1. フィッシュストーリー
無関係な出来事の連なりが実は一部で少しず連なり、 人類を救うほどのきっかけを産む。 人の意思が少しだけなにかを変えてそれがどこかで別の花を咲かせる 嘘みたいだけどあったらいいな。というお話。 まずシークエンスの長さ連なりの示唆。 そうした構成がとんでもなく上手。出来上がりがしっかりと頭の中にあるのでしょう。 音楽や演出も秀逸でまさにどこに出しても恥ずかしくない そんな映画です。 きっちりとまとまりすぎている事が逆に広がりを産まなかったのが 残念でしたが十分な余韻を楽しめる美しさのある映画でした。 [DVD(邦画)] 7点(2015-11-05 14:58:58)(良:2票) |
2. GODZILLA ゴジラ(2014)
怪獣のデザイン(設定を含む)が良かった。 物語は冗長で無意味なテーマにいらつくが、米軍と怪獣の戦闘だけで十分に満足できた。 どこまで無心に怪獣と怪獣映画を信奉できるかという 踏み絵のような映画である。 大きさやデザインは時代に合せて変る。 それは仕方が無いし必要である。 オリジナル版をいかに愛していようが、 この時代にあのデザインでは勝負できないのはたしかですから。 先行優位のイメージに立ち向かい作品を世に出してくれた事に 感謝しましょう。 次は面白い作品をお願いします。 [映画館(字幕)] 6点(2015-10-24 20:27:45)(良:1票) |
3. 舟を編む
《ネタバレ》 文字の大海原に飲み込まれるとかなんとか 文系らしさ全開の美意識には辟易するのではと思っておりましたが なぜかしっくりと腑に落ちた作品。 主人公をサラリーマンとして捉えるとこの映画のメッセージには気づけません。 人生の仕事とは金を稼ぐにあらず、 金を稼ぐのは生きるための手段であって目的ではない。 人を喜ばせたり、手助けしたり、育てたり 誰かの為に何かをなす事が仕事であって、 金銭はそれを継続するための手段です。 会社を経営するものにはこうした姿勢とスタンスも必要ではないかと感じました。 [DVD(字幕)] 8点(2015-10-24 17:31:24)(良:1票) |
4. スリー・リバーズ
なぜか90年代前半は特に凝った訳でもないアクション映画が乱造された時代で、 僕らの年代の人間にハリウッド映画=アクションスペクタクルの図式をインプリンティングした時代です。 『ダイ・ハード』から『マトリックス』の間の時代。 新たな表現を求めていたのかとりあえず作りまくったのか、 多分、とりあえずなんでしょうが、この映画もそんなとにかくアクション映画をつくらなきゃ。 というセンスで作られました。なんせウリがカーアクションではなくて水上ボートアクション。という所。 後年『タクシー』や『トランスポーター』『ワイルドスピード』などが出てきたことを考えれば、 カーアクションを進化させる余地はもっとあったのでしょうが、 もうダメだ。カーは限界だボートにしよう。という英断の果てにきっと出来たのだと思います。 一応、謎解きがあって美女がいて、アクションシーンもあるにはある。 そして今回はボートアクション・・・・ よし5点献上しよう。 [地上波(吹替)] 5点(2015-12-16 18:51:53)(良:1票) |
5. インターステラー
《ネタバレ》 古典的なSF映画でありながら、なぜか魅了される素晴らしい映画。 ストーリーに新鮮味はないしドラマもありきたり、 映像表現の点では近年の『ゼロ・グラヴィティ』とそれほど大差がない、というかむしろちょっと劣る程度。 しかししっかり引き込まれた上に、圧倒された。 思うに画面造りと物語のテンポ、シーンの切り替えが素晴らしいのではないかと思う。 粛々と衰退していく人類。のゆったりとしたテンポ。未知の惑星での自然の驚異のテンポ。 それぞれの葛藤をぶつけ合うシーンなど。詳しくはないがオーケストラの交響曲のように 計算された上で織り込まれていくシーンの連鎖こそが素晴らしい。 つまりは映画として非常にオーソドックスに練られているという事なのだろう。 [DVD(字幕)] 8点(2015-07-29 18:02:52)(良:1票) |
6. シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
《ネタバレ》 それなりに面白い娯楽大作。 物語はどう考えてもアベンジャーズだがキャプテンアメリカ。おそらく今回超パワー二体も欠席しているところから観ると、 もう一回は内輪もめをアベンジャーズでするのでしょうね。 特段、ファンでもないので悲壮な物語も気にせず楽しめたが、 所詮はアベンジャーズの次回作のためのつなぎであるという感は否めない。 いろいろいて、それが楽しい映画なのだけれども、どうしても個々の力の差が大きくて、 普通の人間の延長線上にいるようなキャラクタは自分のことをどう考えているのかと不安になった。 いわゆるデートムービー・ファミリー映画なので、 あえて文句を言うにはあたらないだろう。 [映画館(字幕)] 5点(2016-05-20 17:02:35)(笑:1票) |
7. 猫侍
北村さんの演技を愉しむ映画。 おばかコメディではあるが、なかなか殺陣など見られるシーンが多く、 評価に値する映画だと思う。時代劇がいつのまにやらたそがれ路線に落ち着いてしまい、 良くも悪くも清貧ばかりが目に付くこのご時世、 こうした変りだまで勝負してくること自体に価値を感じるし、 のんびり安心しながらみられる作品が稀有なためなかなか存在感のある映画だと思う。 他の皆様の評価が低いのがちょっと残念。 [地上波(邦画)] 6点(2016-03-16 18:37:34)(良:1票) |
8. ポテチ
こっちの方が断然いい。というのは思い込みで案外どっちでも納得できたりする。 人間ってそんなもんだよねというお話。 コンパクトで内容が濃いのでぐんぐん引き込まれるし、 会話やキャラクターの面白さは原作から保障済み。 ただ犯罪者の倫理観にどうしても賛成できない。 おまえ泥棒じゃねーか。やはり映画だし岳君だしで騙されそうであるが、 犯罪者はダメ。という所はやはり物作りとして最低限守られるべきではないかと思う。 いくらか減点で6点。 [DVD(邦画)] 6点(2015-12-17 13:06:08)(良:1票) |
9. グリーン・インフェルノ(2013)
《ネタバレ》 えらく上品な所で留まっているなという第一印象はその手の映画ファンのものであって、その手の映画映画ファン以外にはやはりハードな作品だろうう。つまりは極端に振れるべき題材を程良く料理しているといったところでそれがその手のファンには物足らない。しかしやはりここまで抑制の効いた作品として完結させている点を評価したい。また、いわゆる意識が高い系について基本的に良い感情を持っていないので彼らの薄っぺらい独善的な正義感を痛烈に批判している点も面白い。リメイクとはいえ良い挑戦であると思う。 [DVD(字幕)] 7点(2016-06-27 18:25:19)(良:1票) |
10. 東京原発
うーん。志は買うよ。志は・・・ でもさ、なぜこうまで普通の映画になってしまうんだろう。 キャストとプロットは一級品なのになぜだか、それほど面白くない。 多分ライトユーザーを意識して問題を簡単にしているのだろうけれど、 おかげで脚本が非常に稚拙になってしまっている。 カリカチュアを通り越して絵本になってしまったようだ。 問題を真剣に考えるきっかけとしては入門編にもなっておらず、 問題意識を持った本来のターゲットには肩透かしをくらわす。 つまりは覚悟を持って挑むべき問題になあなあを持ち込んで全体を破綻させている。 現実の原発にはこうした運用をしないで欲しいものだ。という深い意味での感慨を得たり。 もしかしたらそれが狙いか。 [DVD(邦画)] 5点(2015-11-05 16:21:01)(良:1票) |
11. ウォーターワールド
簡単にいうと馬鹿にしやすい映画。 本当はそこそこがんばったで賞。くらいは受賞できる作品なのですが、 とっぴな話や細部の残念なアラが目立つ、主人公の正体が意味不明。 といったあたりでいわゆる大衆の槍玉に上げられやすい映画。 でも個人的には視聴回数(テレビ中心)では上位15本くらいには 入るのではないしょうか。愛のないカットをくらいまくり見事に短くなるのもこの映画らしい。 コスナーがこの映画以降大物感がなくなり、 妙な作品をどんどん排出しだす為により一層無残。怒られ過ぎてわけわからんくなったんだろう。 子供向けアドベンチャー映画なのですが、 子供の鑑賞に不向きなシーンもあるのでその辺も残念。 でもこういう作品があるから映画は楽しい。 ということで5点献上 [ビデオ(字幕)] 5点(2015-11-11 15:19:57)(良:1票) |
12. ゲゲゲの鬼太郎(1985)
子供だましでも懐かしさがあればなどと思って観賞。 しかしこの短い時間にいくつかの戦闘とスペクタクルを詰め込み、 それなりにキャラクターを活躍させるという離れ業に驚愕。 もちろんストーリーなどあってないようなもの、というかあんまり無いのだが、 お子様向けの映画でありつつ技巧が施されていると感じたのでこの点数。 そしてこのコメントは誰にも読まれないであろう。 と今思った。 [インターネット(字幕)] 6点(2015-11-07 20:24:15)(良:1票) |
13. 十二人の怒れる男(1957)
シドニールメットに外れなし、とはいえこちらの作品はそれ以上に素晴らしい評価を受けている。 実は民主主義の素晴らしさだけではなく、危うさも描いた作品であり、 政治思想としても優れた感性を持っている脚本なのだけれども、 流麗な弁論の中で、それらが掻き消えてしまい、ただただ会話劇としての面白さが クローズアップされてしまった評価に落ち着いているのは些か残念。 つまり実は犯人の少年が真実、それをおこなったかどうかは全く不明で、 素晴らしいやり取りの果てになんとなく無罪の方が良さそうな空気が出来ているだけなのだけど、 そこで皆が納得した以上、これが事実以上の真実となる。という映画。 巧妙すぎるほどに巧妙で冒険的な映画ではあるが、 特異性のみに目を向けて過剰な評価をする事は好まないので7点。 [DVD(字幕)] 7点(2015-12-16 16:17:54)(良:1票) |