21. アイガー北壁
《ネタバレ》 見ていて思わず手に汗を握ってしまう、そして見ているだけで凍えてしまう、そんなリアルな山岳描写。前半の冗長さ(しかも後半にあまり生きていない。ロマンスにするならきっちり描かないと)はよくないが、後半は一転して一秒たりとも見逃せない展開。 ■しかし命がけで登っているのを悠々ホテルから見る人々ってのは、ホントにショー感覚なんだろうな。(「カイジ」もだが)「ひとりぼっちの青春」の生き残りゲームを彷彿させられた。見ている人々の残酷さは相当である。しかも彼らはそれに気づいていないのだから尚更。救命隊もまともに救いに行く気もなく「遺体が回収できればよい」のだろう。 ■腕が凍るシーンやラストの宙釣りなどは見ていられない。痛さが伝わってくる。背筋が凍るというか、一瞬で不意打ちではなく、じわじわくる感じの恐怖。夏場に見るべき。このシーズン(10月下旬)に見たのは若干失敗。 ■ともかく撮影は相当大変だっただろうなぁ。お疲れさまでした [DVD(字幕)] 8点(2010-10-27 18:33:09)(良:1票) |
22. 赤い影
《ネタバレ》 これは雰囲気がすべての映画ですね。 理詰めで解こうとしてはいけない。 ベニスという異様な雰囲気を、なんとなく背筋にいやなものが走るカットで追う。 そういうのを楽しむ映画でしょう。 水が恐怖を描きたてています。 水というのはなんかありますね。 ベニスという水の都が、この映画の雰囲気全体を作っています。 ラストは確かにショックですが、あそこだけの映画ではないでしょう。 むしろラストはおまけで(実際唐突だし)、途中の流れを楽しむ映画でしょう。 [ビデオ(字幕)] 6点(2010-08-30 01:48:27) |
23. アンタッチャブル
《ネタバレ》 単発のアクションを並べただけの感じがどうも否めない。確かに一つ一つの画はすばらしいのだが、全体としての連続性から見ると、やはりブツ切れ的。例えばかの有名な駅の階段も、あそこをなくしてもストーリーに支障が出ない。もちろんあそこのアクションはかっこいいが、いわれているほどだとは感じなかった。ただ階段をテクテク追っかけて行くだけなんだもん。 [DVD(吹替)] 8点(2010-08-30 01:46:34) |
24. 悪魔のような女(1955)
《ネタバレ》 非常に秀逸なサスペンス。 モノクロのよさが存分に出ている。 前半、淡々と殺人計画が進んでいく。 殺人の決心がなかなかつかないクリスティーナに完全に感情移入させてしまい、筋が読めなくなっている。 箱の紐が切れるところとか、危ない、と心の中で叫んでしまった。 ここだけでも十分面白い。 そして後半、プールの水を抜いたところから一気に加速。 次々と不可解な事態が発生し、半ばパニック。ミステリアス度は急上昇。 ラストなんて、並みのホラー映画ではかなわない怖さ。 陰影や音の使い方がうまい。 最後の死体は予想はしていたが、やはり驚く。 しかし、探偵がけりをつけて一件落着のところで、生徒の最後の一言が謎を呼ぶ。 せっかく完成したジグソーパズルが崩れて、嫌な余韻を残してエンド。 最近のサスペンスなんかよりもずっと優秀。 個人的には「恐怖の報酬」よりも上かも。 [DVD(字幕)] 9点(2010-07-11 14:24:06) |
25. 暗殺の森
《ネタバレ》 はっきり言って意味不明。だらだらと時だけがすぎていく。最後は何?、妄想?、狂気?、個別カットを適当につないだようにしか見えない。 リンチはもともと無意味そうに見えるからいいけど、これは見かけだけ有意味っぽくて実は何にもない。 ここでの高得点が不思議。 [DVD(字幕)] 2点(2010-07-10 14:17:13) |
26. アトミック・トレイン<TVM>
《ネタバレ》 お約束をものの見事に破っている。でも悪い方に傾いてる。え~、な展開の連続。悪い方で。 「隣人は静かに笑う」はお約束を破ってプラスに働いたんだがなぁ [地上波(吹替)] 1点(2010-07-10 14:16:47) |
27. 悪魔のシスター
《ネタバレ》 最後のまとめ方がちょっといただけないが、全体として狂気というかがうまく表れている。 落ちは中盤あたりで予想がついたが、しかしてああいうのってやだなぁ。 カット割りはなかなかのもの。 ヒッチコックをそんなに見てないけど、ヒッチコックっぽいところはあちこちに。 ナイフ(サイコ)とか望遠鏡(裏窓)とか・・・ [DVD(字幕)] 6点(2010-07-10 14:04:34) |
28. アルカトラズからの脱出
《ネタバレ》 淡々と脱獄の準備をしていく。面白いはずなんだけど、なにかいま一歩なのでこの点数。もう1回見たら変わるかも。 [地上波(字幕)] 6点(2010-01-09 01:39:47) |
29. アパートメント(1996)
《ネタバレ》 よく出来た恋愛ミステリー。ラブストーリーではない。バラバラのピースがうまく組みあがっていくジグソーパズルのよう。複雑に時間を行き来し、場面場面の裏側が次々と明かされていく後半は頭をこんがらがらせながら一生懸命ついていく感じ。フランス版「ユージュアルサスペクツ」というのも納得。 恋愛を軸にして、重さと優雅さを加えた「運命じゃない人」のような映画かなぁ。 偶然と必然との絡み合い、結ばれてまたほどけていく糸のよう。 最後に。DVD化は本当によかった。ただ、パッケージの裏面はあまり読まないほうがいい。重大なヒントがあるから。 [DVD(字幕)] 10点(2010-01-09 00:49:38) |
30. 暗黒街の顔役(1932)
《ネタバレ》 時代を考えるとこれはすごい。今見ても飽きることがない映画。 リメイクの方は見ていたが、あっちは尺がこの1.5倍超あって冗長だったのに対して、こっちは非常にテンポがいい。 冒頭の暗殺シーン、マシンガン、裏切り、仲間割れ、恋愛、そして破滅という、ギャング映画のエッセンスが詰まっている。 しかし破滅するならもっと美しく蜂の巣にされてほしかったなぁ。あのみっともない死に際は・・・いや、だからこそなのかもしれんが、しかし・・・ [DVD(字幕)] 7点(2009-02-24 09:53:35) |
31. アフタースクール
《ネタバレ》 さすだ内田監督、今回もやってくれました! まさか最初のカットから騙されているとは・・・徹底的に練りこまれた脚本は、ミステリ界でも随一だと思います。 全体としてのまとめ上げ方は、個人的には皆さんの評価とは逆に『運命じゃない人』をしのぐとさえ思います。 前前作、前作が時間軸の前後という手段を取っているので、ある意味その方法を取ればある程度のものは出来てしまう(もちろんこの監督の作品はその程度では全くないが)。そしてこの方法のままだと2作が限界かと見ていたので、時間軸ではない普通の方法で来たのはうれしかった。 ただ、正攻法だと時間軸と違って、登場人物に最初から「だます意図」が存在してないとうまくいきにくいし、まさに観客のために騙すシーンが存在するという欠点がある。 次回作では、時間軸をそのままにして、かつ誰にも騙す意図はないのに(とコーエン兄弟になってしまうのかなぁ。あの形ではないほうがいいなぁ)というような奇跡のような作もこの監督になら期待していい気がする。 [DVD(邦画)] 9点(2008-12-31 22:31:17) |
32. ありふれた事件
《ネタバレ》 見ているうちに、観客自身も暴力に慣れていってしまう、それがこの映画の、ある意味で一番ブラックで怖いところかもしれない。 [ビデオ(字幕)] 8点(2008-05-11 09:08:00) |
33. アンドロメダ・・・
《ネタバレ》 かなり地味ですが、最初に投げかけられた「赤ん坊とある中の老人だけ生き残る」というなぞが大きく、最後までぐいぐいひきつけられます。たんたんと進んでいきますが、そういうリアリティーの方がこの映画にはしっくり来ます。だからこそラストのアクションっぽいシーンは明らかに余計ですね。そこだけ1点減点。あとはすばらしい [DVD(字幕)] 9点(2007-07-24 23:44:33) |
34. アマデウス ディレクターズカット
《ネタバレ》 ■天才と秀才の差ということなのだろうか。必死に努力した真面目人間サリエリに対し、天才モーツァルトはすごく怠惰な生き方なのにあっさりとサリエリを乗り越えていってしまう。天才とバカは紙一重ということだろうか、素行はとても幼稚じみた一面を見せる。一回聞いただけでサリエリの曲を弾いてしまい、しかも「ここがよくない」とその場であっさり修正までしてのける。「こんな奴に」というサリエリの思いはよく届く。 ■後半はモーツァルトの生活はどんどん堕ちていく。金に困窮し、またサリエリによってどんどんやつれさせられていく様は、前半と打って変わってかわいそうに見える。おそらくはただ一人心を通わせられるサリエリに裏切られ、死に追いやられる。ただ、あんな簡単に死ぬのか、という疑問は残ったが。 ■この映画のもう一つのテーマは「神」にあると思う。事あるごとに出てくる「神」、冒頭からラストまでそうである。努力型秀才の凡人代表サリエリは、卑怯なまでの才能を持つモーツァルトを神に成り代わって殺す。ここで、ニーチェ的に見るならば、キリスト教徒はルサンチマンのものであり、つまり凡人であること、それこそがすばらしいものとし、秀でた能力を不当に持つものに対する怨恨を抱く。その肯定がキリスト教である。とするならば、異常天才モーツァルトに嫉妬して殺したサリエリは、神を否定した人間として描かれていながら、むしろキリスト教のありようを体現していると言えるだろう。最後の「皆凡人さ」というセリフも、そうした流れとして読んだのだがどうだろうか。 [DVD(字幕)] 9点(2007-07-24 23:31:50) |
35. 暗戦/デッドエンド
《ネタバレ》 なかなか面白かったですね。 犯人がホント完璧といった感じで犯罪をしていくのはかなりグッド!札束入れてるの見てるのに、「え!撃っちゃったよ」とか思ってたし(笑) 後半は段々友情が芽生えてきて、逆に悪徳宝石商との対決(?)みたいな感じで、なかなか読めない。 この手の映画の約束、末期の患者は最後にきれいに死ぬを信じきっていたので、最後の展開には驚きました。 [DVD(吹替)] 9点(2007-01-27 23:17:56) |
36. アポロ13
《ネタバレ》 これ実話なんだよね。ホント、絶対生還できると分かってても、すごく手に汗握ったことを覚えている。 宇宙に人間が放り出されたら、それこそじわじわと死ぬしかない、そんな地獄が頭に浮かんで、小さいころに怖がってた記憶がある。でも最近見た2001では大丈夫だったからもうOKだろうけど。 地上と宇宙で一生懸命やってる、そういうのが好き。十何秒エンジンかけるとことかスキだな。 [DVD(字幕)] 8点(2007-01-09 20:41:05) |
37. アクシデンタル・スパイ
《ネタバレ》 よくわからないストーリー。最後のタンクローリーのためだけにすべてがある気がする。 [地上波(吹替)] 4点(2006-12-28 23:01:36) |
38. アルマゲドン(1998)
《ネタバレ》 現実性ゼロ。都市を狙って落ちてくる隕石。時差のない地球。超短期間で宇宙飛行士になれる穴掘り屋。限界点ぎりぎりで爆発すると地球に被害がゼロの不思議。マイナス100度を普通に通る。ちょっとの穴ですぐ隕石が破壊できる。 で、最後を除くと特になんでもない話。 [地上波(吹替)] 2点(2006-12-22 23:30:15) |
39. 遊びの時間は終らない
《ネタバレ》 これは見てて滑稽。個人的には「空気」のカメラさんが最高! ただのんびり見ていればいいけど、実際の事件でもマスコミや野次馬の力は大きいんだろうな、と思うとちょっぴり怖い。 それと、「遊び」と「本気(マジ)」の区別がつかなくなると、こうなってしまうか・・・といったまた別な怖さも。 もちろん見ている間は笑えるところが満載でよかったです。ラスト、ああするしかなかったのかもしれないけど、もうちょっとひねって欲しかった。そこだけ減点。 [DVD(邦画)] 9点(2006-12-20 16:19:34) |
40. 穴(1960)
《ネタバレ》 脱獄ものでは一番というのも納得です。 最初の掘るシーンだけでもう釘付け。本当に緊迫したシーン続きですごい。一方でおかしなシーンもあり、手足を作ってごまかすところや、途中の柱を肩車で回るところとかは思わず笑ってしまいました。それにしてもあのラストは・・・ [DVD(字幕)] 10点(2006-12-18 17:54:33) |