Menu
 > レビュワー
 > 鉄腕麗人 さんの口コミ一覧
鉄腕麗人さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2598
性別 男性
ホームページ https://tkl21.com
年齢 43歳
メールアドレス tkl1121@gj8.so-net.ne.jp
自己紹介 「自分が好きな映画が、良い映画」だと思います。
映画の評価はあくまで主観的なもので、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順12
投稿日付順12
変更日付順12
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  さくらん
軽く酒に酔った雛祭りの深夜、ふらりと立ち寄った映画館で、“色”と“艶”に包まれる。 圧倒的な“感覚”に元々の“酔い”は益々広がり、吸い込まれていった。  遊郭の女たちのパワーとモロさ、そしてどうしようもない切なさが、極彩色の映像美の中でめくるめく。 もちろんそこは、華やかさの反面くるおしいほどに「不条理」だが、何かそれ以上に本質的な“美しさ”を感じた。 どうやったって“生き抜く”ということの美しさ、想いを通すことの美しさ、女の根本にある絶対的な美しさ、そういうあらゆる「美」がビジュアルのそれ以上に伝わってきた。  映画初監督となった写真家・蜷川実花の“創造性”は「本物」だ。すでに「完成」されている安野モヨコの原作を、映像作品としてさらに「完成」させてみせたチカラに文句のつけようはない。 さらにそこに、音楽の椎名林檎、主演の土屋アンナが加わり、交わり、今や“ジャパニーズ・ガールパワー”の先頭をぐいぐいと走る才能による物凄い映画が誕生したのだと思う。  雛祭り。まさに“女の祭り”、その夜にこれほどふさわしい映画はなかっただろう。
[映画館(邦画)] 10点(2007-03-04 11:30:18)(良:1票)
2.  サマーウォーズ
ネット上の仮想世界が、現実世界のライフラインをも司るようになったごく近い未来社会。 そんな中、田舎の“おばあちゃんち”に集まった家族一同が、結束して世界を救う。という話。  “バーチャルリアリティ”の世界と、旧家の“おばあちゃんち”という相反する「場面」の融合。 このユニークな題材を、「時をかける少女」の細田守×マッドハウスがどうアニメーションとして描き出すのか。 それは興味深さと同時に、大いなる疑問符を持たざるを得なかった。  が、その疑問符は、圧倒的に高い「創造物」としてのクオリティーの前に、早々に一蹴される。  作り込まれた仮想世界のディープさと、“おばあちゃんち”という普遍的な日本の様式を見事に共存させ、映画に引き込まれるにつれ、この上のない“居心地の良さ”に包み込まれる。 ストーリー自体ももちろん面白かったのだが、マトリックス的に入り組んだ世界観を、決して小難しく表現するのではなく、日本独特の居心地の良さの中で極めて身近な感覚で表現できたことが、この映画のこの上ない価値だと思う。  仮想世界の中でのアバター同士の“つながり”を、現実世界の家族同士の”つながり”、そして世界全体の人間同士の“つながり”にまで昇華していく。 その様は、ネット上でしか繋がりを持てないでいる現代人、すべてを“数字”で処理してしまう現代社会に対する警鐘であり、同時に“救い”のように思えた。  そういうことを、難解なフレーズを並び立てて描き出すのではなく、主人公の少年をはじめ、一人の人間の心の成長の中で瑞々しく描き出す映画世界に、泣けた。  梅雨明け初日、夏のはじまりの日に見る映画として、実にふさわしい。実にスバラシイ映画だ。
[映画館(邦画)] 9点(2009-08-01 12:48:58)(良:3票)
3.  SAYURI
言いえて妙だけれど、“一国の文化”というものは、他国のそれと交じり合うことで、初めてその「本質」と「価値」が見出されるものなのではないか、と思う。 異国の捉え方と表現方法によって、自国の人々が“知らなかった”価値が生まれることもあるのだ。そういうことをこの映画は、燦然と見せつける。 「芸者」という女の生き方。望まぬままにその「運命」へと導かれ、その道程を生き抜いていく一人の女の様があまりに激しく、あまりに美しい。 辛苦の末にようやく手に入れた待ち望んだ“ぬくもり”。 しかし、それでも彼女は「芸者」なのだ。その人生には、もはや神々しさすら覚える。 必ずしも日本という国と芸者という文化を「リアル」に描こうとせず、その文化がもつ本質的な「美意識」を最大限に優先して描かれた映画世界が素晴らしい。 台詞の中に、英語と日本語が混在する脚本&演出方法にも、全然違和感がなく、演者の表現力を最大限に引き出す効果へと繋がっていると思う。 冒頭にも言ったが、他国の文化との“混じりあい”が、素晴らしい世界観を生み出した要因だ。 この作品は、どうやったって日本人だけでは、描ききることができない「日本映画」だと思う。 
[映画館(字幕)] 9点(2005-12-14 01:59:59)(良:1票)
4.  殺人の追憶 《ネタバレ》 
メディア、雑誌等で評価の高い今作に対する危惧、それはやはり今作が実際の未解決猟奇殺人事件を描いた映画であるということだった。つまり猟奇殺人を描いたサスペンス映画でありながら、観る前から観客は「犯人は見出せない」ということを覚悟しなければならない。これはこのジャンルの映画としては多大なハンデである。しかし、この映画は評価に違わぬ明らかな傑作としてその全貌を脳裏に焼き付けることに成功したと思う。この映画世界に流れる空気感こそ、犯罪ドラマにおけるリアリティに他ならない。ソン・ガンホ、キム・サンギョン演じる刑事たちの怒り、焦り、絶望…あらゆる感情が生々しく迫ってくる。今尚、まさに息づく犯罪を描いた今作は、事件に翻弄された刑事の複雑に絡まる感情がにじむ表情をスクリーンいっぱいに映し出して終幕する。事実に対し、勇敢で、潔く、説得力に溢れた映画のエネルギーに圧倒される。
9点(2004-03-30 20:22:05)(良:2票)
5.  ザ・ムーン
人類が「冒険」をしなくなって久しい。「アポロ計画」は、人類が臨んだ最後の「冒険」となっているのではないかと思う。  1本のロケットもまともに打ち上げられなかった時代、「人類を月に送る」と宣言したJFKは、その計画に対しどれほどの「確信」があったのだろう。 作品の中でも語られているが、彼(JFK)は、ヒーローだったのか、夢想家だったのか、狡猾な政治家だったのか、そのすべてだったのか。 ただ何よりも重要なのは、大国の歴史的リーダーが、自国の威信と誇りをかけて「未知」へと進むための具体的なアクションを起こしたということだと思う。 失敗も成功も、何かをしなければ得られないわけで、すべてはJFKの宣言から始まったのだろう。  月へ向かった宇宙飛行士たちが語るアポロ計画の真実、そして「未知」を経験した価値。それぞれのコメントも実に印象深いものばかりだったが、それ以上に感じたことは、彼らの「目」の輝きだった。皆、80歳前後の老齢のはずだが、その目の輝きは、おそらくかつて月へ向かったかの日のままなのだろうと感じた。  莫大な予算を投じ、多くの犠牲もあった。しかし「冒険」の価値は、そのすべてを凌駕する。 有史以降、未知に向けてのチャレンジは、人類自体の成長そのものだったと思う。 即ち、人類としての「冒険」を止めてしまうことは、人類という「種」自体の退廃に直結する。  大偉業から40年。人類は再び、冒険に向かうべきではないか。 
[映画館(字幕)] 8点(2009-05-25 22:02:02)(良:1票)
6.  サマータイムマシン・ブルース
SF」と聞いて個人的に真っ先にイメージされるものは“タイムマシン”であり“タイムトラベル=時間移動”だったりする。 ストーリーの要素としてとても好きなものだし、故にありとあらゆる“タイムマシンもの”を見てきた。 そもそもが、「空想」の範疇を出ない素材なので、その捉え方や描き方には限界はないハズだが、このところの“タイムマシンもの”にはマンネリ化がつきまとうことも事実。そんな中において、ちょっと新しい“タイムマシンもの”が生み出されたと思う。  タイムマシンとしての概念的な新しさは決して求めず、ある意味ベタベタな設定の中で、「おかしさ」のみを追求した結果、まったく新しいストーリー展開が広がったと思う。 「SF研究会」の大学生グループがタイムマシンを手に入れたにも関わらず、ひたすらに壊れたクーラーのリモコンを巡る騒動のみに終始する様が面白い。 学生たちの、ノリの暑苦しさと悪ふざけぶりが、おかしさに拍車をかけ、本広監督らしい小道具の隅々までに気を配る演出が冴える。  登場キャラクターたちのノリの軽さと若々しさは最後まで徹底されるが、だからこそ垣間見える力強さや、切なさは、まさに夏のブルースを掲げるにふさわしい。
[DVD(邦画)] 8点(2006-10-28 12:43:42)
7.  THE 有頂天ホテル
今でこそ数々の映像作品にその活躍の場が広い三谷幸喜だが、やはりホームは舞台劇。ステージ上で展開されるような限られた空間を生かし描いた喜劇にこそ、彼の「笑い」に対する創造性が生かされることはもはや周知の事実であろう。そう一般に言う「グランドホテル形式」こそ三谷幸喜の独壇場なわけだ。ならば、その言葉自体を生んだ名作「グランドホテル」そのものをパロディ化した今作はが面白くないわけがない。 盛りに盛られた三谷流の“笑い”の伏線の数々に、問答無用に“豪華”なキャスト陣がそれぞれ絡み合い、爆笑を通り越してもはや「見事」と言うほか無い。 年越しを目前にして、様々なタイプの人間たちが集い、それぞれの悩みや葛藤を解消していく。笑いと同時に、素晴らしいドラマ性も含んだ映画世界は、愛すべき幸福に溢れていると思う。 ただ残念なのは、この年の瀬を描いた映画が、年明けの二週間後に公開となったこと。やはり、数日でも年末を含んで公開して欲しかったと思う。そして、リアルな年の瀬、もしくは正月に観たかった。
[映画館(字幕)] 8点(2006-01-17 00:23:17)
8.  SURVIVE STYLE5+
怒涛のごとく押し寄せてくる奇怪な人生の“スタイル”。冒頭の浅野忠信のモノローグの通り、彼らのスタイルは、この映画を呑気に映画館で観ている僕たちにはあまりにかけ離れた世界のように思う。しかし、彼ら自身は決して自分たちが奇妙な世界に生きているとは微塵も感じていない。奇奇怪怪な生活を送りながら、もちろん苦悩はするが、彼らの息遣いは実に普遍的なものだ。だから、そんな特異な人生であっても、彼らが日々に感じ取る事は、僕たちのそれと何も変わらない。家族愛、夫婦愛、同性愛…、ひたすらにその中心にあるものは“愛”なのだ。その至極シンプルなテーマをCMプランナーらしいアイデアの羅列の中に描き出す、その画期的な趣向に引き込まれる。 豪華すぎるキャスト陣が揃わなければ成立しなかったであろうこの映画。個人的には、大陸を越えてやってきたヴィニー・ジョーンズの怪演、そして橋本麗香の可愛すぎる“狂気”にぐうの音も出なかった。
[映画館(邦画)] 8点(2004-10-25 18:31:24)(良:1票)
9.  座頭市(2003)
元来エンターテイナーである北野武が初めて挑んだ娯楽映画は、やはり圧倒的なエンターテイメント性に溢れた作品であった。オリジナルの「座頭市」は今だ観たことがないので、勝新太郎との比較はできないが、北野武が言うように、今作は座頭市という名を借りたまったく新しい時代活劇であるように感じた。独創的なユーモアと挑戦に満ちたその娯楽性はインパクトと芸術性を兼ね備えた傑作に昇華されている。浅野忠信の格好良さは印象的だが、それ以上にやはり北野武の存在感が衝撃的な眼光と共に光る。
[映画館(邦画)] 8点(2004-02-06 18:57:40)
10.  13デイズ
ケビン・コスナー主演の大作でありながらプロモーションが極めて小さかったことに彼のスター性の低迷ぶりを感じずにはいられないが、完成度は非常に高かったと思う。JFKを中止にしたキューバ危機に対する米国政府の描写は緊迫感に溢れ、ニュース映像の効果によってドキュメンタリーのように真に迫るものがあった。映画的な起伏にも満ちており、非常に集中して観ることができた。落ち目、落ち目と言われるケビン・コスナーであるが、今作の彼は俳優としての魅力に溢れている。
8点(2003-12-16 20:27:14)
11.  最高の人生の見つけ方(2007)
“最高の人生の見つけ方”、この邦題自体は気に入らないが、そのために必要なのは、自分が既に得ている「幸福」をきちんと見出すことだと思う。 Bucket Listに書かれた“死ぬまでにやりたいこと”をこなしていくプロセスは、あくまでそのためのきっかけに過ぎなかった。 残されたリストの項目が、ひとつずつ、必然的に消化されていく様がとても感慨深く、上質な余韻として残っていく。  ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが、老人の悲哀をそれぞれ演じるという時点で、思わず「ずるい」と言いたくなるくらい安心できる。 そして思惑通りに、二人の大俳優はキャラクターの全く違う老人の哀愁を演じて、魅せる。  それにしても、すっかり“爺さん”になってしまったジャック・ニコルソンには、どうしても少し寂しい感じがしてしまう。だけれど、ふいに見せる相変わらずの“悪ガキ”っぽい目つきを見て安心した。 
[インターネット(字幕)] 7点(2008-09-23 23:35:22)(良:1票)
12.  ザ・マジックアワー
三谷幸喜が、「映画」そのものをパロディー化した「映画」を作った。 それは、今の日本を代表する喜劇作家が、辿り着いた一つの到達点かもしれない。  前作「THE 有頂天ホテル」ほどの娯楽映画としての煌めきはないが、それ以上に、「映画」そのものに対するあらゆる憧れと愛に溢れた映画だと思う。  ひたすらに銀幕での成功を夢見る売れない映画俳優を、今や日本映画界のトップ俳優と言っても決して過言ではない佐藤浩市が演じるという“面白さ”。 そしてその映画俳優の滑稽な様を、絶妙に演じて見せた佐藤浩市と、それを引き出した三谷幸喜。 この俳優と監督のコラボレーションの成功が、そのままこの映画の成功だと思う。  喜劇を、ただ喜劇で終わらせないことが、三谷幸喜という作家が優れた部分で、この映画の核心も、そういう要素が溢れる。  売れない映画俳優が、ギャングの抗争に巻き込まれ、騙されたままひたすらに演じ続ける。 そこには、作り込まれた笑いのエッセンスと共に、どこまでも自分の夢を真っすぐに追い求める不器用な男の愛すべき姿が表われる。  映画が好きな人、夢を追い求める人、または追い求めたことがある人にとって、その姿には、特に胸を締め付ける程の感慨深さが残る。  良い映画だったと思う。  
[映画館(邦画)] 7点(2008-06-10 00:34:49)(良:1票)
13.  サンシャイン 2057 《ネタバレ》 
いわゆる「SF超大作」という娯楽大作にここのところ“当たり”が少なく、もはやネタ切れ状態なのか、“よくあるパターン”の作品が多い。 この「サンシャイン2057」にも、そういう不安はあった。真田広之が宇宙船の船長役で出演していることはとても興味深かったが。観ようか観まいかウロウロと悩みつつ、ふとポスターを見ると重要な要素を見落としていた。 「監督 ダニー・ボイル」。 さすがに一筋縄ではいかない作品に仕上がっていると思う。  脆弱化した太陽を再活性化するための決死のミッションに臨む多国籍編成の8人のクルー。ストーリーとしては何となくよくある感じもするが、出演陣の誰もが“主人公面”していないことが、この映画に用意されている“混沌”を暗示していた。 日本人としてはどうしても船長役の真田広之に注視してしまう。が、存在感と責任感のある日系船長に用意されるプロットはわりと容易に想像できるだろう。  「アルマゲドン」系の地球セービング映画でないことは、冒頭から地球でのシーンを廃し、密室の宇宙船内のみで展開されることからも明らか。映画はふとすればミッションの内容すら忘れてしまうほどに、クルーたちの“精神的”なサバイバルへと突入する。「使命」と「希望」、「生」と「死」の間で混乱していく人間模様に、主題である「太陽」に対する観念的な要素も入り混じり、殊更に映画は混沌としていく。  SF娯楽超大作を期待して観に行くと面食らってしまうことは間違いないが、宇宙での極限状態における人間たちのインサイドをさらけ出そうとした試みは面白かったと思う。 タイトルが示すとおり、ひたすらに太陽の熱に“焼かれる”映画である。
[映画館(字幕)] 7点(2007-04-15 17:33:51)(良:4票)
14.  サンダーバード(2004)
面白かったと思う。オリジナルを見たことはないので、それに対する今作の出来栄えをどうこう言うことはできないけど、細かいことは差し引いたとして、その娯楽精神自体は守られたのではないかと思う。まあ言葉であれこれと言うわけではなく、ぼくは根本的にこういう映画は好きだ。活躍→ピンチ→活躍、このありふれた構図に見事に実写化されたサンダーバードが空を駆ける。これが爽快でなくて何なのだ。
[映画館(字幕)] 7点(2004-08-09 23:54:46)
15.  ザ・コア
ストーリーの展開としては、同じく地球破壊規模の自然災害を描いていることで、「アルマゲドン」や「ディープ・インパクト」と似通ってはいるが、他作と違い、この作品が描く「危機」は地球外からのものでなく地球の核そのものであることが非常に目新しかった。核に到達するために集められたメンバーやその方法がリアリティとしては欠ける部分はあるが、エンターテイメント性に優れたものがあった。核に向かって地中を突き進んでいく描写も迫力があった。災害系娯楽映画の要点を抑えた良作。
[映画館(字幕)] 7点(2004-02-04 18:11:26)
16.  サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS
「心の中のことが周りの人間に伝わってしまう」という主人公の設定は、非常に斬新で映画的な葛藤にふさわしかったと思う。細部の描写に荒さは目立つが、全体的に興味深い展開は非常に楽しめた。個人的には主人公のおばあちゃんが亡くなるシーンで涙が溢れた。
7点(2003-12-16 19:38:37)
17.  ザ・バンク -堕ちた巨像- 《ネタバレ》 
ファーストカットのアップから始まり、終始、主演俳優クライヴ・オーエンの濃ゆい顔面が印象強い映画だった。 特に好きでも嫌いでもない俳優だけれど、改めて振り返ってみると、結構印象強い映画に多数出演しており、決して派手さはないけれど存在感のある俳優だと思う。  そのクライヴ・オーエン主演で、相手役は、これまた地味だけれど確固たる存在感を放ち続けるスター女優のナオミ・ワッツ。 この二人が組むに相応しく、映画は地味で堅実で骨太な世界観を構築している。  世界的な大銀行における巨悪と陰謀を、主人公らが単身対峙し、暴こうとするストーリー展開は、この手の映画ではよくあるプロットではある。 しかし、前述の主演俳優らの堅実な存在感と、ドイツ人監督のトム・ティクヴァの構成力が冴え、独特の緊迫感と映画的な美しさに溢れた見応えのある作品に仕上がっていると思う。 観る者を引き込む多彩なカメラワークは流石で、息を殺しての尾行シーンから突如として激しい銃撃戦に展開させる流れなどは白眉の出来映えだった。  映画のラストは、再び主演俳優の表情を画面いっぱいに映し出して終わる。 ファーストカットのそれと異なり、巨悪を追い詰めはしたが、結局何も変えられなかった主人公の表情は虚無感に溢れている。 カタルシスには程遠いラストだったが、この映画の顛末としてはとても相応しい幕引きだったと思う。  概ね良い仕上がりの映画なのだが、各キャラクターの造形には一抹の消化不良感が残る。 主人公をはじめとして、それぞれのキャラクターへの踏み込みが弱いので、今ひとつ感情移入できない部分もあった。 敵役関連のキャラクターも良い風味は出していたのだが、味わい深いところまで造形が及んでいたとは言い難く、そういう部分がラストの呆気なさに繋がってしまったとも言える。
[インターネット(字幕)] 6点(2013-09-07 16:06:54)
18.  ザ・スピリット
悪が渦巻く犯罪都市、薄汚れた街を愛する不死身のヒーロー“ザ・スピリット”。 アメコミヒーローとしては、基本的にはよくある部類のパターンと言える。 が、そのマニアックさと作品世界全体から滲み出る“禍々しさ”が、非常に特異だ。 時に奇天烈過ぎて、許容範囲を超えてしまいそうにもなるが、ギリギリのところで引き込んでくる。  この映画の最大の見所は、ヒーローの活躍による爽快感でも、センセーショナルな映像世界でもない。 エヴァ・メンデスの完璧な曲線美、そしてスカーレット・ヨハンソンのコスチュームプレイ。この二つに尽きる!というかそれしかない。 と、言うと、非常に映画自体を卑下している印象だが、そうではない。  映画という物は、良いものになるほど、そのハイライトは明確に限られてくるものだと思う。 つまりこの映画の場合、二人の美女の艶かしい競演こそが、最大のハイライトであるということで、それが作品の価値を大いに高めているポイントだ。  同監督原作の「シン・シティ」や「300」ほどの完成度は無かったことは否めないが、決して万人受けはしないであろう奇抜な世界観を、見事にビジュアル化して見せていると思う。 
[映画館(字幕)] 6点(2009-06-07 12:43:56)
19.  ザ・センチネル/陰謀の星条旗 《ネタバレ》 
「大統領暗殺」の陰謀を描いた映画は山のようにあって、作品の本質的な面白さを比較すれば、この映画は中の下というところだろうが、もうほんとに久しぶりにこの手の映画を観たせいか、存分に楽しめたと言っていい。  キーファー・サザーランドが“ジャック・バウアー”に見えるとか見えないとか言う危惧は、「24」を全く未見なので問題なかったし、伝説のシークレットサービスなのにファースト・レディと不倫してしまっているというリアリティのない設定も、マイケル・ダグラスなら「仕方ないか……」と意味不明な納得をしてしまった。  結論的にはストーリーにそれほどひねりはないし、キャラクターに対する焦点も今ひとつ定まらないけど、テンポよくポンポンと事が流れていくので、娯楽映画としてストレスがなかったことが作品を救っている。 ダグラス、サザーランド、ベイシンガーと実力のある俳優を配していることも、映画としてウマくまとまった要因だろう。  それにしてもシークレットサービスのシゴトぶりは徹底している。が、あれほどストレスフルなシゴトもないのではないか。 そう考えると、現米国大統領のシークレットサービスのシゴトの壮絶さは想像を絶してしまう。
[DVD(字幕)] 6点(2007-10-06 00:23:58)
20.  ザスーラ
「A NEW ADVENTURE FROM THE WORLD OF JUMANJI」というコピーの通り、ロビン・ウィリアムス主演の「ジュマンジ」のスペースバージョンという映画。 個人的に「ジュマンジ」は、かなり優れた娯楽映画だと思っているので、完成度の高さを比べてしまうと、今作は到底及ばないというのが正直な結論だが、対象年齢をぐっと子供向けに下げた娯楽映画と捉えれば、まあ悪くはないのではないかと思う。  あまり製作予算が取れなかったようで、全体的に“つくり”がチープな感じがするが、映画の“おもちゃ的”な性質を反映したと考えれば、これはこれで「味」があったと思う。  父親役の名優ティム・ロビンスが完全に脇役に留まっていたことや、主人公の兄弟を演じた子役らにもう少しキュートさがあればなど、映画としての魅力にもうひとスパイスあれば、もっと面白味が出たと思う。
[DVD(字幕)] 5点(2007-11-17 13:15:22)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS