1. さすらいの二人
けっこう印象的なセリフが多い映画です。「全てから逃げている」、「想像してたよりも世界は貧弱だった」、「世の中はおかしいわ」、などなど、何かを求めつつもそれがわからないロックと、無理に大人っぽく振舞う女が告白する言葉の数々、悲しみと虚しさを象徴する言葉の連続だった。また、ロックの奥さんがロックの同僚に性的なものを求めてしまうシーンも印象的で、肉体と精神のズレみたいなものを感じてしまった。だが、所詮、現代の世の中なんてそんなもん、満たされることなんてあるのかよ?というアントニオーニの問いかけを勝手に聞いてしまった気がした。それから、ラストシーン、長回しでゆらりと撮った映像であるが、精神的な砂漠、乾いた心をを表現したシーンとして衝撃を受けた。砂漠にオアシス、つまり、心の充足を見つけ出すのはなかなか難しいものであると感じ、我々にも共通する問題だと思った。 9点(2004-02-19 19:19:23)(良:1票) |
2. 西鶴一代女
溝口健二の女の描き方、すごいですな。田中絹代という一流の中の一流女優が素晴らしい演技で魅せている。堕ちゆく女の一生が悲しくも、はかなくも、美しささえ漂わせながら描かれている。入念に作りこまれた妥協を許さない秀作であろう。 9点(2004-02-10 23:57:21) |
3. ざくろの色
確かに色の使い方がやばい。ストーリー性がない分、映像が際立ちまくっている。詩人の内的世界の美しすぎる映像化に成功したセルゲイ・パラジャーノフに敬意を表したい。とてつもなく高いインスピレーション、私達、凡人には到底及ばない世界だと感じた。うーん、深い、深すぎる! 9点(2004-02-03 14:50:46) |
4. サクリファイス
タルコフスキーの映画は過去、現在、未来という三つの次元のうち、とりわけ過去の次元の表現に焦点が置かれているのはいうまでもないが、「サクリファイス」においては、未来の次元を強く志向しているといえる。この映画において「水」という視覚的主題はついに未来の次元に流れ込み、タルコフスキーの時間の映画は完成されるのだ。郷愁の象徴としてや、時のリズムを表すために用いられてきた「水」は、「サクリファイス」では、水溜まりのシーンや家の前の湿地のシーンなどで、死を表す視覚的主題として使われているところが他のタルコフスキー映画と一線を画していると思われる。しかし、驚くべきことに、最後の海のシーンで奇跡が起きる。オープンニングでは死の水であった海が青さを放ち、波が振動し、時のリズムが奏でられるのだ。ここで観る物は確かな未来を感じずにはいられないのである。また、「サクリファイス」における空中浮揚はまさに圧巻である。世界の破滅からの救済という主題が最高の形で視覚的に表現されているのではないか。まさに恐怖からの解放である。アンドレイ・タルコフスキーの放つ映像芸術、もっと見たかった。この映画で最後とはなんとも残念である。 9点(2004-02-02 22:23:57)(良:1票) |
5. サテリコン
歴史物だが現代に通ずるものがある。欲望、快楽、退廃、こういった要素はいつの時代にも必ずあるものだし、異色作に観られがちだがフェリーニ作品の根底に流れるものは変わらないと思った。特に、宴のグロテスクさ、派手さは快楽の象徴のようであった。フェリーニのインスピレーションに敬意を表したい。 9点(2004-01-20 19:43:35)(良:1票) |
6. さよならS
映像が痛々しい。主人公の葛藤がもろ伝わってくるとこはいい。けどラストはあんま好きじゃないです。 6点(2003-12-13 23:59:57) |
7. ザ・フライ
ジェフゴールドブラムが濃いんだよなー 初めからハエ男って感じがするぜ。チープ感が今の時代にちょうどいいぜ。 6点(2003-11-27 22:48:10) |
8. サンタ・サングレ/聖なる血
エル・トポやホーリーマウンテンに比べたらホドロフスキーらしさが半減するがいい意味では見やすいかなー。親父が妻の両腕ぶった切るシーン危なくてはかなり笑えたぜ。しかし、ホドロフスキーの教育観って一体何でしょうか、実の子供使ってるし、かなり問題あるな。 8点(2003-11-05 23:00:48) |
9. サスペリア(1977)
初めはなんか雰囲気がよくてドキドキしたが話が進むにつれてだるくなってしまいました。 5点(2003-10-26 22:36:03) |
10. 座頭市物語
やっぱり座頭市は勝新ですよ。かっちょよすぎる!!!まさに花があるな。雷蔵も好きだがこれも好きなんだよなー。理由なんかねーよ。 8点(2003-10-25 00:20:01) |
11. ザ・ロック
登場人物がうまい具合に個性もってるからたのしいのです。手に汗握るシーンの連続はいいですな。 7点(2003-10-21 23:28:46) |
12. 猿の惑星
いまとなってはチープな映画に観えてしまうがリメイクよりも個人的にはこっちのほうがいい。猿が人間より上という発想に驚かされたし、映像に雰囲気でてるとおもうんで、最後の絶望感はたまらん。 6点(2003-10-19 21:49:16) |
13. 鮫肌男と桃尻女
あー こういうおしゃれシュール映画は観ててマジ腹立つ。狙いすぎだし、とばし過ぎだし、観て損した。 2点(2003-10-17 00:39:15) |
14. 3-4X10月
たけし映画のなかでは非常にいいと思う。たけし映画の乾いた感じが好きだ 7点(2003-10-17 00:17:13) |
15. サンセット大通り
ノーマ・デスモンドが怖い 昔の栄光にすがって過去のなかで生きている女の悲しさが狂気に満ちていて恐ろしいです。 この女に現在というものは存在しないですね。それが時の厳しさを教えてくれたと感じました。 9点(2003-10-15 00:46:54) |
16. 秋刀魚の味(1962)
小津映画って全然イヤミっぽくないんだよなー、本作も淡々としているがなんだか観た後充実した気分にさせてくれるそんな映画だ。人生の本質がそこにあるような気がする。 9点(2003-10-13 20:31:16) |