1. アパートの鍵貸します
世渡り上手な主人公。上司たちの不倫を助けるために自分の部屋の鍵を貸して、その見返りに昇進を得る。そんなズル賢いけど憎めないキャラをジャック・レモンが上手く演じている。憧れの人が部長の不倫相手なんて読めちゃう展開だけど、ジャックの立ち振る舞いや、テンポの良さがとても面白い。この時代の映画にしては、社会性や政治性がないのでとても気楽に見られるのも良い。 9点(2003-10-13 00:37:42)(良:1票) |
2. 時計じかけのオレンジ
見せ方は斬新で他ではなかなか類を見ない感じ。内容も、コミカルでバイオレンスでエロティックでサデスティックで・・・って良く分からない。なんと評すればいいのやら。確かに引き込むものはあったけれど。出所後のなんと悲惨な事。まあ身から出た錆とはまさにこのことで、自業自得以外のなにものでもない。でも警官になった昔の仲間はどうだろう。同じ悪さを繰り返してきたのに、方や罪を償ってなお不幸な目に会う。方や一人に罪を着させて自分達は警官に就職して安泰。いや、勧善懲悪的な映画を見すぎなのかも知れないが、釈然としない。そんなところを見る映画じゃないんだろうなとは思いつつ・・・最後の「完璧に治った」ってなにが完璧に治ったのか良く分からなかった。 6点(2003-10-21 00:26:20)(良:1票) |
3. バルカン超特急(1938)
視聴者まで老婆がほんとに居たのか、居なかったのか分からなくさせる見せ方が上手い。何かの陰謀にするにしてはその理由が見えないし、乗客の誰かが見たという確証も取れない。彼女が見た幻覚だったのだろうか・・・と疑ってみてしまうのも仕方ない。乗客の嘘をつく理由がそれぞれ個性があるのが良かった。まあ逆に言えば、買収された人以外が嘘をつくのは偶然の産物なんだけど。でも見ている時はそれを感じさせないくらい上手く出来てた。物語が核心に迫ってくると話が飛躍的に大きくなるのもヒッチコックらしいといえばヒッチコックらしいか。 8点(2003-12-04 23:15:32)(良:1票) |
4. ダイ・ハード
アクションものではありがちな絶対的に強いヒーロー象ではなく、どことなく頼りなさげなところが良かった。決して敵に真正面から対抗せずに、そこからは逃げ、しかし果敢に抵抗し人質の解放にあの手この手を尽くす。その緊迫感が面白い。舞台もビルひとつに限っている。昨今ありがちなあっちのビルも爆破こっちのビルも爆破だったり、道路破壊しまくりなカーチェイスだったりしない。狭いスペースでの攻防。そしてその全てを活かしているから、ストーリーにもアクションにも無駄がない。かなり面白いアクション映画だと思う。 9点(2003-09-14 11:32:14)(良:1票) |
5. ローマの休日
良すぎ。オードリーの初々しさが、世間知らずのプリンセスと重なる。ストーリーもいやらしさのない、王道ラブストーリーって感じ。ラブストーリーが特別好きなわけでもないけど、これは素晴らしい。見ていても凄く爽やか。1シーン、1シーンもとても印象的。最後、グレゴリー・ペックが記者として、プリンセスに戻ったオードリーと再会するシーン、一瞬驚いた後すべてを理解して満足そうな顔をするオードリー。夢の一日が素晴らしいものだったと感じさせられ、心に響く。文句なしの名作です。 10点(2003-10-13 12:43:29)(良:1票) |
6. 草原の輝き(1961)
《ネタバレ》 純粋で・・・純粋すぎた恋。抑制されればより燃え上がり、そしてその抑制に負ければ狂乱してしまうほどの恋。しかしそんな恋も、時が経ち時代も環境も変わると、冷静に見ることができる。淡い想いと帰らぬ時間。いろいろなものがラストの詩とともに感じられる。29年とか株とかを強調していたが、時代背景にブラックマンデーを絡めたのもにくい。丁度アメリカそのものが変わる時代だったんだろうな。 9点(2003-11-17 22:43:26)(良:1票) |
7. ガス燈(1944)
サスペンスとしては分かり易過ぎる感じはある。しかしイングリッド・バーグマンが精神的に病んでいく演技が秀逸で引き込まれる。夫によって追い詰められていくのだが、妻は夫を疑うこともなく、上手く騙されていく。客観的に見ていたら、夫が怪しいのはバレバレだし、なんでもっと夫を疑わないのかとも思う。しかし、それもイングリッド・バーグマンがいかにも世間知らずのお嬢様に見えるので、騙されても仕方が無いのかなと思わせる。最後の夫へのしっぺ返しも良かった。 8点(2003-10-16 22:04:15)(良:1票) |
8. ダ・ヴィンチ・コード
《ネタバレ》 原作を読んでいないと分からない、原作読んでいて知識がありすぎると物足りなさを感じる、そんな映画だったと思う。あの長編を2時間半にまとめるには、すべてを描くわけにいかなかったと思うけれど。導入部分は大雑把。暗号の巧みさが各所に出てるシーンなのに、早急に進められてすべて無。嫌疑かけられて逃げただけのシーンになってしまった。せっかくのルーヴル撮影はなんだったんだろうか。銀行のシーンは、ラングドンが天才になっていた。「一度しかチャンスがない」と言われているのに、悩む余地なく暗証番号を打ち込める勇気に感心。一方で、他が省略されてる割にはテービング邸のシーンは長めだし、バランスが悪かった。ただ、良くも悪くも全体のストーリーとしては忠実に再現されていたし、素直に見たら映画として悪くなかったので、個人的には好きなんだけど。最後のシーンは原作通りの方が良かったなと思う。 [映画館(字幕)] 8点(2006-07-15 21:01:08)(良:1票) |