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1.  マイケル・ジャクソン/THIS IS IT 《ネタバレ》 
10年のブランクを経て、いきなりロンドン50公演宣言。昔ファンだった私もさすがに、とち狂ったかマイコー、いよいよ金策に出たかと、半ば呆れていたところの突然の訃報。それを受け最初に抱いたのは、驚きと同時に諦めの気持ちだった。しかし追悼を機にテレビで流れる過去のPV、そうあの完璧にかっこいいPVを見返すにつれ、昔ファンだった事を思い出しCDやカセットテープを引っ張り出し、映画も見なきゃと足を運んだ。 そのスクリーンには、妥協や失態など一切無い昔のままのマイコーが居たし、完璧なPVでは見られない素のマイコーが居た。まるで呼吸をするかのようにダンスし、鼻歌のように歌っていた。「リハーサル」での自然なパフォーマンスは既に完璧だった。キングオブポップは健在だった。だからこそとても悲しい気持ちになった。MJの一部として同じステージに立とうと世界中から集まった若いダンサー達、子供の頃からファンだったというシンガーやミュージシャン、MJのチャレンジに満ちたプロジェクトを形にしようと尽力するスタッフ達、そしてもちろん、多くのファンや我が子の期待に答えようとしたマイコー、同じ夢を抱いた大勢のプロフェッショナル達の無念さは計り知れない。ラインストーンで埋め尽くされたビリージーンの衣装、見たかった。地球を癒そうと大合唱するマイコーと観客達、見たかった。そしてこれからもまだまだ歌って踊れるマイコー、見たかった。マイケルジャクソン、キングオブポップ、神、レジェンド、天下無双、唯我独尊、そしてベストファーザー、安らかに。フォーエヴァー。  
[映画館(字幕)] 10点(2009-12-05 16:04:51)(良:6票)
2.  ジョジョ・ラビット 《ネタバレ》 
第二次世界大戦当時のドイツにおける現実は物凄く残酷で、耐え難い不幸な出来事が日常茶飯事で、このようなポップな作風の物になり得るはずもない。一人の危険な独裁者による洗脳や情報操作で最悪な事態に陥ったという不幸を、70年余り経過した現代になって冷静な目で見つめ直そうとした時に、それを純粋な少年の目線から見た戦争という角度から表現した時点で、この作品は私の中で大成功をおさめてしまいました。そしてそんな背景としての戦争はまさに背景に過ぎず、戦争より何よりも、この作品の最大のテーマは少年の初恋の行方だったという所。ママも言ってた。一番大事なのは愛だという事を。ポップな戦争映画で、最後は愛。こういうのって映画の持ってる底力だなって思います。また好きな映画に出会えました。
[インターネット(字幕)] 10点(2022-04-01 16:06:51)(良:4票)
3.  もののけ姫
私の周りにはこれ好きって人が全くいない!それに反論します。だから長くなります。この作品は単に自然破壊や環境汚染を非難するエコロジーアニメではない。人間と自然の共生の難しさ、そしてそれは可能か、たとえ不可能としても、そうする努力を惜しまない事こそ、人類に課せられた指名ではないか、というメッセージだと思う。浅い見方をしたならば、エボシやジコ坊は「悪」と取られてしまうのか。だがエボシはいわゆる開発促進派で、周囲の労働者からは絶大な信頼を得ている。そのエボシを利用したジコ坊達だって、強欲ではあるが極めて現実的で最も人間らしい。「不老不死」という人間の永遠のテーマの為に、そこまでする勇気に感心する程だ。それぞれのエゴから勃発した抗争は、今始まった事ではなく、これまでも、これからもずっと続くだろう。どれが悪でどれが善だなんて結論はつけられない。作品の終わり方について「だから?」とか「問題提起だけの終わり方」とか言われるけど、シシ神は、シシ神の森とタタラ場の対立的な環境を全てリセットし、ゼロからのスタートを望んだんだと思う。そして人間たちが今回の騒動を教訓に『人間も自然も』住みやすい新たな環境を、人間の手によって築く事を課題にしたんだと思う。作品で問題を提起されたら、それについてそれぞれが考え、自分なりの答えを出せばいい。だからここまで書いた事も私個人の考え。当たりかはずれかなんて分からない。あともう一つ。かなりハリウッド的なストーリーだと思う。以前BSで「スターウォーズ」に大きな影響を及ぼしたジョーゼフ・キャンベルという神話学者の事を言っていたのでそのまま書きます。→彼は世界各地の神話や民話を検証して「英雄は旅をする」という共通項を見出した。それによると、1.若者は重要な使命を告げられて故郷を追われる。2.若者は旅の途中で永遠の女性と出会い、魔物と戦い、困難をくぐり抜けて最後に故郷に帰る。 まさにこの構想にのっとって作られている(帰ってはいないが)。ここでの英雄アシタカは最初から英雄だった。彼の成長記にしなかったのも「自然環境の再構築」が最終テーマだったからだろうと思う。
10点(2003-08-09 17:10:46)(良:3票)
4.  奇跡の旅
動物たちの演技に感心した。ピューマやヒマラヤンのサシーが川で溺れたりするシーンは「動物愛護団体に怒られるぞー」という思いも含めてハラハラしながら観た。ラスト、エンドロールで「動物の演技指導は愛護団体の監視の下に云々」とあったので、ゴールデンレトリバーのシャドウが帰ってきたときと同じくらいほっとした。無事に生還したシャドウが、自分の身より主人ピーターの事を心配して“言う”セリフは、作り手が勝手にあてた言葉と知りながらも感動してしまった。オリジナル「三匹荒野を行く」も見てみたい。
8点(2003-07-03 10:24:32)(笑:1票) (良:2票)
5.  プリデスティネーション 《ネタバレ》 
とんでもない扉を開けてしまった気分。タイムパラドックスという鳥かごから無限に出られない一人の人間による無限ループな人生。名も無きバーテンダーは何のために生きているのか。少なくとも自分の為に生きている瞬間は無さそうだ。一人の爆弾魔を追うことだけを目的としている。天職というかそれしか出来ないと言っている。その行動が自分を生み出し、自分を滅ぼそうとしている事に気づいたのはいつなんだろう。殺したいほど憎んだ男が自分だったらと知った瞬間、過去の自分の顔を見た瞬間、そんな顔をしていたのか、とても綺麗だと思った瞬間。これだけがこの人生で幸せを感じることの出来た瞬間だったんだろうな。繰り返される無限ループの中で、毎回一回ずつくらい幸福な瞬間が増えていくのだろうか。何ともタフな宿命を背負わされたもんだ。何度か見返すべき作品として、とんでもない大作であることは間違いない。それでも当時は全く話題にならなかった。クリストファー・ノーランやリドリー・スコットだったら違ったんでしょう、宣伝効果が違うから。ちょうどその年のクリストファーはインタステラーだったか。そんな訳で陰に隠れた秀作になってしまったが、一度見たら見る側も無限ループの世界へ導かれてしまう。とんでもない作品でした。
[インターネット(字幕)] 8点(2022-09-02 11:50:47)(良:3票)
6.  ロッキー 《ネタバレ》 
チャラチャ~ンラ~、チャーンチャチャーンチャチャララ~ララララ~ンララ~ンララー 「15ラウンド戦って今の感想は?」「エイドゥリエーーン!ェイドゥリエーーン!!」「ロキー!ロキーー!アイラーヴュー!」「アイラヴュー」 究極のラブストーリーです。
[DVD(字幕)] 10点(2008-04-19 08:46:01)(良:3票)
7.  最強のふたり
特に事件が起こること無く、急な展開や駆け引きも無く、凸凹コンビの出会いと日常を描いています。ですから大きな感動やハラハラも無く、目から鱗も落ちること無く、教訓も説教も無いわけです。この作品に有るのは爽快感と笑顔です。笑顔っていいなって。ドリスっていう男がいいヤツで、こんなヤツ、いいよなって。身体的に不自由な人も、心寂しい人も、皆笑顔に救われるのです。
[映画館(字幕)] 8点(2012-11-19 15:39:00)(良:3票)
8.  ボルト 《ネタバレ》 
最近は子供に付き合い、子供向け映画を見る機会が多くなっているのだが、犬主人公で、いかにも無難な子供向け作品かと思ったが、なんと感動的な心温まる作品だった。むしろ子供には理解できない部分もあったらしく、100%の感動を味わえたのは大人のほうだったのではないか。気づけば回りの大人が度々鼻水をすすっているし、私とて初っ端から、ボルトが純粋に演技ではなく大真面目に悪と戦っているところで、不覚にも目頭が熱くなってしまった。そこから先、ロードムービー的な雰囲気もよろしく、ボルトが普通の犬としての喜びを学んでゆくのがとっても良い。面白いのはその教育を猫から受けるという微笑ましさ、思わず笑顔が出てしまう。現実の厳しさを知る野良猫と、世間知らずでテレビ好きハムスターとの旅、たまに出てくる無責任で適当な鳩たち、みんなとても良い。ちょっとファインディング・ニモに似たようなところもあるが、とにかく度々感動させられ、温かい作品でした。
[映画館(吹替)] 9点(2009-08-07 17:32:21)(良:3票)
9.  ギルバート・グレイプ 《ネタバレ》 
久々に映画らしい作品を見たと思った。このキャストの話題作を今まで見ていなかったことも恥ずかしいのだが。明確なメッセージが提示されているわけでもないが、こういうのが私は大好きだ。ある家族のエピソードを大風呂敷を広げるように紹介し、何事かをきっかけにバッと収束するという感じが好きだ。母や弟のことを重荷に感じているが、そのことを認めようとせず自分をコントロールしてしまう兄、自分をコントロールできない弟、我慢の末コントロールが効かなくなった母。その三人のうち誰かが死ぬんだろうなという緊張感。父が残した家屋のしがらみ。炎は全てを焼き尽くした。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-11-17 22:06:28)(良:2票)
10.  ようこそ映画音響の世界へ 《ネタバレ》 
映画愛が、とりわけ音響愛がビシビシと伝わってくるタイトル通りの作品。音響ど素人からの感想になりますが、へぇ~の連続と名作映画のシーンが次々映し出され、なかなか楽しめます。それ以上に感じることは、音響技術さんたちがその仕事を一生涯を通して楽しんでる、その姿勢に感銘を受けるのです。羨ましい限りです。そして面白いなと思うのは、FOLEYという効果音のつくり方。スタジオの床で雪を踏んづけたり、びちゃびちゃの雑巾をこねくり回したり、パスタを松ぼっくりで潰したり。リアルな音の録音じゃなくてわざわざ作って乗せているとはちょっとビックリ。そう言えば遠い昔、高校の予餞会という学校行事で、まさにそんな真似事をした記憶が蘇る。級友の演技に合わせて、バケツの水パシャパシャしたり、テレビにマイクを向けて録音したドラマの主題歌を使ったり、恩師たちのインタビューから言葉を編集して変な贈る言葉を作り出したり。何てアナログな事をと、思い出すと笑ってしまうような事をプロの技術者さんたちが真面目にやってるじゃないですか!私の安っぽい遠い思い出が少しだけ誇らしくなったのでした。あの頃は、プラトーンが流行ってたなぁ。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-09-13 13:06:01)(良:2票)
11.  X-MEN:ファイナル ディシジョン
おすぎが「も~!いいわよ~!!」とかなり興奮してたので、騙されたと思って1&2を借りてきて見、まあ面白かったんで映画の日に千円で見てきましたょ。見終わった後は私もおすぎ化。んも~!すごいわぁ~!!千円じゃ申し訳なかったわぁ~!105分という短い時間の中で、ミュータントのキャラの活かし方が上手い。つまりテンポが良い。ラストもニヤリ。ただ1&2で小出しにしてたウルヴァリンの消された過去について全く触れてないのが不自然なので1点減点。うじうじした暗い過去なんかくそ食らえ!だって心の傷もすぐ治っちゃうんだもん!ラストだファイナルだミュータント祭りだ~!とブレット・ラトナーが言ったかどうかは知る由もありませんが、そのくらいの勢いでした。
[映画館(字幕)] 9点(2006-10-05 17:13:06)(笑:1票) (良:1票)
12.  二十日鼠と人間(1992) 《ネタバレ》 
素晴らしい!途中のエピソード(老人がずっと可愛がっていた老犬を、他人の手によって安楽死させ後悔した事、レニーがねずみや子犬を可愛がりすぎて死なせてしまう事)が、ラストの伏線としてうまく活きている。何と言っても素晴らしいのは、ジョージの複雑な心境をゲイリー・シニーズが深い演技で上手く丁寧に表現していること。彼の物悲しく切ない表情と、無邪気に夢を語る時の表情が見事!監督としての手腕も素晴らしく、時々挟まれる麦刈りなどの労働シーンや蹄鉄投げのシーンは、牧歌的で純粋な雰囲気が出ていて才能を感じてしまう。最後のシーンの間の取り方なども、押し付けがましくならないよう、絶妙な形に仕上がっている。一口に「感動」とは表現できない、静かな心のざわめきを感じた。完璧!
10点(2003-12-26 09:29:49)(良:2票)
13.  ディパーテッド 《ネタバレ》 
オリジナル未見。だもんで単体として見る限り、非常に面白かった。もちろんプロットのおもしろさは抜群だけど、レオ、マットデイモン、ジャックニコルソンはそれぞれはまり役。とりわけレオ!いや私レオファンではないんですが。恐怖と絶望と正義感を充血したあの目で訴えてかけています。揺れています。揺れっぱなし。対してマットも同じく揺れているべきなのに、それがイマイチ伝わってこなかったのが残念。よってレオの方に感情移入したまま最後まで見ると、え~!!ってことになっちゃうわけで、その後はもうみんな秒殺。ネズミ国家のネタばらしに終わるわけです。オリジナル見てないんであれなんですが、根本的にメッセージが別物で、スコセッシが描きたかったのは元ネタよりもライトで皮肉な世界観だったんじゃないかな、と思います。ただあの封筒、予想はだいたいつくものの、ちらっとでも見たかったです。 
[映画館(字幕)] 8点(2007-01-30 13:12:31)(良:2票)
14.  許されざる者(1992) 《ネタバレ》 
「人殺しは人間の過去も未来もすべて奪うという事」。老ガンマンが若者に諭すように放つセリフ。現実世界では周知の教訓だが、映画の中では簡単に人が死に過ぎる。戦争モノのような最悪なシチュエーションは別にして、西部劇、刑事モノ、事件モノは、撃たれ、殴られ、刺され、とにかく一瞬で人間が死に絶えてゆくことが多い。この作品がそれと少し違うのは、ヤル側も怯え、苦しみながら、かなり真剣に人殺しをする。これはもしや、イーストウッドがこれまでに映画の中で殺してきた無数の被害者や、その他映画の中で簡単に殺され続けた被害者たちへの鎮魂歌なのではないか?などと勝手な解釈をしてみたりした。ここにはいろいろな「許されざる者」が登場する。善い人間と悪い人間の他に「許されない人間」というくくりがある。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-08-12 17:05:06)(良:2票)
15.  君たちはどう生きるか(2023) 《ネタバレ》 
 まず、御年82歳の巨匠が自らの集大成を総括した作品に対し、10点満点(もしくは5点満点)で採点すること、そしてこのような「考えるな感じろ」的な作品に対し、感想を文字化し可視化することが極めて無粋である事と知った上で、あえて書かなければならない。そうしないとこの作品を見た意味すら見失ってしまいそうな、そんなつかみ所の無い作品だったから。自分への覚書のようなものとして、書いておこうと思う。  ネタバレ厳禁をここまで徹底する要素が、果たしてこの作品にあったのか否かは疑問。あくまでも戦略だっただけのように思う。そもそもネタばらしをしようにも、あらすじなるものを簡単に言葉で語り継げるようなストーリーをまず持っていない。とりあえずは「感じろ」と。しかしその次の段階には、登場する全ての物に何かしらの意味が隠されている事を「考える」こととなる。メタファーにつぐメタファーの連続。そして過去作品のセルフオマージュの連続。この、メタファーとセルフオマージュの連続が、一見取り留めのないものの羅列として、退屈を感じさせてしまうのかもしれない。この作品、実は、感じろ、ではなく、考えろ、だった。  全ての鑑賞者の数だけ、解釈の数がある。監督の持つ戦争観、死生観、男女の在り方役割分担、アオサギとは、ペリカンとは、インコとは、そして13の積み木と跡継ぎ問題、産屋へ入ることが禁忌であるということ。  この作品に限らず、監督は常に、生きろ、と言う。生物は生きているか死んでいるかしかない。死んだ者は、食べられるか埋められるかしかない。生きている者は、生きるため産むために殺生をすることがある。イレギュラーケースとして、生きるか死ぬかの基準の中には存在しない行為、自分の頭を石で殴った自傷行為の事を彼は「悪意」と言う。彼が負傷のために刈上げた頭で真剣に武器を作る姿は、デニーロのタクシードライバーを思い出してしまった。捕らえられた女を救出するために命を懸ける男の話だ。男が女を守り、女は子を産む。この古臭い男女の役割分担という考え方が、現代では禁忌、ストレートには表現できないタブーとなっている。メタファーという鎧で自分を守りながらでないと表現出来なくなり、そのために分かりにくい面白くないと評価されるようになってしまう表現者。13の積み木(ゲド戦記を含む13作品)を積み終わった後は、許されるのであれば悪意の無い跡継ぎにこの場を渡してしまいたい。言葉をしゃべるが中身のないインコみたいな無責任な不特定多数の群衆どももいるこんな世の中だから、最新の注意を払って、自分と自分の周りの大切な人を守って、生きていかなければならないんだなぁ、と。どのように生きるか、という監督からの設問への、これはあくまでもほんの一回答、です。
[映画館(邦画)] 8点(2023-07-18 15:51:56)(良:2票)
16.  インターステラー 《ネタバレ》 
理論物理学者を制作に携えて、相対性理論とか高度な物理学を皆知ってる前提でさらりとまぶして、ゴリゴリの理系SFかと思いきやジャンルで言うと、SF<ヒューマン、である。「愛」を科学すると、それは発明品ではない観察可能な力、時間時空を超える未知の力なのである。で、我々人間が生きる三次元の世界に「時間」を加えた四次元、その更に上の五次元の世界には、「意識」なるものが加わるそうで、そうなってくるとロジカルなSFがガラッとエモーショナルなものになるのは必然。難しく考えて100%理解しようとすればするほど置いてけぼりなのだが、未知の力とされる「愛」によって全ては導かれるという、宗教哲学だったりする。かなり壮大なヒューマンドラマなのでした。あと、ふと頭に浮かんでしまった妄想ですが、重力が大きくなるとそこは時間が遅く流れるという相対性理論と、圧力鍋で加圧してお肉がものの10分で柔らかくなっちゃう現象、関係ある?てな訳ないですね、はい。そんなレベルのおばちゃんにも楽しめました。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-06-17 19:13:59)(笑:2票)
17.  20世紀少年 -最終章- ぼくらの旗 《ネタバレ》 
かなり良かったんですけど。てか皆さん厳しいですね。私は見終わった後、すっきりしました。そうだったのかと。確かに前半、というか大半は大した事無いです。でも、あのラスト!謎が多く残った原作の終わり方に、「そういうことか!納得ーー!!」と思わせる本作のラストに鳥肌が立ちましたよ!凄すぎる。いや前半、てゆうか大半は大したことないんですけどね、あのラストは原作読んだ者は、絶対見て納得しないと完結しないですよ。整形説とか双子説とかあったけど、それらの説の上を行く結末が一番スッキリです。ありがとう。いや、前半、てゆうか大半は大した事無いんですが、ラストのまとめ方は素晴らしい。20世紀という時代が、これでスッキリ終わりました。でもまた原作、読み直しです。
[映画館(邦画)] 8点(2009-09-02 21:36:48)(笑:1票) (良:1票)
18.  十二人の怒れる男(1957) 《ネタバレ》 
後に数々の社会派作品を世に送り出したシドニールメット監督の記念すべき最初の作品なんですね、この事実に映画史の凄さを只々感じてしまいます。陪審員十二人はざっと役付けると、進行役、気が弱い者、無責任、理論的、労働者、偏見、親子関係難あり、スラム街育ち、移民、老人、優柔不断、そして中立と、この場にいる人間だけで民主主義国の話し合いが出来ちゃうっていうくらい個性派ぞろい。ここで間違っていけないのは、話し合いの末、一人の恵まれない生い立ちの少年を救うことが出来ました、という話じゃないって事。実際のところ少年は本当に無罪なのか、真犯人がいるとしたら誰なのか、そんな事は一切語られません。民主主義というもの、その物自体について考えるというのがテーマです。人が人を裁くことの難しさ、その為には納得するまでの議論を持たなければならない。汗が流れる程の暑い密室で成されるその熱い議論が、脚本の面白さで手に取りやすいものになっています。議論を重ねるに連れ一人また一人と無罪に転じていく訳ですが、私が一番気に入ったのはやはり一番最後の一人です。1時間半の間ずっと怒り怒鳴っていた彼が破り捨てた写真に写っているのは、全く別人のように笑顔で笑うお父さんなのです。何て切ないシーンなんでしょう。いさぎ良く、清々しい雨上がりのラストシーンも秀逸です。
[インターネット(字幕)] 9点(2023-04-18 15:56:50)(良:2票)
19.  ヒストリー・オブ・バイオレンス
こんなに尺の短い作品とは知らなかったので、いきなりのエンドに、リモコンのスキップボタン間違って押しちゃったのかと焦ったほど、これで終わり?な感じだった。トムが自分の過去を認める前まではとてもテンポ良く楽しめたが、その後は失速ぎみ。で、あっけなくエンド。なんだか物足りない。しかしそのラストには巨大な余韻が残る。ここでは描かれていない過去、ジョーイとはどんな男だったんだろう、あの兄弟はどんな少年時代を過ごし、どんだけロクデナシだったんだろう。更に描かれていない未来、あの家族はどうなったんだろう、きっとゆっくり時間をかけて元のストール一家に戻る努力をするんだろう、息子は、娘は、どう育つんだろう、店は、保安官は、などと想像は膨らんでゆく。想像のヒントになるような気の利いたエピソードやアイテムなんかがもう少し随所に散りばめられていたら、もっと奥行きが広がるのになあと思ったりもした。
[DVD(字幕)] 7点(2008-04-30 16:19:41)(良:2票)
20.  夕陽のガンマン 《ネタバレ》 
賞金目当てや復讐劇で人がバタバタと死んでくのはこのジャンルならではの映画の世界観。音楽もかっこよくて、日本の時代劇にも通ずる爽快感。ピストルか日本刀かの違いだけで、エンターテイメントとしての殺しのシーンというのはどこの国でもどの時代にも必要なんだろう。単純にその所作をカッコイイと思うし、ヒーロー性を感じ(必ずしも善ではないが)そこに痺れる。ここ最近ではコンプライアンスとか何とかふざけた風潮が偉そうにはびこり、本作のような単純な殺し合いだけのものなんてのは見れない時代だなと改めて思った。これ見た結果「殺し」を真似しようと思う人間がいるのだろうか。もういい加減一部のくだらないPTAみたいな人種に気を遣うような事はやめたらいいのにと、本作の感想ではないような事を考えてしまったなぁ。ラスト金銭的に丸儲けのクリントイーストウッドと、カッコよさを独り占めしたリーバンクリーフのバランスが絶妙に良かった。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-05-28 11:14:04)(良:2票)

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