旦那も子供もいたとしたら・・・。 エスターもそうだ。彼女も大人の女性(の精神)として、いけてる男性と出会えば、自分のものにしたいと望んだことだろう。 ただしその方法がサイコパスであるため、エスターはうまくいかなかった。もうちょっと命への尊崇の念があればうまくいったのかもしれない。 旦那をめった刺しにしたのもそうだ。自分を女として受け入れなかったから、むかついたんだろう。児童ポルノ法的に難しいのかもしれないが、あそこでエスターはランジェリー着てもっと妖艶に夫に迫り、夫と一緒に観客も生唾ゴクン出来るくらいエロければ・・・。 マックス(聾の娘)をかわいがっていたのも、マックスの「姉として」というよりも、むしろ「母として」愛でていたことに気付くと、なんかぞっとした。 そしてBD収録の「別のエンディング」が気に入っている。あれでこそエスター。美しさを感じた。 [ブルーレイ(吹替)] 8点(2014-05-08 02:03:14)(良:1票) |
3. ミスター・ノーバディ
《ネタバレ》 僕も時々思うことがある。信号待ちをしているとき、もう1メートル前に立つだけで、僕は車にはねられ、大けがをする。全く別の人生に分岐していく。もっと軽い分岐だってある。朝食をパンにするか、ごはんにするか、それでもその日一日の人生は異なるものになるだろう。 しかし我々は、時間が不可逆なわけだから、必ずどこかひとつのルートしか進めない。 でも、今の自分とは違う別ルートをすすんだ自分ってのも、存在しているのだ(多世界解釈)。この映画では、それら別ルートの人生を一通り旅していくことで、最初の分岐点(駅のホーム)へと収斂していく様は圧巻だ。 それぞれの人生ルートを回覧してみて気付いたが、この無数の多世界すべてをひっくるめて“自分”なんだなと。 [DVD(字幕)] 9点(2013-03-14 23:46:35) |
4. 大脳分裂
《ネタバレ》 ネクロマンティックにあった恍惚が無い。それがあればいっちょまえの作品になれたと思う。もう少し勉強してから撮り直してほしい。他に類題が見当たらない特異点と言える作品。つまり“例外”映画。 [DVD(字幕)] 4点(2012-11-11 18:25:29) |
5. 第9地区
《ネタバレ》 なんかへんてこな映画だった。あんだけの科学技術をお持ちなのだから、気持ちよくずばずば人類を虐殺してしまえばいいのに。 差別意識を浮き彫りにすることに成功していたと思う。恋人との電話のやりとりはまるで男がエイズになったときのやりとりにおきかえらえる。異星人の武器も爽快。 [DVD(吹替)] 9点(2010-10-06 21:38:05) |
6. サベイランス(2008)
《ネタバレ》 不条理であるのだけど、あのFBI二人組がところどころ気持ち悪いそぶりを見せるので、「殺人チョー気持いいー!」っていう動機が見えてしまい冷める。なぜFBIはあんな残虐なことをするのか、それがわからないからこそ面白い映画になるんだと思うが。 そもそもあんな悪い警官は死ねばいいわけで、そんなあいつらが殺される様子は観てるほうとしてカタルシスを得てしまう、だからFBIが正義の味方みたいに写ってしまう面もある。それは監督の意図なのか? ラスト、少女を生かすのはFBIの善意なのかと思ったが、今考えると、あの少女はこれから身寄りのない人生をすごさなければならないわけで、しかも壮絶なトラウマと秘密を背負わなければならないわけで、それはそれで真綿で首を絞めてるみたいだ。 中途半端な映画。 [映画館(字幕)] 7点(2010-02-11 00:03:33)(良:1票) |
7. マーターズ(2007)
《ネタバレ》 レンタルDVDだったからなのか、どうもスプラッターシーンが削られているような気がする。それくらい拍子抜けするくらい全然グロくなかった。エロくもないし。かといってオリジナル版を確認するほど魅力的な映画ではない。 「あの世を見る」という大義がいちおう彼ら彼女らにある以上、あの暴力の根拠がわかるので、さして残虐にみえないのだよ。『ホステル』みたいな大義のない(あえて言うなら自分の快楽のため)暴力だからこそ残虐であり、恐怖である。 そういう意味で、最後科学くんがつぶやいたクチパクは「くるしい」(綾瀬女子高生コンクリ事件での、女子高生の最後の言葉)でなければならないし、それを聞いたあの老婆は自殺してはならない。笑ってくれないと真の不条理にはならない。あの老婆の自殺は、映画を観た我々を赦してしまうようで、俺はマーターズ(証人)にはなれなかった。 [DVD(字幕)] 5点(2010-01-28 21:11:14) |
8. リダクテッド 真実の価値
《ネタバレ》 兵士の本音や欲望や苦悩を、愛情を持って描いている。確かに兵士たちがやったことはヒトゴロシである。けれども、あんな状況に人間が押し出されれば、だれだってああいう感じになってしまうのは当たり前。たまたまあそこに行かされた彼らに赦しあれ。 [DVD(吹替)] 8点(2009-11-03 18:54:39) |
9. ウォッチメン
《ネタバレ》 前田先生のおっしゃるとおり、青入道やロールシャッハはなんらかへのメタファーであるのかもしれないが、だとしたらもうすこしわかりやすくしてほしい。火星のでかい時計とか、最後の新聞屋さんとか、なんか意味があるんだろうけど、そこまで見抜くことができなかった。なので消化不良。 [映画館(字幕)] 8点(2009-04-06 00:45:41) |
10. 裸のランチ
《ネタバレ》 話の流れがどうも退屈なので、積極的に映画を見ようとならないのが残念。映画館で集中してみればそうでもないかもしれないけれど。気持ち悪い生き物の造形は他の追随を許さない。 [DVD(字幕)] 8点(2008-05-31 00:35:51) |
11. バイオハザードII アポカリプス
やっぱりゲームの方がおもしろい。バイオハザードのおもしろさは、あくまで謎解きアドベンチャーなのでしょう。 [DVD(字幕)] 6点(2008-05-31 00:20:33) |
12. クラッシュ(1996)
《ネタバレ》 事故って快感だなんて、人間離れしているのでなんとも思わない。エロくもない。 [DVD(字幕)] 6点(2008-03-15 22:43:12) |
13. ダーウィンの悪夢
そもそも僕は魚が苦手でして、加工工場の様子の方がスラムの現状よりも残酷でグロかった。 解説や音楽なないため、映画として盛り上がることは無いが、それなりに楽しめるので見といてもいいだろう。こんな映画見たって、なんとかしなきゃとかは感じない。 [DVD(字幕)] 7点(2007-08-14 23:47:32) |
14. ホテル・ルワンダ
《ネタバレ》 たしかに映画は、日本人のはしくれみたいな俺にも、ルワンダの悲劇を伝えてくれる。 でも映画鑑賞をするには、あまりにも事件が最近過ぎて、笑えない。 [DVD(字幕)] 8点(2007-03-25 01:04:19)(良:1票) |
15. ハウス・オブ・ザ・デッド
努力のあとはみえる。 [DVD(字幕)] 4点(2006-01-04 22:29:06) |
16. 大いなる休暇
クリケットがどういうスポーツなのか良く知りませんが、あれだけ笑わせてくれるのは嬉しいです。良かれとしてついたウソは、どんなに罪のないことであっても、どこかしらで後悔が残る。そんなこともわからずにその場しのぎのウソをつく頭の悪さが面白かった。 [映画館(字幕)] 9点(2005-07-29 00:50:39) |
17. ベルヴィル・ランデブー
日本はアニメが凄いと言われていますが、日本人にこのような作品を創ることが果たしてできるのでしょうか。こんなアニメはじめて見ました。びっくり。大型船とかフランス人独特の顔つきとか四角い肩の男達とか、かなーり無理のある造形ですが、ああやってこそ出てくるリアリズム、匂い、空気がたまらなくおいしい。つっこみどころ満載の傑作。 9点(2005-02-02 00:27:38)(良:1票) |
18. ブロンドと柩の謎
チャップリンの高感度が下がりました。というか、トップスターっていうのはみんなだらしない最低男なんだなあと思いました。自分のことしか考えていない。自己中、セカチュウ。美しい女性は、それだけで何かの責任を負うことになるのですね。映画としては、事件直後に聞こえるエンジン音が効果的。 7点(2004-08-18 02:30:54) |
19. ピーター・パン2/ネバーランドの秘密
《ネタバレ》 映画館で観れば船のCGはさほど許せる。オトナウェンディに対するピーターパンの「変わってないよ」のせりふはやや感動的。戦争とかでなくてさ、毎日の家事に追われ夫の面倒に疲れ果て、ストレスで太った中年女性ウェンディに対してピーターパンが「変わってないよ」といったらかなり感動的 6点(2004-02-18 16:03:43) |
20. チョコレート(2001)
今まで観た中でもっとも正当で妥当で納得のいくラブシーンだったです。ハルベリーがすばらしい 8点(2004-02-04 23:09:26)(良:1票) |