1. 今夜、ロマンス劇場で
《ネタバレ》 まったく事前情報なしで見始めて、苦手なファンタジーだったので、ちょっと後悔。ただ、30分過ぎた頃からぐっと入り込めて、最終的には記憶に残る映画になった。それは、この映画がもちろんラブファンタジーでありながら、一方で、仕事よりも愛を選んだ男のリアルなストーリーにもなっているからだと思った。 主人公は映画作りに情熱を燃やしていて、監督になるチャンスを掴みながらも、それを姫との愛のために、明確に捨てるのだった。実際、主人公が書いていた脚本は日の目を見ず、自身が監督になることもないまま、映画は斜陽産業となり、撮影所は潰れ、そして引き継いだロマンス劇場もなくなる。主人公が愛と引き換えに失ったものは、とても大きかった。 ただ、この映画の素晴らしいところは、そんな主人公の人生が、最後に報われるところを描いているところだ。一つはもちろん姫との愛によってなんだけど、もう一つはささやかだけど秘密に満ちた主人公の人生が、病院の看護師によって聞かれ、読まれることになる点にある。現代に向かって、映画の脚本という形でストーリーが進み、最後につながる、そういうこの映画の構造は、単に一本のストーリーで描くよりも、主人公の人生の意味を際立たせており、秀逸だと感じた。 そう考えると、映画の中戻ったラストシーンは、本当に必要なのか?、自分にとってはよくわからなかった。せっかく途中からリアルな男の人生に寄り添って見たのに、最後ファンタジーの世界に引き戻されてしまったからだ。もしかしたら本当は、主人公に過剰に肩入れなどせずに、気楽にファンタジーとして楽しんでもらいたい映画なのかな、とさえ思えて、ちょっとだけ残念だった。 とはいえ、坂口健太郎の好演もあって、男性にも薦められる珍しいラブファンタジー映画だと思った。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2022-05-01 21:02:34)(良:1票) |
2. (500)日のサマー
《ネタバレ》 これは、人によって評価が分かれる映画だろうが、俺は好きだ。この映画を見て何か得られるかというと、そうではない。ハッピーになれるわけではないし、カタルシスがあるわけでもなくて、どちらかというと鬱になる。それはこの映画が妄想系でありながら、リアルにトムの内面も生活も描いているからであって、最初の30分以外は全く楽しくないわけだが、でもなんというか、この映画を見ると、「人生なんて、そんなもんよな」と、ニュートラルな気分になって、開き直れる気がする。いろいろあって、でもそれでいいんだ、と。何度も見たい映画の1つ。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2013-11-23 20:48:39) |
3. コンテイジョン
《ネタバレ》 飛行機にて鑑賞。 なにか感動したり、カタルシスを得たりということがないので、通常の映画を見るときの面白さはまったくないが、なんだろう、たとえば「ワクチン接種の順番決めが誕生日の抽選かよ、アメリカ的だなー」とか、「やっぱりこういうとき、家族や親戚に言っちゃうよねー」とか、「こりゃ、香港人は怒るわなー」とか、いろいろ考えながら見はじめたら、意外と面白かった。 なんというか、そういう心構えが必要な映画で、事前情報なく見るのはちと辛い。 [地上波(吹替)] 5点(2011-12-27 21:36:03) |
4. コンスタンティン
天使や悪魔、地獄といったものの凡庸なイメージを映像化してしまっていて、なぜかそれはドリフを髣髴とさせた。お笑いだったらそれはひとつの戦略だと思うが、真面目なストーリーではその凡庸さが悲しい。疲れた。 [DVD(吹替)] 4点(2006-04-30 23:09:30) |
5. 50回目のファースト・キス(2004)
たいしてイケてない女とたいしてイケてない男によるリアリティー皆無のラブコメだが、余計な背景とか省いちゃった潔いストーリーで、素敵な映画になっている。毎日恋人と新鮮な気持ちで知り合えるなんて、正直うらやましいな~、などとおき楽なことを思いながら楽しんだ。いかんせん、タイトルが直截的すぎる気がした(原題)。「Good morning, Lucy」のほうが良かったのに・・・というどうでもいい個人的な感想。 [DVD(吹替)] 7点(2006-04-29 20:12:41) |