1. 風立ちぬ(2013)
宮崎駿が徹頭徹尾自分のことを描いた、極めて自省的な映画だったように思います。そういう意味でこれまでのジブリとは全く毛色が違う。彼の芸術家としての人生、そしてある種悲壮な覚悟のようなものが伝わってきました。逆に言うとストーリーに分かりやすさや感動といった観客に向けたものはあまり重視されていないので、そこに違和感を感じる人は居るだろうと思います。しかし…傑作。 [映画館(邦画)] 8点(2013-07-25 08:14:20)(良:1票) |
2. 川の底からこんにちは
大きな夢を持つのではなく、中の下であることを自覚し、そう思い通りにならないことも自覚し、「にも関わらず」あるいは「だからこそ」がんばる、がんばるという接続詞を描いた映画。字面の悲壮さにも関わらずこの映画は明るい。満島ひかりの割り切った感じからの爆発が心地よいのだ。 [DVD(邦画)] 7点(2013-03-27 00:14:59) |
3. がんばれ!ベアーズ
ほほえましい映画。テイタム・オニールの輝き。ターナーも非常に良い演技をしていた。勝利市場主義ではない結末が好み。 [DVD(字幕)] 6点(2013-02-21 08:17:08) |
4. カリフォルニア・ドールス
プロレスの素晴らしさ。画も演出も平凡だが、なぜか惹きつける。特に最後の試合でのドールズの入場シーンは爆笑すると同時に感動すら覚える。 [映画館(字幕)] 7点(2012-12-18 10:14:05) |
5. 鍵泥棒のメソッド
気取った言い方をすれば、演技をする演技をするという困難さを全く感じさせない演技力の凄みを感じた。 この映画は対称性に彩られており、冒頭から首吊りに失敗した堺正人。頭から落ちて仰向けになるが、これは銭湯での香川照之の転び方と同じ体勢であることを指摘しておかねばなるまい。既にここに類似性が現れている。また、殺しを終えた香川照之が道路で渋滞に巻き込まれるシーン、ここでは映画の撮影が原因となっており、演技に出会うことが既に示唆されている。堺正人が銭湯に出かけるために階段を下るシーンではちょうど電車が左から右へ通り抜ける。これはラストに彼がアパートに帰るために階段を登るシーンでは逆に右から左へ電車が通り抜けている。また、キュイーンの装置を発動させてきたのはずっと堺正人の方で、銭湯で入れ替わった直後、スーパーで愛人を待ち合わせて工藤から逃れるシーン、殺すフリに広末涼子が登場してしまい、そこから逃げ出すシーン、と計三度出てくるが、全て引き起こしているのは堺正人である。演技をし続けている堺正人と、素に戻った香川照之の対照性は興味深い。 [映画館(邦画)] 8点(2012-09-20 14:20:31) |
6. カプリコン・1
佳作。 [DVD(字幕)] 6点(2012-06-02 09:01:24) |
7. カイロの紫のバラ
最高の映画。 [DVD(字幕)] 9点(2012-05-18 00:39:15) |
8. 髪結いの亭主
素晴らしい。非常に練りこんである作品。 [DVD(字幕)] 8点(2012-05-02 08:56:23) |
9. 鏡
黒澤は「私はタルコフスキーを難解だとは思わない。ただ彼の感覚が鋭すぎるだけだ。」というようなことを言ったそうだが、黒澤の見る眼は確かであった。この映画は鋭敏過ぎるほどの彼の感覚が爆発した心象風景であって、ストーリーは存在しない。というのも、この映画は彼の記憶をそのまま再生したものだからだ。記憶にストーリーが存在する人は居ないであろう。だから過去と現在、歴史と創作が入り混じる。妻と母が同一人物なのもそういうことで、彼の頭の中で両者の人物像は一致するわけだ。観客はタルコフスキーの頭の中を体験することができるが、個々の出来事が何を意味するか、正確なことはなにか、を知ることはできない。それはタルコフスキーにも分かっていないからだ。流れる水と印象的な炎、セピア色、モノクロ、カラー、タルコフスキーはどの場面を切り取っても文字通り絵になる映画監督である。 [映画館(字幕)] 7点(2011-10-30 22:26:02) |
10. カリートの道
監督の名前を知らずに観ても「デパルマだ」とわかるほどのデパルマ映画。見事に決まっているし、特に進化しないデパルマの演出(良い意味で)が冴えている。ショーン・ペン(!)とパチーノは言わずもがなの名演だし、オープニングとエンディングもかっこいい。素晴らしい映画だと思う。 [DVD(字幕)] 8点(2011-05-07 12:36:45) |
11. 亀も空を飛ぶ
《ネタバレ》 これをどのように評論したらよいのだろう。亀のように甲羅という過去を背負い続けながら生きていく子供は空を飛ぶことができるか、という問いか。空を飛ぶ、とは劇中のように断崖から飛び降りることか、それとも……。アメリカかぶれのサテライトが、ラストシーンで「アメリカ兵だよ」といわれても興味を示さずに歩いていくシーンが感慨深い。彼もまた空を飛ぶのだろうか。アメリカが解放や彼らの救世主にならなかったことを暗示しており、なんだかやるせない気持ちになる。茫漠とした景色は地雷が埋まってるが故の味気なさを表現しており、当時のイラクの子供たちの様子がよくわかる。 [映画館(字幕)] 6点(2011-03-07 00:46:43) |
12. ガープの世界
シュールで不思議な雰囲気の映画でした。 [DVD(字幕)] 6点(2010-10-12 00:41:59) |
13. カサブランカ
都合の良さバンザイ。 [DVD(字幕)] 8点(2010-09-20 21:12:57) |
14. 借りぐらしのアリエッティ
借りぐらしという世界観はとても興味深い。しかしそれが広がることなくひたすら平板な描写に終始し、起伏の無いまま話が終わってしまう。借りぐらしという世界をもっと描かなければ、その魅力も伝わらないし、ストーリーに説得力も無くなってしまう。そこがゲド戦記やハウルの失敗だったのではないか。逆にそこが千と千尋やもののけ姫(おまけをしてポニョ)の成功だったのではないか。映像の美しさは折り紙付きなのだから、「世界を描く」という、根幹に立ち戻ってほしいと思った。全体としては素直な出来で、特にひかからずにさらっと観ることができた。 蛇足だが、「67億人が~」とか時事的な台詞を入れたのって初めてな気がする。妙に説教くさいし、ものすごく違和感があった。 [映画館(邦画)] 5点(2010-08-17 23:27:35) |
15. 勝手にしやがれ
かっこよくて洒落ていて大好きな映画。主人公が唇を指でぬぐう仕草も何となく真似してしまいます。あのラストシーン、「なんじゃこりゃあ」って言わなくて良かった。 [DVD(字幕)] 9点(2009-06-27 22:47:50) |
16. カリガリ博士
なかなか観れなかった作品。背景は書き割りでちゃちいって言えばちゃちいんだけど、それが紙芝居みたいでなんだか奥ゆかしい。むしろ作品の構成として十分成立していて雰囲気出してます。 ストーリーもひねってるし、何よりカリガリ博士のキャラクター造形が素晴らしい。これが後の「博士キャラ」を形作ったらしいです。 サイレントでも魅せますね。名作です [DVD(字幕)] 8点(2009-06-27 22:46:34) |
17. カッコーの巣の上で
今更何も付け加えることはありません。大好き。 [DVD(字幕)] 9点(2009-06-12 00:24:02) |
18. カポーティ
「冷血」そのものではなくカポーティという人物に焦点をあてるドラマとその心理描写の妙に、シーモア・ホフマンの名演も相まって傑作です。原作を先に読んで、先に震えるような感動を味わっていればこの映画も同等の価値があります。原作をぜひ読んでから観てください。そうじゃないと駄作になるのかも。 [DVD(字幕)] 8点(2008-12-02 23:40:08) |
19. 風の谷のナウシカ
傑作。巨神兵が意外とあっさりでがっかりしたことを覚えてます。 [DVD(字幕)] 8点(2008-11-18 20:30:55) |
20. 家族ゲーム
テーブルに横一列に並んで食事する家族というアイディアとラストだけで7点あげられます。あとは正直古さも目立つけど、80年代を感じられるという利点にもなっている…気がします。 シュールさは面白いし、何をしたいかも大体分かるけど、統一感が無かったかな。 [DVD(字幕)] 7点(2008-11-15 00:02:15) |