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アンドレ・タカシさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

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1.  恋は五・七・五! 《ネタバレ》 
あまりにマンガ的な台詞や芝居に萎えました。いや、私はマンガ大好きなんですけど、マンガ的な演出として狙っている訳ではないので、かなり幼稚に見えました。あれで高校日本一になれるとしたら、世の中を舐めすぎです。ちなみに、好きな異性が居眠りしているところにキスってありがちなシチュエーションですが、ホントに寝込みを襲う奴っているんでしょうか? 以下、長い余談。「俳句の甲子園」の競技方法に関しての疑問です。対戦相手の作品に難癖を付けるのがルールなの? 必ずしも難癖だけでは無いのでしょうが、勝負を意識したら批判視線で講評するはずです。自分ならそうします。それが現実なら、あまり良いルールと思えません。さらに横道に行きますが、映画のレビューを書いていて感じることは、嫌いな映画を褒めることも、好きな映画を貶すことも、テクニック的にはさほど難しくないということです。口先だけなら何とでも言えるのが「批評」や「評論」です。俳句を愛する高校生にそんな口先だけの言葉を弄する姿勢や習慣を持って欲しくないと思った次第です。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2012-12-16 01:58:06)(良:1票)
2.  攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society〈TVM〉 《ネタバレ》 
「攻殻機動隊」のアニメは2種類ある。押井守が監督した2つの映画と、神山健治が監督した2つのTVシリーズ。設定は同じだけど、テーマや語り口が違います。個人的には、うんちく台詞を羅列させる押井作品より神山作品の方が好きです。 押井作品は電脳と義体がもたらす情報ネットワーク環境を近未来の社会モデルとして提示したことが衝撃的でした。それに対して神山作品は、高度にネットワーク化された社会における情報深度の平均化・並列化と個のアイデンティティの関係を実験的に見せる。言葉にすると小難しい感じだけど、公安9課の個性的なメンバーが織り成すエピソードも楽しめるシリーズです。本作はシリーズの延長上にある作品で、少佐(草薙素子)が9課を去った2年後という設定。その間の9課組織の再編や主要メンバーの人間関係が描かれていて、シリーズのファンとしては興味深く観られます。まず、ドグサが隊長になって組織を率いていることがアクセント。経験と戦闘力で勝るバトーとの関係が気になるところで、そこを綴る脚本が大人の味わいです。少佐にも見せ場は作ってあり、タチコマの復活などは嬉しく微笑ましいエピソードだった。TVシリーズで深めてきた「STAND ALONE COMPLEX」の概念をベースに、並列化された集団無意識が少佐の個性を苗床にして新たなゴーストを発生させたような描写だった。それはネットワークが新しい命を誕生させたことと同義であり、「攻殻」の世界観の中でも革新的な出来事だったと思う。ちなみに本作は、最近3D版が劇場で公開されてそれなりに動員を取ったようだけど、初めて観た人は思いっきり置いて行かれたと想像します。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-09-27 03:37:46)
3.  GOEMON
変な世界観だけど、これは理に適っていると思いました。この監督がやりたかったことを描く舞台として、という意味です。戦国の日本史をベースにした名称が飛び交うが、建物やファッションやキャラの身体能力などがマンガ的に統一されていて「本作はフィクションです」と言い続けている。逆に言うと、特異な見え方の別世界をオリジナルで構築して、歴史のアレンジや人の能力を超えたアクションへの免罪符にしたような印象だ。しかも、ストーリーが二転三転しても本能寺から関が原までが元ネタなので混乱しないで済む。それで、何がやりたかったのかというと、カッコいい映像を作りたかっただけですね。アンドロ軍団を薙ぎ倒すキャシャーンを五右衛門に変えただけで、偏差値的には大差ない。でも分かりやすいストーリーは本作に娯楽というシンプルなプロフィールを与える。この監督の独りよがりなメッセージがうざかった「CASSHERN 」より、格段にまとまりがあります。観終わったとき、自分は2時間のアクションゲームをやり終えたような感覚でした。ストーリーへのアレルギーが無くなれば、絵作りは国際クラス。これなら次も観たくなる。難を言うなら、あと20分くらい短い方がキレが良かったと思うこと。ヒロスエのヘアスタイルと藤澤恵麻の出番の少なさにもイエローカード。次回は「GATCHAMAN」あたりに挑戦してほしいですね。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-09-24 12:42:24)
4.  (500)日のサマー 《ネタバレ》 
止めときゃいいのに、サマーに結婚した理由を問うトム。彼女は誰とも深い関係にならないと言っていた。だから自分たちが別れた理由もそこにあると思っていた。つまり、自分ではなく彼女に原因があると思っていた。「ある朝起きたら、あなたとは違う気持ちを感じたの」。それは正直な台詞なのだろう。しかし、その言葉は限りなく残酷だ。彼女が特殊なのではなく、トムが彼女の心を獲得できなかっただけなのだ。恋愛のカタチはたくさんあって本作もそのひとつだが、そのひとつをかなり深く掘っている。この行き違いに覚えのある者には古傷が疼く映画。自分の傷跡は風化が進んで丸くなっていて助かった。恋愛とは不条理なもの。なぜって、いくら相手を好きになっても、同じだけ好きになってくれるとは限らないから。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-04-20 18:24:09)
5.  ココ・アヴァン・シャネル 《ネタバレ》 
タイトルが表すように、シャネルになる前のココのお話ってことですね。ちょっと、いや、だいぶ変人でしたね。常に不機嫌そうで取っ付きにくい印象があって、それは誰にも媚びないからだけど、一種の天才ってことなんだろうか。馬を飼っている資産家の屋敷に強引に居ついて、さすがにただ飯は食えないのでお付き合い程度に体を許す。おいおい、そんな話だったのかと訝ったが、長く付き合っているうちに離れ難くなる個性を表現したかったようです。それは分からなくもないけど、あまり親切な見せ方でもない。死んじゃったイギリス人と一緒にいた時だけ、表情がキラキラしていたのが印象的でした。平民の私には現在のシャネルがお金持ちや小金持ちの目印みたい見えますが、創始者はコルセットからの解放とか、過剰装飾の軽減とか、女性存在の社会性に命題を投げるようなデザインからスタートしていました。ブランド音痴には少し勉強になりました。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-01-20 09:49:42)
6.  恋する彼女、西へ。 《ネタバレ》 
安っぽいです。オープニングの主人公が勤める会社のシーンの軽薄な描写で全体が見渡せてしまうくらい。60年の時をタイムスリップしてきた帝国海軍の軍人と、痛々しい「負け犬」OLのラブストーリー。そのSFが入った設定に多少は興味も引かれたんだが、ちょっと腹が立つくらいにありきたりな流れです。原爆が投下される3日前のヒロシマから現代の広島へ現れた軍人は人間魚雷回天の搭乗員でした。その人物像の掘下げが致命的に浅い。彼が戦後の新聞の縮刷版を読む。朝鮮戦争や湾岸戦争やイラク戦争の記事を読んで「まだ愚かなことやっている」と幻滅するシーンに幻滅しました。常識的に考えて、1945年8月3日からやってきた軍人が最も知りたいことは太平洋戦争の帰結と戦後の日本の歴史ではないのか? 軍人らしい折り目正しい態度こそあれ、その言動がいかにも現代人が現代の都合で書いたシナリオという印象でした。対する主人公が戦後の女性を代表するようなタイプかというと、止めてくれと言いたくなるほど刺々しい女性で共感するところが無い。これは人には薦められません。
[CS・衛星(邦画)] 2点(2010-09-30 12:53:32)
7.  コラテラル 《ネタバレ》 
ヴィンセントとマックス。この二人には共通点と相違点がある。ヴィンセントは殺すことが好きで殺し屋をやっているようには見えなかった。本人の弁だが殺し屋を始めたのが6年前。それが本当なら転身したということだ。殺し屋稼業に就く前のことは語られない。一方のマックスはタクシーを転がして12年。リムジン会社を起業する夢を語る。タクシー運転手の自分は仮の姿だ、まだ途上だ…と。 ヴィンセントは自らの過去をマックスに重ねたのだと思う。自分も夢をストレートに語った時があった。だが、もう語れない。夢をまっすぐに語るマックスを青臭いと感じたのか、羨ましいと感じたのか。おそらくその両方だ。そして“仕事”が思うように運ばず苛立ったヴィンセントは指摘してしまう。確かこんな台詞。「お前はすでに夢が実現しないことが分かっている。なのに自分をごまかし続けている」。この言葉はヴィンセントが6年前に、自身にも浴びせた言葉ではなかったか。二人の共通点は夢が叶っていないこと。相違点は、夢を諦めたか否かではない。夢が叶わない現実を受け入れたか否か、である。 何度か機会があったはずなのに、ヴィンセントはマックスを殺さなかった。それは過去の自分を全否定したくなかったからだろう。 誰しも人生に夢を描く。ほんのひと握りがその夢を実現させる。では、実現できなかった者たちはどこへ行くのか? 大多数は殺し屋にはならずとも、ヴィンセントのように線を引いて人生を送るのである。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-06-10 12:37:31)(良:1票)
8.  ココニイルコト 《ネタバレ》 
大阪弁は、まだ親しくない間柄で使われると、しかも大声で使われると、すごく暴力的に聞こえる言葉だ。大阪出身のくせに、主人公の大阪初出社のシーンでそんなことを思ってしまった。でも後半になって、同僚の女子社員とのコミュニケーションに大阪弁の良い部分も見えました。言葉のトーンとテンポで標準語の50%増しくらいの排他性と親密性を操れる表情豊かな言葉だなぁと思います。ストーリーはありがちで、特に新しいものなし。特に真中瞳にはなし。不倫して地方へ飛ばされたことがないので共感する部分もなし。もちろん、誰かを飛ばした経験もなし。でも、嫌いな映画じゃない。10年前から余り変わっていない堺雅人に少し驚く。その堺雅人が生きたまま終わってくれたら1点プラスだったかな…。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-04-02 15:17:28)
9.  コンナオトナノオンナノコ 《ネタバレ》 
二人の女性主人公の日常に存在する虚無感を丁寧に抽出してはいる。この映画に関する限り、彼女たちの自己実現とは、やり甲斐がある仕事を適度にこなしながら子供を育てること、のようです。彼女たちの相手の男が魅力の無い奴らだったこともあるけど、夫は居ても居なくても良い。でも、子供だけは必須らしい。結果だけを見れば「私たちは負け犬じゃないわよ」ってストーリーです。さらに「私たちもいろいろと悩んだ末にこうなったのよ」と言いたいみたいです。私は♂なので「勝手にやっとくれ」って感じです。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-03-10 22:03:25)
10.  コララインとボタンの魔女 《ネタバレ》 
コララインって主人公の少女の名前です。私は映画が始まるまで知らなかった。これは身近な人たちを救うために悪い魔女と戦うコララインのお話。とってもオーソドックスなプロット。でも、とっても楽しい作品でした。この種のファンタジーは世界観を楽しむものと常々思っているけれど、その王道で勝負してしっかりと魅せている。決して可愛い訳ではないヒロインの個性的な力強さやボタン目の人形の不気味さ、猫やゴキブリのブサイクさなどなど。その全てを愛でたくなる。中盤以降は次はどうなるんだと云う純粋なワクワク感で引っ張られた。個人的には「アバター」に次いで2作目の3D映画だったけど、魔女が作った世界が崩壊する際の表現などはその特性を充分に活かしていて迫力ありました。いい歳の大人の心に束の間の童心をプレゼントされたような、そんな印象の映画でした。
[映画館(吹替)] 7点(2010-03-03 03:12:05)
11.  ゴールデンスランバー(2009) 《ネタバレ》 
原作既読。まずは、それぞれのキャラクターが持つ味わいを壊していなかったのが最も嬉しい部分だ。端折られたエピソードもあれば、突っ込みが少ないと思える部分も勿論あるが、それと同等に映画なりの工夫もしっかり出来ている。ビートルズの「アビイロード」B面(この言い方、LP世代ですね)の後半のメドレーは個人的にも深い思い入れがある楽曲なだけに、「ゴールデンスランバー」をBGMに花火がスクリーン一杯に拡がるシーンには痺れた。小説では味わえない動感の演出だろう。このメドレーを繋いだポール・マッカートニーの想いを、大学時代のサークル仲間の友情と連帯感へ対照させる構成は原作が持つテーマだが、心象描写が希薄になる部分をiPodのリレーで補った映画なりのアレンジには感心した。また、重要な役を演ずる脇役たち、特にキルオと小鳩沢(永島敏行)のキャスティングはナイスだったと思う。すべての原作ものがこれくらい観せてくれれば、原作を先に読みたいタイプとしてはストレスが溜まらずに済む。↓【まりん】さんの意見はもっともだと思います。自分には、原作を壊さない映画のお手本のような印象ですが、それは映画の突っ込みどころを記憶にある原作が補完してくれるからですね。原作を読んだ人が最も楽しめるように作ってあったと云う事かもしれません。ちょっと脱線するが、伊坂作品は確かに面白いけれど、矢継ぎ早に映画化しすぎじゃないかい。いや、映画化自体は悪くないんだが、せめて文庫が出るまで待ってくれ。財布が苦しい。もうひとつ、伊坂作品はストーリーの構成も面白いけれど、独特の言葉の連ね方にこそ個性が伺えると思っている。映画が面白いと思った方には、原作も読んで欲しい。文庫で。
[映画館(邦画)] 7点(2010-02-19 19:55:06)(良:1票)
12.  幸福な食卓 《ネタバレ》 
逆説的だけど、自ら「父親を辞める」と宣言するところがこの父親の思慮と優しさで、無言で破綻してゆく家庭よりはよほどマシだと思う。母親も同様で、家を出て暮らしているけれど、家族のことは常に気遣っていました。この映画が希望を醸し出しているのは、主人公の精神がとても健康的だからでしょう。恋人の死は少女の中に消えることのない傷を残したと思うけれど、彼女の心には折れない芯がある。その健全な強さは、身近な絆によって育まれたのだと感じました。今作の家族形態はそのことを際立たせるための演出とも思う。北乃きいは良いですね。美人過ぎず、一見とても平凡に見えるところがこの映画のテーマにジャストフィットしていました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-02-09 13:01:43)(良:1票)
13.  交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい 《ネタバレ》 
テレビシリーズは近年のアニメの中では出色の出来映えだと思います。しっかり全部観ました。その登場人物たちを総動員して、役回りを全て変えてあるところは、オリジナルを知っている者にとっては新鮮で、ストーリーの変更と共にどこに行き着くのだろうと期待感が高まっただけに残念な結果でした。後半は明らかに概念肥大で、言葉遊びが繰り返されている印象。声優さんたちの熱演だけが空回りしていました。オリジナルを知っている自分でさえテーマが見い出せないような展開は、初めて観る人にはチンプンカンプンに映ったと思います。それと、中盤から明らかに作画のレベルが落ちました。テレビシリーズの方が良く描けていたと思える程に。これはどうしたことなんだろう?
[CS・衛星(邦画)] 3点(2009-12-16 11:31:50)
14.  恋するマドリ
つい先日、昔のアイドル映画を観て「最近はアイドル映画でも主人公がテーマソングを歌わなくなって良い傾向…」などと書いたばかりだったので、自分の見識の狭さにずっこけました。でも、映画自体は良くもないけど悪くもなかった。引越しにまつわる偶然が多すぎる設定は思いっきり少女マンガ風ですが、中西学に免じて赦そう(意味不明)。松田龍平は嫌いだったけど、やっぱり嫌いだ。あの表情が少ない顔(あれは演技なのか?)にイライラします。仏頂面にマイナス1点。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2009-12-03 23:12:38)
15.  コドモのコドモ 《ネタバレ》 
もし本当に子供たちが無邪気に遊んでいるうちに妊娠してしまったのなら、それは責められない。言い出せなかった理由も分かる。子供たちだけで無事に出産ができたことは結果論であって、無謀な行為以外の何ものでもない。そう考えると、やはり周囲の大人たちの対応がこの映画のテーマだと思うが、その部分の突っ込みは不十分。妊娠に気付かなかったこと自体は事故性が高いけれど、事前と事後の対応に関して、家族、学校、PTAの誰にも決着を付けていない。でも、そんなことは抜きにしても自分が高得点を付けるのは、麻生久美子が演じる担任の描写に感心したからだ。若い女性教師(ここはあえて女性と言い切ります)に有りがちな見識の狭さや度量の小ささがよく描かれている。典型的な空回りタイプ。小学5年生に対して、SEXはコミュニケーションなどと言って理解されるはずがない。彼女がコミュニケーションの意味を最も理解していない。教員資格を与える段階でもっと資質を精査できないものかと思ってしまう。結局、子供たちだけで妊娠を秘匿したのはあの担任に対する反撥が主な理由で、今件に関する彼女の責任は重い。妊娠云々は別にしても、あの微妙な分からず屋加減を上手く演じた麻生久美子は良かったです。いますよ、ああいう先生。自分の遠い小学校時代を思い出し、劇中の教師批判に思わず熱が入ってしまったが、あの担任と子供たちの距離感は中年の自分にもリアルに映りました。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-12-03 22:34:52)(良:1票)
16.  GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊2.0
CGを使って描き直すことで絵がストーリーに馴染みました。オリジナルは、アニメで実写テイストを再現することを表現上の目標にしていたようだけど、どこか無理矢理な感があった。そんな強引さが無くなった印象です。人形使いの声も女性に変えられて、こちらも良い意味でノイズが無くなりました。しかも私が好きな榊原良子さん。凛とした声を出す声優さんでは、この方がナンバーワンですね。少佐役の田中敦子さんも同質の声の持ち主で、ラストの会話は聴き応えがありました。点数はリメイクの効果に対しての評価で、ストーリーの評価ではありません。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2009-09-02 18:22:18)
17.  子猫の涙 《ネタバレ》 
メキシコ五輪のボクシングで銅メダルを獲得した森岡栄治の破天荒な半生を描いた映画です。プロ転向後に数戦で目を傷めて早々に現役を引退する。この人からボクシングを取ったら、何も残らないくらいにダメなエロ親父という人物像ですが、観終わった後に、かなり質の高い満足感とすがすがしさが残りました。ダメな男のダメな部分を描いているのに、これはどうしたことだ? ひとつは、森岡を演じる武田真治の態度です。なぜだか前を向いて正々堂々とダメやエロをやってる。悪びれるところがない。その潔さは人物の魅力と映りました。もうひとつは、ちょっと強引に例えるなら、漫才の世界でしょうか。早口で口汚く罵り合っているようで、どこかユーモラスで人情を感じるのが上方漫才だけど、全体の印象がとても似ている。親父がバカをやらかす。これがボケ。すかさず、娘・治子がモノローグでツッコミを入れる。「いっぺん死んで来い」ってな感じ。治子役の藤本七海は大阪出身。ネイティブのキツイ大阪弁で父親を切り捨てるツッコミは痛快。ツッコミを入れる対象は父親だけでなく、周囲全体に及び、彼女自身のことも含めて治子のモノローグが映画の骨格を支えます。自分も大阪出身なので実感することですが、大阪弁の「アホ」は標準語の「バカ」と意味合いが違う。けなし言葉ですが、微妙に愛情と慈しみが混ざっている。大阪弁の根底にはそんな精神を感じます。治子のモノローグや強烈なツッコミも、そんな大阪弁の特性が良く活かされていて、温かく映画を包み込んでいます。その演出を担った森岡利行監督は森岡栄治の甥らしい。いわゆる「身内」を扱った映画だけど、表層だけを列記すると殺伐とする内容を、ここまで方向転換させて見せる手腕は大したものだと思います。切なく笑える、大阪人情ちょっとだけボクシング映画。オススメです
[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-08-16 18:58:54)
18.  光州5・18 《ネタバレ》 
ごく最近と言っても良いくらいの時期に、隣の国でこんなに愚かなことが繰り広げられていた、という事実がショックでした。高校時代にニュースは見てましたが、死人が出るほどの大規模デモ、くらいの認識でした。軍隊が市民に銃を向け、引き金を引く。しかも、隊列を組んで雨あられと銃弾を浴びせる。自分の常識では軍隊が介入するような騒乱には見えず、一方的な虐殺です。その一斉射で終わるのではなく、まるでゲリラを掃討するように殺人を続ける軍に対して、市民が武器を取るという流れがこれまた異常でした。国際世論も当時はあまり機能していなかったのか…? 映画としては、軍隊の介入に至る過程を描いた前半は秀逸ですが、後半に特定の人物の心情に寄り過ぎて全体が見えなくなったことが残念でした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-08-05 17:48:42)
19.  告発のとき 《ネタバレ》 
上手い見せ方、という印象です。まず、退役軍人の主人公。有りがちなのは、バリバリの愛国主義者だけど、このトミー・リー・ジョーンズからは偏執的な愛国臭を感じない。元軍人らしい頑固さはあるけれど、それ以上に、元軍人らしい折り目の正しさ、で造形していました。例えば、スラックスの皺を伸ばす几帳面さや、シャーリーズ・セロンの息子に就寝前のお話を聞かせるくだりなどで、丁寧に人物像を作ってゆきます。その流れで、二人の息子が軍属という設定にも、親父に無理強いされたというより、息子たちが自発的に尊敬する父の後を継いだのだと感じました。次に、軍警察の後輩にあたるシャーリーズ・セロンの型どおりの捜査に口を挟みます。ここでは、刑事コロンボ並みの洞察力を発揮してストーリーに起伏を作り、中だるみさせません。自分は予備知識なしに観始めて、これらの上手さはまるでクリント・イーストウッドの映画のようだと感心していたら、ポール・ハギス監督は近年のイーストウッド作品に何度も関わっていたんですね。似ていて当たり前でした。でも、その流れで何を見せてくれるのか、と期待していたら、イラクで平衡感覚を失った若者兵士の犯行というオチで、これには少しがっかりしました。戦場は違っても、ベトナム戦争以降、出尽くしているテーマです。覇権主義色が濃い戦争がもたらすものは、似たような結果にしか行き着けない。この映画のオリジナリティは、事件の真相に迫って行くのが、息子を殺された父親であると同時に、元軍人であるというところです。父親として真相を突き止めたい願いは、その息子も精神を病んでいた、という苦い真実にたどり着く。元軍人としては、自らが軍属だった頃に矜持としていた正義がまかり通らないことも実感する。恐らく彼には何が狂っているのか整理ができない。逆さの星条旗には、父親と元軍人の、両方の想いが表れています。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-07-31 15:11:22)(良:3票)
20.  恋空
いい歳なので、こういう映画をレビューするのはこっぱずかしいですな。一人の少女の10代後半を恋愛だけのかなり偏ったフレームで切り取った映画。ストーリーに新しいものは何も無く、自分には読み切りのマンガを読んだようなあっさりした印象で、涙腺が緩むようなことはありませんでした。原作があるらしいけど、映画と同じ内容を活字で読まされたらきっと腹を立てますね。この映画は結構ヒットしたらしい。でも若者たちよ、これは映画だよ。
[CS・衛星(邦画)] 2点(2009-07-25 06:57:08)
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