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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2253
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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41.  1303号室 《ネタバレ》 
S・キング原作の『1408号室』と同年製作。泊まると(入居すると)死ぬという設定はソックリですが、いわゆるパチもん映画ではない様子。本作独自の世界観は感じ取れました。オーソドックスなオカルトホラー。ただ、呪いのメカニズム(なぜ呪われるのか)や救命要件(どうしたら助かるか)等に言及しておらず、呪いの元凶となった悲劇の説明に時間を費やした印象。主人公に死の危険が迫っている感覚が薄く、邦画ホラーお得意のお化け屋敷映画の域を出ていないと感じました。(ちなみに個人的に一番怖かったのは、イった眼をした板谷由夏)。主人公(中越)の家庭環境と幽霊の生い立ちがリンクした終盤は、『仄暗い』を髣髴とさせる切ない人情話への移行を期待したのですが…待っていたのは無暗に後味の悪い結末。怖がらせるのと気分を悪くさせるのは違うのに。残念です。数多ある邦画のダメホラーに比べれば幾分マシかと思いますが、満足度は高くありません。
[DVD(邦画)] 5点(2009-02-25 20:57:07)(良:1票)
42.  いぬのえいが 《ネタバレ》 
伊東美咲のCMの話は笑いました。オムニバスとしては、上出来。犬好きでも、そうでなくても楽しめると思います。問題はマリモの話。噂に違わぬ破壊力ぶりです。確かに泣けます。知らぬ間に涙が溢れるという感じ。でも“物語に感動して”というのとはちょっと違う。犬を飼った経験のない自分でも泣けてしまう。人間の心はそういうふうに出来ている、あるいはそう教育されてきたのだと感じます。それが人間の良いところなのでしょう。でも、偽善的だなとも思ってしまう。これで泣ける自分がちょっとイヤ。ひねくれ者でスミマセン。
[DVD(邦画)] 5点(2008-11-26 01:23:04)
43.  イントゥ ザ ブルー
青い海と水平線。水着のギャルに宝物。麻薬もからみ、人は結構沢山死にますが、それにかかわった主人公達に特に後悔の念は無い。いかにもアメリカ作品らしい娯楽作品です。別にそれは悪いことではなく、そういう作品もないと息が詰まってしまいます。ジェシカアルバの水着は絶品ですのでそれを目当てに見るのが正しい見方で、いいと思います。
[映画館(字幕)] 6点(2008-11-26 01:00:27)(良:1票)
44.  インベージョン 《ネタバレ》 
(原作未読。過去の映画未見です。)聞けば本作で4度目の映画化とのこと。過去の作品を観ずに本作を評するのは、いささか躊躇いはあるものの、自分にとっては本作がオリジナル。割り切って感想を述べさせていただきます。率直に言って面白かった!“静かなる侵略者”の恐怖は凄まじく、身悶えしました。最初は多数派だったのに、気づくと少数派に追いやられている。これがマジで恐ろしい。多数派に属していることの恩恵(心の安らぎ)の大きさを改めて思い知りました。怯えて逃げ隠れするより、大勢側に身を委ねた方がどんなに楽か。もし守らなければならない者がいなかったら、自分なら心が折れていたかも知れません。ですから子供を守りきった時の安堵感は絶大でした。総じて緊張感を持って観ることが出来ました。ただ設定が秀逸なだけに、もっともっと面白く出来たのではないかとも思います。展開が淡白で、ご都合主義が多いのがもったいない。30分尺を伸ばして主人公を窮地に追い込んで欲しかった。それに侵略者の言い分(世界が平和になる云々)に、誰も反論しなかったのも残念。人間側の主張を聞きたかったです。またキャスティングに難あり。ニコール・キッドマンの母親役には違和感がありました。“強い母”というより“気の強い女”。これでは物語にコクが出ないと思います。前3作を是非観たい。
[DVD(字幕)] 7点(2008-07-07 19:34:57)(良:1票)
45.  一億の猫 《ネタバレ》 
率直に言って、すごく惜しいと思いました。途中面白くなりそうな匂いは何度もありました。遺産をめぐっての心理戦や計略策略方面に走ってもいいし、姉妹の絆を確かめ合う人情路線を目指しても面白そう。でも本作はどちらにも手を出して、どちらの要素も中途半端になってしまった印象です。60分の尺でまとめるならば、焦点を絞らないと厳しいと思います。女優陣は豪華で実力もありそうなのに、みな大根に見えたのは不思議。でも吉井怜ちゃんの美人ぶりには思わずニヤリでした。
[DVD(邦画)] 5点(2008-03-26 19:20:32)
46.  イントゥ・ザ・サン 《ネタバレ》 
アメリカ映画にしては日本描写に違和感が少なく、流石日本通セガールの面目躍如といったところでしょうか。お話の方は日本刀+復讐劇という『キル・ビル』の影響を伺わせるもの。ただ、単純バカに徹しているかの作品に比べると、幾分中途半端で物足りない。日本人キャストは意外なほど豪華でしたが、有難味は薄いです。
[DVD(字幕)] 4点(2008-02-23 18:46:09)
47.  インデペンデンス・デイ
最初の鑑賞は劇場の大スクリーン。その時の感想は、「とにかく映像はスゲえ!でも大味だなあ」というもの。その後もテレビやDVDで何度も観賞しましたが、感想は変わらず。根底にある“アメリカ万歳”というメッセージも、だんだん鼻に付くようになりました。脚本は上手いとは思いません。でも、こういう映画って在り難い。絶対に必要だと思う。金にモノを言わせた映像美。CG、特撮使い放題。2時間だけ別世界に連れて行ってくれる極上のエンターテイメント性。ハリウッドの超大作には、それがあります。気力が消耗しないから、何度も楽しめる。こんな映画が劇場から消えてしまったらきっと寂しい。こういう作品をきちんと評価したいと思うようになりました。金がかかっているほどバカ映画は輝く。皮肉ではなく、称えたいと思います。(2008.2.21 6点→7点へ修正)
[映画館(字幕)] 7点(2008-02-21 18:52:46)
48.  インビジブル(2000) 《ネタバレ》 
透明と可視を行き来する肉体。今となっては、さほど驚くようなCGではありませんが、それでも骨格、筋肉、臓器や血管等が浮き出たり消えたりする過程は見応えがありました。ただ、感心するのはココくらい。物語の方はさっぱりでした。心が狂気に支配されていく様が分かり難くい。透明であることの長所短所を活かす展開も少なくて残念。専ら殺人に向けられる透明スキル。確かに暗殺にはもってこいです。でも居ると分かっていたら、効果は半減。多少凶暴性や筋力がアップしていたところで、元はあの生っ白いお尻。スーパーマンには程遠いような。殺人鬼たるには、透明+天才的な頭脳があってこそかと。だけど全然知的じゃない。研究員皆殺し計画。全員のパスワードを使えなくするところまではいい。でも何で“温度感知メガネ”を壊さなかったのか不思議。あのメガネはケビンを裸の王様に変えるキラーアイテム。最重要品です。にもかかわらず、誰も気にかけないなんて。みんな頭いいのに。ノープランのケビンにいいように殺られていく研究員たちは情けないです。と言うより、みんな真剣に戦う気があるのか疑いたくなる。ケビンが火ダルマにされたシーン。ちゃんと元カノを避けて転げまわる彼が、何だかいい人に思えてきちゃう。
[DVD(字幕)] 5点(2008-01-10 18:11:05)
49.  生きてこそ 《ネタバレ》 
極限状態で迫られる選択。「あなたなら生きるためにヒトの肉を食べられますか?」この問いかけは、冒頭の生存者独白シーンで既に回答されています。「その状況になってみなければ分からない」。実際そのとおりだと思う。凄く葛藤するのかもしれないし、簡単に腹をくくれる気もする。自分なら多分食べますが、本当のところ分からない。本作の登場人物たちは、比較的アッサリこの難問に答えを出します。これがとてもリアルに感じられました。それが「実話」としての強みです。しかしこれは一例。今回の遭難者は最初からグループとしての機能を有しています。主義信条もそんなに変わらない。一つの結論に辿り着き易いと思う。もしこれが一般の旅客機だったらどうでしょう。人種、宗教、置かれている状況が違えば、おのずと選択も違ってくる。餓死を選ぶ人、自殺を選ぶ人、死を覚悟で山を降りようとする人、ただただ神に祈る人。いろんな行動、選択があっていい。どれが正しくて、どれが間違いという問題ではありません。それが人間である証だと思う。いみじくも誰かが言っていました。「人間であるうちに…」と。人間だから悩むのです。そこに踏み込んでいないように感じました。心理描写が淡白でした。関係各位への配慮も当然あるでしょう。実話としての強みもあれば、逆に弱みもあるということ。生きることへの素晴らしさを説くことに、もちろん異論はありません。でも楽な着地点を選んだ(選ばざるを得なかった)ようにも感じます。本作については、“完全フィクション”というアプローチでも良かった気がします。
[DVD(字幕)] 6点(2007-12-28 19:09:00)(良:3票)
50.  インプリント ~ぼっけぇ、きょうてぇ~ 《ネタバレ》 
周りは日本人だらけなのに、主人公はアメリカ人。そもそも日本人の観客は感情移入しにくい設定。ただそれを差し引いても、観客が作品へのめり込む仕掛けが不足していたと思います。男のキャラ付けは薄く、彼が抱える過去も取って付けたよう。小桃なる女郎も魅力的に見えません。ただ、口裂け女郎の生い立ちには、それなりに意味がありました。彼女の境遇を慮るとやるせない。命に対して価値を見出せないから、彼女は小桃を手にかけてしまった。彼女は人として哀れだと思う。だからこそ、彼女を只の化け物にしてしまったのは罪深い。何であんなギャグみたいなお姉さんを取り付けてしまったのか。お姉さんの存在価値はその見た目のインパクト、キモさに依るところが大きい。もう一つの人格としての位置づけならば、ちゃんと人として扱わなければ。切ない感情が引き出されそうになったのに全部ぶち壊しです。彼女を演じた工藤夕貴の演技そのものは、決して悪くなかっただけに惜しい。原作者の岩井志麻子の悪ノリ女郎ぶりは見モノです。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2007-10-17 18:45:34)
51.  インサイド・マン 《ネタバレ》 
逃亡プランは最初からネタバレしていますし、獲物の持ち出し方も、冒頭で示唆されています。ですから事件の外観はよく分かる。でも真相は不明な部分が多い。そこで自分なりの想像を含めて、事件の全貌を整理してみます。犯人の狙いは現金ではなく、会長のお宝でした。貸金庫に眠る大量のダイヤモンド。ナチスの資料は、立て籠もりとダイヤ窃盗を刑事事件にさせないための保険。弱みを握られている会長は、秘密保持のために事件にさせないはず。ただし人質が死んだら話は別。そのためのモデルガン。倉庫に隠れる発想は面白いですが、行員に気付かれる可能性は高い。にもかかわらず実行に移せたのは勝算があったから。トイレをつくる余裕まである。その自信の源こそが「インサイドマン」。貸金庫の存在と中身を知る人物で、計画の立案者。古参の会長側近で要職にある人物と推測します。彼の力があれば、倉庫は安全なスペースに変わります。ちなみに実行犯は4人。お宝を持ち帰った車の中は5人。多い1人が“彼”。会長のもう一つのアキレス腱は指輪です。「指輪を追え」は、会長の過去を追えということ。このメッセージを警察に送った理由。そこには“復讐”“制裁”の意味が垣間見えます。証拠を手にした犯人と、秘密を探る警察からの挟み撃ち。会長の精神的苦痛は甚大です。犯人の安全を確保するだけなら、ここまでする必要はありません。もっとも会長は、こんな日が来るのを待っていたのではないかと。書類や指輪を捨てられない。つまり自分の行為を割り切れていない証拠。そこに会長の良心が見える。なお、犯人が指輪の秘密を託す相手は“知りえた事実をマスコミに売ったりしない”真面目な警官でなくてはなりません。秘密が公になったら切り札の価値が無くなってしまう。そのお眼鏡に適ったのがデンゼル。結果彼は、スキャンダル回避と昇進と一粒のダイヤを手に入れます。彼が直接要求した見返りではないと思います。でも予想していなかった訳でもない。会長もジョディも、人の弱みに付け込んでのし上がった人間。残念ながら正直者はバカを見るのが現実です。デンゼルが受け取った報酬は正当とは思えません。でも彼ら“成功者”よりは随分マシ。インサイドマンの顔が明らかにされないのは、物語の欠点だと思います。でもその分解釈に幅はある。例えば“神”や“良心”と呼ばれる心の内にあるもの。それもまた、インサイドマンと言えないでしょうか。
[DVD(字幕)] 7点(2007-10-11 19:32:36)(良:3票)
52.  イブラヒムおじさんとコーランの花たち 《ネタバレ》 
ある意味すごく難しい映画でした。自分には、“イスラム”と“ユダヤ”のキーワードが持つ意味が分かりません。肌で理解できない。この部分をスルーしてしまうのは問題ありだと思いますが、背伸びして解釈するのも恥かしい。なのでこの要素については、無視します。浅い観方をしていると思いますが、ご容赦ください。本作はイブラヒムおじさんと少年モモの交流のお話。孤独なイブラハムと、父を亡くした少年。お互いに子を、父を、必要としていたもの同士の結びつき。イブラヒムは異国の地の片隅で細々と商いで生計を立てています。大して儲かるわけではありません。でも現金で高級車が買えるくらい蓄えはあった。すなわち、儲けたお金の使い道が無かったということ。これは悲しいことだと思う。せっかく儲けたお金なのに使えない。使うあてがない。それはお金だけではありません。経験という財産もそう。彼は探していたのだと思います。彼の得てきたモノの使い道を。死んでしまえばそれまで。蓄えてきたものが、無駄になってしまう感覚がある。だから、有益な使い道を求めた。それは、自身の人生を肯定することに繋がります。ある程度年をとると、そういう心境になる気がします。ですからモモという後継者を得たイブラヒムは、幸せだったと思います。一方のモモも、実の父親から得られなかった愛(全肯定してくれる無償の愛)と扶養主を手に入れて幸せだったはずです。ラスト、家業を継いだモモの姿に笑みがこぼれます。ああ、人生は繋がっている。ハッピーエンドです。ただし、モモが自らに意思で店を継いだのかどうか。自我を確立する時期に、実の父親が不在だったこと。それにイブラヒムの死により、彼の人生の選択肢が制限されてしまったように思います。もちろん、そういう人生も決して悪くありません。誰もが無限の可能性を持っているわけじゃない。ただ、モモが人生の選択を“自ら選んだ”と思わせてくれる何かが欲しかった。借り物のアイデンティティだとしたら、ちょっと悲しい。
[DVD(字幕)] 6点(2007-09-14 23:02:48)
53.  陰謀のセオリー 《ネタバレ》 
妄想か、はたまた陰謀は存在するのか。両方の可能性を残しつつ物語は推移します。観客は疑心暗鬼のまま行く末を見守ります。二転、三転する展開。明かされた真実に、はたと膝を打つ…となれば良かったのですが、スッキリしません。それは、メル・ギブソンの告白のみに事件の真相が委ねられているから。彼の告白を裏付けるものがない。もちろん状況証拠から考えれば、彼の証言は理にかなっている。そもそも寝返ったのでなければ、組織から追われることもないでしょう。でも彼が洗脳されていたという事実や、しどろもどろの告白に疑惑の目を向けてしまいます。ここで注目したいのが、真相の告白シーンで常套とされる回想シーンがないこと。ここに意味があると思う。一つは、彼に記憶がないことの示唆。覚えていないから回想映像がない。実際、彼の言い回しは妙でした。都合のいいように記憶を捻じ曲げているようにも見えます。そしてもう一つの意味。それは、“真実とは所詮その程度にあやふやなものだ”というメッセージ。もしそうならば、それなりに納得できます。ただし、もっと腑に落ちないのは、ジュリア・ロバーツのほう。何故、彼女はメルの証言をアッサリ信用してしまったのか。彼の言葉の中に、信用に足る事実が含まれていたとは思えない。(意味ありげなワードは、「コーヒー」と「ベイビー」くらい。)ただ、彼女がメルを愛してしまったのであれば、説明はつきます。彼を助けるために、真相を知るX-メンを射殺した。真実を知るのが怖かったのから。いずれにしてもこの結末で、事件の真実が明かされていくとは思えません。陰謀は暴かれないから陰謀。それがセオリーということでしょうか。モヤモヤ感は残ってしまいます。これが余韻を狙ったものであるならば、脱帽ものです。ただエンディングのジュリアの笑顔をみていると、そうは思えない。単に説明不足なのだと思います。メルの洗脳のメカニズム(暗殺の指令を抗えるのかどうか)、ジュリアの父子の関係、ジュリアがメルに好意を抱く過程、このあたりが描かれていれば、スッキリしたと思います。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-06-22 18:33:35)
54.  イゴールの約束 《ネタバレ》 
物語が進むにつれて父親とイゴールの結びつきの強さが明らかになります。そして同時に違和感を覚えます。それは親子に距離感が無いから。お揃いの指輪、刺青、カラオケでデュエット熱唱。年頃の息子と父親の関係とは思えない。一心同体。血肉を分けた子ですから、父が息子を同一視する心情は分かります。それは愛情でもある。ただし、本作のケースは度を越えています。父にとって息子は、今も幼い子供のまま。コミュニケーションの取り方ひとつ見ても、それが伺えます。しかし父は子を縛っていることに気付いていません。それは息子にしても同じ。いや、気付いていないというより、甘んじていると言うべきか。束縛は苦痛ではありません。面倒な選択と決断をしなくていいなら楽なものです。しかし、少年はそれを“よし”としない生き物のはず。従順だったイゴールの反発。それは父と共有してきた価値観の放棄を意味しました。そのきっかけは“死”。自分が関与した人の死は、彼に大きな衝撃を与えたでしょう。その圧力が束縛を切る力に転化したのではないか。そしてキーとなるのが、死んだアミドゥの妻の存在。幼子を抱えながら凛と振舞うその姿は、あるべき母親像そのもの。イゴールが自身の母を彼女に重ねたと想像するのは難くありません。そういえば彼女に抱きついたイゴールは、まるで母に甘える子供のようでした。母親不在の状況が父子の濃密過ぎる関係を構築し、仮初めの母が息子の自立を促したと見てとれます。そうだとすれば興味深い。イゴールが自立のために払った代償はとてつもなく大きいものでした。しかし、もし“今払わなかったら”と考えるともっと恐ろしい。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-05-28 18:14:50)(良:1票)
55.  いいかげん馬鹿 《ネタバレ》 
前作『馬鹿まるだし』と比べると、相当こなれた印象。岩下志麻の語りをベースに、丁寧に物語が進行します。ただ、人情喜劇としては正直面白味に欠けました。最大の要因は、ハナ肇の馬鹿っぷりの弱さ。シリーズ他作品と比べると明らかにパワー不足です。常識人といっていいくらい。やっぱりハナには無茶苦茶やって欲しかった。また、物語としてソツなくまとまっているのも逆効果。前作のある意味不細工さが、作品の魅力であった気がします。なお、ラジオドラマきっかけで、島が観光地化するエピソードについて。かつて自分の住む島でも全く同じ現象がありました。観光バブルで、浮き足立って設備投資。地に足が着かない事業の末路は、何処でも同じです。リアルに想像できて結構切なかったです。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2007-01-30 18:06:08)(良:2票)
56.  犬神家の一族(1976)
久しぶりに観直しました。全く古さを感じなかったことに驚きました。もちろん石坂浩二を初め、キャストはみんな若々しいです。時の経過は否応も無く感じてしまいます。でも作品から伝わる“鮮烈さ”は、色褪せてはいませんでした。凄いことだと思います。程よい緩み(笑い)を交えることで、作品への集中力を切らせることを防止し、同時に暗く濃く生々しい世界観を際立たせていました。演出の巧みさ、画の美しさは文句なしだと思います。キャストも非常に豪華。結末を知っていても問題なく楽しめます。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-01-08 17:06:13)
57.  インストール 《ネタバレ》 
もっと冷めた雰囲気の、シニカルな味わいの作品を想像していましたが、予想以上にポップなコメディでした。テーマはいたってオーソドックスで、誰もが通る成長過程の悩みについて。上戸彩が今どきの女子高生を等身大で表現していました。本作の主人公に上戸はカワイ過ぎると思います。普遍的なテーマを描くなら、ルックスも普通なほうがいいかなと思いました。…と真面目に書こうと思いましたが、もう限界です。本作の見所は何と言ってもS級アイドルのエロ!もうこれに尽きます。全編にわたって夏服の制服。序盤からパンチラ。押入れの秘め事というシチュエーション。上戸にあんな卑猥な言葉を喋らせたり、あんなヌルっとしたものを食べさせたり。極め付きは、神木くんとのB!何?AVですか?!…失礼しました。ちょっと取り乱しました。なお、これはあくまで私的な感覚のお話。良識ある大人の皆様が本作をご覧になられる場合、実際のエロさは「ドラえもんのしずかちゃんのバスタイム」程度とお考えください。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2007-01-07 18:22:02)(笑:1票)
58.  イルマーレ(2000) 《ネタバレ》 
リメイクされるようなので、オリジナルを観てみようと思いました。決してチョン・ジヒョン目当てではありません。たまたま彼女が出ていただけです。ウソじゃありません。お話自体はまるで『世にも奇妙な物語』。アイデアが素晴らしい。そのため、本作については彼女じゃなくても面白いものになったと思います。“ひねりの効いた”ラブストーリーを楽しみました。ただオチの付け方だけがしっくりきません。最後に2人が出会うことは分かっていました。でもタイミングが疑問。何故あのタイミングでソンヒョンはウンジュに会いにいったのでしょう。もう待ちきれなかったのかな?でもこのタイミングでは、単に頭のおかしい人と思われちゃいます。ハッピーエンドのはずがポリス沙汰です。自分が思うジャストタイミングは、ウンジュが走り書きの手紙を投函し、泣き崩れているとき。最高の盛り上がり場面を活かさないのはもったいないと思いました。またソンヒョンと父親の確執~理解のエピソードについてもサラッと流し過ぎ。いいエピソードですし、もっと掘り下げれば作品に深みがでたと思います。アイデアが素晴らしいだけにもっと細かな心配りが欲しいと思いました。そして結論。やっぱ、チョン・ジヒョンはカワイイなぁ。
[DVD(字幕)] 7点(2006-09-19 18:25:26)(良:1票)
59.  イン・アメリカ 三つの小さな願いごと 《ネタバレ》 
命の危険を賭してまで子を産む選択をする母親。賢明な選択とは思えません。自分が父親でもやはり止めます。しかし、これも家族が選んだ道。正しいかどうかは誰にも分かりません。生まれる命もあれば、消えようとする命もあります。エイズに侵された黒人のマテオ。孤独に病と闘う男。彼にとってこの家族との出会いは、残された人生に潤いを与える、かけがえのないものだったはずです。赤ちゃんが助かったのは、神様のおかげかどうかは分かりません。しかし家族とマテオの出会いに意味があったこと、親の祈り、家族の祈り、命を愛する死にゆく男の祈りが、尊いものであったことは間違いありません。そして赤ちゃんは与えてくれました。涙を流すことを拒絶した父に涙を。弟の死に心を縛られた姉に、自ら心を解き放とうとする意思の力を。心の傷は消えなくても、大切な人の死を受け止める力を与えてくれました。これからも、この家族には厳しい現実が待っているでしょう。しかし、苦しい生活の中でも楽しみを見つけられるこの家族に、少しでも光の当たる人生が待っていることを願わずにはいられません。それがマンハッタンの夜空に浮かぶ月が照らすような、ほのかな光でも。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-06-09 17:40:43)(良:1票)
60.  愛しのローズマリー 《ネタバレ》 
スクール・オブ・ロックでジャック・ブラックにはまり、彼の出演作品を探していたところ、この作品に出会いました。当然、J・ブラックのキレ演技を期待したのですが、さほど過激でもなく、ごく普通のコメディ作品だと思いました。J・ブラックが真実に気づいてからの展開に説得力を感じず(彼女を好きな理由は外見ではなく中身だったのだと気づく”表現”が弱い)、エンディングで「良かったなあ~」という気持ちになれなかったのは残念でした。
[DVD(字幕)] 5点(2006-06-03 21:14:29)
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