21. さまよう刃(2014)
《ネタバレ》 オリジナルの寺尾聡の主人公とは印象が全然違う。ペンションの女性との交流のような要素もバッサリ削られている。 オリジナルは普段感情を抑える日本人らしいタイプで、激しい怒りを秘めながら粛々と行動しているようなところもあった。リメイクは韓国人らしく感情的で犯行も場当たり的。日本人的なオリジナルのほうが主人公に感情移入しやすかった。 どちらにしても原作の小説にはかなわない。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-11-03 21:37:05) |
22. サベージ・キラー
《ネタバレ》 B級ホラーとしてさほど期待せずに見た分、意外とおもしろく見れた。 耳の聞こえない美女が、悪辣非道な鬼畜たちにレイプされて惨殺。先住民の呪術によって蘇る。その魂は白人に殺されたインディアンの酋長が憑依している。美女と酋長の復讐心が合わさって悪党どもをやっつけていくのにカタルシスを感じる。ただし、オカルトパワーを得ても女の体はそのままなので、骨が折れたり腐ってウジが湧いていくのがミソ。自ら体をテープで簡易的な修復をしている画がなかなかシュール。 ホラーといっても全然怖くはなく、バイオレンスな復讐譚。エロはなく、グロ描写はあるがそんなにグロくも感じない。それよりも、黒人の婚約者との哀しいラブストーリーが入っている。あまりに悲惨な姿に変わり果てた愛する女に、油をかけて燃やすしかなかった男。二人の幸せを踏みにじったのは、先祖の時代から先住民を敵視して抹殺を続けるレイシスト。その狂気が浮き彫りになる。 エログロホラーを期待すると拍子抜けするかもしれないが、オカルトの入ったドラマとして見るには良い。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-09-15 19:52:35)(良:1票) |
23. 最高の人生の見つけ方(2007)
《ネタバレ》 冒頭で雪山を歩く人物は、エドワード(J.ニコスソン)に手向けるカーター(M.フリーマン)のナレーションだったので、てっきりカーターだと思っていたら最後でネタバラシ。エドワードの秘書が二人の夢リストの仕上げをするというオシャレなラスト。 そつなくまとまっているウェルメイドな作品だけれど、心は動かされない。粗削りで下手だけど感動できる印象的な映画もあるが、これはその逆のタイプ。冒頭で騙されて意表はつかれたものの、肝心のストーリーが凡庸だし、感情移入もできない。 [CS・衛星(吹替)] 5点(2015-09-11 01:13:48) |
24. 三十九夜
《ネタバレ》 ヒッチコックの巻き込まれ型サスペンスだが、期待はずれ。スパイが持ち出そうとする軍事機密が文書ではなくスーパー記憶男だというワンアイデアのみで強引に作られた感がある。なので、リアリティがまったくない。ハネイにステージ中の記憶男が「39階段とは何か」と質問されてペラペラ真相を暴露するに至っては、口あんぐり。そりゃあ撃たれるでしょうに。そんなバカなことをするわけがない。 ただ、サスペンスの巨匠ヒッチコックだけに引っ張り方は心得たもの。引っ張って期待させられた分、結末がこれかと拍子抜けしたけれど。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-09-07 20:07:37) |
25. 三十四丁目の奇蹟(1947)
《ネタバレ》 児童本のような味わいのハートウォーミングな映画。オチは少女が家を欲しがった時点でわかってしまうけど、それでも楽しめる。空を駆けるようなファンタジーではなく、あくまで人間っぽく、裁判でその存在が認められるのも面白い。サンタを信じる心が世の中に潤いをもたらすよう。 [地上波(字幕)] 6点(2015-07-18 23:39:10) |
26. 猿の惑星:新世紀(ライジング)
《ネタバレ》 猿人と人間の住み分けを図るが、猿人同士、人間同士でも意見の対立から内部分裂が起きる。人間に恨みを持つ武闘派コバがシーザーと離反してクーデターを起こし、人間のコロニーを襲撃して共存はぶち壊し。ここまでくれば、どちらかが滅びるまでの全面戦争は不可避。人間vs猿人の不毛な戦いだが、これは今も世界で起きている民族間の戦いにそっくり当てはまる構図。 猿人のシーザーがだんだんイケメンのヒーローに見えてくるのが不思議。コバがシーザーを引き立てるわかりやすい悪役で、「エイプはエイプを殺さない」の掟を破って受けた報いには溜飲の下がる思い。 [CS・衛星(吹替)] 7点(2015-07-04 01:44:10) |
27. 猿の惑星:創世記(ジェネシス)
《ネタバレ》 最新CGを駆使しての迫力に、技術の進化を実感。ストーリーも40年程前のオリジナルに比べて、随分リアルに猿の反乱を描いていた。新開発のウイルスが猿の進化の発端になるのも、旧作のタイムトリップよりは現代風でありえる話に思える。 施設に収容されたシーザーが猿たちをまとめ上げるカリスマ性は圧巻。ゴリラのバック、オランウータンのモーリスと仲良くなり、ボス猿のロケットを倒してリーダーに君臨。猿たちを統率しての人間への反乱は、英雄が率いる精鋭部隊のクーデターのよう。シーザーがチェ・ゲバラに見えてくる。 [CS・衛星(吹替)] 7点(2015-07-04 01:40:26) |
28. 最後の猿の惑星
《ネタバレ》 シリーズ全5作の最終話。人類との共存をはかるシーザーだが、権力を握ろうとする武闘派のゴリラ、放射能の影響でミュータントとなった集団も絡んで、平和が乱される。1作目につながるようになんとかまとめた感じだけど、ただの辻褄あわせの凡作に終わった印象。最後は期待感もなくコンプリートへのモチベーションと惰性だけで見たけれど、他にも同じ思いの犠牲者が少なくないような。 シリーズ5作の中、名作とされる1作目以降で鑑賞に堪えるのは、3作目だけ。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2015-07-03 00:53:18) |
29. 猿の惑星・征服
《ネタバレ》 昔の黒人奴隷の役割を猿が担う世界。奴隷制度の解放のリーダーとなるのが、コーネリアスとジーラの遺児シーザー。猿への酷い扱いを目の当たりにし、育ててくれたサーカスの団長が尋問中に死んだことで、シーザーの人間への憎しみが燃え上がる。 シーザーは奴隷の猿たちを隠れて集めて人間への反抗を指導するが、そんなことを始めれば1日でバレそうなものだけど。シーザーに電流を流す拷問で、確認もせずに死んだと思い込むのも雑。猿が勝利を収めた反乱も、あまりに簡単で都合がよすぎる。リアリティに欠ける雑なところがたくさんあるが、そこはマンガや童話のようにスルーしないといけないようだ。後に作られた『創世記』『新世紀』も人間への反乱が描かれているが、それらに比べるとストーリーが相当浅い。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2015-07-02 02:06:27) |
30. ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー
《ネタバレ》 ストーリーは極めてシンプル。金庫破りの描写がやたらディテールに拘ってるし、いろいろテンポが悪く長ったらしくて眠くなる。というか、本当に寝てしまったので、もう一度途中から見直すハメに。最後の復讐劇でようやくハッキリ目を覚まさせてくれたけれど、それでは遅い。 [DVD(字幕)] 4点(2015-04-30 21:38:00) |
31. ザ・ミッション 非情の掟
《ネタバレ》 男くさいマフィアもの。 ボスを守るために組織に呼び戻された5人の男たち。 黙々と仕事をこなすさまがプロフェッショナルで渋い。 閉店後のショッピングモールでの撃ち合いが、なんともスタイリッシュ。 『レザボア・ドッグス』にも通じる、リアリティはないけど絵になるしびれるシーン。 空手でいうなら実戦フルコンタクトの迫力ではなく、組手の「型」の美しさのようなものを感じる。 ボスの夫人と寝てしまった仲間を掟に従って処刑しなければならない葛藤と緊張感。 ラストは5人の絆が確認できて爽やかな後味。 香港ノワールはいい。 テーマ曲に中毒性あり。 [DVD(吹替)] 7点(2015-04-03 02:14:02) |
32. サタデー・ナイト・フィーバー
《ネタバレ》 一世を風靡した映画だけど、今見るとちょっとダサい。 ディスコフロアで全員が同じフリで踊っているのは、盆踊りと変わらなく見える。 トラボルタのソロダンスも、当時としては最先端なんだろうが、キレのあるストリートダンスを見慣れてしまうとずいぶん緩慢な動きに感じる。 なので、観客が見惚れるシーンであっても、どうしても温度差が出てしまう。 流行ものは、流行れば流行るほどに鮮度の落ちが歴然となって、残るのはノスタルジーだけ。 ダンスコンテストがメインの映画と思いこんでいたがそうではなく、ダンス以外の要素がたっぷり。 友人の転落死、プエルトリコ人グループとの諍い、主人公に失恋して自暴自棄になった女の乱交。 底辺層の閉塞感や家庭の問題が背景にあって、仲間とのドラマやラブストーリーがある青春映画。 ラストは、あれ?これで終わり?って感じで物足りない。 ヒロインがもう少し魅力的なら良かったのに。 [DVD(字幕)] 5点(2015-03-16 21:15:45) |
33. サンダーボルト(1974)
《ネタバレ》 強盗で奪った金を隠したはずの学校がなくなっていた。 だったら、もう一度強盗をやり直そう。 ドタバタコメディかと思っていたら、最後はアメリカンニューシネマ的に哀愁漂うラストに。 コメディ要素はあるが、特に笑えるところもなく。 クライムサスペンス、ロードムービー、アクションなどいろんな要素を詰め込んではいるけど、すべてに中途半端な印象。 ニューシネマもロードムービーも好きなジャンルなんだけど、あまり入り込めなかった。 このシーンいらないだろうと思えるところもチラホラ。 その逆に前フリが弱くて唐突に感じるところもあって、頭部への暴行が原因らしきライトフットの死も伝わりにくく呆気ない。 作りが雑なために、少しグダグダ感がある。 ジェフ・ブリッジスが若い。 [地上波(吹替)] 4点(2015-03-15 22:38:22) |
34. ザ・スナイパー(2006)
スナイパーのプロフェッショナルぶりに期待したが、そういう話でもなく。 スリルやサスペンス性に乏しくて特に盛り上がりもなかった。 [地上波(吹替)] 3点(2015-02-26 23:04:48) |
35. 最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。
《ネタバレ》 いかにもアキバ系の臭いがプンプン漂ってくると思ったら、やっぱり原作がアニメだった。 なんだか薄っぺらくて、エロも中途半端。 実写でエロを追求するならAVがあるし、萌えを追求するならアニメがある。 内容は陳腐な幽霊もので、ストーリーで魅せるというよりキャラと設定がハマるかどうか。 これを実写でやりきるのは、キャスティングも含めて難しい。 [DVD(邦画)] 3点(2014-12-22 22:28:27) |
36. サマータイムマシン・ブルース
《ネタバレ》 よくよく考えるとやっぱり矛盾はあるんだけど、たとえば99年前に戻ってカッパ伝説を作ったことで過去を変えてしまっているはず。 すべて辻褄を合わせているように見せて、実は合ってない。 でも、ストーリーの流れにどんどん乗せられていくので、その勢いで矛盾を検証する間もなくサッと通り過ぎてしまう。 矛盾を感じなくて済むように脚本も上手く練られている。 そもそも軽いコメディタッチなので、真剣にパラドックスを考えるような作品でもない。 タイムマシンもコントレベルの装置だし、頭をからっぽにしてただ楽しめばいい。 瑛太と上野樹里のラブストーリーの行く末にニンマリ。 [DVD(邦画)] 7点(2014-10-06 23:42:56)(良:1票) |
37. ザ・ペーパー
スクープをめぐって戦場のような紙面づくりの現場。 新聞社の舞台裏が興味深い。 ロン・ハワード監督の職人技で計算しつくした構成と演出。 登場人物が多いのに無駄なくすべてを収集させる緻密な脚本は三谷幸喜を思わせるが、それよりもスピード感がある。 ただ、そのことが長所でもあり短所でもあるような。 息もつかせぬ展開で実に良くできていると感心するけれど、全体的にゴチャゴチャと密度が濃すぎて忙しない印象。 [DVD(吹替)] 6点(2014-09-22 09:58:50) |
38. Sad movie/サッド・ムービー
《ネタバレ》 4つの別離が並行して描かれている作品。 癌の母と息子、消防士と手話通訳士、着ぐるみの聾唖少女(手話士の妹)と画家志望、別れさせ屋を始めたプータローとレジ打ちのパート店員。 一番自然で良い雰囲気だったのが、火傷を負った着ぐるみ少女の話だった。 それ以外は韓国作品にありがちなあざとさが気になる場面がちらほら。 息子が死にゆく母への思いを別れさせ屋に託す展開は無理がある。 消防士がビデオレターのような真似をする時間があれば、必死で逃げようとするだろうに。 いくらフィクションとはいえ現実味がなさすぎると感情移入も難しい。 [DVD(吹替)] 5点(2014-09-19 21:23:43) |
39. 最高のともだち
《ネタバレ》 思春期の少年と中年の知的障碍者との友情物語というわけではなく、内容と邦題がマッチしていない。 少年に起きた悲劇はパパスの自転車盗難をかばったからだが、パパスを恨んだり怒ったりしないのはあまりに人間ができすぎていて不自然。 トムが妻に悲惨な過去を話した経緯もとってつけたようでピンとこない。 感動物のはずだが、感動できず。 [DVD(字幕)] 3点(2014-09-19 12:11:09) |
40. 殺人の告白
《ネタバレ》 リアリティなんてクソくらえとばかりにエンターテイメントに徹している。 そのため突っ込みどころは満載で、それはそれでいいのだけれど、盛りだくさんにしすぎたために目が散ってしまう印象。 サスペンス映画だと思っていたら、意外とカーアクションの比重が大きく、それがしつこく感じられた。 アクションはほどほどにサスペンスに集中してくれたほうが良かったのに。 韓国映画は鬼畜な悪人を描くのは妙に上手い。 どんでん返しもあってストーリーが起伏に富んでいるので、それほどアクションに頼らずとも引き込まれたはず。 [DVD(吹替)] 5点(2014-09-10 21:19:39)(良:1票) |