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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2390
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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21.  GONIN2 《ネタバレ》 
タイトルバックの映像は前作とまるで同じじゃないですか。そのほか中盤以降の舞台となる廃業したディスコも前作で佐藤浩市がオーナーだったところ。おまけに暴力団の組長と若頭も前作ではたしか死んだはずの永島敏行と鶴見辰吾とくれば、ちょっと混乱します。そして前作の五人組も本木雅弘以外の四人がちょい役で特別出演しているので、まるで死んだキャラを演じた役者が別の役で何度も顔を出してくる『仁義なき戦い』シリーズみたいです(笑)。 まあとにかく、女優に入れ替えた五人のキャラ付けが前作以上にピンボケだし、途中で本職の宝石強盗の女まで加わるので“GONIN”じゃなくなるし、けっきょくセーラー服姿で通した大竹しのぶと乳だしまでしてくれた喜多嶋舞しか印象に残らなかったじゃないですか。でも大竹しのぶのJKコスプレは明らかに放送事故でした(笑)。「これは緒形拳を見るための映画だ」と言ってしまうと元も子もないんですが、緒形拳、お前死ぬまでに何発タマ撃ち込まれてるんだよ!ストーリーも相変わらず陰鬱だし、ラストでまさかお元気そうな三人娘(?)が左とん平のタマをとるとは、これはこの監督なりのハッピーエンドなのかもしれません。 思うに石井隆という人は三池崇史になり損ねたと総括できるんじゃないかと思います。逆に言えば、三池崇史は進歩した石井隆なのかもしれません(笑)。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2018-10-30 10:06:46)
22.  極道大戦争 《ネタバレ》 
まじめに観てると頭が痛くなってくる、まさに怪作。三池崇史が何をやりたかったのかは理解不能ですが、しいて言えばヤヤン・ルヒアンのキレッキレのアクションを見せたかったのかもしれません、脚本も書き終わらないうちに彼の起用が決まっていたそうですから。いやそれとも、あのKAERU君が暴れるところだったのかも、でもKAERU君の暴れっぷりはふなっしーを見ているみたいでなんか気持ちが入ってゆきませんでした(笑)。 すっかり大物になってしまった三池崇史がVシネマでブイブイ言わしてた頃の初心に帰って撮ったんだそうですが、エロもグロも彼にしてはえらくおとなしめで物語だけがアンバランスなほど狂っている。普通の映画監督なら面白がってもらえるかもしれませんが、そりゃあ『DEAD OR ALIVE』を撮った人だもの、世間の眼は厳しいですぜ。もうこの人はどんなに弾けたってあれを超えることは不可能で、いい加減に本人も気づくべきでしょう。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2018-10-26 23:12:23)
23.  荒野を歩け 《ネタバレ》 
時代が1930年代のニューオリンズで高級娼館が舞台とくると原作はテネシー・ウィリアムズかなと思いましたが、別人の小説の映画化でした。 ぶっちゃけて言うとこの映画の見どころは、カッコよすぎるソウル・バス謹製のタイトルとジヴァンシィ・モデル出身のキャプシーヌのクールな美貌、そしてデビュー間もないジェーン・フォンダのダイナマイト・ボディといったところでしょうか、はい。ストーリー自体はテネシー・ウィリアムズの戯曲の劣化版といった感じです。時代が30年代の南部地方なんですが、なんか映像の雰囲気にはそれらしさが感じられないのがいまいち乗り切れない要因なのかもしれません。冒頭でローレンス・ハーヴェイがヒッチハイクするトラックがもろ1950年代以降のタイプなので引いてしまいました、でもこの後に登場する車はちゃんと30年代風だっただけに首を捻らされました。このローレンス・ハーヴェイがなかなか間抜けな奴でして、探し当てた元カノがどう見ても高級娼館としか見えないところに住んでいるのに、彼女の現在の職業が判らずにプロポーズするという鈍感さには笑うしかありません。このハーヴェイのキャラも判りにくくて、テキサスの田舎農夫には見えないので感情移入もできません。フォンダのほかにも、アン・バクスターとバーバラ・スタンウィックと脇を固める女優陣は豪華なので、結末は見え見えですがメロドラマ好きにはお勧めかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-09-05 23:57:10)
24.  GONIN 《ネタバレ》 
お話自体は単純明快、ヤクザ事務所襲撃まで大してデティールもつけないストーリーテリングで、その分五人のキャラを深掘りしようという監督の意図は分かりますが、それが佐藤浩市いがい上手くいかなかった気がします。ふつう、こういう種類の犯罪映画では強奪側の仲間割れやら確執が起こるというのが定石ですが、この脚本では何で佐藤浩市のようなど素人が立てた計画に乗って危ない橋を渡ろうとしているのかがそもそも伝わってきません。割と早い展開で五人は一人ずつタマを取られてゆくのですが、彼らが生きているうちのキャラ付けが不十分なので後半の展開がスカスカになってしまってるんですよね。たけしと木村一八、佐藤浩市と本木雅弘の関係が同性愛的な関係だという着想は面白いとは思いますが、キャラ付けが薄いので唐突感が強すぎです。これが石井隆の作風なんですけど、ストーリーがバブル崩壊後の暗く閉塞感に満ちた世相を反映しているのも観ていてしんどかったです。 それにしてもこのころのモッくんの切れた演技は、20年たって昭和天皇や秋山真之を演じるほど出世した現在の姿を知っているだけに、実に新鮮に感じました。もう一度こういう切れまくったキャラを演じてくれないかなあ…
[CS・衛星(邦画)] 6点(2018-08-23 23:25:54)
25.  恋する惑星 《ネタバレ》 
警官223号の金城武がポケベルや公衆電話にやたら頼っているのでイラつかされますが、よく考えると携帯もスマホも存在していない24年前の映画でした。現在ならスマホに依存する青年という感じなんでしょうが、つまりそこを入れ替えるだけで現代でも通用するこの映画の持つスタイリッシュさは色あせていないということなんでしょう。 ほんと公開当時はフェイ・ウォンのスタイルに影響された女子が多かったですよね。多分この映画が、90年代においてハリウッド映画以外で最も若者カルチャーに影響を与えた作品だったんじゃないでしょうか。ストーリー自体はあってなきがごとくと言った感じで、前半の金城武パートと後半のトニー・レオンのパートもそれこそ1ミリもつながりはありません。また主要な2組のカップルは中二病感が丸出しで、とくにトニー・レオンはかなり重症だと言えます。ネタなのは理解できますけど、部屋の石鹸や濡れたタオルにまで話しかけるところは観ていて痛々しい限りです。まあ中二病がもっとも進行していたのは監督のウォン・カーウァイだと言えますけど。あとフェイ・ウォン以上に世界に衝撃を与えたのはトニー・レオンのランニングシャツ&ブリーフ姿で、白ブリーフ履いてこれだけカッコよい男は史上空前です、やっぱイケメンはどんな格好でもサマになります。 『夢のカルフォルニア』の使い方だけはさすがに耳障りだったかもしれませんが、総じて音楽の使い方にはセンスがあって好きです、エンドロールに流れるフェイ・ウォンが唄うクランベリーズの『ドリームス』のカヴァーも良かったなあ。そういやクランベリーズのドロレス・オリオーダンは今年亡くなりましたね、合掌。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-08-18 22:39:08)
26.  荒野のストレンジャー 《ネタバレ》 
摩訶不思議なウェスタンといえば、もうこれしかないでしょう。まあどう考えてもイーストウッド演じる“ストレンジャー”はこの世の存在ではないわけですが、いきなり女を手籠めにしたりする生臭い奴なので“こいつは何者”感が濃厚になり、ここがこの脚本の上手いところです。広大な湖のほとりにまるで住宅展示場みたいなこぢんまりとした町(というか集落)があるというのも、普通のウェスタンではあまり見かけたことがない景色でした。一見善良そうな住民たちが私欲のために保安官殺しを黙認するという展開は、ジョン・ウェインが激高しそうなストーリーです。保安官に町の住人が非協力的な『真昼の決闘』が反米的だと激怒した人ですけど、もう製作当時は人生の終わりも近かったので丸くなってたのかな。駆け出し監督のころですからイーストウッドの作品はまだB級色が強かったので、大して注目されていなかったのかもしれません。 こうやって観ると、イーストウッドはハリウッドでもウェスタンを危篤状態となってから撮りだしたようなものなので、いろいろと捻った観点の作品がウェスタンでは多いですね。そこは50年代からどっぷりウェスタンで生きてきたペキンパーの様なこのジャンルへの哀悼は感じられませんが、彼の死後にはイーストウッドがウェスタンに施した心臓マッサージが効いて『許されざる者』という傑作が生まれたんじゃないでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-05-07 22:26:37)(良:2票)
27.  ゴーストバスターズ2 《ネタバレ》 
驚きましたね~、十数年前に確かに観ているはずなのに、これほどすっきりと内容を忘れてしまうとは、おかげで初見の様な感覚で観直すことができました。でも半年も経てばまた忘却の彼方に去ってゆくんだろうな(笑)。 まあ『2』でとりあえずシリーズをやめたのは正解、嫌々撮っている北野武映画みたいな投げやり感さえ感じてしまいます。結局ゴーストバスターズの面々は五年たってみれば元の奇人変人に逆戻りしていたってわけです。変わったこと言うと、シガニー・ウィーバーが離婚してシングル・マザーになっており、その結婚した相手がビル・マーレイじゃなかった!ということぐらいですかね。あのビル・マーレイがシガニーにプロポーズすらしなかったということになっていますが、彼は二作をかけてようやくシガニーをものにできた、ってわけです。こういった前半の仕込みはそう悪くはない気がしますが、後半にかけてどんどん毒味が薄れていって最後は「ウィー・ラヴ・NY」を歌い上げてエンド、これならいっそミュージカル映画にした方が良かったんじゃね? あの“でかいフランス女”が動き出したところでもうがっくりです、この映画で唯一クスリとしたのは“77年遅れて入港してきたタイタニック号”の件だけでした。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2017-10-11 00:19:42)
28.  ゴーストバスターズ(1984)
“公開当時は面白いと思ったのに、今みると「なんじゃこりゃ」となる映画80年代編”というランキングを創ったら、堂々の一位は『ゴーストバスターズ』であることは、わたくし確信しております。ビル・マーレイという役者をこの映画で初めて知ったのですが、「なんて感じの悪いコメディ演技だろう」と悪印象を持ったもので、これは今観直しても変わりませんねえ。彼もこのころは『サタデー・ナイト・ライブ』で得た人気を武器に映画界に乗り込んできたばかりなので、TVの臭みが抜けてなかったんでしょう。そんな彼も今や枯れたコメディを演じさせたらハリウッド一なんですから、ずいぶんと月日がたった経ったものです。 ほんと音楽以外は中身のない映画なんで、書くことがなく困ってしまいます。でもどなたかが指摘されていましたが、確かに何となく『ダイ・ハード』に通じるところがありますね。やはりそれにはウィリアム・アザートンが出ていることも印象を強めるのに貢献しているのかもしれません。このキャラをスケールアップ(?)させたのが、『ダイ・ハード』のTVレポーター・ソーンバーグになるわけです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2017-10-07 22:03:15)(良:1票)
29.  恋はハッケヨイ! 《ネタバレ》 
『カルフォルニア・ドールズ』の女相撲バージョンかと思って観てみたら、悪い意味で思いっきり期待を裏切られましたね。つまり太めの淑女たちの汗と涙そして笑いが満載のスポ根映画だと私は勝手に思い込んでいたんですよね。ところがこの女性監督は、相撲の神秘的な部分がお気に入りだったみたいで、女相撲に魅せられた女性たちをまさに原題“Secret Society”の一員として描くことに凝り過ぎちゃったみたいです。相撲にはスポーツと言うよりは神技としての側面も確かに強いですけど、それがやはりデブ女である工場主任が主催する謎の女相撲サークルとどうつながるのかは、感覚的にもついてゆけませんでした。だいたいラストの試合ですが、いくらなんでも男と対戦するのはあり得ないでしょう。 まあそんなにムキになって批評するような映画でもないけど、面白くなかったというのは確かです。昔ならいわゆる国辱映画ということでお蔵入りは確定でしょう、現時点でも地上波はもちろんのことCSでも放送されないんじゃないかな。
[ビデオ(字幕)] 3点(2017-08-28 20:47:37)
30.  ゴングなき戦い 《ネタバレ》 
日本では劇場未公開でDVD化もされていない、ジョン・ヒューストンの隠れた秀作ボクシング映画です。製作年は72年ですから、いわばジョン・ヒューストンが撮ったニューシネマと呼ぶにふさわしいかもしれません。 かつてはそこそこ名の知れたボクサーだったステイシー・キーチが、何気なく寄った体育館で若者ジェフ・ブリッジスと出会います。ちょっと打ち合っただけでその才能を見抜いたキーチは、ブリッジスにジムに通うことを勧めます。普通だったらこのブリッジスがボクサーとして才能を開花させてゆくというのが王道のストーリーテリングですけど、そこは巨匠ヒューストンの脚本ですから捻った展開になります。アマ戦にデビューするまでは順調だったけどあっさり敗退してしまうブリッジス、その後は今一つ伸び悩むうえにガールフレンドを妊娠させて二十歳前で所帯持ちになってしまいます。実はこの映画では冒頭の出会いからこの元ボクサーと若者は上映時間の三分の二を過ぎるまで再会せず、完全にアル中のスーザン・ティレルと同棲した元ボクサーが、この女と別れてプロとして再起を図る姿が並行して描かれます。 再デビューしても相変わらず展開はすっきりしません。初戦は勝つことができたけど、ファイトマネーのことでトレーナーとは喧嘩になるし、また彼も酒浸りの生活に戻ってしまいます。ブリッジスは所帯を持ちながらも地味にカムバックして次第に実績を重ねてゆきます。町で偶然に出会った二人、ブリッジスはこのたちの悪い先輩を避けようとします。「せめてコーヒーぐらい付き合えよ」と連れていかれたダイナーで、肩を並べて無言でコーヒーをすする二人の姿に強烈な印象が残るラストです。 『ロッキー』のテーマが鳴り響くような展開がまるでない、本作は観る人によっては耐え難いダウナー映画かもしれません。でもこの二人のボクサー、そして私にもあなたにも、まさに人生とは“ゴングなき戦い”に他ならないんだとしみじみ感じさせられました。原題とは全然かけ離れてはいますが、この邦題のセンスは素晴らしいと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-08-25 23:21:11)
31.  ゴーストシップ 《ネタバレ》 
ここのレヴュアーの皆さんからの酷評ぶりを読むと自分の感性に自信がなくなっちゃうんですけど、告白しちゃいますと私はこの映画嫌いじゃないです、いや好きかも(笑)。 まあここは誰もが納得すると思いますけど、つかみのワイヤー人体破壊ショーから幽霊船に乗り込むまではなかなかの雰囲気じゃないでしょうか。実際に可能かどうかはともかくとしても、あの胴体真っ二つ斬りは凄すぎます。生き別れした上半身が下半身を探す女性のカットなんて、ちょっとやりすぎだろって叫びたくなります。他にもいろいろとエグい死にざまのてんこ盛りで、あのナイス・バディのフランチェスカの殺され方なんかも、ちょっと痛すぎでしょ。ここはロバート・ゼメキスの残酷趣味がさく裂してますが、スピルバーグとそのお仲間たちはほんと人体破壊がお好きですねえ。 中盤になってくると尺を考えていたのかご都合主義アクションが目立ってきます。ここも誰もが気が付くように、ホラー演出は『シャイニング』の劣化版と言ってしまっても構わないぐらいで、キューブリックが生きていたらきっと激怒して訴訟をかけてきたと思いますよ。でもよく考えてみればもっとえげつなくパクっている元ネタがあるんです、そう『ザ・グリード』なんですよ。いわば『ザ・グリード』のモンスターがあのサタンの手下に置き換えられたようなもので、ラストの客船の爆発カットなんて『ザ・グリード』そっくりの絵面ですからねえ。でもグリード・モンスターと違ってサタンの手下はやっていることが意味不明すぎます。タグボートを爆沈させる魔力があるくせに客船を操ることができない、まあ彼の代弁してあげるとすれば「豪華客船とタグボートじゃ大きさが違いすぎるだろ、しょせんサタンの手下の俺じゃ手に負えないよ」ということでしょうか(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-04-04 21:19:47)
32.  殺し屋チャーリーと6人の悪党 《ネタバレ》 
何と言いますか、邦題には勘違いなのか確信犯なのかは謎ですが、ひっかけがいっぱいです。まず「殺し屋」なんですが、このチャーリー・ウルフというキャラは殺しも営業範囲の便利屋というのが正解でしょう。ムダにカッコよい狙撃ライフルを持ってますけど、だいたい浮気妻の尾行・張り込みをする殺し屋なんて初めて観ました(笑)。自分が手を下さなくて済んだといっても、ターゲットの生死を確認しないとは杜撰極まりない。そんなお惚けサイモン・ペッグですけど、劇中では無慈悲にバシバシと人を殺すからちょっと奇妙な味わいがある物語に仕上がっています。そして「6人の悪党」ですけが、これ6人全員を悪党と言い切るのはかなり無理があるんじゃないでしょうか、とくにムキムキ・マッチョのガソリンスタンド屋くんなんかはね。この6人の中で私にツボだったのはギャンブル中毒の歯医者さんで、『ハング・オーヴァー』シリーズの歯医者のスチュを彷彿させてくれて傑作でした。なんか欧米の映画では歯医者がコケにされることが多いんじゃないかと思うけど、気のせいかな(笑)。 総括しますと『ファーゴ』のようないわゆるスモールタウンものということになりますが、ちょっとオフビートさが足りなかったところは失敗でした。でもオーストラリアのピーカン天気の中で繰り広げられるドロドロな人間模様というのも、ちょっと珍しいかなと思いますよ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-12-27 20:12:22)
33.  コードネーム U.N.C.L.E. 《ネタバレ》 
実に手堅いリメイクですが、プロットはかなり再構築されていてシリーズ化する気は満々とお見受けいたしました。ダニエル・クレイグになってからの007シリーズがマッチョでハードボイルド路線になっていますので、この軽いノリで観られるスパイものはけっこう需要があるんじゃないでしょうか。オリジナルのTV版は実は観たことがないんですけど、CIAとKGBのエースがコンビを組むという設定はなかなか面白いと思います。 監督はガイ・リッチーですから、彼にとってはこれぐらいは当たり前という仕上がりです。登場人物の発言をちょっと後で時間をさかのぼって解き明かすという話法が多用されていますけど、これはなかなか新鮮な語り口かと思います。あとスプリット・スクリーンのショットも使われていますが、これはセンスの悪い監督だと無残なことになるのにさすがガイ・リッチーですから効果的ですね。強いて難点を挙げるとすると、悪役夫婦のキャラが弱かったところと、デヴィッド・ベッカムがカメオ出演してるらしいのに「えっ、どこに出てたの?」って感じだったことでしょうか(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-11-29 16:18:23)
34.  恋するリベラーチェ 《ネタバレ》 
確かに、ホモという要素を抜いて観ればごくありふれた恋愛痴話に過ぎないのかもしれません。でもまったくその気が無い身としては、その“ホモ”の世界を覗き観れることにちょっと引かれてしまうんです。マイケル・ダグラスとマット・デイモンの接吻やベッド上でのアレなんて正直気持ち悪いだけですが、ハリウッドを代表する(たぶんノーマルな性癖だったはず)両名優のホモ演技は称賛に値するんじゃないでしょうか。ダグラスなんてハゲ姿までみせるんですからねえ。じっさいリベラーチェとマイケル・ダグラスはメイクの力とはいえそっくりです。そして『オーシャンズ13』以来ですけど、ソダーバーグはデイモンの顔をいじるのがほんと好きです。 あと今回で確信するに至ったのは、ソダーバーグという人はやはりゲイだということです。彼はクレジットに別名というかペンネームをよく使いますが、彼が編集でよく使う変名はMary Ann Bernardという女性名ですからねえ。まあハリウッドにはそういう性癖の人はうじゃうじゃいますし、別に気にする様な事でもないですけど。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-07-09 21:48:05)
35.  コマンド戦略 《ネタバレ》 
むかし良くTV放映されていたのでアレックス・ノースのメインテーマの旋律は頭に刻み込まれていますが、意外なことに未登録だったのでUPさせていただきました。 “悪魔の旅団”とドイツ軍から恐れられ(と言うのが定説ですけど、このニックネームは米軍がつけたものらしいです)戦後はグリーンベレーの創設の母体となった第一特殊任務部隊の活躍をネタにした戦争アクションです。内容的には史実とフィクションが半々と言うところですかね。この部隊は米軍とカナダ軍の合同部隊なんですが、米兵たちが軍刑務所から集めた犯罪者やあぶれ者で構成されていてまるで『特攻大作戦』みたいですけど、これはまるっきりウソです。対照的にカナダ軍兵士は品行方正で規律が厳しいことになってますが、これも見飽きたプロットです。この頃のハリウッドは、こういうゴロツキ部隊で戦争アクションを撮るのがひとつのパターンとなっていたみたいです。でも当時は元隊員がまだ健在だったはずで、彼らから抗議されたかもしれません。ちなみに『イングロリアル・バスターズ』のブラピはこの“悪魔の旅団”のショルダーバッジをつけていて、バスターズがドイツ兵の死体にカードを付けてゆくのも、嘘みたいな話ですけど“悪魔の旅団”が実際にやっていたことなんだそうです。 監督がアンドリュー・V・マクラグレンですから、前半はまるっきり西部劇みたいな感じです。ちゃんとお約束の酒場での大乱闘も用意されていまして、あまりのワン・パターンぶりにはもう苦笑いするしかありません。後半になってイタリアに舞台が移ってからはようやく大作戦争映画らしくなってきますが、偵察に行って戦車隊を含むドイツ軍を部隊ごと捕虜にしちゃうエピソードは、いくらなんでも話を盛り過ぎだろと突っ込みたくなります。クライマックスの断崖絶壁を登攀するところは撮影の苦労が偲ばれますが、肝心の戦闘シーンは見せかたが単調なので大掛かりなんだけど印象に残らないという残念なことになってしまいました。主演のウィリアム・ホールデンは可もなく不可もなくという演技ですけど、この役にはちょっと老け過ぎだったかなという感じでした。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2016-06-23 23:16:09)
36.  GODZILLA ゴジラ(2014) 《ネタバレ》 
フランスの大女優ジュリエット・ビノシュがゴジラ映画に出演!!びっくりしましたけどまさかあんなチョイ役だったとは、これもまたサプライズでした。可哀想に出演シーンをカットされてしまった宝田明みたいにゴジラ映画では思い入れや縁がある俳優が特別出演することが間々ありますけど、ジュリエット・ビノシュがゴジラファンだとは到底考えられないし、なんで出演したのかは謎が深まるばかりです(笑)。 このギャレス・エドワーズ版ゴジラは、さすがにエメリッヒ版よりはマシですけどまあそれ以上でも以下でもないというところでしょうか。とにかく致命的なところはゴジラが脇役でしかないということに尽きるでしょう。敵役のムートーなる代物もわたしの眼ではギャオスのパクリとしか見えませんでした。そしてメッチャ腹が煮えくりかえったのは、あのまったく何が起こっているのか判らない真っ暗な画面!最近この手の何が映ってるのか判らない夜間映像の映画が目立ちますけど、これほど酷いのは初めての様な気がします。それも怪獣が暴れている大きな視点のシーンですから、余計にフラストレーションが溜まりました。でもスピルバーグの様な巨匠が撮った映画では、たとえ夜間シーンでもこういう現象が起こらないというのはどういうわけでしょうか。最近は技術の進歩で昔よりも手軽に暗闇のシーンを撮れるようになりましたが、考えるにこれは撮影監督の能力、ひいては映画監督自体の力量が未熟だということに尽きるでしょう。ほんとこれなら、昔みたいにレンズにフィルターを被せる“アメリカの夜”方式がよっぽどマシなんじゃないかと思います。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2016-01-04 22:12:54)(良:2票)
37.  ゴーン・ガール 《ネタバレ》 
妻帯者そしてかつて妻帯者だった人にも、ひとしく衝撃を与えることはもう私保証いたします。また嫁の立場から観ても日常生活の自分のトラウマを激しくかき立てることは間違いないでしょう。あくまで実際におこったスコット・ピーターソン事件をモチーフにしたフィクションですけど、これをデヴィッド・フィンチャーに監督させたというのが最良(観る人によっては最悪かも)のパフォーマンスを生んだと思います。 まずベン・アフレックですが、この映画の様な頼りない男を演じさせたらイーサン・ホークかベン公かというぐらいのハマり役です。でも実在のスコット・ピーターソンという人があまりに彼にそっくりなので、これ以外の選択はあり得ななかったでしょう。そしてロザムンド・パイク、映画の折り返し地点ぐらいでネタばれしちゃうんですけどあえて一言だけ言います。私の中で今まで映画史上最悪の悪女だった『蜘蛛女』のレナ・オリンを超えるキャラがついに現れた! けっきょく物語では警察や弁護士の捜査や調査は振り回されるだけでなんの効果もあげずカタルシスは皆無のエンディングとなるのですが、後味の悪さはフィンチャー作品のお約束なのでそこはまあ期待通りでした。それにしても東洋の某国の宰相は夫婦そろってこの映画を観に行ったそうですが、これもまた凄い話です(もっともあの二人は見た目は仲良さそうですけどね)。残念ながら二人の感想は公にされていません(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-11-02 19:55:12)(笑:1票)
38.  絞殺魔 《ネタバレ》 
リチャード・フライシャーの実録犯罪もの映画は本作と『10番街の殺人』の二本だが、どちらも怖い。職人監督としてあらゆるジャンルを手掛けた彼だけど、実は犯罪ものがいちばん得意だったんじゃないかな。 前半はスプリット・スクリーンを多用(乱用とも言える)して斬新な撮り方をしていますが、正直あまり効果があったとは思えません。ところが上映時間のほぼ半分あたりでやっとトニー・カーチスが登場してからはスプリット・スクリーンは使われなくなります。そしてヘンリー・フォンダの尋問が始まると前半の小細工感が満載だった撮り方はどこかに吹っ飛んでしまいます。とくにラスト20分、長回しを多用してトニー・カーチスに密着してゆき、カーチスもそれに応えるように彼の生涯一の演技で観る者を引きつけてしまいます。 実際の事件と比べると経過も単純化されアルバート・デサルヴォのことも家庭的な人間として若干美化していますが、事件を再構築して映画化するにはデサルヴォが二重人格だったというのは合理的で最良の脚本だったんじゃないでしょうか。
[DVD(字幕)] 7点(2015-08-28 20:49:09)
39.  殺し屋ハリー/華麗なる挑戦 《ネタバレ》 
リキテンスタイン風の思いっきりポップなタイトル・ロールと続く“水中墓場”のオープニング・シーンは、この映画がカルトと呼ばれる所以です。そこに被さるTV放映版の藤村俊二のナレーションもいまや伝説となっていますが、残念ながら私は観たことがないので判りません。でも原語版ではリチャード・ハリスのちょっと諧謔味がするモノローグでして、これを藤村俊二にナレーションさせるってのは吹き替え版スタッフのセンスも大したものです。 実はジョン・フランケンハイマーは「この映画は私の生涯で最悪の仕事だった」とインタヴューで語っているんです。たしかに所々に散見されるナンセンス調のギャグ・シーンとフランケンハイマーらしいアクションがなんか上手く融合していない感じも有りますが、この全篇に漂うアンバランスさがいい味になっているんですけどね。脇を固めるのもくせ者俳優ばかりで、とくにブラッドフォード・ディルマン、いつも悪役か卑劣漢ばかり演じているイメージの彼が強烈で、「ウヒヒ」なんて感じで笑う脂ぎった敵ボスなんです。 散りばめられているギャグはナンセンス系で、片腕マシンガールみたいなチャック・コナーズがアタッチメントにガジェットをつけかえて娼婦を脅かすところ(『カジノロワイヤル』でピーター・セラーズがやったギャグのパクりです)や下水道に入ったら捨てられたペットのワニが巨大化してウロウロしているとか、センスが良いのか悪いのか良く判りません(笑)。でもラストのリネン工場での対決は自分には大受けでしたね。周りでハリーとギャングたちが銃撃戦を繰り広げているのに平気な顔で作業している従業員たちが、お昼のベルが鳴ったらこれまた平気な顔して食事に行っちゃうんですからね。 万人向けとは思えませんけど、毛色の変わった映画をお求めの方には超お奨めしたくなります。アクションからミュージカルまでこなした芸達者リチャード・ハリスの、唯一のコメディ(?)演技をご堪能ください。
[ビデオ(字幕)] 7点(2015-08-27 00:39:37)
40.  ゴースト・イン・京都 《ネタバレ》 
珍品映画ながら日本の描写はしごくまとも、東映が協力しているみたいで日本ロケまでしてます。そしてスーザン・ジョージと服部まこという東西セクシー女優の共演ですから、二人ともきちんと脱ぎを見せてくれます。スタッフも手堅い人選で、音楽なんてケン・ソーンですからね。でも肝心の監督が『地獄のモーテル』のケヴィン・コナーだというのが致命的でした(笑)。 まあ突っ込みどころは満載ですけど、いちばん可笑しいのは三人の幽霊たちの意味不明な行動でしょう。不貞を見られて殺された妻と間男、そして自害して果てた武士なのに死後は妙に仲が良い三人組になっているんです。因縁の屋敷に住んだスーザン・ジョージ一家を脅かしていじめるのは判りますけど、ほんとにやりたかったことは彼らにそれぞれがとりついて、かつて自分たちが最期を遂げた事件の再現ドラマを演じることだったと最後に判って驚いてしまいました。後半のほんらい緊迫したシーンのところで、この半透明な幽霊たちが画面をうろうろしているとしか見えない光景も笑っちゃいます。娘を怖がらせる怪奇現象が沢蟹の大群の出現だというのも突っ込むところでしょうけど、その中に二匹だけいる異様にでかい蟹がまるで巨大タランチュラみたいだったのはちょっと不気味でした。 まあB級(かろうじて)ホラーとして観れば愉しく突っ込める作品だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2015-08-23 17:44:18)(良:1票)
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