1. 今のままでいて
《ネタバレ》 いつのまにか女はいなくなっていた。残された男、切なく流れる音楽、これぞまさしくラブストーリーなのだが、この映画の終わり方は何度も予感させるものがあった。母親との別れもたぶんこうだったのだろう。実の父娘かもしれないという不安や疑問は残ったまま、年の差の離れた恋は進行し、最高潮に達したところで突然終わる。何ともロマンティックな映画であり、男と女、年代の相違かもしれなかった。ナスターシャ・キンスキーの美しさは際だっていて、裸体まで拝めるとは・・・。 [映画館(字幕)] 6点(2013-07-21 06:50:41) |
2. いちご白書
《ネタバレ》 スタートの主題歌「サークルゲーム」は良く印象的、だがいちご白書の若者たちと同年代を過ごした私にとっては、大いに不満の残る映画だった。前半の恐ろしく退屈な青春ドラマと、後半の講堂での警察との衝突が、あまりにも不釣り合いというかかみ合わない。 講堂での衝突シーンはおそらく現実に起こったできごとをそのまま表現したものだろう。無抵抗の学生を強権発動でもって排除していく様子がリアルに描かれている。 しかし、なぜそれほどまでして学生が立てこもったのかが描かれていない。これでは経験に乏しい現代の若者が見ても疑問に思うだけだろう。 毛沢東やゲバラの写真が掲げられてあっても、中は至って平穏。議論も活動も何もない。理想に燃え激論を戦わせた私たち日本の学生運動とはまったく異質、「革命ごっこ」にしか見えず、ずいぶん甘い学生運動だ。やはり資本主義大国の米国ゆえだろうか。 唯一おもしろかったのは食料調達係と雑貨店主人のシーン。 [映画館(字幕)] 5点(2012-02-13 23:35:23)(笑:1票) |
3. 妹
藤田監督による秋吉久美子主演映画の2作目、前作に続いての大胆なヌードを披露するが、映画館で目のやり場に困ったことを今でも覚えている。その秋吉だが、家を飛び出しのは何か訳があるのだろうなと思っていたら、やっぱり・・・。 その兄を演ずる林隆三、初めはいかつい髭を生やしていたが妹が帰ってくるなり、そってしまう。こんな妹だけど何とかしようとするけなげさを見せる。 妹が同棲していた相手耕三も行方がわからないし、その兄妹らも探している。だが耕三の上の兄夫婦は自殺してしまった。こっちの原因は私にはよく分からずじまいだった。 [映画館(邦画)] 5点(2011-09-23 12:10:41) |
4. 犬神家の一族(1976)
シリーズ最初の作品だが、「獄門島」や「悪魔の手毬歌」より後になって見た。もちろん映画の評判は知っていたが、ためらったのは例の佐清のマスクを初めとして、生首が出たり、湖に足が逆さに浮かんだり、気味悪さが目立っていたからだ。そういう気味悪ささえ克服できれば、この「犬神家の一族」はよくできた映画だと思う。私はあまり好きではないが・・・。 [ビデオ(邦画)] 6点(2011-09-19 16:36:37) |
5. 伊豆の踊子(1974)
吉永小百合主演の「伊豆の踊子」に較べ、ずいぶん良い。同じ西河克己監督とは思えないほど、数段の進歩と言わざるを得ない。 山口百恵は美空ひばりや吉永小百合と較べ、出演時の年齢が一番若く、原作のイメージ に近い。それもそのはず、映画初出演で初々しい。次に演出不十分だったところを宇野重吉のナレーターで補ったこと、これもプラス材料。 ラストの別れのシーンは印象的であり、この映画が成功したからこそ友和百恵のコンビが続くことになったのだと思う。 [映画館(邦画)] 7点(2011-06-02 23:41:51) |