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プロフィール
コメント数 3885
性別 男性
年齢 53歳

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【製作年 : 1970年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  ザ・ブルード/怒りのメタファー
「何のこっちゃ」な邦題ですが、映画を見ればこれが意外に「どストライク」な邦題であったことに気づきます。 映画の内容の方も、あくまでホラーでありファンタジーなので、こういう事が実際に起こり得るかどうかは問わないことにし、細かい部分まで納得のいく説明がなされているかも問わないことにすると―――そういう事を問うのは元々、野暮というものだけど―――「何のこっちゃ」な展開かと思いきや、最後まで見ると、邦題のコンセプトに沿ってそれなりにまとまった内容であり設定であったことがわかります。 にも拘らずこの作品には、気持ち悪さ、落ち着かさなさ、といったものが横溢しています。何とも言えぬ、割り切れなさ。 前触れなく、突然、映画に登場する襲撃者。映画の中でその正体は明かされるものの、この最初に登場した時の「いる訳のないものがいた」「見てはいけないものを見てしまった」という感覚、これがずっと尾を引いて、最後まで何とも言えぬヤな感じが続きます。確かに、「怒り」の象徴としてこの異形のものたちは存在するのだけど、そういう可視化された「怒り」の裏には、可視化しきれない人間関係のドロドロしたものが渦巻いている。もっとも近接した人間関係である家族、その家族の中にすらドロドロが渦巻いている、という落ち着かなさ。わかっちゃあいるんだけど、それをこうやって映画で突きつけられると・・・。 音楽はハワード・ショア。まだキャリア初期の仕事だと思いますが、これまたなかなかに落ち着かない音楽を響かせて、ヤな感じをしっかり増幅してくれます。
[インターネット(字幕)] 8点(2023-09-02 13:17:54)
2.  ザッツ・エンタテインメント
往年のMGMミュージカルの「さわり」ばかりを集めた超お楽しみ企画。そりゃ、楽しいワケです。でも何となく、こんな風に見どころばかり抜粋して楽しむ、ということに罪悪感みたいなものを感じる部分もあったりして。いわゆるファスト映画的な考え方のハシリのような。 殺人シーンばかりを集めてもホラー映画の面白さはわからないし、エロシーンばかり集めてもポルノ映画の何たるかはわからない。ミュージカルもしかり、と言いたいところだけど、このジャンルが一番、微妙かもしれない(笑)。ドラマとミュージカル部分との、一見、ちぐはぐな関係。それを、ホントに切り離してしまって、ミュージカルシーンだけを楽しんでしまう、ある種の「身も蓋も無さ」加減。それとも単純に、壮大な予告編を楽しんだと思えばいいんだろうか。 せめて、ミュージカル映画の引用以外の部分で見どころがあればいいのですが、そして実際、あのミュージカルスターの今、撮影所の今、が紹介される楽しみもあるっちゃあ、あるのですが、今ひとつ、演出に工夫が欲しい気も。スターが順番に互いを語りあう、という構成はそれなりに楽しめるのだけど。 今でこそ、レンタルビデオからさらに動画配信の時代となって、古い映画を見る機会にもだんだん恵まれるようになってきているけれど、こういう名シーン集を「新作映画」として出してくれることが旧作に触れる貴重な機会だった時代の作品、と思えば、これもまた映画史の中の一コマと呼ぶべき作品なのかも知れませぬ。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-06-17 04:05:07)(良:1票)
3.  ザ・ドリフターズの極楽はどこだ!!
「ドリフで育った世代」というのは、「ドリフを見て」ではなくまさに「ドリフで」育ったのであって、もう絶対に逆らえないというか、なんというか。ドリフというのはあくまで「テレビ番組のドリフ」であって、ドリフ映画が好きなわけではないんだけど、それでもドリフ映画にあの懐かしいメンバーの顔が登場し、そして何よりもあの懐かしい声を聞くと、何だか細胞の隅々までしみ通ってくるような。 こればかりはもう、どうしようもないのよ。 面白いか面白くないかはさておき、ドリフの姿を記録してくれたという点だけでも、やはりドリフ映画には感謝せねばなりません。 で、この作品ですが。通例であれば、いかりや長さんが他のメンバー、特にカトちゃんをイジメて、逆襲されたりされなかったりするところですが、この作品では、憎まれ役の面は後退しており、むしろ、長さんが周りから邪険にされてる状況。頑固オヤジの孤独と悲哀、といったものが、あのゴリラ面と相俟って、何とも言えない味わいを出してます。 出征体験を持つという役どころは、長さんの実年齢とちょっと合わないのですが、しかし合わないと言っても、あとホンの数年、早く生まれていたら、、、という、それが、あの戦争。 ドリフはメンバーの年齢差が大きかったからうまくいった、という話もありますが、年齢差がこの映画ではうまく活かされてます。 でもやっぱり、うまく活かされてるのは、やっぱり、このゴリラ顔、かな。 なかなかイイお話でした。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-02-24 23:09:45)(良:1票)
4.  讃歌
新藤兼人監督ご本人が登場し、オレはマジなんだぞ、という顔をすればするほど、冗談としか思えなくなってくる、そんな映画です。 谷崎潤一郎の「春琴抄」の映画化。 春琴と佐助の二人だけの世界、もはや句読点すらも、その流れを留まらせることは出来ない、ということなのかどうなのか、とにかく、独特すぎる文体で描かれる、独特すぎる世界。 それを映画化するんだから、相当、独特のコトをしなきゃ、ってことなんだとしても、いやはや、随分と気色のワルい映画にしたもんです。 それともこれこそが新藤兼人スタンダードなのかも知れんけど。 白塗り顔のオバチャン(乙羽信子)が語る春琴の姿は、さらに白塗りで、綺麗だとか神秘的だとか言う以前に、ただ不気味。昔話として語られていた二人の世界が、ラストのオバチャンの三味線の演奏によって現代とリンクする、と言いたいところだけど、イマイチこのシーンが効果を上げているような気がしません。 映画全体を通じ、描写がエキセントリックな方向に走りすぎて、かえって起伏が乏しいような。
[インターネット(邦画)] 5点(2022-02-08 22:38:50)
5.  最後の特攻隊
冒頭、この物語は宇垣中将とは無関係です、みたいな但し書きが出てきて、すでに何だか煮え切らない印象。 誰のことも悪くは描きたくない、という気持ちはわからんでもないけど、全編にわたって、いい人ばかり登場し過ぎ、キレイごとを言い過ぎかと。もちろん自由な発言が許される状況ではないのだけど、それならそれで、無念を滲ませるような描写がもう少しあってもよさそうなもの。 「建もの探訪」氏に関わるエピソードには多少、そういう要素も織り込まれてはいますが(特に母との関係)、結局、自己犠牲の美談で丸め込んでしまう。 優等生顔の梅宮辰夫、これはさすがに喋りすぎでしょう。 このテーマを映画の題材に選んだ以上、やはり腹をくくって作品を作るべきだったのでは。 戦争を題材にした作品には、もっとむせ返るようなエネルギーと怒りを感じさせるものがあって、そういう作品と比べてしまうと、やはり無難さが目立ってしまいます。 ただ、空中戦におけるミニチュア撮影のクオリティの高さは、特筆モノだと思います。
[インターネット(邦画)] 6点(2021-12-19 22:57:09)
6.  サランドラ
これは見るからに、イギリスの食人族、ソニー・ビーン事件をモチーフにしているようで、キャンピングカーが砂漠の真ん中で立ち往生となった一家が、謎の食人一味に襲われる、というオハナシ。 隅から隅まで激安感が溢れていて、これでは最高でも4点止まりですが、なかなか味があるので4点満点を差し上げます。 動けなくなったキャンピングカー、その外には妖怪じみた連中、というのがちょっとゴケミドロチックですが、なにせ妖怪じみているとは言え、正体は人間、ただのマヌケな連中という風にも見えてくる。イヌに襲われただけで、もうタジタジだったり。 もうちょっと神出鬼没な感じがあってもよいかと思うのですが、とにかくこのちょっとトロ臭い連中と、はっきり言ってイケ好かない一家との、あまり勝ち負けの行方が気にならない攻防戦が描かれ、マッタリとしたひと時を過ごすには、最高の一本ではないでしょうか。
[インターネット(字幕)] 4点(2021-06-07 23:10:45)
7.  ザ・クレイジーズ(1972)
はい、やっと観ることができました、この作品。 ロメロと言えばゾンビ映画、のイメージですが、この作品はまだキャリア初期の頃、『ナイト・オブ~』の数年後。 『ナイト・オブ~』ではゾンビ対人間、という対立関係・断絶関係に、明確な境界が引かれていて、しかにそこに、人間がゾンビ化したり、人間対人間の断絶が描かれて、境界が揺らぐ。 それが、作品を追うごとに次第に、境界自体が曖昧になっていった感があります。 で、この作品。ゾンビ映画ではないけれど、ネタ的にはかなり近いものがあって、細菌に感染した人々が凶暴化、いわばゾンビ化する、という趣向。防護服を着た兵士、なんてのは、感染者と非感染者の境界をイヤでも感じさせるけれど、一方、あくまで描かれているのは細菌感染なので、当然、感染者と非感染者の境界は揺らぐし、そもそも感染しているのかいないのかも時には区別がつかなかったりする。それどころか、一連のゾンビ映画よりもずっと、両者の関係が相対化されていて、かなり醒めた視線で事件の経緯を描いています。だもんで、特定の人物に肩入れして描かれることもなく、そこが本作の愛想の無いところ。しかしユニークなところ。実験的、と言ってもよいかも。 こうやって見ると、もしかすると、ロメロが本当に描きたかったのは本作のような世界観だったけど、残酷趣味を含めたエンタメ性の確保、という観点ではゾンビ映画しかなかった、ってなことなのかも。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-03-20 06:47:05)
8.  さすらいのカウボーイ 《ネタバレ》 
ロードムービー風ですが、むしろ、ロードムービーの終盤の「旅の終わり」の部分にスポットを当てたような映画。 旅する3人組、その一人が射殺され、命を落とす。何でも、他人の妻に襲い掛かろうとして、成敗されたらしい。残された二人にしてみれば、おそらくは納得いかない話なのだけれど、反論する術もない。それが放浪者の、運命なのか。 ってな訳で、残された二人のうちの一人、ピーター・フォンダが、ついに妻子の元へ帰ってくる。というオハナシ。 しかし、娘は母より、父親はすでに死んだと聞かされており、彼が父だとは思っていない。妻も、夫の不在中には使用人と寝床を共にしていたらしい。もはや父親失格、使用人と何ら変わらない立場。 だけど、そういう人間関係がドロドロしたものとしては描かれておらず、むしろ、大自然の営みの一環であるかのように大らかに描かれていて。 予想に違わず、主人公は、ウォーレン・オーツとのさすらいの生活と完全に縁を切ることはできず、またそこには、ニューシネマらしい「悲劇への誘惑」みたいなものがあって。 悲劇と言えば勿論悲劇なんだけど、それらすべてを抱擁するような、大らかさ。それが魅力ですね。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-09-06 20:05:18)
9.  ザ・ドライバー 《ネタバレ》 
とにかく不愛想な映画でして。登場人物には誰も名前が与えられておらず、タイトルの「ザ・ドライバー」ってのも、これすなわち主人公の役名。登場人物は皆、単なる“駒”扱い。 で、ライアン・オニール演じる「ザ・ドライバー」が、夜の街を走りまくる。他の車が避けるのはまだしも、何だか柱までもが彼の車を避けるみたいに、魔法のごとくスイスイと飛ばしまくる。車さえあれば、もはや不可能なし。 まあ、あまりカーチェイス映画という期待を持ちすぎると、さほどクラッシュシーンがある訳でもないので、肩透かし、という事になりかねませんが、そういう派手さよりも、本作の魅力は、シブさ。夜の雰囲気。 正直、久しぶりに観てみて、アレ、昼間のシーンも結構あったんだなあ、と、意外にも感じたんですけどね。そのくらい、夜のイメージが強い映画、なんです。もっとも、主人公をつけ狙う刑事の役がブルース・ダーンで、これがまあ、頼りないというか、何というか。一見、主人公のクールさに対して、不釣り合い、なんですけどね。でもこれが、ラストシーンではピタリとハマる、まさにハマり役中のハマリ役。 そしてもちろん、イザベル・アジャーニの妖しい魅力も、忘れられません。帽子が似合いすぎ。 終盤のカーチェイス、運転するライアン・オニールの横で、助手席に黙って座っている彼女に、ついつい視線が釘付けになってしまい、スミマセン、このシーンでライアン・オニールがどんな表情で運転しているのか、私はまだ確認できたタメシがありません。何にせよ、二人並んで、言葉も交わさず感情もあらわにせず、激しさと静けさが同居したような不思議なカーチェイスシーンになっていて、妙に印象的。その彼女も最後には悲鳴を上げて、チェイスは終わりを告げるのですが。 で、ラストシーン。ここに至るまでの、主人公とは対極のような下世話な印象のブルース・ダーンが、ここでは何だかやたらカッコいい。登場人物たち全員が、物語における“駒”に徹していて、徹したが故のカッコよさ、とも言えるでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2020-08-10 17:41:07)
10.  さらばバルデス 《ネタバレ》 
イタリア製だからと言ってマカロニウェスタンではなく、ジョン・スタージェスだからと言って王道ウェスタンではなく、ディノ・デ・ラウレンティスだからと言って超大作ではなく、チャールズ・ブロンソンだからと言って・・・いや、ブロンソンらしいシブい映画でした。 普通なら(シェーンなら)「風来坊の主人公が少年のもとにやって来て、ラストで再び旅立っていく」というパターンになるところでしょうけれど、本作では逆に、少年の方がどこからともなくやってくる。ブロンソンは荒野の一軒家にひとり、生活しており、いかにも気難しそうだけど、言う事はなかなか親切(ちょっと少年を甘やかし過ぎかも?)。町の人とはあまり馴染めない一方で、先住民とは交流を持ったりしてて。 「誰のものでもない」と思っていた荒野は、気が付いたら「誰かのもの」になっていて、自由だと思っていた世界は、気が付いたら自由ではなくなっている。一匹狼のような主人公は、居場所を失わざるを得ない訳で。 中盤、主人公がリンチにあうのは、いわば復讐へのお膳立てであり、しかもクライマックスでは銃を持った男たちと一戦交えることになるのですが、本作は完全決着をつけさせることなく、主人公に復讐を果たさせることなく、ただ静かに彼を立ち去らせます。「どこからともなくやってきた主人公」ではなく、「もともとここに住んでいた主人公」が、立ち去らざるを得ない、という不条理。 さらば、西部劇。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-05-02 13:42:20)(良:1票)
11.  サスペリア(1977) 《ネタバレ》 
素晴らしく内装の趣味が悪いバレエ学校を舞台に、素晴らしく意味不明の事件が次々に起こる。 いやホントにワケがわからないんですね。何で殺されるのか(単に犬のしつけが悪かっただけ??ってなケースも)、何であんなにウジ虫がいるのか、何であんなにハリガネが沢山あるのか。 と、ワケがわかんないうちは素晴らしかったのに、魔女がどうたら言い出したあたりからおかしくなる。ウド・キアが出てくるとおかしくなるような気がする(笑)。ムダに残酷だったから良かったものを、それを突然にオカルトに絡めてしまうのが、どうも言い訳がましく感じてしまって。 昼日中っから、そんな相談をする方もする方なら、真面目に答える先生の方もどうかと。せっかくいい感じにワケのわからなかった映画を、ここで唐突に結論づけてしまう。 クライマックスでいよいよ魔女が登場して、これもせっかく透明なのに、「よく見たら、見えてしまっていたので、ヤラレてしまいました」ってのがまたテキトーな感じがして。 正直、初めて深夜放送で見たときには、映画の感想よりも「ついにあの一人で見てはいけないという『サスペリア』を見ちゃったぜ」という達成感みたいなものが先に立ってしまったのですが、冷静になってみると、別に一人で見たって、どうということはなかったなあ、と。 今になってみると、懐かしいなあこの雰囲気、とか思いながら見るワケですが。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-11-23 04:57:15)(笑:1票) (良:2票)
12.  ザ・ドリフターズのカモだ!!御用だ!!
ドリフ映画って、東村山音頭で志村けんさんがブレークする前に終わっちゃったので、加トちゃん中心、ということになるのですが、あと1年、シリーズが続いてたら、どんな映画になってたんだろうな、なんて思ったり。 子どもの頃、年末年始によくテレビでドリフ映画を放送してて、正直、8時だヨ全員集合とかドリフ大爆笑とかから期待するほどには面白くないな、とか思ってたんですが、逆に言えば、テレビみたいなドタバタオンリーではなくって、ちゃんと物語に仕立てている。 とは言え、本作などでも、ラストの結婚式場での騒動なんか、もはや、なぜこんなところでこんなメチャクチャやってるのか、もうワケがわかんないんですが。 それにしても、笑いには厳しいといういかりや長さんがなぜ、決して5人が5人ともが名コメディアンとは言い難いこのメンバーでドリフやってるんだろう、と思ったりもするのですが、こういう映画を観てると、確かに5人の個性がうまく分かれていて、それぞれの役にピタリとはまっている感じがして、ああ、長さんはこういうチームプレーを目指してたんだな、と改めて思います。中でも凡人の代表みたいなブーさんが、映画では意外にいい味出してたりして。 でもって、いかつい顔の長さんが、イジられてナンボ、ヒドい目にあわされてナンボ。特にこの作品では刑事役なもんで、少し銭形警部なんかも思い起こさせるものがあったり。そう、ギャグの中心を担っているのは加トちゃんのようでいて、実は長さんが周りと「ズレてる」ところにこそ、オモシロさがあったりする訳で。 そうは言っても、やっぱり、それほど面白くないんですけどね・・・
[CS・衛星(邦画)] 6点(2018-01-10 22:25:33)
13.  砂漠の流れ者
愛すべきポンコツ親父の周りには、やはりポンコツな面々が集う。どうにも困った生臭坊主に、三流っぽいけど愛嬌あふれる娼婦。 砂漠を彷徨った挙句に水を掘り当てた薄汚い主人公が、駅馬車相手の薄汚い休憩所を作って商売を始める、っていう、一見何とも素朴なオハナシですが、味わい深くって観始めたらやめられない。それに、これだけ立派に薄汚いと、もはやこれは一種の「哲学」でありましょう。 たかが水だけど、それなくして砂漠に置き去りにされれば死を意味するし、またそれを砂漠の真ん中で見つければ、そこにはひとつの社会が生まれ、ひとつの小宇宙が生まれる。となれば、ラストでは水が枯れてしまって物語が終わるんじゃないか、なんて心配もしてしまうのですが、さにあらず。決してそんな短期的な視点の物語ではなく、もっとゆったりと、大きな流れを感じさせるラストで、いや、さすが。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2017-04-22 16:25:54)
14.  サタデー・ナイト・フィーバー
主人公の部屋にロッキーのポスターが貼ってあり、そう言われればこの主人公のダメダメな感じ、確かにロッキーと重なるものはあります。だけど、ロッキーが素朴なダメダメさを貫くことであのクライマックスの興奮を呼び起こしたのに比べると、本作の主人公、中途半端に分別臭いもんだからいけない(せっかく髪型もバシッとエキセントリックにキメてるのに)。無軌道かと思いきや、何かと分別臭い良心的な言動を挟んでしまい、結局、主人公の人物像としては平凡なものに終わりました。 明日への希望を語るのに、「今までの友人とは手を切る」などと、過去を否定しまくってしまうのが、なかなかのユニークさですが、まあ、実に身も蓋もないんですけどね。 それでも何でも、やはり魅力なのが、トラボルタのダンス。もっと観ていたいと感じさせる素晴らしさ。相手役の女優さんにはもうちょっと頑張ってほしかった。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2016-12-11 12:31:44)
15.  真田幸村の謀略
タイトルは「真田幸村の謀略」ですけど、特に謀略らしきものはこれといって無く、フツーにSF超大作です、ハイ。などと言われている時点で、フツーじゃないんですね。真田十勇士の活躍を、劇画チックに、荒唐無稽に、やりたい放題に描いていて、謀略なんぞというアタマを使う作業の入り込む余地など毛頭ございません。脇役もエキストラも火薬も特撮も大量に投入しまくり、もはや闇鍋状態。 主演は松方弘樹、このヒトはさすがに優等生顔で時代劇やってますが、あとは各々、楽しんでやっとりますな。いや、ホントに演じてて楽しいのかどうかはわかりませんが。 家康役に錦之介というのはちょっと意外ながら、なかなかハマってます。「特別出演」となっているんですけど、結構出番も多いし。 千恵蔵は出番多くないけど、自分の腕を切り落とさせる場面の演技などにおける、あの気合の入り方。熱い。暑苦しい。 その他、活躍しそうで活躍しないけどでも印象に残ってしまう加藤清正役の丹波哲郎とか、狂乱のオバチャン淀君・高峰三枝子とか、何かヘンなモノに憑依されたみたいな金子信雄とか、出るわ出るわ妖怪の数々。妖怪じゃないってか。 真田広之、ガッツ石松が肉体系の活躍を見せれば、火野正平も負けじといい動きを見せる。 リーダー格の霧隠才蔵を演じる寺田農はちょっと真面目過ぎたか、あまり目立ちませんでした。 それにしても、猿飛佐助役のあおい輝彦。ここに本作の謎のすべてがある。ああ、何とコメントしてよいものやら。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2016-07-17 22:36:52)
16.  サスペリアPART2 《ネタバレ》 
多分、ずいぶん前に深夜放送で見ようとしたハズなんだけど、前半しか記憶が無い(あの空虚な雰囲気に満ちた夜の街!)ので、きっと途中で寝ちゃったんでしょう(カラクリ人形が迫ってくる場面を見てりゃ、ここも忘れるハズないよね)。ってなワケで、今回、完全版とやらを借りてきて観たんですけれども。まあ正直、かったるい部分はありますわな、完全版の長尺のせいなのかどうなのか。でも、不気味なイメージの数々と、殺人シーンのショック描写と、その一方で主人公と女性記者とのコミカルなやりとり、それらが雑多に配置されているようでありながら、ちゃんと最後には「犯人探し」のミステリとして収束していって、面白くなっていきます。と言ってももちろん、理詰めのミステリではなくて(むしろ内容的にはテキトー)、イメージの収束の面白さ、ですね。廃屋の壁の向こうの秘密、ミイラがあり、不気味な絵があり。不気味な絵は冒頭シーンを通じて、ミイラは『サイコ』を通じて、事件の真相のイメージに繋がっていきます。途中で登場する、消えてしまったダイイングメッセージなんていうのも、メッセージ自体は意味があるのやら無いのやら、ですが、結果的には「鏡」というモチーフがここで提示されていたことになります。その一方で、主人公のコミカルなやり取りなどは、どちらかというと息抜き的に挿入され、やや冗長な気もしますが、周りが騒がしく電話の声が聞き取りにくい、なんていう場面、不気味さとはまた別の「ヤな感じ」を醸し出したりもしています。 『サスペリア』とは無関係な作品で、魔女などの超自然が登場するようなオカルト作品ではありませんが、オカルト的な語法を散りばめたミステリ作品で、「納得感」と「納得いかない感」の微妙なブレンドが持ち味と言えましょう。
[DVD(字幕)] 7点(2015-09-26 09:44:10)
17.  ザ・ディープ(1977)
私も高校生の頃、テレビで初めて本作を観た時には、ジャクリーン・ビセットのスケスケTシャツに一瞬「おおっ」と思ったのは確かなんですけれども、何つうかその、こういう体形をスタイルがいいというのかどうなのか、角ばった肩から伸びる細い腕に、のっぺりした背中、すぐに関心が萎えてしまったのをよく覚えております。しかし勿論、彼女のスタイルがどうこう以前に、映画自体の盛り上がりの無いのっぺり感にゲンナリしたことは、事実でしょう。沈没船の宝探しに、モルヒネのアンプルの争奪戦、という訳ですが、何ともショボくれた内容。申し訳程度にウツボが襲ってきて、一応は海洋アドベンチャーでございます、と。原作・脚本が『ジョーズ』のピーター・ベンチリーで、ご丁寧にロバート・ショウも出演、そりゃヘンに期待しちゃうじゃないですか・・・ピーター・イェーツ監督の演出も、手堅くまとめているということなんでしょうけど、ちょっと生真面目過ぎるのかも知れません(その割には、あのジャクリーン・ビセットが謎の闖入者に襲われるあの「?」なシーンは、いったい何なのやら???)。しかしまあ、本作の見せ場たる海中ダイビングのシーンでも、しっかりと俳優の顔をカメラがとらえていて、ああ、代役じゃなくて本人がガンバってるんだなあ、というのは、確かにひとつの緊張感へと結びついてるかとは思います。あと、魚がタイミングよくカメラに入ってくるのは、たまたまなんですかね、それとも演出としてスタッフさんがそっと魚を放っているんですかね??
[CS・衛星(字幕)] 5点(2015-09-13 08:07:35)
18.  サンダーボルト(1974)
若いジェフ・ブリッジスが義足を装うのはベトナム戦争「終結」(あくまでアメリカにとっての、だけど)直後という時期を反映しているのだろうし、さらには年長者たちが朝鮮戦争について言及しているところなんかからしても、この映画はその背景に、戦争という「日常からの逸脱」を抱えているんでしょう。でも別に、製作時の背景を気にせずとも、この映画自体に、退屈な日常への郷愁と、一攫千金の夢という非日常への憧れとが、満ちています。ボヤボヤっとした日常があり、そこに唐突に非日常が顔を出す面白さ。教会で説教を垂れるイーストウッドが、突然ジョージ・ケネディに襲撃され、さらにはたまたま通りかかったジェフ・ブリッジスのクルマにしがみついて逃亡する、というハチャメチャさ。労働に励むジェフ・ブリッジスが目を上げると、窓の向こうにはハダカのオネーチャン、ってのも、ちょっとした「非日常」の楽しさ。一方の黒ずくめの2人組、ジョージ・ケネディとジェフリー・ルイスは、日常においては明らかに異分子だけど、大金を手に入れるためなら、日常へも無理やり溶け込んでいく。そして彼ら4人が挑む、大金の強奪。4人の演技はどこか気ままで日常を感じさせるもの(ジョージ・ケネディが後ろに倒れこみ地面に座る場面、演技なのか本当につまずいたのか)で、そこで繰り広げられる日常と、ジェフ・ブリッジスの女装姿だとか金庫破りのための巨大な銃だとかいう荒唐無稽さとのギャップもまた楽しくって。しかし、彼らが目指した夢は簡単には手に入らず、意外なところからタナボタ式に手に入ってきた夢もまた、大きな喪失を伴うものだったりする。もはや本当の日常にも戻れないし、夢にも簡単にはたどり着けない、仮にたどり着いたとしても、そこには虚しさが漂う。という、コミカルなんだけどほろ苦い作品でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-08-02 09:11:47)
19.  殺人拳・2
前作のラストでみんな死んじゃったから、第2作とは言ってもきっと関係ないオハナシだろう、と思ったら大間違い。死んでなかったんですね。前作の続きです。しかし、たかだか80分少々しかない作品なのに、前作の回想シーン(というか前作のアクションシーンの再利用)やら、格闘技のデモンストレーションやらが盛りだくさん。これでは中身が殆ど無くなってしまうではないですか。まあ、安っぽいアクション映画ではよく、ストーリーなんてあんまり無くって“アクションとアクションの繋ぎに申し訳程度のストーリーが挿入される程度”ってコトも珍しくないですからね。そういう意味では本作はさらに洗練されていて、そういう糊シロとしてのストーリーすらもなく、アクションシーンがただ羅列され、ひたすら散らかりまくってます。何故か唐突に雪山行ったかと思うと、刺客たちの襲撃を受け、サウナで山城新伍とじゃれあったかと思うとコワモテ連中の襲撃を受け、外人女性と知り合ったかと思うと即ベッドインし、そして即、襲撃される。ああ、慌ただしい。一応、最初はストーリー上の見せ場を作ろうとしたのか、主人公の好敵手のような位置づけで、武術に秀でた警察官・山上というキャラを登場させたのはよいけれど、まあ単なる思いつきだったんでしょう、主人公と大して絡むこともなく姿を消してしまいます(このヒトと、空手師範との、棒読み感あふれる会話シーン)。あと、主人公のマネージャーみたいな女性が出てきて、主人公との関係が気になるところですが、まあ、ほどほどに予想通りの展開ですね。あと、敵のボスの外国人、どうみてもヒッピー風情で、全く貫禄がないのですが、役立たずの部下をあっさり抹殺してしまう冷酷さ。その際の「オマエハ モウ イラナイ!」という、たどたどしい捨てゼリフとのミスマッチが、見所です。そう、見所は、多いんです。一応。
[DVD(邦画)] 6点(2014-05-28 23:19:02)
20.  サルタナがやって来る ~虐殺の一匹狼~ 《ネタバレ》 
←ネタバレ有、と言いましても、ストーリー上は大してバラすようなネタもないのですが(いや、一応は“意外な真相”なども色々とあるのですが、そう大したものではありません)、ラストに出てくる究極兵器(?)があまりに究極過ぎるので、これに言及する以上はネタバレ表示がエチケットかと。で作品はといいますと、ズームイン、ズームアウト、横振り縦振り、時には傾いたり、ひたすらカメラが躍動しまくって、さすがはマカロニ。物語はといいますと、行方知れずとなった金貨とニセ札の争奪戦。アヤシゲな連中がゴチャゴチャと出てきて何だかゴチャゴチャしており、さほど盛り上がる訳でもなく、ついに真相に辿り着いても、まあ、そんなもんかねえ、という感じ。本作の最大の魅力は、主人公サルタナの繰り出す謎の秘密道具の数々にあります。結構セコい秘密道具ですけど。007風、ということも言われますが、忍者風と言ってもよいでしょう。そして、さあここからがネタバレだ。最後に登場する、秘密道具の親玉とも言うべき究極兵器。一見、小型のパイプオルガンなのだけど、鍵盤の上に並んだ、ストップ(オルガンの音色を変えるレバーです)をいじくると、何とパイプが敵に向って倒れ、そこから銃弾が雨アラレと発射されて敵の大群を薙ぎ倒す!! 別に狙いをつけて発射している訳でもないのに斃されまくる敵、弾の来ない方に避けりゃいいやんか、というツッコミを入れる気も失せる、この世のものとも思えぬアホな光景なのですね。もはや喝采を送る以外に、どうすればよいのでしょうか。パイプを見たら武器と思え、これってかつての過激派左翼の発想ですな。そんでもって、あと、秘密道具としては、ライター人形も忘れちゃいけない。人形とサルタナの間に芽生えた友情(?)。ガジェット好みの人のための映画です。
[DVD(字幕)] 7点(2014-02-08 15:11:03)
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