1. ツリー・オブ・ライフ
駄作。映画館の大画面で見てもこれほど退屈させられたのは非常に稀。見る側の感性云々など問題にならない。それ以前の問題。薄っぺらい上に冗長。おまけにCMでの煽りもてんで的外れと来ているから困ったものである。技術は認める。制作費もかかっている。しかしひどいものはひどい。映画館で見る価値はない。テレビ画面の大きさでは最後まで緊張感を持っては見切れないだろう。ネイチャー系のプラネタリウムの合間に、どこにでも転がっている父子の確執を何のひねりもなくただ混ぜ込んだ映像と思ってみると想像しやすいかもしれない。未見の人が映画館で同じ憤慨を持つことのないよう警鐘を鳴らしたい。映画は娯楽であり商業活動であり、その上でどれほどの感銘をオーディエンスに届けられるかが作り手の腕の見せ所であるが、本作はフォローのしようがない。 [映画館(字幕)] 1点(2011-08-15 00:22:26)(良:4票) |
2. 風立ちぬ(2013)
結局宮崎駿という人は“人間を描けない作家”だという印象をまざまざと残した作品。見た目が派手なだけの上っ面で薄っぺらい物語の描写。いや実際には、この映画のモデルになった真実には極限の人間ドラマがあったのだろう。その真実には素直に敬意を払いたい。だが宮崎駿はある意味被害者で、時代が生んだ裸の王様だったとも言える。これを見て“自分が作った作品を見て初めて泣いた”と言った宮崎監督。その監督が放った引退宣言は、日本のアニーメーション映画業界にとってこの映画の持つ最大の功績だと思う。プロデューサーの鈴木敏夫氏も、ぜひとも一緒に引退してほしいものだ。0点を最高のはなむけとしたい。 [映画館(邦画)] 0点(2013-09-12 00:28:17)(良:2票) |
3. ALWAYS 三丁目の夕日
良い雰囲気。とりわけノスタルジックな映像はよくできている。しかしながらストーリーが細切れで一本通る筋がない。故に観賞後しばらくたつと何も残らない。泣けるだけの深みもない。あれだけ映像と空気感にこだわったのだから、ストーリーがこれでは本末転倒。突出したものがないのにどれもそこそこのレベルといったクラスの優等生タイプの映画。いろんな作品のいいとこ取りでは傑作にはなれない。 [DVD(邦画)] 6点(2006-11-02 23:57:47)(良:1票) |
4. ガタカ
ジュード・ロウの演技などはかなり秀逸。中身もあるし感動もある。だがいかんせん、全編通してのテンションの低さゆえに盛り上がり切れない。合点の行かない点も多い。内容は味があるもののあまりに淡々と進む展開や作りの甘さに高揚感が欠けるのは否めない。もう一点、この作品のジャンル分けがサスペンスになっている場合が多いが、これはサスペンスではなくヒューマンドラマである。何に期待して観るかによって評価が違ってくると思うので良質のサスペンスを期待するのであれば注意すべき。 [DVD(字幕)] 6点(2007-02-15 23:36:08)(良:1票) |
5. キング・コング(2005)
映像は綺麗でよく出来ていた。セリフも少なめでまさに観る作品といった感じ。突っ込み所は多いものの、それを感じさせない迫力ある画面がテンションを保ってくれる。ただ…、どうしても3時間は長い。劇中に満載されている不必要なシーンをカットすれば、もっとクオリティの高い傑作になったのではないだろうか。3時間の映画にする必要性が全く感じられないため、作品の持つポテンシャルよりも低く評価せざるを得ないのが残念。 [DVD(字幕)] 6点(2007-03-12 22:24:06)(良:1票) |
6. ジャンヌ・ダルク(1999)
ジャンヌ・ダルクという聞きなれた題材をうまくまとめている。特にジャンヌを描く際の視点が良い。使い古された題材だけに、ある意味この切り口、見せ方が王道になりつつあるのかもしれないが、全体的によくまとまっている。映像も良い。ゆえに作品時間の長さも気にならなかった。後半が冗長との意見も多いが、演出はともかく、あの部分がなければ作品のクオリティははるかに落ちる。後半にこそ、リュック・ベッソンがこの作品を作るにいたったモチベーションがあるのではないだろうか。 [DVD(字幕)] 7点(2006-12-13 17:08:41)(良:1票) |
7. サンシャイン 2057
駄作。それっぽい作りにしただけな感じ。圧倒的に説明不足な場面が多々あり見ていて退屈。言わなくてもわかるでしょ?と高尚に見せようとする感性そのものがチープに感じた。視聴者に委ねて良いことと悪いことの取捨選択ができていない。使い古しのネタとはいえ普通に作ってもそれなりに面白くなるネタを調理してこれでは評価できない。 [DVD(字幕)] 3点(2009-03-06 17:35:09)(良:1票) |
8. 八日目の蝉
邦画も捨てたもんじゃないという思いを強く感じさせられた一作。フィクションの中に見せたノンフィクションの伝導率の高さ、原作を映画に最善の方法で料理し直した手腕は監督の力量の顕れ。母であるとか女性であるとかを越えた、生きることのきびしさと救いがよく表現された傑作だと思う。細かい不備を越えたそのメッセージの強さと表現力に素直に10点。 [映画館(邦画)] 10点(2011-07-02 21:28:30)(良:1票) |
9. 愛が微笑む時
素晴らしい!笑えて泣ける傑作中の傑作。今まで見た作品の中でもこの映画はピカ一!!とにかく終止楽しく最後まであっという間に観れる。個性溢れる4人の仲間と、主人公の駆け引きは大変面白く爽快。とくにロバートダウニーJrの明るく切ない演技には脱帽した!!この演技力が作品に幅を与えている。何度観ても面白い。きっと思い出に残る作品になるはず。ぜひ観て楽しんでほしい。映画の楽しさを教えてくれた記念の映画!!文句なし!!満点!! [ビデオ(字幕)] 10点(2006-07-30 21:48:59)(良:1票) |
10. オー・ブラザー!
けして悪い作品ではないが、コメディとして期待するとあまりに展開が淡々とし過ぎな感じ。ただ劇中に散りばめられた心地よい音楽が、作品全体を底上げして見るにたるレベルに押し上げている。この音楽がとても良く、もし無ければ本当につまらない作品になっていただろう。ただ何となく流しておきたいようなBGM的作品。 [DVD(字幕)] 5点(2007-05-16 23:15:16)(良:1票) |
11. ザ・セル
良い作品。充分楽しめる。脳内世界の表現という多大な労力を顧みない勇気あるチャレンジとそれをあれだけの映像美に落とし込んだのは称賛に値する。ストーリーもけして悪くない。無駄な要素もなく一気に観れる。細かい粗と見るに堪えないエグいシーンも多少あるが、イマジネーションくすぐる美しい映像美で表現された異常心理殺人犯の精神世界、その映像に意図されたストーリーテリング、ここの評価で敬遠するのはもったいない。 [DVD(字幕)] 7点(2008-05-17 22:01:14)(良:1票) |
12. ファースト・ミッション
面白い。ジャッキーとサモのゴールデンタッグに、プラスこのテイストで思い出深い一作になった。シリアス路線との声もあるが、外してほしくないジャッキー映画の要素はきちんと折り込まれているため、笑えるしアクションも見所満載。日本人の味覚にあう絶妙の味付けで、ぜひ観てほしい一本。 [ビデオ(吹替)] 8点(2006-07-31 20:22:06)(良:1票) |
13. ナイトメアー・ビフォア・クリスマス
クレイとしての出来や世界観、キャラクター造型は独特なものがあって他と一線を画す。それが一番の持ち味であり見所なのだが、残念ながらそれ以外には見るところがまったくない。特に大人が観る作品としては辛い部分が多い。それでも作品にあふれる雰囲気、空気感は一見の価値あり。あの味を出すのは至難の技だと思われる。 [DVD(吹替)] 6点(2007-01-30 23:30:40)(良:1票) |