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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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41.  カーズ 《ネタバレ》 
“勝ち”だけに“価値”があるワケではないというメッセージには共感しますが、あのラストはいただけません。たとえば運動会の徒競走。仲間が転んだら助けてあげて一緒にゴールするのが美しいとでも?もし自分がキングの立場だったらライトニングの行為に怒り狂うでしょう。現役王者としての、レースカーとしてのプライドが許しません。主人公の視野が広がった事は素晴らしいですが、自身の正義を信用し過ぎるのも問題です。勝負における敬意の意味をはき違えた独り善がりな態度と感じました(勝った力士が負けた力士に手を差し伸べるのが美徳とする風潮が大っ嫌いなんです。ごめんなさいね。)この結末“だけ”は個人的にナシ。ただ、それでも7点です。(結末を除く)ストーリーテーリング、車オンリーのぶっ飛んだ世界観、CGのクオリティ、全てにおいて満点級です。流石ピクサー。
[DVD(吹替)] 7点(2013-08-03 17:59:40)
42.  怪談新耳袋 異形 《ネタバレ》 
女性アイドル映画でホラーは人気のカテゴリーです。カワイイ女の子が怯える姿は画になりますから。それに“恐怖”という感情は単色で表現し易いという側面もあるでしょう。演技に不慣れなアイドルには有り難いのでは。よく目にするシーンは「キャー」からの失神です。ところがこれが意外と難しいのです。演技力が伴わないと、凄まじく嘘臭い「キャー」になってしまいます。恐怖の悪寒とは違う意味でのお寒い状態。そこで本作。スマイレージの皆さんの絶叫も、残念ながら後者の部類でした。ももクロの『シロメ』のようにハナから演技を要求しない手法も一つのアイデアですが、本作ではコメディ要素を加味することで、“いた堪れなさ”を緩和しています。これが井口昇監督を起用した最大の理由と考えます。ご丁寧にも、オムニバス4話全てにギャグが挿入されていました。中でもコメディ色が最も強い『部屋替え』の出来が一番良かったのは、ホラー映画として喜ばしい事なのかどうなのか。怪談新耳袋シリーズ中、異色の一作でありました。もちろん、キャッチコピー「この恐怖、笑えない」は大ボラです。
[DVD(邦画)] 4点(2013-02-03 22:59:01)(良:1票)
43.  カイジ2 人生奪回ゲーム 《ネタバレ》 
“地下チンチロ勝負”とは、『賭博破戒録』編前半の天王山。爽快感ではクライマックスの沼攻略を上回るかもしれません。その重要エピソードを削ったのは英断でした。そして大正解。各エピソードを中途半端な内容で再現し、大いに落胆した1作目の反省点が活かされたといったところでしょうか。そう、求められるのは原作エピソードの取捨選択。そういう意味では、原作の世界観に合わないオリジナルゲーム『姫と奴隷』や、地下労働とセットで意味を成す居酒屋での祝勝会等も必要なかったと思います。“沼攻略”については、原作の流れをほぼ再現出来ていました。ただし、カタルシスはありません。イカサマシステムへの対抗策が次々と披露されただけの印象。カイジらがどんな思いで、どんな代償を払って、乾坤一擲の勝負に挑んだのか。その過程は逆に省略してはいけないところです。言い方は良くありませんが、“上澄みを掬った”感は拭えません。本作も『カイジ』の映画化としては物足りないと言わざるを得ません。もっとも、そんな事は前作で学習済みです。失望感に対する免疫が本作の評価を“相対的に”押し上げている一因だと自分は捉えています。ただし、ご指摘の方もおられるように、人食いモンスター台“沼”の再現度や役者の熱演など、制作費に見合う長所があったことも付記しておかなくてはならないでしょう。さて、これで『カイジ』の映画化は一段落。次に福本漫画を映画化するとすれば、『無頼伝 涯』の人間学園あたりが面白そうですが、個人的には『最強伝説 黒沢』を強く推したい。主演は高橋克実で。
[DVD(邦画)] 5点(2012-10-06 19:57:39)
44.  鍵泥棒のメソッド
『WEEKEND BLUES』の感想にて、自分は『WEEKEND』と『運命じゃない人』が監督の頂点とならないように、と書きました(やっぱり偉そうですね。スミマセン)。その後、『アフタースクール』が制作された訳ですが、前述の作品には残念ながら及ばぬと感じました。内田監督なら“もっとやれるだろう”という思いがありました。それほど2作品が凄かったのです(『アフター』も十分な佳作なのですが)。果たして本作。前作から4年。期待半分、心配半分で鑑賞に望みましたが、この場にて声を大にして叫ばせていただきたいと思います。「こんな映画が観たかった!」。内田監督の代名詞とも呼べる巧みな脚本もさることながら、本作で特に素晴らしかったのが人物造形。俳優の持ちうるポテンシャル(演技力からパブリックイメージに至るまで)を存分に活かしキャラクターに命を吹き込んでいきます。その手腕のお見事なこと。今の広末をこれほど魅力的に撮れる監督が他にいるでしょうか。所作、言葉遣い、服装、その一つ一つに全て意味がありました。また『アフター』の感想と重複してしまいますが、画面から監督の人となりが伝わってくるのが内田映画の良いところ。根底にあるのは人間愛、人間に対する信頼。人間を丸ごと肯定しているから、皮肉に嫌味がありません。それが素直に笑える理由。この傑作コメディを映画館で観ないなんて選択はありません。極上のクスクス感と喜びの胸の痛みを多くの観客と分かち合ってください。観終えた瞬間から、車の盗難防止アラーム音が愛おしく聞こえるようになるでしょう(笑)。満点の採点で全く問題のない傑作ですが、内田監督には“これ以上”を目指していただきたいので、9点に止めておきます。次回作まで正座して(と言いたいところですが、自分にも生活がありますので、立ったり座ったり寝たりしながら)心して待ちますので、次回も極上の一品をお願いします。追伸。大事な事を言い忘れていました。『アフター』の感想にて、“魅力的な画作りを”との希望を述べましたが(またまた偉そうで申し訳ない)、本作では随所に観客の心を掴むイイ画がありました。中でも予告編でも使用されている“一人通天閣スペシャル”(@ダイナマイト関西)に、“2つのラストカット”(エンドクレジットが流れてもすぐに席を立たないで!!)。監督の主張が感じ取れる素晴らしい画でした。良い映画には必ず心に残るシーンがあります。(2020.2.27追記。韓国リメイク『LUCK‐KEY』鑑賞を機にオリジナルを再鑑賞。改めて本作の完成度の高さと“手数の多さ”に驚かされました。まるで内田監督から北斗百烈拳をくらったような。私の中のいい感じのツボめがけて全弾命中ですよ!無理矢理10点を回避していたのが申し訳ないので満点に訂正します。後発リメイクと比較する必要もないのですが、かの作品に無くて本作にあるもの。それが本編ラストカットに集約されています。ガバッツ。ガツッ!の部分。コメディとして最高の締めくくり。そしてこの“人間観”がたまらないんだよなあ。
[映画館(邦画)] 10点(2012-09-18 20:35:19)(良:1票)
45.  カウボーイ&エイリアン 《ネタバレ》 
“もしも西部開拓時代の人類が宇宙人に襲われたら?”という設定は奇想天外ではあるものの、物語の骨子そのものは至ってオーソドックスです。奪われた家族を取り戻す、あるいは復讐のための戦い。ローテク人類が如何にしてハイテクのエイリアンに対抗するか。これが興味の中心です。これまでのSF作品でも苦心されてきた部分。本作ではエイリアンの武器を主人公が初期装備することで、パワーバランスを調整していました。興醒めする設定ではありますが、40代には慣れ親しんだパターン。『宇宙戦艦ヤマト』然り、『ザンボット3』『勇者ライディーン』然り。敵のテクノロジーを借り受けて対抗する事に抵抗感はありません。ただし本作の場合、ライフルやナイフでもエイリアンを殺せました。それならば地の利と人類の英知で対抗してくれた方が、ロマンはあったかなとは思います。主人公が武器の秘密を明かすタイミングが早かったり、説明役の別種のエイリアンが出てきたりと、脚本の質は今一つとの印象。結果的に、何を見せたいのか、何を伝えたいのか分り難いと感じました。
[DVD(吹替)] 5点(2012-08-25 21:24:19)
46.  怪談新耳袋 怪奇 《ネタバレ》 
【ツキモノ】怨念主は周囲の人間に対して強い不信感を抱いて死んでいったものと思われます。“見殺しにされた”。だから「ミザル・イワザル・キカザル…」という恨み言を繰り返します。見る意思のない目なら要らないだろうと。取り憑いた相手も主と同じ孤独な女を選んでいるのでしょう。呪いの背景はおそらくこんなところ。少なくとも主人公は、この女の思いを汲み取る必要があったと考えます。でないと、気味の悪い女に襲われたという表層的な恐怖しか観客に伝わりません。死に様がギャルも真っ青のパンダメイクっていうのも、あんまり怖くない…。【ノゾミ】母の友人は主人公に向って「このままだとあなた死ぬよ」と言いました。霊障によって命を落とすという意味。でも仮に霊が憑いていなくても、彼女は危うかったと思います。自殺に至らずとも、前に進めないのであれば死んだも同じ。本当に助けてもらったのは、主人公の方だったのかもしれません。静かなオカルトホラーという狙いは悪くないですが、一本調子は困りものです。震え上がる恐怖を乗り越えて、切なくも心温まる余韻に浸りたいと思いました。ツキモノ3点、ノゾミ5点の採点です。
[DVD(邦画)] 4点(2011-12-21 19:58:01)(良:1票)
47.  神様ヘルプ! 《ネタバレ》 
今更なのですが、自分はジロリアンです。ラーメンじゃなく俳優の方の。佐藤二朗。アクが強すぎてキャスティングバランスを崩してしまう劇薬俳優ですが、ハマったときの爆発力は他に類を見ません。本作ではプチ爆発といったところですが、これくらいで十分面白い。基本設定はシリアスなので、ジローでコメディテイストを付加するのは戦略としてアリだと思いました。トリックのネタはミステリー映画好きなら、もはやお馴染みと言っていい例のヤツ。1回目の鑑賞よりも2回目の検証の方が面白いかもしれません。ちゃんと整合性が取れていて良かったと思います。タイトルは『神様ヘルプ!』というよりは『学園天国!』かも。
[DVD(邦画)] 6点(2011-11-15 18:48:47)
48.  ガール・ネクスト・ドア 《ネタバレ》 
ラブストーリーを面白くするのは“障害”です。原因は大きく2つに分類できると考えます。優柔不断や消極的等、キャラクターの性格に起因するもの(内的要因)と、恋敵や遠距離といった2人を取り巻く環境に起因するもの(外的要因)。障害の匙加減ひとつで、恋物語の良し悪しが決まります。本作の場合はどうでしょう。主人公の恋愛経験値は低めながら、困るほどではないレベル。流石アメリカの高校生。キスまでが早いです。それに彼は大学進学決定済み。学業面での足枷はありません。内的要因、外的要因、共にクリア。唯一障害と呼べそうなのが、2人の“ステイタスの違い”。将来有望な学生とポルノ女優とでは、確かに釣り合わないかもしれません。でも恋愛で一番大事なのは2人の気持ち。それに結婚云々って話じゃない。この障害は問題になりません。物語終盤のピンチについても、恋愛とは直接関係ない話(このエピソードで彼も男優デビューすれば、彼女と同じステージに立てたのに!)。つまり本作では、メインとなる恋の障害が存在しないのです。コメディですから“試練”なんて必要ありませんが、程よい“ハードル”は欲しいと思います。「ああ、もどかしい!」とか「ライバルは手強いなあ」とか、ヤキモキするのがラブストーリーの醍醐味でしょう。ちょっと物足りなかったです。以下余談。ちなみに自分も『24』から流れてきたクチ。あえて日本語吹替えで鑑賞したのですが、ダニエルの声がキムバリー・バウアーと同じで嬉しかったです。吹替え声優が定着すると、洋画の楽しみ方が増えます。エリシャの可愛さに+1点。
[DVD(吹替)] 6点(2011-10-19 20:28:26)(良:2票)
49.  案山子男(OV) 《ネタバレ》 
さて質問です。本作は、本当にジ・アルバトロス品質の“トホホ映画”という認識で問題ないのでしょうか…?  「不気味な案山子」「トウモロコシ畑」「深刻なイジメ」「役名ジュディの豊満過ぎるエロバディ」「親子不和」「役名ジュディの豊満過ぎるエロバディ」と、数多くのキーワードが浮かんでくる本作。物語を読み解く上での鍵は、「役「トウモロコシ畑」であると考えます。劇中最多の(数えていないが)1069シーン(トウモロコシーン)に登場した玉蜀黍。「とんがりコーン」と「ブラザーコーン」以外のトウモロコシを知らない自分は、まずウィキでトウモロコシを調べてみました。みんな大好き甘味種(スイートコーン)に、ポップコーンに使う爆裂種。家畜用飼料の馬歯種、硬粒種。ワックスのような糯種(何って読むんだ)。子実が軟質澱粉により形成されている(何のこっちゃ)軟粒種。その他ポッドコーンやジャイアントコーン。沢山あります。勉強になりますね。ところが、本作で案山子男が手にする“殺人凶器種”は何処にも載っていないのです!念のため広辞○、現代用語の基礎知○、生活笑百○も調べたのですが、やはり無い!!これはもう遺伝子操作の新品種としか考えられません。おそらく軍事目的に開発されたのでしょう。アメージング!制作年当時であれば最新のテクノロジー。ズバリ本作は、軍事マーケット用の兵器プロモーションビデオであると推測します。なるほどトウモロコシを手にした案山子男が無敵なわけだ。こんなレアなブツを買い付けてくるなんて、アルバトロス恐るべし! ちなみに冒頭の質問の答えは「問題ない」で問題ないです。
[DVD(吹替)] 3点(2011-10-16 16:19:40)
50.  カラフル(2010) 《ネタバレ》 
『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』等の演出、監督で高い評価を得てきた原恵一監督。完成されたパッケージを離れて挑んだオリジナル作品『河童のクゥと夏休み』は、“原恵一とは何者か”が垣間見える映画ではありましたが、一作品としての完成度は十分なものではなかったと考えます。そこで本作。原作本はあるそうですが、冒頭に上げたシリーズ作品と比べれば制約は無いに等しい。“原恵一色”がどれほど出せるものか、興味を持って拝見しました。まず気付いたのは、作画部分が改善されたこと。アクの薄いキャラクターデザインという点では変わらないものの、洗練された印象を受けました。また、『クゥ』ではある種の苦味として認知されたリアルな描写(例:血飛沫など)が、本作では物語と遊離することなく表現出来ていたように思います。感心したのは真がひろかをラブホから連れ去る場面。2人が息つくまで、実に20回近くカットを割ります。それは長い。しつこい程に。でも、この長さは主人公が現実から逃げた距離。ちゃんと意味があります。そしてこれが原映画のリズム。“原恵一アニメのかたち”を本作でしっかりと打ち出せたことは、素晴らしいと思います。メインキャストに非声優を起用しながらも、違和感なく仕上げたキャスティングセンスも評価させてください。みんなオカシクて当たり前。いろんな自分が居ていいんだ。自身を肯定することが、生きる力になる。良い映画でした。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-10-10 21:22:09)(良:2票)
51.  完全なる飼育 メイド、for you 《ネタバレ》 
今や国際的おたくタウン、秋葉原が舞台。ターゲットがコスプレメイドで、監禁場所が漫画喫茶というリアルに在りそうで怖い設定ながら、実現性は低い。他人に興味が薄い都会とはいえ、漫画喫茶の一室で長期間監禁するのは不可能だから。その結果、本シリーズの要である“飼育”要素がスポイルされています。寂しい者同士の傷の舐め合い。普通の恋愛と大差ない。メイド本人が被害を訴え出なければ事件化は難しいケースです。でもそれでは“拉致も出会いの一つ”と馬鹿が勘違いしても困るワケで、どうしても重犯罪として処理しなくてはいけなかった。前田健はそのためのトラブルメーカー。バッドエンドは必然でした。タイトルも“冥土”ですしね。ところが苦くも切なくもない後味。深作マジックが見事に物悲しさを打ち消してくれているのです。実は『エクスクロス』で深作監督のコメディセンスに興味を抱き、本作の鑑賞に至ったのですが、どうやら“本物”ではないかと。ナチュラルギャグが上手いのです。本作の場合は、もちろん前健の背中のナイフ。「病院行ってないのかよ!」「警察は被害者未確認で指名手配を打ったのかよ!」「っていうかナイフ抜けよ!」1つのボケで少なくとも3つはツッコめる。コレをコメディ以外でやるのだから大したものです。このセンスは才能だと思う。振り返れば同監督の『スケバン刑事』も自分的にはアリでした。愛すべきクソ映画の量産が期待されます?!
[CS・衛星(邦画)] 5点(2011-02-21 20:20:08)
52.  カイジ 人生逆転ゲーム 《ネタバレ》 
ご指摘の方も多々おられるように、最初のゲーム『限定じゃんけん』だけで映画が1本楽々作れます。本作はいわば長編映画3本分の素材を無理やり2時間に収めたようなもの。各ゲームの設定を簡略化し、ドラマをシンプルに作り直す。この方法しかなかったのは理解できますが、結果として原作の長所が失われてしまったのでは価値がありません。ホント、爪の垢ほども残っていなかった。ゲームからは戦略性が削ぎ落とされ、ドラマからは泥臭さと執念が消えた。出がらし。旨味無し。これで『カイジ』という看板を掲げるのは詐欺だと思う。特に腹が立ったのは、石田のおっさんの扱いです。嘘、裏切り、騙まし討ちが当たり前の戦場において、カイジが良心を持ち続けられたのは、おっさんがいたからに他ならない。おっさんは弱者です。搾取される側。でも他人を思い遣る心を失わなかった。その優しさにカイジの心は救われました。おっさんの最期には、この後のカイジの戦い方に影響を与える意味がありました。持たざる者、負け行く者が見せた精一杯の矜持。その感動を観客に十分に伝えるためには、エスポワールでの2人の関係をきちんと描かなくてはいけなかった。この省略は致命的です。本作は『カイジ』ではなかった。きっと『カイヅ』か何かの間違いでしょう。そう思うことにします。麻雀といえば透明牌、漢字1字で「みなごろし」が書ける、人間学園出身でアジフライには目がない原作ファンの愚痴でした。失礼しました。原作未読の皆様へ。もし原作漫画に少しでも興味を持たれたなら、原作本1巻~5巻(希望の船編)だけで構わないので読んでみてください。運否天賦にみえる『限定じゃんけん』のルールの裏に隠された驚愕の必勝法に触れてください。原作は映画の2,000倍は面白いです。(200倍じゃないです。二千倍です。)最後に、貶してばかりではアレなので、良かったところも指摘しておきます。金貸しの遠藤を演じた天海祐希。原作の遠藤は男性なのですが、天海が一番福本伸行キャラを再現していたのは意外。福本が描く女性って確かにあんな感じです。色気無いし、アゴ尖ってるし。
[地上波(邦画)] 3点(2010-10-19 19:59:13)(良:3票)
53.  怪談新耳袋 劇場版 《ネタバレ》 
全八話の短編で構成されているオムニバス映画。各話に関連性はなく、起承転結を有している物語から、シチュエーションの提示のみで終わるものまで様々です。気になったものだけピックアップしてみます。『約束』叔父の長期出張中に、豪邸の留守番をすることになった主人公。家主との約束は「呼ばれたら返事をすること」。確かに1日に1回、何処からか「○○さん」という女の呼びかけが聞える。もしこれがリアルな肉声だったら、怖すぎてすぐに逃出したと思う。でもくぐもった電子音のような響きゆえリアリティが無い。恐ろしい状況を受け流してしまう主人公の気持ちが理解できました。声の主のビジュアルも含めて、自分はコレが一番面白かった。『視線』は堀北の美少女ぶりが際立つ一編。暗いけど。物語はオーソドックスながら、“視線の怖さ”を感じることが出来ました。『ヒサオ』は烏丸せつ子の一人芝居。オチは想像できましたが、途中アンフェアなシーンが挿入されていたのが残念。影ならOKですが、実体を映してしまうのはダメだと思う。各話10分程度なので、サクサクと観られるのはイイですが、オチの無いものはちょっとモヤッとします。
[DVD(邦画)] 5点(2010-07-12 19:38:10)(良:1票)
54.  怪談(2007)
前半は好調。役者の技量も高く、落ち着いたテイストで物語は進んでいきます。とりわけ感心したのは、尾上菊五郎の存在感。あの色香、艶の在り様は流石としか言いようがありません。黒木、井上といったキレイどころが霞むよう。自分は男ですが、彼になら抱かれてもいいかなと。いや冗談ですよ。冗談。  ところがホラーの色調が濃くなるにつれ、次第にありきたりなホラーの様相を呈してきます。音楽の煽りとドッキリが主体の、いつもの中田節。CGまる解りの蛇が出てきたところで、一気にテンションが落ちました。落語が原作の時代劇ならば、それに合わせたワビサビの効いた恐怖演出を見たかったと思います。
[DVD(邦画)] 5点(2010-05-31 20:23:05)
55.  彼が二度愛したS 《ネタバレ》 
ウルヴァリンの詐欺の手口は次のとおりと推測します。自らの身分を偽ってターゲットに接触。打ち解けた所でミスを装い携帯電話をすり替える。「セックスクラブ」は主人公に女を近づけるための擬装であり、彼の順法意識のハードルを取り払う仕掛けでもある。主人公の部屋に早い段階で忍び込んでいる事から、用意周到な計画と考えられます。ただし、主人公がSに熱を上げるかどうかは判らない。ある種の賭けでした。結構無理があります。それでも道理が引っ込んだのは、ひとえに主人公が純粋だったから。世間ズレしていないというか。来るか来ないかも分らないSからの連絡待ちで、他の女性のお誘いを断るなんて在り得ない。見所があるんだか馬鹿なんだか。ただ、背景が全て消えるような恋愛が出来るのはちょっと羨ましいと思いました。詐欺側のSが本気になってしまったのは完全な誤算。そんな純粋な女が、こんな悪巧みに乗っかるのかな?という気もしますけど、そこはそれ、男性向けの御伽噺ですから。終盤の「金より愛」の主張も嘘くさいですが、最もファンタジーなのはセックスクラブの女性会員のレベルの高さ。ハズレ無しって在り得ない。S以外にウルヴァリンの仕込のサクラが含まれている可能性はあるものの、彼の一匹狼的な手口を考えるとごく一部でしょう。地位も名誉もお金もあって、尚且つ美女揃いの女性会員たち。某有名占い師や「●▲ーの虎」に出てくる女社長なんかが会員だったら納得出来るのに。というか許せるのに。ただ、あの携帯電話があったとしても、チキンな自分が何を出来る訳でもなく…。あれ?なんか、目頭が熱いや…。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-03-17 17:53:32)
56.  鍵(1997)
世間は、自称○○に結構甘いです。本人が言うなら、そうなんでしょと受け入れてしまうところがあります。お笑い芸人、美人姉妹、芸能界のご意見番、ハイパーメディアクリエイター。有栖川宮なんてのもありました。川島なおみの場合は自称“大物女優”。全身から女優様オーラを発しています。正直、何故あんなに堂々としていられるのか不思議で仕方ありませんでした。でも本作を観てその謎が解けた気がします。彼女の自信の拠り所は、本作に在るに違いありません。ただし、それは彼女の錯覚。過大評価もいいところです。脱いだら一流女優というわけではないのに。でも勘違いも気付かなければ本物と変わらない。少なくとも本人にとっては。思い込めば血液もワインに変わるのです。川島にとっては、それが一番幸せなのかもしれません。でも僕は忘れませんよ。あなたが一番輝いていたのは、車だん吉の横だということを…。
[DVD(邦画)] 4点(2010-03-11 19:24:08)
57.  神様のパズル 《ネタバレ》 
学業優秀な母とスポーツマンだった父の血は受け継いでないけれど、ウッカリ屋と頑固な性格はしっかりコピー。最近は髪の薄さも父に似てきて(苦笑)。これが親と照らし合わせた時のわたしの姿。だからどうしたって話ですが、サラカには出来ないこと。自分が何処へ向かうかを決めるため、まず何処から来たのかを確かめたい。巣立ちの一歩。飛ぶためにまず大地を踏みしめます。その土台がアイデンティティ。サラカは誰よりも高く飛ぶ能力を持っているのに、飛ぶ事はおろか立つ事さえままならない有様。危なっかしくて見ていられません。足場を固めるのは子の仕事。でも土台の原料を提供するのは親の役目。それを知る由もないサラカは、独りでもがき苦しんできたのだと思う。その心の痛み、不安たるや想像するに余り有ります。ただ、彼女はツイていた。最悪を避けられたのは、魂の応援歌を歌ってくれる人がいたから。弱っているとき、栄養をくれる人がいたから。母親だって不器用だっただけ。悪い人じゃない。自我を手に入れるのは、自分の力を証明すること?いや、ただ只管に、自分自身を肯定すること。綿貫の腕の中に飛び込んで、彼女は自我を手に入れました。それは“自分の宇宙”を創り出したのと同じ。彼女はもう何処へだって飛んでいける。正直、サラカが『無限』を乗っ取った時はやり過ぎだと思いました。でも綿貫が天井を突破ったとき、見方が変わりました。一線を越えた馬鹿演出が胸に刺さりました。何故スタンドマイクがあったのか?サラカの心に想いを届けるためにマイクが必要だったから。綿貫の滑舌が悪すぎる!けどアイツの気持ちは伝わってきた。初めて三池監督の演出を凄いと思いました。谷村美月のオッパイも、いやいや演技にも感心。市原くんの歌も良かったです。ただ脚本の粗さは目立ちますし、三池映画特有の品の無さも気になります。お世辞にも出来のいい映画だとは言えません。しかし自分にとって愛すべき映画ではありました。
[DVD(邦画)] 8点(2010-01-13 20:18:09)(良:1票)
58.  カリフォルニア・トレジャー 《ネタバレ》 
精神を病んだ父親はひたすら夢を追いかけ、現実を生きる娘はそんな父を疎ましく思う。当然のことです。でもそこは親子の情。子は親を切り捨てられない。離れていた2人の心を結びつけたのは宝探しでした。一緒に力を合わせることで、一緒の時間を過ごすことで、2人は親子関係を再構築していたのだと思います。ある意味、育て直し。ウェットに寄らずホームコメディ風のタッチが心地よいです。戯言だと思いつつ父の夢に付き合った娘。ついには法を犯す一線を越えます。理由の一つは、家を差し押さえられて自暴自棄になっていたこと。もう一つは何処かで父を信じてみたいと思っていたから。“信じること”=“愛すること”。真剣にバカをやる父親は、ドン・キホーテに見えました。手にした金貨は父からの贈り物。海から上がってきた裸の中国人は、父の妄想が嘘でなかったことの再確認。物語は優しく父親を肯定して終わります。ティム・バートンの『ビック・フィッシュ』に近い喉ごし。悪い話だとは思いません。ただ、親の愛情が金で換算されたように思えたのは残念。厄介者は消えた。大金は手に入れた。冷静に考えればハッピーエンドです。でも映画の中くらい、嘘みたいなキレイ事で終わって欲しいとも思います。妄想で結構。宝なんかいらないから、お父さん帰って来てよ。川と海は繋がってるでしょ。
[DVD(字幕)] 7点(2009-06-11 19:39:20)(良:1票)
59.  片腕マシンガール 《ネタバレ》 
ストーリーだけを評価するなら0点でも甘いくらい。胸糞悪い。悪趣味極まりないないです。ところが映画として観てみるとコレがなかなかイケる。『キル・ビル』や『プラネット・テラー』を煮しめて煮しめて、バカを塗りこんだ感じ。どんなジャンルでもそうですが、振り切れている映画は魅力的です。クサ過ぎる芝居も、グロ過ぎる描写も、チープ過ぎる設定も、トータルバランスが取れているので心地よい。アクションも見応えがありました。何気に感心したのは弟くんの友達が、イジめっ子と戦う場面。ダサダサの弱虫キャラが本格志向のローキックを放つのです。これが超ウソ臭い。見るからにインドアのオタク系ですから。でも母親に格闘技の素養があるなら、その息子だってあれくらい蹴れてオカシクない。気の利いた設定です。もちろん残りの99%はバカ設定ですけど。難点は他人に薦められないこと。自分が鑑賞した事も出来れば隠しておきたいくらい。ちなみに監督主演の「本作の正しい鑑賞法」はギャグというより作品批判(モラル批判)に対する保険だと思います。マジで怒らないでネっていう。気持ちは分かりますが粋じゃない。無くていいかも。
[DVD(邦画)] 7点(2009-04-24 20:59:49)(笑:1票) (良:1票)
60.  観察 永遠に君をみつめて 《ネタバレ》 
「人の良心は何処からやってくるのか?」昔そんなテーマで話を聞いた覚えがあります。曰く、良心とは“心の内にある強い父親像”のこと。親に叱られて社会のルールや倫理規範を身につけていく子供。いつしか自分で善悪の判断がつくようになるのは、親の基準が身に付くから。心の中の父親(母親、祖父母等)が叱ってくる。他者の良心をコピーするという意味です。真偽の程は知りませんが、なかなか説得力がある。「子は親の鏡」なんて言い方と同じでしょうか。さて、本作の主人公、茂樹の場合。父親(小倉一郎)は子供とお友達感覚。息子のストーカー行為を知ってなお容認する姿勢。なるほど、主人公の中の良心がこの父親をコピーしたのなら、行き過ぎた性癖を許してしまうのも納得です。一方、人との距離感が分らないという弥生。集団生活の経験不足がうかがえます。また親の愛情も十分に受けていない様子。「見守って欲しい」は、本来親に対して求めるもののはず。彼女の人物造形にも説得力があります。主役2人の伴侶も、何処にでも居るタイプ。キャラ設定は確かです。だから御伽噺にリアリティが生まれるのだと思います。面白かった。個人的な価値観を持ち込むなら、弥生はド変態。茂樹は大馬鹿モノだと思います。特に茂樹には本気で腹が立つ。奥さんには絶対に秘密を隠し、誤魔化し通せ!泣いて詫びて縋り付けと思う。でも茂樹と弥生の関係だけを見れば、コレで恋愛物語として成立してしまうのだからホント嫌になる。ちなみに茂樹が弥生の想いに早い段階で気づいていたらという“もしも”。2人は幸せになれたのだろうか。勿論結果は誰にも判らない。でも茂樹はずっとそんな事を考えながら、この先の人生をやり過していくのだと思う。それが彼に科せられた罰だ。
[DVD(邦画)] 7点(2009-02-07 22:28:44)
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