1. デビルマン
マガジンの連載最終回に学校が揺れたのだ。比喩はなく。 昔はねマンガを教室で回し読みしていたのだ。 あしたのジョーとデビルマンの最終回は 学校がどよめいた。 それほどみな熱くなったマンガなんだ。 その熱気を知っている世代はこの映画に腹が立って仕方がないだろうと思う。 実写でやるのは無理だと思う。 アニメにすればよかったのにと思う。 それでも最近のアニメを見ていると怪しいもんだが…。 しかし、東映映画の集大成的な要素もあってそんなに酷い映画ではない。 ヤクザ映画になったり 時代劇になったり 東映映画の要素がテンコもり。 キャシャーンよりはずっとまし。 少なくとも映画のプロが作った映画だ。 思うに、悪魔対デビルマンの前半と 人間対デビルマンの後半に分けて6時間ぐらいの映画にして 国家予算並みの予算で最高のスタッフを集めて 10年くらいかけて作れば そこそこのものになると思う。 [DVD(邦画)] 4点(2006-06-19 17:14:44)(良:3票) |
2. 小さな恋のメロディ
ここにいる子供たちは現実の子供たちとは何の関係も無くて、大人になってしまった元子供が理想化した子供たちなんだと思う。つまり、これは大人が起こらなかった過去を懐かしむための御伽噺だ。望んで得られなかった過去をそのせつな取り戻すことができるのだ。物語の効用。それを否定してしまったら物語は必要なくなってしまう。失ったものは人それぞれ、だからこそいろいろな物語が生まれるのだ。そして私はこの映画が好きだ。 [映画館(字幕)] 10点(2006-03-14 20:28:49)(良:2票) |
3. ルパン三世 カリオストロの城
このころの宮崎作品は車の動きがいい。大塚康生さんが抜けられてからの宮崎作品の車の動きはあまりいいとは言えません。クラリスが運転して逃げるピンクのシトロエン2CVがクラッシュする場面のすばらしさ。またフィアットのあのコミカルでいて理にかなったリアルな動き。こういうのは今のアニメにはありません。それどころか世界的に見ても車をこれほど生き生きとリアルに動かせる技術はないと思います。今のアニメーターの皆さんにはもう少し車のことを知ってほしい。いくらリアルな絵になっても引っ張るだけではつまらないと思います。また、山田康雄さんの声がすばらしかった。クリント・イーストウッドの日本での人気もこの方の功績なしでは考えられないでしょう。無限にきざになれる声とでも申しましょうか、どんなキザな台詞も山田康雄さんにかかれば自然にすんなりと耳に心地よく入ってきます。ルパンの名台詞も山田康雄さんでなければただのキザな台詞で片付けられていたかもしれません。私に書けるのは今はこれが精一杯です。 あ、それから日本警察の車がいすゞフローリアンと言うところがまた泣かせるチョイスです。 [映画館(邦画)] 10点(2006-03-06 13:54:17)(良:2票) |
4. 蝿男の恐怖
今まで見た映画の中でラストシーンに一番衝撃を受けた映画です。 この場面のパロディをバートンは映画で何回も使っていて、バートンファンなら一度見ておいて損はないかも?。確かに古い映画で特撮や被り物は今見るとさすがにショボいですが、複眼の視覚の再現などはその後も真似されているいいアイデアだと思います。 実際の昆虫の視覚は違うらしいですが、直感的にわかりやすくて画期的な手法だったと思います。 また、男が機械で頭を潰されて死んでいるという不思議な事件が起こり、そして妻が真相を語り始めるという構成がさらに恐怖感を増し、映画の世界に引き込まれました。 頭が蝿になってしまったのに黒板に字が書けることが不思議で、博士より蝿が天才なんではないかと思ったものでした。 [地上波(吹替)] 10点(2006-02-24 20:14:00)(笑:1票) (良:1票) |
5. ナポレオン・ダイナマイト
《ネタバレ》 これは自分の学生時代を見ているようで笑いっぱなしでした。人望もないのに生徒会長に立候補してしまったり、それがなんと声帯模写が受けたというだけで当選してしまったり、好きな女子の似顔絵を描いていやな顔をされたり、ひょっとして自分の学生時代を見てたのかと電波なことを考えてしまうほどで、ほろ苦い気持ちになった。農業のコンテストで優勝したり?それともあれは参加者全員がもらえるメダルなのか。とにかく好成績であったことは確からしい。それって結構すごいことじゃないか。でもそんなメダルは誰も気にもとめない。ひょっとして農業を馬鹿にするなというメッセージか?。しかも荒馬を2ヶ月で調教してしまうとはすごいじゃないか。こいつらただの馬鹿じゃない。私なんかよりよほどできるやつらという点では決定的に違うので現実に引き戻された。 淡々とした日常をリアルに描いているように見せながら、退屈させないための誇張も不自然にならずすんなりと受け入れられる。よく練り上げられた映画だと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2006-03-31 10:46:21)(笑:1票) (良:1票) |
6. 宇宙戦争(2005)
ギャーギャー喚いて文句言うしか能のない馬鹿ガキにうんざりさせられ、殺す必要性があまり感じられないティム・ロビンスを殺し、すごいCGだがスペクタクルが微塵も感じられず、それぞれの場面がいちいち間延びしていて退屈で…本当にスピルバーグの映画なのだろうか?。きっと、同姓同名の別人に違いない、そう信じたい。スピルバーグの選民思想にはもううんざりだ。 [DVD(字幕)] 2点(2006-03-08 19:46:08)(良:2票) |
7. 愛についてのキンゼイ・レポート
まず、役者がよかった。 演技がよければつまらない映画もそれなりのものになる典型的な例のように思える。 キンゼイ博士の報告は日本でも昔から知られているらしい。 自分のおばあちゃんも知っていたのには驚いた。 キンゼイ博士はタマバチの研究において同じ種でも別の種ほどの差があるという事実から 生命とは違うことだと言い切る。 似てるって違うってことね。(Byタカラ本みりん。) 人間もみんな違って当たり前だのクラッカー。 しかし、人間とはアイデンティティを求めてしまうものなのだ。 だから膨大な数の聞き取り調査による統計的調査には意味がある。 人間を生物として捉えた場合、やはりマスとしての特徴を抽出することが理解につながる。 理解は征服につながる。(Byゼーレ) そして彼はそれをやった。 しかし、研究スタッフがエロエロな集団になってしまったのはいただけない。 生物学者は研究対象を食べるもんだと畑先生はいっていた。 人間の性行動の研究はいってみれば自分の研究で客観性を保つのは困難である。 事実、科学は愛を語れないなどと弱気なことを言う博士は情けない。 科学に愛を語る言葉を持たせて見せるくらいのことは言ってほしかった。 [DVD(字幕)] 5点(2006-10-22 15:40:26)(良:1票) |
8. スクール・オブ・ロック
《ネタバレ》 バンドを追い出されたのも周りから疎まれているのも自分の自己中のためだと気づかない男が子供と触れ合うことで仲間を思いやることを覚えて人間的に成長してゆくという大枠のお話はいいと思います。ただ、これは役者のわがままか、本が稚拙なのか、ロックのボーカルのできる子役に恵まれなかったのかはわかりませんが最後のバトルで、お前が歌えと子供に一番目立つボーカルを譲るというのがラストとしてスッキリするはずですが、いくら譲られたとはいえそのまま歌ってしまっては肝心の大枠が十分に表現されないので、今ひとつこの世界に乗り切れません。さらに、楽器のできないやつには冷淡なところも笑えません。しゃれになっていません。ここを工夫すればもっと素直に笑えたのですが…。それとロックは反抗だといいながら、劇中の反抗は和解折込済みでしらけます。とはいえコメディとしては笑うところもあり音楽も楽しく普通以上のデキではありました。 [DVD(字幕)] 5点(2006-03-31 17:45:39)(良:1票) |
9. となりのトトロ
光や水の表現が綺麗で、子供のころの田舎の風景を思い出し、しみじみしてしまいます。 農薬の空中散布が行われるようになるまではどこにでも魚が泳いでいて、ちょっと山に入ればカブトやクワガタを見つけることができました。あるときからカブトムシを捕まえることもできなくなり、水路に遊ぶ魚も見かけなくなりました。映画を見ながらなんかそんなことを考えてしまいます。 失われた世界を再現したと言う意味において意味のある作品だと思います。 本家で電話を借りる場面をさりげなく挿入することで、いいことばかりではない村の生活の一端を垣間見せるところもニクイ演出です。 ただ、私にとってはこの作品が宮崎作品がつまらなくなっていく始まりでもありました。まず、「わたしたち風になってる」と言うサツキの台詞に違和感を持ちました。宮崎監督の絵でわからせる演出は並ぶものがなく、どうしてそこでわざわざ台詞で説明するのか?。この後、無駄な説明台詞が多くなったと感じています。 そして、この作品あたりから失速して行くように私には見えます。しかし、興行的にはこの後くらいから飛躍的に好成績になっていったようですので、そう感じるのは私が老いたせいでしょう。 [映画館(邦画)] 7点(2006-03-07 08:53:30)(良:1票) |
10. ソウ
私の好きな密室劇かと思いきや回想シーンばかり見せられて興味をそがれる。あの部屋から出ないで最後まで引っ張れれば傑作になっていただろう。残念。コマ落しがコミカルで神経を逆なでしない。もっと神経を逆なでするような感じでないと多用されているだけにちょっとつらい。 『サスペリア2』にインスパイヤされたあの人形はなかなか怖い顔でよかった。一番がっかりしたのは閉じ込められた二人のやり取りに緊迫感があまりないこと。この緊迫感の表現が十分でないと最後にキレた時の開放感が十分得られない。アイデアはいいのに自ら台無しにしている感じがする。 [DVD(字幕)] 4点(2006-03-20 18:10:01)(良:1票) |
11. 宇宙戦争(1953)
観客が見たいものを見せるといった見世物的なサービス精神にあふれていて楽しめる映画です。メタリックでいて有機的なメカのデザインが秀逸です。懲り過ぎずかといってシンプル過ぎない造形がなんともたまりません。透明なバリアーの表現もカッコいい。火星人のRGBアイも最高です。映画の中で出てくるのは局地戦で世界規模の侵略を感じさせるには少しショボいというのは否めませんが、それより神様がすぐ出てくるのが興ざめです。仕方ないといえば仕方ないのですが。一番気になるのはあんなに爆発の近くにいたらみんなあの後大変なことになると思うのですが。人類存亡の危機のはずなのに、時代が時代だけにどことなくのんびりしていて気張らずに見れるのは美点だと思います。 [地上波(吹替)] 8点(2006-03-08 20:24:51)(良:1票) |
12. ゼイリブ
わかりやすいサブリミナルに笑った。 サングラスをかけると本に買えとか書いてある。 あははは。 俺が出世しないのも彼女ができないのも みんな宇宙人のせいだ!!!。 なんと潔いアイデアだろう。 長すぎるプロレスもいい。 サングラスをかけると正体がわかるという設定は 実は昔の映画にあったのだ。 それもなかなかいい映画だった。 『恐怖のSF戦争』という邦題らしい。 とにかく考えるな感じるんだ。 [映画館(字幕)] 7点(2006-06-17 17:20:23)(良:1票) |
13. サイレント・ランニング
《ネタバレ》 日曜洋画劇場で初めて見たときは 試験の前日にもかかわらず見てしまった。 当時はホームビデオはまだなかった。 ダグラス・トランブルの特撮が見たかっただけなのだが なんともいえない釈然としないものが残った。 手段が目的になってしまった主人公。 彼は緑の復活が人類にとって必要だと考えているはずなのであって 宇宙空間に緑だけを残しても仕方がない。 そのことによって、人類にどのような福音をもたらすのかは、説明が一切ないので 見る側の目には主人公の身勝手にしか映らない。 この映画に恐ろしいと感じたのは 人類が自然環境の助けなしに生きていける技術ができていることだ。 しかも、それがどんな技術なのかは劇中ほとんど語られない。 自然との共生などもはや人類の興味の埒外になってしまった未来…。 そして、緑が必要な決定的な理由は語られない。 そのような状況の中で森の復活に執着し、 仲間から孤立し、 勝手に自分から追い詰められていく。 自然とは人間に奉仕するためにあるのではなく、 人間も自然の一部であると… 多分そういうことだろう。 多分、いらなくなったから捨てるというのは傲慢ではないかということだろう。 もし、自然環境などに頼らなくても幸せに生きていける方法を人類が見つけたら それでもわれわれは自然を大切にしましょうといい続けるのだろうか? 環境保護、自然保護、或いはそういったことに血道をあげる運動家に常に胡散臭さを感じてしまうのは この映画を見てしまったからだろう。 [地上波(吹替)] 7点(2008-02-10 08:59:48)(良:1票) |
14. スペースバンパイア
《ネタバレ》 ポルターガイストの監督という以外には当時何の予備知識もなかった私は 普通のSF映画を想像して劇場に足を運びました。 しかし、巨大なスクリーンには乳、乳、乳。 面食らいました。 しかし、流れ出した血がマチルダ・メイになるシーンは幻想的で印象に残っています。 今だったらCGで表現されたでしょうが、ぎこちない動きが芸術性を高めていると思います。 実はあまりのことに3回も続けて観て、お尻が痛くなった。 後日、面白かったと言いふらしてたら友人がそれを信じて見に行ったらしい。 劇場で暴動を起こしてやろうかと思うくらいくだらなかったと本気で怒られた。 スマンかった。 なんか、結構くだらない映画が好きなんだと自覚させてくれた、自分にとっては記念の映画。 [映画館(字幕)] 7点(2006-06-14 16:25:45)(笑:1票) |
15. チャイルド・プレイ/チャッキーの種
アホくさっ!。いつの間にこんなアホくさいコメディになっていたのでしょうか?。子供のための可愛いお人形が殺人気の魂を宿し復習の殺戮を繰り返す第一作とはまったく違う映画になってしまっている。家族愛に感動してしまっている私に言い聞かせる、これはきっと騙されている、こんなアホくさい家族愛があってたまるか…。あははは、面白いじゃあないか。電話でそんなふざけた謝り方されても困るよ。あはははは、面白いじゃあないか。これは『チャッキーの花嫁』も見なければ。3までは見ていたのだけれど、なんか花嫁と聞いて違うものになっている予感がして見なかったのだが…。予感はあたっていた様だがこれはこれで面白いじゃあないか。 [DVD(字幕)] 7点(2006-03-09 13:19:55)(良:1票) |
16. ブルース・ブラザース
たぶん、今となっては貴重な映像が納められている。 なんか、ベネチオ・デルトロがイリノイナチに抗議している群衆の中にいるように見えるのですが違うかなぁ。 なんていうか、DVDで観て初めてエルウッドが粘着剤をもっている理由がわかった。 よく知らないけれど、サタデーナイトライブの架空のバンドというかネタのバンドがあったらしい。 ブルース兄弟のおかげで古臭いと思われていた音楽の人気が復活したということのようだ。 ということでこの豪華なキャストが実現したみたいだ。 コロッケの物まねで美川憲一が復活したような感じなんだろうか。 サタデーナイトライブのビデオを見て、初期のいいともや日本のバラエティーが パクリだということを知った昔の俺。 『ラストワルツ』とこの映画は映像として残っていることの少ない時代のアーティストがきれいな映像とともに残っているということは幸運だと思う。 映画として純粋に評価すると7点くらいか。 でも、それを補って余りあるものがある。 映像があるのが映画で、何が写されたかで評価することがあってもいいと思う。 [映画館(字幕)] 10点(2006-06-12 19:16:05)(良:1票) |
17. マザー・テレサ(2003)
《ネタバレ》 マザーテレサ「この水は一本いくら?」ボーイ「3ドルです」それを聞いた後、意を決したようにマザーテレサ「本日からこの協会は存在しません」この場面でこの人は偉い人だなと思いました。 オリビア・ハッセーは一世一代の演技をされていたと思います。ガンジーに匹敵する人物を題材にしながらこの監督はタコです。こんな映画にオリビアの演技が蕩尽されてしまったことが残念でなりません。 インドの美しい風景が撮りたかったのは解りますが、なぜこの映画でそれをする必要があるのでしょうか。そういう視点にアジアに対する抜きがたい蔑視を感じずにはいられません。そうでないならば、何がしかの配慮でこうなったのか?どちらにせよ観光映画ではないはずです。なぜかマザーテレサの行動のモチベーションがいまひとつ伝わってこない。キリストの受難になぞらえた構成も、人間を馬鹿にしているのかと怒りすら覚える。人の不幸は別に彼女に贖罪の機会を与えるためにあるのではない。点数はすべてオリビア・ハッセーに差し上げたものです。 [DVD(字幕)] 5点(2006-03-11 06:46:23)(良:1票) |
18. さまよう魂たち
《ネタバレ》 これは結構面白かった。 雑誌の映画評では軒並みこき下ろされていた。 それで劇場へは行かなかった。 しかし、これは面白かった。 雑誌の映画評論は2度と読まないと決心させてくれた映画。 これ以降、映画雑誌も映画評論も一切見ない読まない。 [DVD(字幕)] 6点(2006-06-15 20:45:23)(良:1票) |
19. 海の上のピアニスト
《ネタバレ》 多分、お母さんのおなかから出てゆくのが怖かったんだろう。 そう、社会に出るとき誰もが乗り越える道を海が閉ざしてしまった。 チャンスはあった。が、若さゆえの無鉄砲をするには成長しすぎていた。 トトは飛び出すことができた。それは失恋くらいでやけになれるほど若かったからだ。 船と劇場の爆破のシーンが重なる。 [DVD(字幕)] 7点(2006-06-12 20:14:38)(良:1票) |