21. 日本のいちばん長い日(1967)
昔一度観て面白かった記憶がある。最近原作が大宅壮一編から半藤一利著に変更されたらしいが、そのおかげで偶然読む機会を得た。あまりの面白さに、さて映画ではどうなっていたのだろうと確認したく大急ぎでレンタル屋に走った。良い。これだけの大作、最良の時期であろう岡本喜八が丹念に映像化しており、この劇的な史実に余分な脚色を加えていないことが逆にとても好感。それにしても東宝35周年記念作ということで、豪華出演陣に舌を巻く。中でも阿南大将が乗り移ったかのような三船敏郎の圧倒的存在感に絶句。ついでながら、その時代まで邦画を支えてきた黒澤組の三船と小津組の笠が対峙する場面は妙に感慨深い。展開としては日本版元祖「24」。深遠な史実の内容にはここでは触れないが、もしこの映画を観る方は新たに判明した事実を加えた本を読んでからが絶対にお薦め。 [DVD(邦画)] 9点(2007-03-13 22:23:22)(良:1票) |
22. 用心棒
《ネタバレ》 きっとこなれた脚本というのはこういうことなんだ。何度見てもセリフが残る。最後の決闘シーン、毎回ゾクッと来てしまう三十郎がにやりと笑うところから、またまた毎回ゾクッと来る「あばよ」までがちょっと長いかなと思う点が無理矢理引く減点対象。 9点(2004-10-16 02:25:38)(良:1票) |
23. ターミナル
《ネタバレ》 空港に住み続ける設定は無理筋っぽい。ただ、余り押しつけがましくないヒューマンドラマは素直に楽しめた。 [DVD(字幕)] 8点(2006-01-15 23:37:25)(良:1票) |
24. 扉をたたく人
《ネタバレ》 その後、R・ジェンキンスを使い、そのとき何をなすべきだったのか。そしてその首尾は?を検証されてもいいぐらいの映画。ストーリー、脚本、編集、演出、すべて好み。しかし、主人公も精神的異邦人、すなわち移民であったと気付かされるところがにくいもんだ。 [DVD(字幕)] 9点(2013-08-08 00:59:18)(良:1票) |
25. 博士の愛した数式
《ネタバレ》 原作未読。自然に受け止めたい。絶望的な博士の症状をふまえた上で、この映画に限って悲壮感はいらないように思う。家政婦親子の心の成長を、この穏やかな数学者との関係において、決して諦めることのない心優しい繰り返しで描くことにより、雰囲気を含む物語の整合性がうまく表現されていたように思う。環境設定への不信感、矛盾、そして艱難を乗り越えて進んで行く進行を望むとしたら、それは違う作品に求めるべきと感じる。小泉監督の世界、好感。 [DVD(邦画)] 8点(2006-10-21 00:47:12)(良:1票) |
26. ペリカン文書
《ネタバレ》 D・ワシントンを除く主要登場人物の立場の変遷が恐ろしく判りにくい。駄作。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-03-13 21:46:12)(良:1票) |
27. 男はつらいよ
《ネタバレ》 冒頭、江戸川縁を歩くシーンで、パットが決まる直前のゴルフボールを取り、打った人間に軽く投げ返し頷くところ、「親切なのだが世間からはずれている人間」これが寅さんのすべてを集約した名場面だと思う。若くて荒々しいが粋な渡世人の寅さんを知らないと後々の作品の受ける印象が違うと思うし、これはとてももったいないことだ。 8点(2004-10-30 20:18:45)(良:1票) |
28. サブウェイ・パニック
《ネタバレ》 恐ろしいほど無能な警察側、追う側をからかう作品にしたほうがいいのでは。アホらしい。この緊張感の無さは驚き。 [インターネット(字幕)] 4点(2007-11-25 00:21:02)(笑:1票) |
29. バトルシップ(2012)
《ネタバレ》 主人公の破天荒さが圧倒的に不利な状況をひっくり返す。という狙いは分かるが序盤の主人公紹介がグダグダでかなり退屈。そりゃあ型破りであるはずの人間がいきなり士官になって登場じゃあね。ともあれ昔の武器で撃退出来て良かった。 [DVD(字幕)] 5点(2012-12-02 21:50:09)(良:1票) |
30. 男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花
《ネタバレ》 ラストにリリーと会う。リリーだからこそそれが名シーンになる。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2007-03-18 16:52:55)(良:1票) |
31. コクリコ坂から
”ジブリ”に求めるものの違いにより評価は分かれるのですね。レビューを読んで納得しました。それにさして思い入れが無い自分は素直に好きです楽しめました。 [DVD(邦画)] 8点(2014-06-14 23:37:15)(良:1票) |
32. アヒルと鴨のコインロッカー
《ネタバレ》 神様に見て見ぬふりをしてもらう。とても良かったが警察官の目の前で人を故意に跳ねたにもかかわらず、すぐ本屋に復帰しているという時間の流れを見て見ぬふりをさせるのはいかがなものか。 [DVD(邦画)] 6点(2008-08-31 23:30:09)(良:1票) |
33. ALWAYS 三丁目の夕日
《ネタバレ》 高評価を否定するつもりはない。でも、この作品は自分の琴線に触れたと多くの人に錯覚させることに長けた作品に過ぎぬ。それは「映画」として感動を享受しているとは自分には到底思えない。昭和33年、この時代はこうだった、ああだったというような表現(映像・小芝居)に終始し、掃いて捨てるほどある話の羅列がベタで恐ろしいほど貧弱であることに裏付けされている。これほど評価が高い割に内容が無い作品も珍しい。この映画の「話」で錯覚感動を認めるほどの度量を自分は持ちあわせていない。それでいい。 [映画館(字幕)] 2点(2005-11-30 19:01:48)(良:1票) |
34. 青い山脈(1949)
《ネタバレ》 ご多分にもれず63年リメークを先に観ていました。こちらは日本が迎えた20世紀最大の転換期からわずか4年での製作です。話は同じでもただの青春物にとどまらなかったでしょう。原作の石坂洋次郎の偉大さはともかくとして、今井正は大人気の新聞小説を人々が頭で描いていたものの具現化に成功させたのだと思います。救われた人がどんなにいたのだろうか想像してしまいます。 [DVD(邦画)] 9点(2014-01-05 01:04:32)(良:1票) |
35. 椿三十郎(2007)
《ネタバレ》 織田起用はさておきリメークの必要があったのか本当に疑問を感じてしまう。素浪人には程遠い爽やかな三十郎と声のトーンが高く凄みを感じぬ半兵衛、それはそれで許容範囲としても、オリジナルでの目的のためには躊躇なく敵を叩き斬る三十郎や半兵衛とは同じ脚本であっても全くの別人であるとしか思えない。それは鞘に収まる良い刀ではなく「抜身」と評されることへの整合性の有無ではないか。「抜身」ゆえに最後の血闘があり、惜しまれても去り行く三十郎がいるのである。森田監督は三十郎を織田でしか考えられなかったという。しかし、ギラつく抜身を表現できないのなら絶対に脚本を変え「織田版」を作るべきだったと思う。単純にこの作品は三船敏郎には似合わない。 [映画館(邦画)] 5点(2007-12-09 01:33:34)(良:1票) |